創業融資とホームページ制作を別々に考えると、知らないうちに「審査評価」と「手元資金」の両方を削っています。金融機関は、創業計画書だけでなくホームページも含めて事業の実態と継続性を判断しますが、評価されるサイトの条件と、資金計画との正しい組み合わせ方は、一般的な起業ガイドや無料相談ではほとんど語られていません。
ホームページを急いで作った結果、設備資金に偏りすぎて運転資金が不足したり、「無料サービスで十分」という判断で集客動線が弱くなり、開業初年度の売上が想定より伸びずに返済が重くのしかかったりする事例は珍しくありません。逆に、創業計画書のストーリーとサイト構成を丁寧にリンクさせ、日本政策金融公庫の創業融資と信販の分割払いを組み合わせることで、審査と資金繰りの両方を有利に運んでいる起業家もいます。
この記事は、創業融資を前提にホームページ作成を検討している人に向けて、「融資」「計画書」「ホームページ制作」「支払いスキーム(分割・リース・補助金)」を一体で設計するための実務ガイドです。金融機関や税理士が実際に見ているポイントと、Web制作現場で起きている途中頓挫の原因を踏まえ、「どのタイミングで」「どの程度の費用を」「どの調達方法で」ホームページに投下すべきかを、具体的に判断できるレベルまで分解します。
このまま自己流で進めると、次のような損失が起きやすくなります。
- 本来通るはずの創業融資で、ホームページの位置づけがあいまいなせいで評価が伸びない
- ホームページ費用を一括払いにして融資枠を圧迫し、開業後の広告・運転資金が足りなくなる
- 公庫融資と補助金と信販分割を同時に狙い、スケジュールと書類が破綻して案件が遅延する
これらを避けるために、本記事では単なる「起業家のためのホームページ作成ガイド」ではなく、創業融資と資金調達方法を前提にしたホームページ戦略として整理しています。各セクションで得られる実利は次のとおりです。
| セクション | 読者が手にする具体的な武器(実利) | 解決される本質的な課題 |
|---|---|---|
| 構成の前半(審査の視点・失敗パターン・計画書とHP構成・CMSの選び方) | 金融機関がホームページで何を見ているか、創業計画書とどう整合させるか、どの制作プランなら創業段階で過不足がないかを判断できる指針 | 「HPはあった方がいいらしい」という曖昧な理解のまま、融資審査と開業後の集客に効かないサイトへお金を投じてしまう構造 |
| 構成の後半(途中頓挫の原因・信販や分割の組み立て・ケーススタディ・チェックリスト) | 公庫融資と信販分割・リース・補助金をどう組み合わせれば、審査とキャッシュフローを安定させつつ、必要なレベルのサイトを導入できるかが具体的に分かる | 見積もりも計画書も用意したのに「支払い方法」と「申請順序」のミスで案件が止まり、開業スケジュールや資金繰りが崩れる状況 |
創業手帳や一般的な融資ガイドでは届かない、「ホームページ制作費をどう調達し、どう計画書と紐づけるか」という金融実務レベルの判断軸まで踏み込んでいます。これから創業融資を申し込み、ホームページを作るか迷っている段階なら、ここで得た視点を先に押さえるかどうかで、今後数年の手元資金と集客力に大きな差が出ます。続きを読み進め、あなたの事業にとって最も合理的な「創業融資×ホームページ作成」の設計図を手に入れてください。
創業融資でホームページは本当に有利か?ネットにない「審査の視点」を分解する
「ホームページがあれば創業融資に有利らしい」
このフレーズだけで動くと、資金計画も信用も両方削ることになります。金融機関は「あるかどうか」ではなく、事業計画とどれだけ噛み合っているかを冷静に見ています。
創業融資の面談では、創業計画書・試算表・口頭説明に加えて、WebサイトやSNSを開きながら確認する担当者が増えています。日本政策金融公庫の新規開業実態調査でも、販路に「インターネット」を挙げる企業が一定割合あり、Web活用はビジネスモデルの一部として扱われています。
創業者側が押さえるべき視点は3つです。
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ホームページが「言っていること」と創業計画書が「書いていること」がズレていないか
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売上予測の根拠として、Web経由の集客ルートを説明できるか
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初期費用・運用費を含めて、資金繰り(手元の現金)が持つ設計になっているか
ここを外すと、どれだけ見栄えの良いサイトでも、融資の場面では逆効果になります。
創業計画書に書けない“本音”:銀行・公庫がホームページでチェックしているポイント
担当者がホームページを見る理由は、「この計画は机上の空論か、それとも実際に動き始めているのか」を確かめるためです。現場でよく話題に上がるチェックポイントを整理すると、次の通りです。
| 視点 | ホームページで見ているポイント | 創業計画書との関係 |
|---|---|---|
| 事業の具体性 | 商品・サービス内容、料金、対応エリアが明記されているか | 「事業内容」「サービス一覧」欄との整合性 |
| 集客ルート | お問い合わせ導線、予約フォーム、CTAがあるか | 売上計画に書いた「集客方法」の裏付け |
| 信頼性 | 会社概要、代表プロフィール、所在地、許認可の記載 | 「代表者の略歴」「強み」と矛盾していないか |
| 継続性 | 更新履歴、ブログ・お知らせの有無 | 「今後の計画」で書いた活動とリンクしているか |
「電子申請だからURLは見られない」と考える人もいますが、今は担当者が検索して到達するケースが普通にあります。事業名や屋号、代表者名で検索したときに、出てくる情報の一貫性まで見られていると考えた方が安全です。
「HPがあれば有利」は半分ウソ?創業段階で評価されるサイトとされないサイトの違い
ホームページの有無より、質と一貫性が問われます。評価されにくいのは次のタイプです。
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テンプレそのままで、どんな事業か伝わらない
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料金が曖昧で、「高いのか安いのか」「本当に提供しているのか」判断できない
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代表者名・所在地・連絡先が創業計画書と違う
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「準備中」「Coming soon」が多く、開業の本気度が見えない
逆に、創業段階でもプラス評価になりやすいのは、次のようなサイトです。
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創業計画書の「事業内容」「ターゲット」「提供価値」がそのままページ構成に落ちている
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サービス一覧と料金が明確で、売上予測の前提をサイトで示せる
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問い合わせフォームや予約システムが整っており、「すぐ売上につながりそう」と感じられる
ここで重要なのは、「高額なオリジナル制作かどうか」ではありません。計画とサイトのストーリーが一本の線でつながっているかです。
創業融資専門の税理士・金融機関のコラムから見える、最新の評価トレンド
創業融資に詳しい税理士や支援機関のコラムを横断して読むと、ホームページの評価トレンドには共通点があります。
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「自己資金を減らすからHP投資は悪」という単純な見方は弱まり、「早期の売上立ち上げに必要な投資か」で見る流れ
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無形サービス・IT系ビジネスでも、具体的なWeb戦略があれば、高額の設備資金を認めるケースが増えている
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Webを主要販路にする企業ほど、事業計画書とサイトの齟齬がないかを細かくチェックされる
日本政策金融公庫の新規開業実態調査では、インターネットを販路とする企業の一部で、売上成長が良好な傾向が示唆されています。このため、ホームページは「贅沢品」ではなく、売上のエンジンとして筋が通っていれば、前向きに評価される投資項目になりつつあります。
創業者側は、「有利か不利か」という二択ではなく、どのレベル・どんな中身なら融資担当者の納得感を得られるかを基準に、制作範囲と費用を決めることが重要です。
どこから間違う?創業者がホームページ制作と資金計画でハマりがちな落とし穴
「創業融資はほぼ固まった。あとはホームページを発注するだけ」
このタイミングでズレると、後から効いてくるのは評価よりもキャッシュフローの痛みです。現場でよく見るのは次の3パターンです。
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HP制作費の位置づけを誤り、運転資金がスカスカになる
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無料サービスに逃げて、初年度の集客が立ち上がらない
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補助金と融資を両取りしようとしてスケジュールが破綻する
制作費用の内訳が崩壊させるキャッシュフロー:設備資金と運転資金の線引きミス
創業計画書では、ホームページ制作費は原則設備資金(開業費・無形固定資産)側に置くのが筋です。ここをあいまいにして、運転資金側を削ってしまうと、開業3〜6カ月目の「家賃・人件費・広告費」が持たなくなります。
金融機関が見ているのは「サイトにいくらかけたか」よりも売上計画とのつながりです。
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どんなサービスを
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どのターゲットに
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ホームページ経由でどの程度獲得する前提か
ここが計画書とHP仕様書でズレていると、「この投資、本当に必要?」と問われます。逆に、融資でまかなうのは初期の骨格部分だけにして、デザインや追加機能は分割払いに逃がすという組み立てにすると、融資枠を圧迫せずに済むケースもあります。
「無料サービスで十分」のワナ:起業初年度のWEB集客が失速するパターン
無料のホームページサービスや名刺代わりの1ページは、一見コスパが良く見えます。しかし創業融資を取りに行くレベルの事業で、これに寄せすぎると信用と集客の両方が弱くなることが多いです。
下の違いを面談側は冷静に見ています。
| 項目 | 無料サービス中心 | きちんと設計した自社サイト |
|---|---|---|
| 独自ドメイン | ない場合が多い | 会社名・屋号のドメイン |
| 事業の説明量 | テンプレ内で制限されがち | サービス詳細や事例を十分に掲載 |
| 拡張性 | デザイン・SEOの自由度が低い | CMSでコンテンツを増やしやすい |
| 印象 | 副業・個人ブログ感が出やすい | 「この事業で食べていく」本気度が伝わる |
無料サービスそのものが悪いわけではありません。「いつまでの暫定か」「本番サイトをいつ立ち上げるか」を決めないままズルズル使い続けるのが問題です。初年度の売上計画に「Web経由の受注」を入れているなら、少なくとも以下は有料ゾーンで押さえておきたいところです。
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独自ドメインと公式サイトの体裁
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サービス説明ページと料金ページ
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会社概要・代表プロフィールの充実
補助金と融資を両方狙って失敗する、書類・申請スケジュールの典型トラブル
IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金を見つけると、「補助金でHPを作って、創業融資は運転資金に回そう」と考える人が一気に増えます。考え方としては間違いではありませんが、申請スケジュールと“支払いタイミング”を読み違えて詰むケースが目立ちます。
ありがちな流れは次の通りです。
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補助金の採択結果が出る前に創業融資の面談が来てしまう
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「補助金で賄う予定」と書いたHP費用の裏付けが弱く、金融機関に突っ込まれる
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補助金は「いったん全額支払ってから後払いで一部戻る」形式が多く、自己資金が一時的に枯れる
補助金と融資を両方使うなら、最低限押さえたいポイントは3つです。
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補助金は「当たればラッキー」で、創業計画書は補助金なしでも回る前提で組む
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ホームページ費用は、融資+自己資金+分割払いに分散しておき、補助金は後から入ればキャッシュの上乗せと考える
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申請締切・採択発表・交付決定・支払い・実績報告のタイミングを、創業融資の申請・面談・入金スケジュールと一枚のカレンダーで重ねておく
この整理をしておくだけで、「補助金も融資も通ったのに、手元資金だけが足りない」という本末転倒をかなり防げます。
創業計画書とホームページ構成をリンクさせる「起業ポイント」設計術
創業計画書とホームページ(WEBサイト)がバラバラだと、金融機関の頭の中に「この事業、実際どう動くの?」というモヤモヤが残ります。逆に言えば、計画書=設計図、ホームページ=完成予想図としてピタッと揃えるだけで、「事業の具体性」と「集客の現実味」が一気に伝わります。ここを外すか押さえるかで、創業融資の印象が大きく変わります。
事業内容・業種のストーリーをそのままサイト構成(ナビゲーション)に落とし込む方法
まずは、創業計画書の章立てをそのままナビゲーションに写経するイメージを持ってください。よくある構成対応は次の通りです。
| 創業計画書の項目 | ホームページのメニュー例 | 金融機関が読み取るポイント |
|---|---|---|
| 事業の概要 | トップページ+サービス概要 | 何を誰に売るビジネスか |
| 取扱商品・サービス | サービス詳細ページ | 強み・差別化要因 |
| 販売方法・取引条件 | ご利用の流れ・料金ページ | 集客〜受注の現実性 |
| 取引先・外注先 | 取引先・パートナー紹介 | 体制・支援ネットワーク |
| 従業員・体制 | スタッフ紹介 | 実行できる人員か |
| 事業の見通し | 事例・お客様の声(予定含む) | 売上計画の根拠 |
金融機関や日本政策金融公庫の担当者は、計画書の「事業内容」「販売方法」「強み」を見たあと、サイトで同じストーリーが一貫しているかを確認する傾向があります。
そのため、ナビゲーションを決める際は次のチェックを必ず入れてください。
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創業計画書の見出しごとに、対応するページが1つ以上あるか
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起業する業種(飲食・サロン・士業・ECなど)ごとに、「初めての人が一番知りたいこと」を左から順に並べているか
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無料サービスや特典、キャンペーンを出す場合は、計画書の販促費・売上計画と整合しているか
これだけで、HPが「飾り」から「事業説明ツール」に格上げされます。
事業計画の数字とHPのコンテンツを合わせる:料金・サービス一覧・活用例の作り方
売上計画とホームページの料金・サービス一覧がズレると、途端に信用が落ちます。
例えば、計画書で「月30件×単価3万円=売上90万円」と書きながら、サイトに料金表がない、または単価感が全く違うケースはよく指摘されます。
数字とコンテンツを合わせるコツは3つだけです。
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料金帯を階段状に見せる
- 例)ライトプラン3万円/スタンダード5万円/プレミアム8万円
- 計画書の平均単価に近いプランが「一番選ばれそう」と伝わるように構成する
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活用例で「数量×単価」のイメージを出す
- 「月に◯件依頼をいただくと、売上◯万円規模になります」と利用シーンに添えて記載
- 公庫の売上計画表と同じ単価を使うと、金融機関側が計算しやすい
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無料相談・初回特典は計画書の販促費とセットで説明する
- 「初回無料」「無料ガイド配布」などを打つ場合は、創業計画書の「広告宣伝費」「販路開拓方法」にも同じ施策を書いておく
このレベルで数字とWEBコンテンツを同期させている起業家は、現場ではまだ少数派です。その分、やった人の評価差は大きくなります。
創業融資の面談で説明しやすい「会社概要」「代表紹介」「沿革・承継」ページのコツ
創業融資の面談では、担当者がノートPCでホームページを開きながら「この方はどんな経歴で、なぜこの事業をやるのか」を確認するケースが増えています。そこで効くのが、面談トークの台本として使えるプロフィール設計です。
会社概要・代表紹介で押さえるポイントは次の通りです。
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会社概要ページ
- 事業内容は、創業計画書の「事業の概要」とほぼ同じ文章を掲載
- 取引金融機関に「日本政策金融公庫」「◯◯銀行」などを記載する場合は、実際に口座開設・融資申請予定の機関だけに絞る
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代表紹介ページ
- 経歴は「この事業に関係する職歴」と「数字で語れる実績」を中心に
- 例)「前職のWEB制作会社で年間◯◯サイトを担当」「飲食店店長として売上◯%アップ」など、事業計画の説得力につながるものを優先
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沿革・事業承継ページ(必要な場合)
- 家業承継やフランチャイズ加盟の場合、「いつ・誰から・何を引き継いだか」を時系列で整理
- 計画書の「これまでの事業経験」「親族からの支援」と矛盾しないようにする
面談の場では、これらのページを見せながら「ここに書いている通りでして」と説明できれば、余計な雑談を減らし、融資判断に必要な情報だけを短時間で届けることができます。創業者の時間も、金融機関の時間も節約できる構成が、結果的に起業の成功確率を押し上げます。
WordPress・CMSは本当に必要?創業段階で迷わない制作・運用プランの決め方
「公庫の面談まで2カ月。WordPressで作るべきか、ペライチで逃げるか」
創業期のホームページ相談で、一番揉めるポイントがここです。融資とキャッシュフローを意識するなら、最初に決めるのは「ツール」ではなく「更新の現場」です。
テンプレート+CMSで十分な業種/オリジナルデザインが効く業種
創業段階で“攻めすぎない”方が安全な業種、“デザイン勝負”した方が融資後の売上に効きやすい業種は、経験的に分かれます。
| 区分 | テンプレ+CMSで十分なケース | オリジナル重視が効きやすいケース |
|---|---|---|
| 業種イメージ | 士業、コンサル、教室、BtoBサービス | 美容サロン、クリニック、飲食、ブランディング重視のEC |
| 評価されるポイント | コンテンツの具体性、料金表、実績 | 世界観、写真クオリティ、予約導線 |
| 創業融資との関係 | 事業計画書との整合が取れていれば十分 | 「他店との差別化」の根拠として説明しやすい |
| 推奨ツール感 | WordPressテンプレ or 国産CMS | WordPressオリジナルテーマ制作 |
創業融資の面談では、「どのCMSか」より「誰に何をどう売るサイトか」の方が圧倒的に見られます。業種的に“見た目で選ばれる”ビジネスでなければ、テンプレ+CMSで融資審査も集客も十分通用します。
更新・運用まで考えたときの、制作費用とSEO対策コストのリアルなライン
融資担当が気にするのは、ホームページ費用そのものではなく、毎月の手残り(キャッシュ)を食い潰さないかです。
| 項目 | 目安ライン | 融資・キャッシュ面でのコメント |
|---|---|---|
| 初期制作費 | 20〜50万円 | 創業計画書の設備資金として違和感の少ないゾーン |
| 本気のオリジナル | 80〜150万円 | 「なぜここまで投資するか」のストーリー説明が必須 |
| 月額保守・運用 | 5,000〜3万円 | 更新代行+軽いSEO対策込みが多い |
| SEO・広告予算 | 月3万前後〜 | 売上計画とのリンクを面談で説明できるかが重要 |
日本政策金融公庫の新規開業実態調査でも、開業直後からインターネット販路を活用している企業は一定数存在し、その後の売上成長との関連が示唆されています。
「初期費用を削りすぎて集客導線ゼロ」もリスク、「高額制作で運転資金がカツカツ」もリスク。数字上は、制作費は一時的、運用費は毎月の返済と並べて耐えられるかで判断するとブレにくくなります。
外注と自社更新の「作業分担」を決めるチェックリスト
創業者がよく失敗するのが、「全部自分でやる」と宣言して、半年更新ゼロになるパターンです。WordPress・CMSを入れる前に、次のチェックを済ませてください。
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週1回、30分〜1時間を「サイト更新の時間」として確保できるか
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写真撮影や文章作成を、自分で用意できるか
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SEOやアクセス解析に、自分で触る意思があるか
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料金改定やサービス追加を、メール1本で外注先に依頼したいか
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社内に将来、Web担当を置く計画があるか
目安として、
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上の3つに「はい」が多い → WordPress+自社更新寄り
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下の2つに「はい」が多い → 更新代行込みの外注プラン寄り
という整理が現場ではしっくり来ています。
創業融資に強い税理士や支援機関も、「事業計画書の更新頻度」と「ホームページ更新体制」はセットで聞きたがります。CMS選びは、融資後3年の“更新の現場”から逆算して決めるのが、安全かつ戦えるラインです。
創業融資×ホームページ制作で起きる“途中頓挫”のリアルと回避策
創業計画書もホームページの見積りも揃って「さあ発注だ」と思った瞬間に、話がピタっと止まる。現場ではこの“途中頓挫”が驚くほど多い。原因の多くは「支払い方法」と「審査ルート」の設計ミスだ。ここでは、公庫融資とホームページ制作費の分割払いを組み合わせるときに起きがちな詰まりどころを、実際のパターンに踏み込んで整理する。
見積りも計画書もOKだったのに…支払い手続きで案件が止まる3つの理由
創業者と制作会社が「内容」と「金額」で握ってから止まる典型パターンは、次の3つに集約できる。
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支払い手段が曖昧なまま見積書だけ先行
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創業融資の入金タイミングと信販審査の順番が逆
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信販会社ごとの審査方針の違いを無視した一括申込
この3つが重なると、ホームページが「計画書にはあるのに、いつまでも着工しない幽霊設備」になる。整理するとこうなる。
| 詰まるポイント | 何が起きているか | よくある勘違い | 回避のポイント |
|---|---|---|---|
| 支払い手段の曖昧さ | 見積書だけ出ていて、支払い方法が後回し | 「融資が出たらそのお金で払う」で十分 | 見積書と同時に支払いスキーム案も提示 |
| タイミングの逆転 | 公庫融資だけ先に進め、信販は後で考える | 「融資が通ってからでも分割は組める」 | 融資申請前に概算審査や方針を確認 |
| 信販会社の一括申込 | 条件を見ずに複数社へ同じ内容で出す | 「どこに出しても結果は同じ」 | 商材・創業期向きの会社を選んで申込 |
創業者側から見ると「審査は融資だけ」と思いがちだが、信販・リースにも別の与信審査があり、ここでNGが出ると高額なホームページ制作は一気に不透明になる。制作会社側も「分割払いできます」とだけ案内して、どの信販ルートが創業案件に向いているかまで踏み込めていないケースが多い。
他社信販で否決された案件がルート変更で通ることがあるワケ(融資制度との違い)
創業融資は、日本政策金融公庫や銀行など「金融機関ごとの審査基準」があるが、制度としての枠組みは比較的オープンに公開されている。一方、信販やビジネスクレジットは、会社ごとの審査ロジックや得意な商材がかなり違う。
実際に公開されている事例を見ると、
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同じホームページ制作費300万円の案件が、ある信販会社3社では否決
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その後、信販代行事業者が別の提携信販会社にルートを変えたところ、2日後に可決
というケースがある。この差を生む要素はおおむね次の通りだ。
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物販中心を得意とする信販か、ITサービス・HP制作にも慣れている信販か
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個人事業主や創業1年未満の法人をどこまで対象にしているか
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分割回数や立替金額に対する社内基準
公庫融資は「創業計画書」「事業計画書」を読み込んで判断するのに対し、信販は「申込内容+信用情報+商材特性」をテンポ良く見ていく。どの信販会社に出すか、どんな説明を添えるかで、同じホームページ制作でも結果が180度変わることがある。ここを把握しているかどうかが、創業者にとっては「ちゃんとしたサイトを持てるかどうか」の分かれ目になる。
実務で見かける「公庫融資+信販分割」の組み立て方と、素人がやりがちな順番ミス
創業現場でよく使われるのが「公庫の創業融資+ホームページ費用は信販分割」という組み合わせだ。運転資金と設備資金を公庫で押さえつつ、ホームページ制作費を毎月払いにしてキャッシュを厚く残すパターンである。
うまくいく組み立て方の流れは次の通り。
1 公庫向け創業計画書のドラフトで、ホームページ投資の目的と費用感を明記
2 同時並行で制作会社と打ち合わせし、サイト構成案と概算見積りを取得
3 制作会社経由または信販代行経由で、創業者属性に合う信販会社へ事前相談
4 公庫に提出する「必要な資金と調達方法」に、ホームページ費用の内訳と支払い方法をセットで記載
5 公庫融資の結果を待つ間に、信販側の本審査を進めておき、融資実行とほぼ同時に着工
一方、現場で頻発する順番ミスはこうだ。
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公庫融資だけ先に申請し、「HPは通ったら考える」と後ろ倒し
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見積書の金額だけを計画書に書き、支払い方法を書いていない
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公庫の結果が出てから信販申込をし、否決されて制作内容を大幅ダウン
この流れになると、創業初年度のWeb集客のギアが一段落ちる。設備資金は確保できたのに、肝心のホームページが「安いテンプレサイトで最低限だけ」という状態になり、売上計画の裏付けが弱くなる。
創業融資とホームページ制作をリンクさせるなら、
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「いくら借りるか」より前に「どのレベルのホームページが事業に必要か」を決める
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そのうえで、公庫と信販という別軸の審査タイミングを設計する
という順番が安全だ。ここさえ押さえておけば、「見積りも計画書もOKなのに支払いで止まる」という不毛な頓挫はかなり減らせる。
分割払い・信販・リースをどう組み合わせるか:資金調達方法のプロ視点ガイド
「ホームページは欲しい、でも創業融資の枠は削りたくない」。ここを雑に決めると、開業半年で財布(キャッシュフロー)が一気に苦しくなります。制作費の“支払い方”を設計するだけで、同じサイト費用でもリスクと余裕はまるで別物になります。
ホームページ制作費を一括で払うべきケース/分割・リースが有効なケース
まず「一括が正義」という思い込みを外します。創業期は、運転資金=生存資金です。HP費用をどこまで前払いしてよいかは、業種と手元資金で線引きします。
一括が向くのは次のようなケースです。
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手元資金に、最低3~6か月分の固定費(家賃・人件費・広告費)が確保できている
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LP1枚など、制作費が20万~30万円程度に収まり、融資の設備資金も圧迫しない
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HPからの集客より、既存顧客紹介や店舗立地で売上のメドが立つ業種
分割・リースが効いてくるのは、こうした場面です。
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50万~100万円クラスのコーポレートサイトや予約システム付きサイトを検討
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サロン・士業・スクールなど、WEB集客が売上計画の中核になっている
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創業融資の設備資金は、内装・機器に厚めに回したいが、HPも妥協したくない
この場合、「信販を使った分割」や「リース」で月々の支払いを圧縮し、創業融資の枠と手元資金を温存する選択肢が現実的になります。
創業融資の枠を圧迫しない「信販+自己資金+補助金」のバランス設計
創業計画書の資金計画では、「設備資金」「運転資金」「調達方法」の整合性が問われます。HP制作費を全部“融資”に寄せると、金融機関から「本当に必要な投資か?」と突っ込まれがちです。
そこで、支払い原資を3つに割って考えます。
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自己資金
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創業融資(公庫・制度融資など)
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信販分割・リース(HP制作費の平準化)
典型的な組み合わせイメージを表にすると、判断がしやすくなります。
| パターン | HP予算 | 融資への影響 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| A:全額一括(自己資金+融資) | ~30万円 | 枠圧迫は小さい | 小規模サイト/手元資金に余裕 |
| B:一部融資+一部信販分割 | 50万~80万円 | 枠を守りつつ質も確保 | WEB集客重視業種 |
| C:信販・リース中心 | 100万円超 | 融資枠を運転資金に集中 | 高機能サイト・システム連携 |
補助金(IT導入補助金・小規模事業者持続化補助金など)を狙う場合は、「採択後にHP発注」「支払いタイミング」を必ず制作会社・信販会社とすり合わせます。スケジュール設計を誤ると、「補助金は通ったのに、先に支払ってしまい対象外」という痛いパターンになりかねません。
毎月の返済とサイト運用費を並べて見るキャッシュフロー管理の基本
創業者が見落としやすいのは、「HP制作費の分割」と「融資返済」と「運用コスト」を同じカレンダー上で見ていない点です。月々の手残りを守るには、最低限、次の一覧を作ってから契約すべきです。
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創業融資の毎月返済額(元金+利息)
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HP分割・リースの毎月支払額
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ドメイン・サーバー・保守・広告などWEB運用コスト
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想定売上と粗利(実際に残るお金)
| 項目 | 月額目安 | メモ |
|---|---|---|
| 創業融資返済 | 5万~15万円 | 借入額・期間による |
| HP分割支払い | 1万~3万円 | 60~96回払いなど |
| サイト運用費 | 1万~5万円 | 保守+広告・SEO |
| 最低必要粗利 | 上記合計+生活費 | ここから逆算して売上計画を作る |
この表を作ると、「HPにあと1万円/月かけても安全か」「広告費をどこまで攻められるか」が数字で見えてきます。日本政策金融公庫の調査でも、開業初期からインターネット販路を持つ企業は売上立ち上がりが早い傾向が示されていますが、その前提は“無理のない返済計画”です。
創業融資とホームページ制作を同時に動かすなら、「どのサイトを作るか」と同じくらい、「どう払うか」を設計図レベルで決めておくことが、事業を長く続けるための一番地味で効くSEO対策です。
実際にあった・起きうるケーススタディで読む「成功事例と未遂トラブル」
「創業融資は通ったのに、ホームページで得する人と損する人が極端に分かれる」。現場で見ていると、差をつくっているのはセンスではなく「組み立て方」です。
100万円超のWEBサイトが“月◯万円プラン”になったことで通った創業案件の構造
創業直前のBtoBサービス企業のケース。見積はフルオーダーのホームページ制作+SEO対策で約120万円。社長は「創業融資の枠を圧迫するのでは」とブレーキを踏んでいました。
ここで効いたのが「支払いの分解」です。
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創業計画書:設備資金に120万円を計上(投資の妥当性を説明)
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実際の支払い:信販分割で月額◯万円台に圧縮(キャッシュアウトを平準化)
金融機関は「きちんとしたホームページに投資してWeb集客する」というストーリーを計画書で確認しつつ、創業者側は毎月の支払い負担を抑えられる構造にできました。
ポイントを整理すると次の通りです。
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計画書には「総額」を、資金繰りには「月額」を採用
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創業融資は運転資金を削らず、ホームページ費用は分割で手当て
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「HP投資=売上計画の根拠」を数字で説明
この形にすると、金融機関からは「攻めの投資をきちんと設計している人」、制作者からは「単価を落とさずに提案できる顧客」と見られます。
事業は黒字なのに返済と更新費用が回らなくなった、ホームページ運用の失敗例
次は「黒字倒産予備軍」になりかけた失敗パターンです。小規模の専門サービス業で、初年度から利益は出ていましたが、2年目に資金繰りが急激に悪化しました。
原因を分解すると、次の3点が重なっていました。
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ホームページ制作費を自己資金で一括払い → 開業時の現金が大幅に減少
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創業融資の返済がスタート → 毎月の返済額が固定費を圧迫
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2年目のリニューアル・広告費を追加 → 更新費用を運転資金から捻出
資金繰り表に落とすと、利益は黒字でも「口座残高」がじわじわ削られていく構図です。
| 項目 | 初年度 | 2年目 |
|---|---|---|
| ホームページ初期費用 | 80万円一括払い | 0円 |
| ホームページ更新・広告費 | 0〜5万円 | 毎月10〜15万円 |
| 創業融資の返済 | 据置期間で0〜数万円 | 毎月数万円〜十数万円 |
このケースでの教訓はシンプルです。
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ホームページ費用は「初期+運用」の総額を見て、支払い方法を分散する
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融資返済とホームページ運用費を、同じキャッシュフロー表で並べて確認
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「初期費用を抑えた結果、運用コストが高くつく」構造を避ける
黒字でも資金ショートする人の多くが、「利益」と「現金」を別物として見られていません。創業段階でここを押さえておくと、2年目以降のヒヤリ体験をかなり減らせます。
LINE・メールのやり取りでよく出る質問と、それが示す見落としポイント(例形式)
創業者と制作会社・専門家のチャットを見ていると、同じパターンの質問が繰り返し出てきます。それぞれが示している「本当の論点」は別のところにあります。
よくある質問と、その裏側の見落としを並べるとこうなります。
| よくある質問 | 背景にある見落とし |
|---|---|
| 「創業融資がまだ通っていないのですが、先にホームページを作ると不利ですか?」 | 自己資金をどこまで前払いに回してよいか、キャッシュフロー視点で整理できていない |
| 「補助金が採択されてから発注した方がいいですか?」 | 補助金の採択時期と融資審査・開業時期のタイムラグを甘く見積もっている |
| 「無料のホームページサービスで様子を見て、後から本格サイトに乗り換えればいいですよね?」 | ドメイン変更・SEOリセット・ブランド印象のダメージをコストとして捉えていない |
現場でのおすすめは、次の3ステップです。
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創業計画書の「必要な資金」と「調達方法」を先に固める
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その枠内で、ホームページの初期費用と毎月の運用費をざっくり決める
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支払い手段(一括・分割・リース・補助金)を組み合わせてキャッシュアウトを平準化
この順番で考えると、「とりあえず無料サービス」「融資が通ったら考える」といった場当たり的な判断から抜け出せます。創業融資とホームページ制作は、別々のテーマではなく「一枚の資金計画の両輪」として扱う方が、結果的にリスクもストレスも小さくなります。
これから起業する人が今日からできる「ホームページ×創業融資」準備チェックリスト
「公庫の面談までにホームページなんて無理」と感じた瞬間からが勝負どころ。やるべきことを分解すると、今日から動けるタスクばかりです。
起業前6か月〜申請直前までのタイムラインと、HP制作・書類準備の並行作業
起業準備は「カレンダー」と「資金計画書」と「サイト構成」を一枚のホワイトボードに並べる感覚で進めます。
起業前6〜4か月
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事業コンセプトとターゲット整理
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創業計画書の叩き台作成(売上イメージ・調達方法のラフ)
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ドメイン候補の洗い出し、競合サイトの調査
起業前3〜2か月
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ホームページのページ構成ラフを作成
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制作会社・フリーランスに相見積りを依頼
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創業融資・補助金(小規模事業者持続化補助金等)の情報収集とスケジュール確認
申請前1〜0か月
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見積書の金額を創業計画書の「設備資金」に反映
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トップ/サービス/会社概要だけでも先行公開
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支払い方法(現金・創業融資・信販分割・リース)の組み合わせを決定
ポイントは、ホームページ制作と計画書作成を「別プロジェクト」にしないことです。計画書のストーリーをそのままナビゲーションに落とすと、金融機関への説明も一気に楽になります。
業種別:最低限押さえたいページ構成とSEO・WEB対策の優先順位
創業初年度は「全部入りサイト」より、審査と集客に効くページから作る方が投資対効果が高くなります。
| 業種例 | 必須ページ構成 | 優先すべきSEO・WEB対策 |
|---|---|---|
| 士業・コンサル | トップ/サービス一覧/料金/代表紹介/実績・事例/お問い合わせ | サービス名+地域名のキーワード設計、専門性が伝わるコラム数本 |
| サロン・治療院 | トップ/メニュー一覧/料金/予約方法/アクセス/スタッフ紹介 | Googleビジネスプロフィール、クチコミ導線、スマホ表示最適化 |
| 飲食・小売 | トップ/メニュー・商品一覧/営業時間/アクセス/SNSリンク | 店名+エリアのローカルSEO、写真クオリティ、最新情報の更新性 |
| BtoBサービス・IT | トップ/サービス詳細/導入事例/料金モデル/会社概要 | 業界キーワード対策、資料請求フォーム、セキュリティ・体制の記載 |
最低限のSEO対策は「ページタイトル」「見出し」「本文」に、創業計画書で書いたキーワード(業種名、サービス名、地域名)を素直に入れることです。難しいテクニックより、「誰向けのどんなサービスか」を一読で分からせる構成の方が、金融機関にも顧客にも効きます。
専門家・制作会社・信販をどう使い分けるか:相談先の選び方ガイド
起業フェーズでは、「全部自分でやる」は高くつきます。役割ごとに相談先を分けた方が、結果的に資金と時間のムダが減ります。
税理士・融資専門家に聞くべきこと
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創業融資、公庫、銀行の違いと調達方法
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ホームページ制作費を設備資金と運転資金のどちらに計上するか
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補助金と融資を併用する際の申請スケジュール
制作会社・Web担当者に聞くべきこと
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同業種で効果が出たサイト構成と制作費用ライン
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WordPressなどCMSを使う場合の運用ルール
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集客まで含めたWEB対策・SEOの優先順位
信販会社・信販代行に確認すべきこと
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ホームページ制作費を分割払いにした場合の回数・手数料・審査フロー
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創業直後や法人設立直後でも利用可能な条件
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融資実行日と信販審査日をどう合わせるとトラブルが起きにくいか
特に、高額なホームページ制作を検討している起業家は、「創業融資でいくら借りるか」と同時に「分割払いやリースをどこまで併用するか」を早い段階で決めておくと、安全に自己資金を残しながら、きちんとしたサイトでスタートできます。
執筆者紹介
創業融資×HP制作×分割決済/他社3社NGの300万円案件も通した信販代行「まかせて信販」編集部です。ホームページ制作会社など高額BtoBサービス事業者への分割払い・信販導入を専門に、最大96回払い・最短当日審査などの条件で、過去にはHP制作会社の売上前年比180%アップに貢献した事例も保有しています。本記事では、創業融資とホームページ制作費を安全に設計するための実務的な視点だけを抽出してお伝えしました。
