💡 結論(要点まとめ)
信用保証協会の保証料はいくらかかる?計算公式(分割返済係数含む)と9段階の信用保証料率表(0.45%〜1.90%)を分かりやすく解説。1,000万円融資時の具体シミュレーションや、2024年開始の経営者保証不要上乗せルール、安く抑える割引制
この記事でわかること
- 信用保証協会に払う保証料は消費税がかかりますか?
- 信用保証料は確定申告や決算でどの勘定科目に仕訳しますか?
- 融資を途中で繰上返済した場合、保証料は戻ってきますか?
結論:信用保証料は借入1,000万円・5年均等返済(料率1.15%)の場合、目安は約31万〜33万円です。融資実行時に一括で控除されるため、手元への入金額は概ね968万〜969万円ほどになります。
信用保証料の基本計算式
信用保証料 = 借入金額 × 信用保証料率 × 保証期間(月数)÷ 12 × 分割返済係数
※分割返済係数は返済に伴う借入残高の減少を反映する調整値(概ね0.5〜0.65程度)で、据置期間や返済方法により変化します。
※料率や制度内容は変更される場合があるため、正確な金額は各都道府県の信用保証協会公式シミュレーションまたは取引金融機関にてお確かめください。
金融機関から「保証協会付き融資」を提案された際、実際に引かれる費用や手取り額が分からず不安を感じる経営者・個人事業主の方に向けて、9段階の保証料率、具体的な計算方法、2024年に始まった経営者保証解除の上乗せルール、繰上返済時の返戻まで、公的機関の一次情報をもとに詳しく整理しました。
信用保証協会の保証料はいくら?結論と計算の基本構造
保証料は融資実行時に一括で差し引かれる費用であり、毎月支払う借入利息とは別体系で算定される仕組みです。
借入金額1,000万円(5年返済)の保証料目安は約31万円〜33万円
全国信用保証協会連合会の公表資料によると、標準的な信用リスク区分(年1.15%)で1,000万円を60ヶ月・元金均等返済する場合、保証料の概算は約31万〜33万円となります。据置期間の設定や信用リスク区分の変動によって実際の支払額は前後します。
| 借入額 | 返済期間 | 適用料率 | 概算保証料 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 5年(分割返済) | 年1.15%(標準区分) | 約31万〜33万円 |
| 1,000万円 | 5年(分割返済) | 年0.45%(低リスク区分) | 約12万〜13万円 |
| 1,000万円 | 5年(分割返済) | 年1.90%(高リスク区分) | 約51万〜55万円 |
※分割返済係数0.5〜0.65を用いた概算です。正確な数値は各保証協会の算定に基づきます。
保証料は融資実行時に一括で差し引かれる(実質手取り額の計算)
保証料の支払いは「一括受入」が基本とされています。例えば1,000万円の融資が決定しても、保証料や印紙代が控除されて口座に入金されるため、調達資金で全額設備を購入する計画を立てていると手元資金が不足するリスクが生じます。
現場での失敗例:設備購入費1,000万円を融資で賄う予定だったが、保証料約32万円と印紙代が差引入金となったため、期日までに支払代金が数十分足らず慌てて手元資金を取り崩すことになったケースがあります。事前に入金予定額(差引手取り額)を金融機関へ確認しておくことが推奨されます。
信用保証料率はどう決まる?基本の9段階区分と料率表
保証料率は個別の交渉で決まるものではなく、企業の決算データ(CRD:中小企業信用リスク情報データベース)等をもとに9段階のリスク区分へ自動的に割り振られます。
責任共有制度対象保証の9つの区分(0.45%〜1.90%)
東京信用保証協会の公表案内によると、信用保証協会が融資額の80%、金融機関が20%のリスクを負う「責任共有制度」の対象保証では、以下の9段階の基準料率体系が適用されます。
| 信用リスク区分 | 適用保証料率(年) | 企業の財務状態・区分の基準 |
|---|---|---|
| 区分1 | 1.90% | 信用リスクが高めと判断される区分 |
| 区分2 | 1.75% | 財務指標の改善途上にある区分 |
| 区分3 | 1.55% | 平均よりややリスクが高い区分 |
| 区分4 | 1.35% | 標準よりやや高めのリスク区分 |
| 区分5 | 1.15% | 標準的な区分(決算書未提出時等の初期値にも採用) |
| 区分6 | 1.00% | 財務健全性が平均以上の区分 |
| 区分7 | 0.80% | 財務状態が良好な区分 |
| 区分8 | 0.60% | 極めて高い財務健全性を持つ区分 |
| 区分9 | 0.45% | 信用リスクが極めて低い区分 |
(出典: 全国信用保証協会連合会および各都道府県信用保証協会が公表する責任共有制度対象保証料率表をもとに作成)
セーフティネット保証など責任共有制度対象外の料率体系
創業関連保証やセーフティネット保証4号・5号など、保証協会が融資額の100%を保証する「責任共有制度対象外」の資金では、政策的な一律料率(例:0.85%〜1.00%程度)や専用の料率体系が用いられるケースが多くみられます。
- 地方自治体の制度融資を利用すると、自治体が保証料の半額〜全額を補助してくれる制度が存在する
- 経営改善計画の策定や公的認定の取得により、標準区分より低い料率が適用される場合がある
- 自社が現在どの区分に該当するかは、融資を申し込む金融機関の窓口を通じて照会可能
料率区分は年1回の決算変更や財務指標の変動に伴って見直されます。現在の正確な料率区分や最新の制度適用については、取引金融機関または各都道府県の信用保証協会窓口へお問い合せください。
信用保証料の正確な計算公式と具体的シミュレーション
計算式に「分割返済係数」を組み込むことで、実際の支払額に近い保証料を自身で算出できるようになります。
信用保証料の基本計算式(分割返済係数の役割)
期日一括返済の場合は期間中の融資残高が減らないため係数は不要ですが、毎月返済していく分割返済では残高が減ることを考慮して「分割返済係数」を乗じます。
- 一括返済時の計算:借入金額 × 保証料率 × 保証期間(月数)÷ 12
- 分割返済時の計算:借入金額 × 保証料率 × 保証期間(月数)÷ 12 × 分割返済係数
分割返済係数は返済期間や据置期間の長さに応じて約0.50〜0.65の範囲で変動します。元金返済を行わない据置期間を長く設定するほど平均残高が高く維持されるため、係数が大きくなり保証料総額も増加します。
【条件別】1,000万円・2,000万円借入時の保証料比較表
| 借入条件 | 返済期間 | 適用料率 | 概算保証料(目安) |
|---|---|---|---|
| 1,000万円・分割返済 | 5年(60ヶ月) | 年1.15% | 約31万〜33万円 |
| 1,000万円・分割返済 | 7年(84ヶ月) | 年1.15% | 約44万〜47万円 |
| 2,000万円・分割返済 | 5年(60ヶ月) | 年1.15% | 約62万〜66万円 |
| 2,000万円・一括返済 | 1年(12ヶ月) | 年1.15% | 約23万円 |
※分割返済係数0.55〜0.58を用いて試算した概算値です。据置月数や返済日により実際の算出額は多少前後します。
公式シミュレーションによる確認手順
1. 「〇〇県 信用保証協会 試算」等で検索する
2. 公式サイト内の「保証料シミュレーション」ツールを開く
3. 借入金額・借入期間・返済方法(元金均等など)・据置期間を入力して実行する
4. 試算結果の保証料額を確認し、資金調達計画の見積りに組み込む
2024年最新:経営者保証を外す上乗せ料率と国の補助制度
中小企業庁の発表資料によると、2024年3月15日より「事業者選択型経営者保証非提供制度」が導入され、経営者個人による連帯保証を提供しない選択が可能となりました。
事業者選択型経営者保証非提供制度による上乗せ料率(+0.25%〜+0.45%)
法人と個人事業の分離、法人から代表者への過度な貸付・流出がないこと、一定の財務条件を満たすこと等を前提に、基準となる保証料率へ+0.25%または+0.45%の料率を上乗せすることで、経営者保証を不要とする仕組みです。
国のステップダウン補助(2024年〜2026年度までの実質負担の変化)
制度創設に伴う事業者負担を緩和するため、国による保証料上乗せ分の補助措置が段階的(ステップダウン方式)に実施されています。
| 申込時期 | 国の補助率 | 実質的な上乗せ負担 |
|---|---|---|
| 2024年3月15日〜2025年3月末 | 年0.15% | +0.10% または +0.30% |
| 2025年4月〜2026年3月末 | 年0.10% | +0.15% または +0.35% |
| 2026年4月〜2027年3月末 | 年0.05% | +0.20% または +0.40% |
| 2027年4月以降 | 補助終了予定 | +0.25% または +0.45%(全額事業者負担) |
(出典: 中小企業庁「事業者選択型経営者保証非提供制度」の公表資料をもとに作成)
補助率は年度ごとに変更される規定となっています。個人保証を外した融資を検討する際は、申込時点における実際の補助率および適用条件を保証協会または金融機関へご確認ください。
事業の拡大や資金繰り改善に向けた融資・資金調達方法の全体像を比較検討したい方は、法人・個人事業主向けビジネスローン・資金調達方法の比較もあわせて参考にしてください。
信用保証料を安く抑える割引制度と節約のポイント
保証料率は各種割引制度の条件を満たすことで、年0.10%単位で引き下げられる場合があります。
会計参与設置割引や有担保割引(各-0.10%)
- 有担保割引:不動産などの担保を提供する場合、保証料率が年0.10%程度割り引かれる
- 会計参与設置割引:定款に基づいて会計参与を設置し、計算書類を作成している場合、年0.10%程度割り引かれる
- 中小会計要領の適用割引:「中小企業の会計に関する要領」に準拠した決算書を作成・提出することで割引対象となる場合がある
- 自治体の保証料補給制度:市区町村の制度融資を活用することで、保証料の半額〜全額が自治体から補助されるケースがある
据置期間を設定した場合の保証料への影響
創業期や設備投資直後の資金繰りを安定させるために「据置期間(元金を返済せず利息のみ支払う期間)」を設定することが一般的ですが、据置期間中は元金が減少しないため、分割返済係数が高くなり保証料総額は上振れします。
資金繰りの安定度と保証料コストのバランスを考慮し、必要な月数だけ据置期間を設定するのが賢明です。日々の経理処理や財務改善を通じて信用区分を高めたい場合は、個人事業主・法人向けクラウド会計ソフトの選び方と比較で効率的な決算書作成環境を整えることも有効な手段です。
保証料の支払タイミング・分納・繰上返済時の返戻(返金)
保証料の支払いは融資実行時の一括納付が原則ですが、長期の保証期間など特定の条件に該当する場合は分割納付(分納)が認められる場合もあります。
原則は一括受入!条件を満たした場合の「分納」手続き
- 一括受入:融資実行時に融資額から一括控除される形式。多くの保証融資で適用される
- 分納(分割納付):保証期間が一定年数を超える長期資金等において、年単位などで分割して支払う手続き。取扱いの有無や条件は各保証協会により異なる
一括繰上返済をした場合に保証料は戻ってくるか?(返戻金と注意点)
返済期間の途中で全額繰上返済を行った場合、未経過の保証期間に対応する保証料は「返戻保証料」として返入される規定になっています。
返戻手続きの注意点
・保証料の返戻額は経過月数に応じた計算となるため、単純な日割り・月割り計算の残額より少なくなる場合がある
・返戻に際して保証協会所定の振込手数料が差し引かれる
・算出された返戻額が一定金額(例: 1,000円未満等)に満たない場合は、返戻が行われない場合がある
・手続きは繰上返済を行う金融機関の窓口を経由して進められる
追加融資や返済プランの見直しにより資金繰り負担の軽減を図りたい場合は、金融機関への相談と並行して、公的な相談窓口(日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センター等)の案内もご確認ください。公的な資金調達知識の整理には公的融資・資金繰り支援の審査知識の解説記事も役立ちます。
信用保証協会の保証料に関するよくある質問(FAQ)
信用保証協会に支払う保証料に消費税はかかりますか?
信用保証料は金融取引に分類されるため、消費税の課税対象外(非課税取引)となります。
信用保証料は確定申告や決算でどの勘定科目に仕訳しますか?
「支払保証料」または「繰延資産(前払費用)」として処理します。保証期間が1年以内の場合は全額を当期の費用(支払保証料)として計上するのが一般的です。数年にわたる長期保証の場合は、決算期ごとに期間按分して費用化する処理を行うため、詳細は担当の税理士・会計士へご確認ください。
融資を途中で一括繰上返済した場合、保証料は返金されますか?
未経過期間に応じた返戻保証料が返金されます。ただし、保証協会の規定により一定の手数料が控除されるほか、返戻計算額が一定基準以下の場合は返金されないことがあります。
自社の適用保証料率を事前に調べる方法はありますか?
都道府県の信用保証協会公式サイトにある保証料計算シミュレーションを利用するか、取引先の金融機関窓口にて照会することで確認できます。正確な区分把握には直近の決算書(勘定科目内訳書を含む)が必要です。
まとめ:計算式を押さえたら、必ず公式シミュレーションで実額確認を
- 保証料=借入金額 × 保証料率 × 保証期間(月)÷12 × 分割返済係数で試算可能
- 料率は責任共有制度対象で年0.45%〜1.90%の9段階区分。決算データ等に基づき決定される
- 1,000万円・5年・年1.15%の場合、概算保証料は約31万〜33万円で融資実行時に一括控除される
- 2024年3月開始の経営者保証非提供制度は+0.25%〜+0.45%の上乗せ。国の補助率は段階的に変化する
- 有担保や会計参与設置による割引、自治体の保証料補給制度を活用することで負担軽減が可能
- 繰上返済時には未経過分の保証料が返戻されるが、振込手数料等の条件が存在する
本記事は、全国信用保証協会連合会・東京信用保証協会・千葉県信用保証協会・中小企業庁が公表する公式情報に基づき作成しています。料率区分や補助制度の最新条件は時期や自治体によって変化するため、実際の申込みにあたっては各保証協会の公式サイトや取扱金融機関の窓口にて最新情報をご確認ください。保証料の仕組みや資金調達全般の基礎知識については保証協会の信用保証料の決め方と計算式も参照いただけます。
主な一次情報・公的照会先
- 全国信用保証協会連合会(zenshinren.or.jp)
- 東京信用保証協会「信用保証料の仕組み」(cgc-tokyo.or.jp)
- 千葉県信用保証協会「信用保証料について」(chiba-cgc.or.jp)
- 中小企業庁「金融支援・経営者保証非提供制度」(chusho.meti.go.jp)
📚 参考・出典(編集部が確認した一次ソース)
- chusho.meti.go.jp (中小企業庁:経営者保証非提供制度)
- meti.go.jp (経済産業省:保証料上乗せ補助関連資料)
- cgc-tokyo.or.jp (東京信用保証協会:保証料率体系)
- chiba-cgc.or.jp (千葉県信用保証協会:保証料について)
- sinpo-yokohama.or.jp (横浜市信用保証協会:保証料シミュレーション)
- zenshinhoren.or.jp (全国信用保証協会連合会:保証料の計算方法)
※本記事の作成にあたり、上記の公開情報・一次ソースを確認しています。


