帝国データバンクの新設法人データで売上と回収を守る実務ガイド完全攻略!ビジネスチャンスをつかむ最新活用術

あなたが「帝国データバンク 新設法人」を調べている時点で、すでにひとつの損失が始まっています。2024年の新設法人数は過去最多クラスに膨らみ、東京や大阪を中心に起業数は増えていますが、新設法人リストを“数”としてしか見ない営業は、売上も回収も取りこぼすからです。

帝国データバンクの新設企業情報や国税庁の新設法人リスト、東京商工リサーチの新設法人データは、それぞれ性質も見える範囲も違います。にもかかわらず、「新設法人一覧を検索して片っ端から電話」「新設 法人 リスト 無料を探してコスト削減」で止まると、与信もコンプラも決済設計も手つかずのまま、高額役務やWeb制作の提案は「お金の話」で失速します。

本記事では、新設法人とは何かという基本から、帝国データバンクの情報で代表者や電話番号までどう把握するか、新設法人数や起業数推移をどのエリア・業種攻めに変えるか、さらに分割決済やビジネスクレジットを組み合わせて未回収リスクを抑えながら成約率を上げる実務ロジックまでを一本の線でつなぎます。新設法人データをただの企業情報で終わらせず、「売上と回収を同時に守る営業設計」に変えたい方だけ、読み進めてください。

  1. 帝国データバンクの新設法人とは何者かをざっくり掴む
    1. 新設法人とはどこからどこまでを指すのかをやさしく整理してみる
    2. 国税庁やインボイスや特定新規設立法人との“微妙な違い”をサクッと理解する
    3. 「帝国データバンクが調査する新設法人」で日本の起業のリアルが丸裸になる理由
  2. 2024年の新設法人の人数と起業数推移を読み解き、どこを攻めるべきかを決める
    1. 過去最多更新の新設法人の人数はチャンスかリスクかを数字から見極める
    2. 都道府県別の新設法人分布から“どのエリアを攻めるとおいしいか”を読む
    3. 業種別の新設法人リストから“今ホットな業界と外したい業界”を炙り出す
  3. 帝国データバンクで新設企業情報をどう入手し、どこまで見えるのか
    1. 新設法人検索に使える3つのルートを比較して一番効く入口を選ぶ
    2. 新設法人一覧で見える登記情報や代表者や電話番号でここまで分かる
    3. 「帝国データバンクの料金がワンコイン?」のカラクリと調査コストの正体
  4. 新設法人データの比較で“ムダ撃ちゼロ”を狙う!帝国データバンクと東京商工リサーチと国税庁の使い分け術
    1. 帝国データバンク新設企業情報と東京商工リサーチ新設企業情報の違いを一気に整理
    2. 国税庁の新設法人リストや法人登記だけでは埋まらない“営業の盲点”
    3. 調査コストを抑えながら新設法人リストを賢く組み立てる現実的なレシピ
  5. 新設法人への営業でハマりがちな落とし穴と、プロがやっているライトなコンプラチェック
    1. 新設法人リストに片っ端から電話しても成果が薄い“もったいない理由”
    2. 帝国データバンクの情報でできるコンプライアンスチェックの超実践ワザ
    3. 特定新設法人やインボイス登録状況を見落として炎上しがちなパターン
  6. 高額役務やWeb制作を新設法人に売るとき、なぜいつも“お金の話”で止まるのか
    1. 一括請求で失注連発…新設法人のキャッシュフローと本音をのぞいてみる
    2. 自社分割で無理して未回収を抱える“危ない契約パターン”とは
    3. 信販やビジネスクレジットの審査で新設法人が落ちやすい理由とその裏側
  7. 新設法人データと分割決済を組み合わせて“売れる営業設計”を組み立てる
    1. 新設法人リストを営業に回す前にやっておきたい5つのざっくりセグメント
    2. 最初から「一括・分割・信販」の3パターンを用意すると提案が通りやすくなるワケ
    3. 単価を落とさずに未回収リスクを抑える支払い回数と価格の攻め方
  8. 現場で本当に起きている新設法人トラブルと、事前に防ぐためのチェックリスト
    1. 「途中で支払いが止まる」「解約を巡ってこじれる」ありがちな展開を分解する
    2. 帝国データバンクの情報と契約書をこう見ておけば防げた…プロの視点を盗み見る
    3. 新設法人と契約する前にサクッと確認したい5つのポイント
  9. まかせて信販が見てきた“新設法人と高額商材”のリアルな着地点から次の一手を考える
    1. 新設法人をあえて避ける会社と、あえて取りにいく会社の決定的な違い
    2. ビジネスクレジットや分割決済で“新設法人でも通るライン”を探る考え方
    3. 新設法人データをただのリストで終わらせず“味方に変えるビジネスモデル”への一歩
  10. この記事を書いた理由

帝国データバンクの新設法人とは何者かをざっくり掴む

「新設法人」と聞いて、登記したばかりの会社くらいのイメージで止まっていないでしょうか。実務では、この言葉の“切り取り方”次第で、ターゲット選定も与信判断も大きくブレます。ここを雑に理解したままリストを買うと、営業もリスク管理も一気に効率が落ちてしまいます。

新設法人とはどこからどこまでを指すのかをやさしく整理してみる

まず押さえたいのは、「登記された日」と「ビジネスとして立ち上がるタイミング」が必ずしも一致しないことです。統計や企業情報では、おおむね次のようなイメージで新設法人が扱われます。

  • 商業登記簿で新たに設立登記された法人

  • 設立から1年前後の“立ち上がりフェーズ”の企業

  • 休眠会社の再稼働や組織変更は、原則「新設」とは別扱い

営業目線で重要なのは、「登記済み=購買ニーズも立ち上がり始めている」点です。会社の住所や代表者名が固まり、銀行口座やインボイス登録、オフィス契約、Webサイト制作など、次々に意思決定が走ります。ここを“最初の1年”と切って追いかけるかどうかで、商談の濃さが変わってきます。

国税庁やインボイスや特定新規設立法人との“微妙な違い”をサクッと理解する

同じ「新設」でも、見る窓口によって意味合いが変わります。このズレを理解しておくと、データを組み合わせるときに迷いません。

見る窓口 主な目的 新設のイメージ
商業登記・法人登記 法人の存在証明 設立登記が完了した会社
国税庁の新設法人情報 税務管理・インボイス 税務署が把握した新しい納税主体
消費税・インボイス制度 課税事業者管理 課税売上やインボイス登録の有無
特定新規設立法人 節税スキーム対策 消費税の“抜け道”を防ぐための概念

ここで混同しがちなのが、特定新規設立法人です。これは「消費税を軽くする目的で作られたと疑われる法人」を税務上切り出した概念であり、営業ターゲットとしての新設法人とは別物です。

私の視点で言いますと、与信チェックの現場では「国税庁の情報で納税義務の有無を確認しつつ、登記情報で会社の“形”を確認する」という二段構えが基本ラインになっています。

「帝国データバンクが調査する新設法人」で日本の起業のリアルが丸裸になる理由

統計だけを見ると「2024年の新設法人数は過去最多」「シニア起業が増えている」といった話で終わりがちですが、企業情報データベースを覗き込むと、営業に直結する“生のリアル”が見えてきます。

例えば、新設企業の情報では次のような項目が早期から整っていきます。

  • 企業名・所在地・代表者・資本金

  • 事業内容・業種コード

  • 電話番号やFAX、場合によってはURL

  • 従業員数や売上規模のレンジ(把握できる範囲)

このレベルまでそろうと、「東京のIT系の新設法人で資本金1000万円以上」「大阪で店舗ビジネスを始めたサービス業」といったセグメントが一気に現実的になります。単に「起業数が増えた」というマクロ情報ではなく、「どのゾーンなら高額のWeb制作費を払えるのか」「どのエリアは与信を厚めに見るべきか」といった判断に直結するのがポイントです。

新設法人は、営業から見ると“ニーズの塊”であり、与信から見ると“情報が少ない相手”でもあります。だからこそ、登記・税務・企業情報という複数のデータを横断して眺めることで、狙うべき先と避けたい先がくっきり分かれてきます。ここを押さえておくと、次のステップで扱う「どこを攻めるか」「どう売るか」の精度が一段上がります。

2024年の新設法人の人数と起業数推移を読み解き、どこを攻めるべきかを決める

2024年は「創業バブル」に近い動きが出ています。問題は、全部に手を出して消耗するか、伸びるゾーンだけを狙い撃ちするかです。

過去最多更新の新設法人の人数はチャンスかリスクかを数字から見極める

2024年1〜12月に把握されている新設法人は約15万3789社で、2年連続増加かつ過去最多レベルです。ここから読み取るべきポイントは3つです。

  • シニア層(50〜60代)の起業が増え、決裁者は経営経験持ちが多い

  • インボイス制度対応で「とりあえず法人化」のスモールビジネスも大量発生

  • 都市部と地方で、資金力と事業継続性のギャップが拡大

私の視点で言いますと、この波は「売上のチャンス」と「未回収リスク」が同時に膨らんでいる状態です。
とくにインボイス目的の新設法人は、1年以内に実質休眠化するケースもあり、高額役務を一括提案すると焦げ付きやすくなります。

都道府県別の新設法人分布から“どのエリアを攻めるとおいしいか”を読む

都市部偏重とはいえ、「どこでも同じように売れる」わけではありません。エリア別にざっくりと戦略を変えた方が、営業効率は一気に上がります。

エリアタイプ 特徴 攻め方のポイント
東京・大阪など大都市圏 新設法人数が多く、IT・サービス系が密集。競合も激しい 単価は高めでも「成果保証」「運用支援」など差別化を明示
政令市・県庁所在地 地場の中小企業と新設法人が混在。紹介文化も強め 代表者プロフィールと前職をチェックし、提案内容を変える
地方中小都市 件数は少ないが、1社あたりの関係性が長くなりやすい テレアポ乱射より、少数精鋭で訪問・オンライン面談を重視

とくにWeb制作やコンサルなどの役務系は、「件数が多い都市部」より「継続率が高い政令市・県庁所在地」から固めると、売上と回収のバランスが取りやすくなります。

業種別の新設法人リストから“今ホットな業界と外したい業界”を炙り出す

同じ新設法人でも、業種によって「お金の出し方」がまったく違います。営業リストを作る段階で、業種のフィルタリングをかけないと、ムダ撃ちが一気に増えます。

狙いたい業界の一例

  • 情報通信業・ITサービス

    → サイト制作、広告運用、SaaSなどと相性が良く、立ち上がりから投資意欲が高い

  • 専門サービス業(士業、コンサル)

    → 信用獲得のためにブランドサイトやLPに予算を付けやすい

  • 美容・ヘルスケア・スクール系

    → 集客命の業界なので、Web周りや予約システムに積極投資しがち

慎重に見極めたい業界の一例

  • 建設下請け・一人親方系の法人化

    → インボイス対策目的の新設が多く、キャッシュフローが元請け次第になりやすい

  • 小売・飲食の超小規模店舗

    → 開業費で手元資金が薄く、一括提案では高確率で失注または値切りに直行

  • 受託メインのフリーランス法人化

    → 取引先依存度が高く、案件が飛ぶと支払いも止まりやすい

ここで大事なのは、「伸びる業界=未回収リスクが低い」ではない点です。
伸びている業界ほど新規プレイヤーも増え、価格競争に巻き込まれて資金繰りがカツカツの会社も混ざります。

新設法人データを見るときは、

  • エリア(都市部か地方か)

  • 業種(投資前提か、節税・インボイス前提か)

  • 代表者の年齢・経歴(シニア経験者か、完全なゼロスタートか)

この3つを最低限セットで見て、「売上が立ちやすいゾーン」と「回収が安定するゾーン」が重なるところだけを攻める発想が欠かせません。これができるかどうかで、同じ新設法人リストでも成約率とトラブル率がまったく変わってきます。

帝国データバンクで新設企業情報をどう入手し、どこまで見えるのか

「新設法人リストを持っているだけの会社」と「そこから売上と回収までつなげられる会社」の差は、入口の選び方と“見える情報の扱い方”でほぼ決まります。

新設法人検索に使える3つのルートを比較して一番効く入口を選ぶ

新設企業を調べる入口は、大きく3パターンあります。

ルート 想定ユーザー 特徴 向いている用途
帝国データバンク本体(COSMOSNET/COSMOS2) 企業の営業部・与信部 網羅的な企業データベースに横断アクセス 本格的な新規開拓・継続与信
G-Search 企業ユーザー 新設企業情報を件数課金で検索・閲覧 エリア絞りの新設法人リスト作成
@niftyビジネス 個人事業主〜小規模企業 ブラウザから少量の企業情報を手軽に検索 スポット調査・ピンポイント営業

私の視点で言いますと、「毎月コンスタントに新設法人を攻める会社」は本体サービス、「まずはエリアテストをしたい会社」はG-Searchか@niftyビジネスという選び方が、コストと柔軟性のバランスが良い印象です。

ポイントは、“最初から全部を見に行かない”ことです。
まずは業種・都道府県・資本金レンジでフィルタし、狙うゾーンを絞り込んでから企業名レベルのリストを抜く方が、テレアポやDMのムダ撃ちを一気に減らせます。

新設法人一覧で見える登記情報や代表者や電話番号でここまで分かる

新設企業情報では、次のような基本情報がまとまって見られます。

  • 企業名(商号)

  • 所在地(本店)

  • 業種・事業内容

  • 資本金

  • 設立年月

  • 代表者名・代表者肩書

  • 電話番号などの連絡先

この程度の情報、と軽く扱う営業チームもありますが、ここから“買いやすさ”の温度感まで読めるかどうかが勝負どころです。

例えば:

  • 資本金が極端に小さいのに、所在地が一等地オフィスビル

→ 家賃負担が重く、キャッシュフローに余裕がない可能性

  • 代表者の肩書が「代表取締役」で、事業内容がニッチなBtoB

→ 外注先やツールに投資しないと回らないビジネスモデルかどうかを推測

  • 電話番号が携帯のみ

→ スタート直後で与信が薄い一方、意思決定が速く決裁者に直通になりやすい

こうした読み解き方を身につけると、「同じ50件のリストでも、アポ率と成約率がまったく変わる」状態を作れます。

「帝国データバンクの料金がワンコイン?」のカラクリと調査コストの正体

検索すると、料金が500円程度と見える情報に出会うことがあります。この“ワンコイン感”だけで判断すると、あとでギャップを感じやすいポイントがあります。

押さえるべきなのは次の3点です。

  • 500円前後なのは、1社分の簡易レポート単価イメージであることが多い

  • 実務で使うのは「1社」ではなく「数十〜数千社」の新設法人リストである

  • 本体サービスでは、月額料金+件数課金といった料金体系になることが一般的

つまり、「ワンコイン」は“1社をピンポイントで調べる時の目安”であって、本格的に新設企業リストを回す時の総コストとは別物です。

ここで重要になるのが、「情報コスト」と「人件費コスト」を分けて考える視点です。

  • 情報コスト

    • 新設企業データの検索・閲覧・ダウンロードにかかる料金
  • 人件費コスト

    • 抜いたリストをExcelで整理し、重複を消し、営業担当に振り分ける作業時間
    • 与信チェックやコンプライアンスチェックにかかる時間

新設法人に強い会社は、この2つをまとめて1リードあたりの原価として管理します。
情報料金だけをケチって国税庁の登記情報や無料リストだけで走ると、表面上は安く見えても、アポ率が低すぎて人件費がかさみ、結果的に“高いリスト”になるケースがかなり多いです。

逆に、ターゲットを業種別・都道府県別に絞り込み、nifty経由やG-Searchでピンポイントに新設企業を抜き出すと、「1件あたりの情報単価は高く見えるのに、成約までの総コストは低い」という状態を作りやすくなります。

新設法人を本気で攻めるなら、「安いリスト」ではなく「儲かるリスト」をどう設計するかに発想を切り替えることが、最初の一歩になります。

新設法人データの比較で“ムダ撃ちゼロ”を狙う!帝国データバンクと東京商工リサーチと国税庁の使い分け術

帝国データバンク新設企業情報と東京商工リサーチ新設企業情報の違いを一気に整理

新設法人向け営業は「誰に撃つか」が9割です。ここを外すと、テレアポ100件でもアポ0件になりかねません。

私の視点で言いますと、新設企業情報を使う時は、まず次の3軸で両サービスを見比べると判断がブレません。

項目 帝国データバンク 東京商工リサーチ
収録タイミング 設立直後から拾いにいく傾向 法人登記後の反映が中心
情報の厚み 代表・電話番号・資本金・業種など営業向きの項目が充実 財務・信用度の指標を重視した構成
利用イメージ 新設企業を早期に捕まえたい開拓営業向け 新設でも与信を強めに見たい会社向け

両方とも有料サービスで、会員登録前提の利用が基本です。「どちらが優れているか」ではなく、自社が欲しい情報の粒度とスピードで選ぶと失敗が減ります。

ポイントは、新設企業を「名刺レベルで知りたいのか」「与信も見ながら取り引きしたいのか」を先に決め、その軸でデータベースを選ぶことです。

国税庁の新設法人リストや法人登記だけでは埋まらない“営業の盲点”

国税庁の新設法人リストや法人登記データは、無料で使える強力な出発点です。ただ、そのまま営業リストにしてしまうと、現場では次のような“見えないコスト”が積み上がります。

  • 電話番号が無い・連絡先が古く、検索に時間がかかる

  • 代表者の肩書や実態(個人事業からの法人成りなど)が読み取りにくい

  • インボイス登録や特定新規設立法人のリスクが横断的にチェックしづらい

無料データは「母集団を押さえる」には最適ですが、そのまま使うとアプローチ1件あたりの人件費が跳ね上がります。帝国や東京商工リサーチのデータは、そこに営業で使える電話番号・代表・業種のラベリングを付けてくれるイメージです。

営業現場でボトルネックになるのは、情報そのものよりも「検索に追われて架電時間が削られる」ことです。無料と有料の差は、データの質というより、1日あたり何件の商談をつくれるかという生産性の差として表れます。

調査コストを抑えながら新設法人リストを賢く組み立てる現実的なレシピ

ムダ撃ちを減らしつつ調査コストを抑えるには、「無料データで母集団を作り、有料データで狙いを絞る」二段構えが現実的です。

  1. 国税庁や登記情報で、地域別・設立月別の新設法人を一括取得
  2. その中から、狙うエリアや業種をざっくりセグメント
  3. 絞り込んだ企業だけを、帝国や東京商工リサーチで詳細検索
  4. 電話番号・代表・インボイス登録など営業に必要な情報だけを上乗せ
  5. 最後に、G-Searchや@niftyビジネスのような外部サービスでスポット調査し、穴を埋める

この流れを取ると、

  • 国税庁データで「安く広く」

  • 帝国と東京商工リサーチで「ピンポイントに深く」

という役割分担がはっきりします。

特に、高額役務やWeb制作の営業では、資本金や所在地、代表の属性で支払い余力をある程度イメージできます。新設企業の母集団を国税庁で押さえたうえで、払えそうな層だけを有料データで深堀りする。これが、ムダ撃ちゼロに近づける新設法人データの賢い使い方です。

新設法人への営業でハマりがちな落とし穴と、プロがやっているライトなコンプラチェック

新設法人リストは「宝の山」に見えて、扱いを間違えると一気に不良在庫になります。ここでは、実際に現場で新設企業向け営業を回してきた立場から、最低限押さえておきたいライトなコンプライアンスチェックのコツを整理します。

新設法人リストに片っ端から電話しても成果が薄い“もったいない理由”

新設法人一覧を手に入れると、多くの企業がやりがちなパターンが「片っ端からテレアポ」です。しかし、成果が薄い理由はリストの質ではなく、使い方の設計不足にあります。

典型的なムダ撃ちパターンは次の通りです。

  • 代表の属性と商材単価のミスマッチ(シニア起業家に、若者向けのSNS運用サービスを提案など)

  • 法人登記からの日数を見ないまま全件に電話(登記直後で電話もメールも整っていない段階)

  • 資本金と業種を無視した提案(開業資金をほぼ設備に突っ込んでいる業種に、高額役務を一括提案)

新設法人データには、企業名や代表者、所在地、資本金といった基本情報が入っています。これを**「誰に・いつ・いくらで」売るかのフィルターにかけないまま、会員制のデータベースやnifty系サービスで取得した情報を全部同じ温度で扱うと、コール数だけが増えて現場が疲弊します。

最低限やりたいのは、次の3つの軸でのざっくりセグメントです。

  • 設立からの期間(例:0〜3カ月 / 4〜12カ月)

  • 資本金レンジ(例:〜300万円 / 300〜1,000万円 / 1,000万円超)

  • 業種区分(Web制作と相性が良い業種、継続課金と相性が良い業種など)

この3つだけでも、テレアポのヒット率は体感で倍近く変わります。

帝国データバンクの情報でできるコンプライアンスチェックの超実践ワザ

本格的な与信管理までは不要でも、「明らかに危ない先は事前に外す」ライトなコンプラチェックは必須です。検索サービスやCOSMOS系の画面で確認できる代表的な情報から、次のポイントを見ておくと安全度が一気に上がります。

チェック項目 見る情報の例 実務での意味
所在地 仮事務所・バーチャルの疑い 高額長期契約のリスク判断材料
代表者名 個人名の重複・過去登場履歴 連続設立パターンの検知
資本金 異常に低い/高い設定 実態とのギャップを推測
事業内容 実態が見えにくい表現 詐欺的スキームの初期サイン

プロがやっているのは、「NGを探す」というより“違和感のあるデータを拾う”横断チェックです。たとえば、

  • 一等地住所なのに資本金が極端に小さい

  • 代表が短期間に複数の企業に関与している

  • 事業内容がやたら抽象的で検索してもWebサイトが出てこない

このような違和感が2〜3個重なったら、高額の前金や長期分割は避け、着手金型・小さなパッケージから提案する、といった条件コントロールでリスクを抑えられます。

特定新設法人やインボイス登録状況を見落として炎上しがちなパターン

ここ数年で増えているのが、インボイス制度と消費税の扱いを甘く見た提案によるトラブルです。特定新規設立法人かどうか、インボイス登録済みかどうかは、単なる税務の問題ではなく「請求の仕方」と「先方のキャッシュフロー」に直結します。

見落としがちな炎上パターンを挙げます。

  • インボイス未登録の新設法人に、消費税を含む高額役務をまとめて請求し、後から「仕入税額控除が使えない」と揉める

  • 特定新設法人の消費税納税義務を理解しておらず、先方の税負担が読めていないまま支払いスケジュールを組む

  • インボイス番号の有無を確認せず、請求書のフォーマットが合わずに再発行対応が続き、信頼を落とす

ライトなチェックであれば、国税庁のインボイス検索システムと企業情報データをセットで検索し、

  • インボイス登録の有無

  • 登録名と登記上の商号の一致

  • 登録日(いつから仕入税額控除の対象か)

を確認しておくだけでも、後々の請求トラブルをかなり防げます。

私の視点で言いますと、与信審査のような重いプロセス以前に、このレベルの情報確認を標準フローに入れているかどうかで、新設法人向けビジネスの「炎上率」ははっきり変わります。データを集めること自体が目的にならないよう、検索と営業現場をつなぐ“ひと手間”を設計しておきたいところです。

高額役務やWeb制作を新設法人に売るとき、なぜいつも“お金の話”で止まるのか

新設法人向けに50万〜200万円クラスのWeb制作やコンサルを提案すると、「内容はいいけど、今はキャッシュが…」でブレーキがかかりやすいです。ここを力技の値引きで押し切ろうとすると、利益も与信も一気に崩れます。お金の話で止まる場面は、単なる「ケチな社長」問題ではなく、構造を押さえればきちんと攻略できます。

私はビジネスクレジットや分割決済の設計を支援する立場で、多くの新設法人案件を見てきましたが、止まるポイントはほぼ決まっています。

一括請求で失注連発…新設法人のキャッシュフローと本音をのぞいてみる

新設法人の社長は、売上よりも先に「固定費」と「税金」と「人件費」に財布を削られます。そこに100万円の一括請求が来れば、内容が良くても足が止まるのは自然な流れです。

典型的な新設法人の1年目の資金の流れを、営業に関係する部分だけ抜き出すと、次のようになります。

タイミング 優先される支出 心の中で起きていること
設立〜3カ月 事務所・設備・登記費用 「まずは開業準備を完走したい」
3〜6カ月 広告・採用・外注費 「とにかく売上を立てたい」
6〜12カ月 借入返済・税金・社会保険 「資金ショートだけは避けたい」

このフェーズで一括請求をぶつけると、次のような本音が出ます。

  • 「売上は伸ばしたいけど、今ここで現金を減らすのは怖い」

  • 「銀行融資を受けたばかりで、追加の支払いは抑えたい」

  • 「分割ならいけるが、自社分割は信用できる会社とだけにしたい」

営業側が「一括か値引きか」の二択で考えてしまうと、この心理に寄り添えません。新設法人のキャッシュフローと不安のポイントを前提にした支払い設計を用意しているかどうかで、成約率が大きく変わります。

自社分割で無理して未回収を抱える“危ない契約パターン”とは

一括が通らないからといって、安易な自社分割に走ると、今度は売り手側の資金繰りが危なくなります。とくにリスクが高いパターンは次の通りです。

  • 契約金ほぼゼロで、24回以上の長期分割にする

  • サービス提供を先出ししているのに、支払いが「月末締め翌月払い」

  • 滞納時の停止条件や解約条件が契約書に明記されていない

  • 決済手段が口座振替だけで、カードや信販を用意していない

この形だと、3カ月目までは順調でも、4カ月目以降に「入金が遅れ始める→連絡がつかなくなる→最終的に回収不能」といった流れになりやすいです。新設法人の多くは事業モデルが固まっておらず、売上の波も大きいので、長期で自社がリスクを抱える設計は相性が良くありません。

自社分割を使う場合は、最低でも次の3点を押さえておきたいところです。

  • 初回に原価分以上の入金をもらう

  • 未払いが2回連続した時点でサービス停止にできる条項を入れる

  • 事業の進捗に応じて、分割期間を短めに組む(12回以内を目安)

これをせずに「売上が欲しいから」と分割を増やすと、売上計上の見かけは良くても、手元のお金が増えず、未回収が積み上がるだけの状態になります。

信販やビジネスクレジットの審査で新設法人が落ちやすい理由とその裏側

高額役務を扱う事業者が、回収リスクを外出しできる有力な手段が、信販やビジネスクレジットです。ただし、新設法人は審査で落ちやすく、「どうせ通らない」と最初からあきらめてしまうケースも少なくありません。

実際の審査で見られやすいポイントは、シンプルに整理すると次のようになります。

審査で重視されやすい情報 新設法人がつまずきやすい点
設立年月・法人格 設立直後で実績ゼロ
資本金・出資者 資本金が極端に少ない、実質ワンオペ
所在地・オフィス形態 バーチャルオフィスのみで実体が読みづらい
代表者の職歴・信用情報 前職の業種と今の事業がかけ離れている
事業内容・収益モデル 収益計画の説明があいまい

ここで重要なのは、「新設だから落ちる」のではなく、「情報が不足しているから判断しづらい」という構造です。営業側が事前に法人情報を整理し、代表者の経歴や事業の継続性を説明できる状態にしておくと、通過率は大きく変わります。

信販やビジネスクレジットをうまく使っている会社は、

  • 事前に企業情報データベースで、設立年月や資本金、所在地などを把握しておく

  • ヒアリングで「代表者の過去の実績」「既存の取引先」「今後1年の売上計画」を聞き出して、審査に添える情報を整理する

  • 最初から「一括・自社分割・信販」の3パターンをテーブルに載せ、社長と一緒にキャッシュフローを組み立てる

この3ステップを徹底しています。

お金の話で提案が止まるシーンは、営業力ではなく「情報設計」の問題であることがほとんどです。新設法人のキャッシュフロー、危ない自社分割の型、審査の裏側という3つの視点を押さえることで、「高いから売れない案件」から「支払い設計まで含めて提案できる案件」へ、一段ステージを上げられます。

新設法人データと分割決済を組み合わせて“売れる営業設計”を組み立てる

新設法人リストは、ただ配るだけでは「冷たい名簿」です。起業直後のキャッシュ事情と決済の設計までセットにした瞬間、一気に“刺さる提案シナリオ”に変わります。

新設法人リストを営業に回す前にやっておきたい5つのざっくりセグメント

営業現場で失速する理由の多くは、「全部まとめて電話してしまうから」です。最低でも次の5軸でざっくり切り分けておくと、ヒアリングの深度と受注率が変わります。

  • 地域:都心部か地方か、オフィスビルか自宅か

  • 業種:無形役務と相性が良い業種か(士業・スクール・美容・コンサルなど)

  • 規模:資本金・従業員数・売上見込み(小規模は支払い条件勝負になりやすい)

  • インボイス・特定新規設立法人かどうか:消費税や納税義務の影響を受けやすいか

  • 決済余力のサイン:代表者の経歴、既存店舗の有無、複数法人展開かどうか

この5軸をざっくりとでもフラグ管理しておくと、「一括前提で話す先」「分割前提で話す先」が見えてきます。

セグメント軸 営業でのねらい所
地域 交通費や訪問工数も含めたLTVで判断
業種 高額役務との相性と解約リスクを事前評価
規模 一括か分割かの現実的な落とし所を想定
税区分 消費税・インボイス説明の必要度を把握
決済余力 信販・ビジネスクレジット利用可否の目安

最初から「一括・分割・信販」の3パターンを用意すると提案が通りやすくなるワケ

新設法人向けの高額提案が止まる場面の多くは、「サービス内容」ではなく支払い条件の選択肢不足です。私の視点で言いますと、最初から次の3パターンを“メニュー化”しておいた商談は、明らかにクロージングがスムーズになります。

  • 一括プラン

    単価は最も有利だが、キャッシュリッチな法人に限定されるゾーンです。

  • 自社分割プラン

    月額は下がるが、未回収リスクを自社が負うゾーンです。回数上限と解約条件を必ずセットで設計します。

  • 信販・ビジネスクレジットプラン

    外部の与信に乗せて回収リスクを外出しするゾーンです。通過率を上げるために、事業計画や代表プロフィールのヒアリングを事前に行うと有利になります。

この3つを「見積書の段階で並べる」ことが重要です。経営者は総額よりも月々の財布の痛みで判断することが多く、一括しか提示されていないとその場で検討が止まりがちです。一方で、分割と信販を同時に並べると、「今すぐ始めるならどのラインか」を一緒に考えるモードに変わります。

単価を落とさずに未回収リスクを抑える支払い回数と価格の攻め方

新設法人向けの分割設計でやりがちなのは、「成約欲しさに回数だけ増やす」ことです。これは売上ではなく、将来の貸倒候補を積み上げているだけになりかねません。実務上は次の3点を押さえておくと、単価を守りつつリスクも抑えられます。

  • 回収リスクのピークは設立1年以内に集約されると考えて、分割回数は12〜24回を上限に設計する

  • サービス提供タイミングと支払いスケジュールを合わせ、納品完了前に受取額が極端に先行しないようにする

  • 「頭金+分割」の形を基本にし、頭金で最低限の原価と営業コストを回収しておく

設計ポイント 攻め方の例
回数上限 12回・24回を基本にし36回は例外対応にとどめる
単価 値引きよりも頭金調整と回数調整で月額を作る
リスク 高リスク案件は信販・ビジネスクレジットに必ず逃がす

ここまで設計しておくと、新設法人データは単なるリストから「売上と回収を同時にデザインする設計図」に変わります。営業担当に名簿だけを渡すのではなく、セグメントと決済パターンをセットで渡すことが、これからの新設法人攻略では必須になっていきます。

現場で本当に起きている新設法人トラブルと、事前に防ぐためのチェックリスト

「途中で支払いが止まる」「解約を巡ってこじれる」ありがちな展開を分解する

新設企業向けにWeb制作やコンサルなどの高額役務を販売すると、きれいに完了する案件よりも「途中から雲行きが怪しくなる案件」のほうが記憶に残ります。パターンはかなり似ています。

よくあるトラブルの流れ

  1. 設立1年前後の法人から「集客を一気に伸ばしたい」と相談が入る
  2. 100万前後の制作や支援サービスを、頭金少なめ・長期分割で契約
  3. 3〜4回目の入金あたりから遅延や未入金が発生
  4. 「売上が想定より伸びない」「資金繰りが厳しい」と分割減額や解約の打診
  5. 契約書の解釈を巡って、返金額や残債で感情的な対立に発展

ここで重要なのは、価格そのものよりも「支払い条件とキャッシュフロー不安」が引き金になっている点です。新設法人は売上の季節変動も読めず、資金繰りのバッファも薄いので、少しの売上ブレがそのまま滞納に直結します。

支払停止や解約トラブルを減らすには、「どの会社と、どんな条件で組むか」を事前に見極めるフィルターが欠かせません。そのときに役に立つのが、帝国データバンクの企業情報や、東京商工リサーチ、国税庁の登記データなどを横断して得られる基礎データです。

帝国データバンクの情報と契約書をこう見ておけば防げた…プロの視点を盗み見る

新設法人のリスクはゼロにできませんが、事前の情報確認で「危険な地雷」をかなり避けられます。私の視点で言いますと、次の3つを押さえるだけでも事故率は目に見えて下がります。

1 帝国データバンクの企業スナップをざっと確認

  • 設立年月と資本金

  • 所在地と代表者の履歴

  • 事業内容と従業員数の目安

  • 電話番号や連絡先の整合性

これらを見れば、事業の継続性や実態の有無をある程度イメージできます。国税庁の法人登記データや新設法人リストと突き合わせ、名寄せしておくと、登録情報の食い違いも拾いやすくなります。

2 契約書の「解約・中途解約時の精算」を具体化

ありがちなのは、
「途中解約の場合は協議のうえ決定する」
のような、ふわっとした条文です。新設企業ほど途中で方向転換しやすいため、次のように具体化しておくとこじれにくくなります。

見直したい条文のポイント 抑えるべき内容の例
役務提供の完了タイミング サイト公開、広告運用開始日などを明示
解約可能時期 契約日から○日以内などの期限設定
返金・残債計算方法 着手金、不課金部分、分割残の扱いを数式レベルで記載
分割遅延時の扱い 何回遅延で契約解除・一括請求に移行するか

3 支払い方法の設計で「自社分割一択」にしない

回収リスクを自社で全て抱えると、未回収が積み上がるほど次の販促投資に回せるキャッシュが痩せていきます。信販やビジネスクレジットのサービスを併用し、リスクを外出しできる案件と、自社分割で引き受ける案件を分ける発想がポイントです。G-Searchやniftyビジネス経由で新設企業情報を取得している場合も、決済設計まで一体で考えることで、情報の利用価値が一気に高まります。

新設法人と契約する前にサクッと確認したい5つのポイント

最後に、現場で使いやすいチェックリストをまとめます。営業担当が商談前後にこれだけ押さえておくだけで、「そもそも組むべきでない案件」をかなりカットできます。

契約前チェックリスト(5項目)

  1. 企業情報の整合性
    帝国データバンクと国税庁データベースの内容、代表者名や所在地が一致しているかを確認します。

  2. 事業ステージと資金計画
    設立からの月数、現在の売上規模、投資計画と返済計画をヒアリングし、「今のキャッシュで本当に耐えられる金額か」を一緒に試算します。

  3. インボイスと特定新規設立法人の位置づけ
    消費税の納税義務やインボイス登録状況を確認し、将来の税負担も含めて支払余力をイメージします。

  4. 支払い方法の選択肢設計
    一括・自社分割・信販やビジネスクレジットの3案を提示し、どれなら資金繰りに無理がないかをすり合わせます。

  5. 解約・途中変更のルール共有
    契約書の解約条項を商談時に口頭でも説明し、「途中で方向転換したくなったときに、どういう着地になるのか」を具体例で共有します。

この5つを、営業現場のフローに組み込んでしまえば、「売れたけれど回収できない案件」や「感情的な解約バトル」に振り回される頻度は確実に下がります。新設法人データをただの名簿として眺めるのではなく、契約と決済の設計まで一気通貫で考えることが、売上と回収を同時に守る一番の近道になります。

まかせて信販が見てきた“新設法人と高額商材”のリアルな着地点から次の一手を考える

新設法人をあえて避ける会社と、あえて取りにいく会社の決定的な違い

同じWeb制作やコンサル会社でも、「新設法人はお断り」という会社と、「新設法人こそおいしい」と言い切る会社に真っ二つに分かれます。違いは営業力よりも、決済と与信の設計思想にあります。

避ける会社は、次のような前提で動いています。

  • 売り方の前提

    • 一括請求前提
    • 自社分割は営業判断でバラバラ
    • 与信は担当者の「勘」と登記情報だけ
  • 結果起きていること

    • 単価を下げないと決まらない
    • 分割を無理に通して未回収が怖くなる
    • 「新設は地雷」という思い込みだけが強化される

一方、あえて取りにいく会社は、最初からこう組み立てています。

  • 戦略の前提

    • 新設法人データで業種・エリア・資本金をセグメント
    • 決済方法を商品設計の段階で決めておく
    • 回収リスクはビジネスクレジットや信販に“外出し”する
  • 結果得られていること

    • 単価を落とさずに受注が積み上がる
    • 自社のキャッシュは安定し、未回収は構造的に出にくい
    • 新設法人を「長期顧客の入口」として育てられる

現場で見ていると、新設法人を避けるか取りにいくかは、営業の気合いではなく“決済の設計力”の差に集約されます。

ビジネスクレジットや分割決済で“新設法人でも通るライン”を探る考え方

新設法人は、決算書も信用情報も薄い状態です。それでも、審査側が見ているのはゼロか100かではなく、「どこまでなら耐えられるか」というラインです。

おおまかな見方を表にすると、次のようなイメージになります。

見られやすいポイント 典型的な着眼点 営業側で工夫できること
設立年月 半年以内か、1〜2年か 金額・回数を設立年数に合わせて抑える
資本金 100万円未満か、それ以上か 初回提案は「資本金の○割以内」に収める
所在地 バーチャルか実オフィスか オフィス形態に応じてリスク説明を用意
代表者情報 経歴・同業経験の有無 面談で事業継続性を丁寧にヒアリング
取引予定内容 実需か、投機的か 売上貢献のロジックを資料で可視化

ここで重要なのは、審査で落ちやすいラインを先回りして提案を組み替えることです。

例えばWeb制作50万円の案件なら、

  • 設立3か月・資本金50万円

    → 自社分割はやめて、ビジネスクレジットで24回を提案

  • 設立2年・資本金300万円・実オフィス

    → 信販24回+着手金10万円のハイブリッド案を用意

  • 設立1年・小規模だが黒字見込みが明確

    → 自社分割12回でも、上限金額と遅延時のルールを契約で明文化

このように、「誰にいくら・何回でなら通りやすいか」を商品ごとに設計しておく会社ほど、新設法人案件を安定して積み上げています。
私の視点で言いますと、ここを後追いで場当たり的に決めている会社ほど、審査落ちや未回収のストレスに振り回されやすいです。

新設法人データをただのリストで終わらせず“味方に変えるビジネスモデル”への一歩

新設法人の情報を買っても、「リストを配って終わり」では、テレアポ要員の疲労と名簿代だけが残ります。ビジネスモデルとして味方に変えるには、データ・営業・決済の三層構造で設計する発想が必要です。

ステップを整理すると、次の3段階になります。

  1. データ層

    • 新設企業情報で、エリア・業種・規模を絞り込む
    • 国税庁や法人登記の無料情報で、登記の有無や所在地を補完
    • インボイス登録の有無や特定新規設立法人の該当性を確認
  2. 営業層

    • 「起業直後に本当に必要なもの」だけを商品ラインナップに残す
    • 新設2年目以降向けのアップセル商品を別枠で用意
    • 電話やオンライン面談の前に、代表者の背景や事業内容を把握
  3. 決済層

    • 単価帯ごとに、一括・自社分割・ビジネスクレジットの標準形を定義
    • 新設法人向けの最大回数・最大金額を社内ルールとして固定
    • 未回収時のフロー(督促・条件変更・停止)をあらかじめ設計

この三層がつながると、営業現場で起きることが変わります。

  • 「新設だから怖いから安くします」から

    → 「新設だからこそ、この決済設計なら安心して払えます」への会話に変わる

  • 「名簿1万件に片っ端から電話」から

    → 「狙った業種・エリアの300件に集中して提案」へ効率が跳ね上がる

  • 「毎回ヒヤヒヤしながら自社分割」から

    → 「リスク部分は外部サービスに任せ、自社は価値提供に集中」できる

新設法人向けの高額商材は、当たり外れが激しい“ギャンブル市場”に見えがちです。ただ、データと決済を味方につければ、「ハイリスク・ハイリターン」ではなく「コントロールされたミドルリスク・高収益ゾーン」に変えられます。

次の一手として意識してほしいのは、リストを増やすことではなく、
「自社のルールで通せる新設法人の条件を明文化する」ことです。
それができた瞬間から、新設法人は怖い相手ではなく、長期で積み上がる資産顧客の入口に変わっていきます。

この記事を書いた理由

著者 – 岡田克也

東京の赤坂で分割決済の相談を受けていると、新設法人との取引で同じ失敗が何度も繰り返されていると感じます。あるWeb制作会社は、無料で集めた新設法人リストに片っ端から電話をして、高額サイトの契約を次々に取っていましたが、半年後に支払い停止と解約交渉が重なり、社内がパンク寸前になりました。話を詳しく聞くと、帝国データバンクの情報を使わず、代表者の背景や資本関係を一切見ないまま、請求条件だけを営業現場に任せていたのです。私たちは、新設法人のデータを単なる名簿ではなく、与信と契約条件を組み立てる土台として使うことで、審査突破と未回収リスク軽減の両方を狙ってきました。この記事では、現場で実際に回収トラブルを処理してきた視点から、帝国データバンクの新設法人情報をどう読み、どのラインなら分割やビジネスクレジットを提案できるかを整理しました。新設法人を怖いから避けるのではなく、情報と決済設計でコントロールして売上と回収を同時に守りたい方に、机上ではない判断軸を渡したいと考えています。