太陽光発電とリース会社で損しない審査と支払総額の見抜き方完全ガイド

太陽光発電をリースで導入したのに、電気料金の削減よりリース料の方が高くつく。審査は通るはずと聞いていたのに、リース会社から連続で否決。家を売ろうとしたら、太陽光の長期リース契約が足かせになって価格交渉で不利になる。これらは「運の悪い例」ではなく、リース会社の選び方と支払方法の設計を間違えた結果として必然的に起きている損失です。

多くの法人担当者や戸建てオーナー、工務店は、「太陽光発電 リース会社」で検索し、初期費用が無料のリースモデルやPPAサービスのメリット解説を一通り眺めます。ところがそこで止まると、発電シミュレーションの前提がズレた瞬間に収支が逆転するポイントや、リース会社と信販会社で審査の物差しが違う現実補助金と固定資産税・会計処理の絡みといった、現場で本当に効いてくる条件が見えないまま契約してしまいます。

この記事の焦点は、「どのリース会社が有名か」ではありません。
扱うのは次のような具体的な論点です。

  • 発電量が想定より下振れしたとき、どのタイミングでリース料がキャッシュフローを圧迫するか
  • 工場や倉庫の電気使用パターンを見ずに作られたシミュレーションが、なぜ数年後に赤字設備になるのか
  • 戸建てで太陽光と蓄電池を長期リースしたとき、「屋根の修理」「家の売却」「カーポート増設」で何が縛られるか
  • 工務店がリース会社1社に丸投げして審査落ちを連発する構造と、その裏にある与信の見方
  • PPAや無料設置サービスで「なんとなくお得そう」なプランの、責任範囲と支払総額の実態

この記事を読み進めれば、リース・ローン・PPA・信販・自家購入を「どれが一番得か」ではなく、「自社(自宅)にとってどの組み合わせが安全で、手元に残る現金を最大化するか」という軸で比較できるようになります。
そのために、リース会社のパンフレットや一般的な比較サイトが触れない一次情報を、実務の流れに沿って整理しました。

以下のロードマップをイメージしながら、必要な箇所から読んでください。

セクション 読者が手にする具体的な武器(実利) 解決される本質的な課題
構成の前半(導入方法の全体像、事業用・戸建て・工務店向けの失敗パターン、リース会社と信販会社の審査差) リース、ローン、PPA、信販、自家購入を一枚の思考枠で比較し、発電量のブレや会計処理、審査の通りやすさまで含めて「損しない支払モデル」を選べる視点 「初期費用ゼロ」「月々のリース料が安い」といった表面条件に振り回され、導入後にキャッシュフローや経営の自由度を奪われるリスク
構成の後半(PPA・無料設置の実態、新しい判断軸、チェックリスト) 太陽光と蓄電池、電化パックを電気料金や停電リスクとセットで設計し、1枚のチェックシートで期間・総額・収支・柔軟性を一気に見抜く技術 「太陽光=投資」や「リース vs PPAの二択」といった古い前提から抜け出せず、自社の事業や生活に最適化された電気・設備戦略を組めない状態

太陽光発電の設備そのものより、どのリース会社とどんな支払方法を組み合わせるかが、10年後の手残りと自由度を決めます。
ここから先は、一般論ではなく、実際に現場で起きているケースを材料に、あなたの判断をアップデートしていきます。

  1. 「太陽光発電×リース会社」選びで損する人の共通点とは?まずは発想のズレを直す
    1. 太陽光の導入方法はリースだけじゃない?ローン・PPA・信販・自家購入を一枚の図で比較
    2. 「初期費用0円」に飛びつく前に見るべき3つのキーワード:期間・総額・会計計上
  2. 事業用ソーラーのリース会社選び:工場・倉庫がやらかす“発電量シミュレーション”の盲点
    1. シミュレーションが外れて収支が逆転した、よくある工場案件のケーススタディ
    2. 発電量だけ見てもダメ?稼働時間・休日・夜間負荷まで見る“プロの電気使用チェック”
    3. 補助金+リース+固定資産税:会計と節税を同時に考えないと痛い目を見る理由
  3. 戸建て住宅オーナー向け:太陽光リースかローンか、家族会議でモメない“生活シミュレーション”
    1. 「月々いくら?」より「生活がどう変わる?」を先に決める:一戸建てのリアルな会話シーン
    2. 家を売るとき・屋根を直すとき:長期リース契約で“将来の自由度”がどう縛られるか
  4. 工務店・施工会社が太陽光リースで失注する理由:リース会社ではなく“提案の設計”が問題
    1. 「リース会社1社だけに丸投げ」で審査3連敗、営業が太陽光を怖がるようになった施工会社
    2. 工務店がやりがちな「説明不足」:途中解約・保証・メンテナンスのLINE相談を再現
  5. リース会社と信販会社、「審査の物差し」が違うからこそ組み合わせる価値がある
    1. なぜ同じ会社でも、リースは落ちて信販分割は通るのか?与信の裏側をやさしく図解
    2. 審査に強い事業者が必ずやっている“資料の揃え方”と見せ方のコツ
  6. PPA・無料設置サービスの「お得そうでモヤモヤする部分」を数字でほぐす
    1. 無料・No初期費用のPPAで本当に得するケース/損するケースを発電分から逆算
    2. PPAとリースの“責任の境界線”:機器トラブルや停電時にどこまで面倒を見てくれるのか
  7. 「太陽=投資」という古い常識から抜け出す:脱炭素・電気料金高騰時代の新しい判断軸
    1. もう“高利回り商品”じゃない?脱炭素と電気料金リスクヘッジとしてのソリューションメニュー発想
    2. 太陽光+蓄電池+電化パック:電気料金とセットで考える“生活と事業の保険”
  8. 今日からできる:太陽光発電のリース会社・支払方法を選ぶための「5つのチェックリスト」
    1. 1枚のシートで比較:導入費用・期間・総額・収支・柔軟性を一気に見抜く方法
    2. 相談の“聞き方”を変えるだけで、リース会社も施工会社も提案内容が変わる
  9. 執筆者紹介

「太陽光発電×リース会社」選びで損する人の共通点とは?まずは発想のズレを直す

「初期費用0円って書いてあるし、月々も電気料金くらい。これなら安心でしょ?」
工場長も住宅オーナーも、ここで一気にガードを下げます。損する人の共通点は、支払方法を“電気料金の延長”としてしか見ていないことです。

太陽光や蓄電池のリースは、言い換えると「電気代+設備代を、別の形で長期契約している」状態です。
ここで発想を切り替えないと、こんな事態になります。

  • 工場: 「発電量が少しズレただけ」で、毎月のリース料が電気代削減額を上回り、10年単位で赤字

  • 住宅: 「家を売るタイミング」とリース満了時期がズレて、売却価格を下げてまで残債処理

  • 工務店: 1社のリース会社だけに出し続けて審査3連敗、社内で太陽光そのものがタブー化

どれも設備や太陽光の性能ではなく、ファイナンスの発想のズレが原因です。
まずは「リース会社を探す」のではなく、「自分に合う支払モデルを設計する」視点に立ち戻りましょう。

太陽光の導入方法はリースだけじゃない?ローン・PPA・信販・自家購入を一枚の図で比較

太陽光発電システムの導入方法は、ざっくり分けると次の5つです。ここを混ぜたまま話を進めると、営業トークに振り回されます。

導入方法 初期費用 所有者 支払いイメージ 向きやすい人・事業
リースモデル 原則0〜少額 リース会社 月々のリース料(経費計上しやすい) 法人・個人事業の設備投資、キャッシュ温存したい層
ローン(銀行等) あり 自分 元利均等返済、資産計上・減価償却 事業の利益を圧縮しつつ資産を残したい法人
信販分割 0〜少額 自分 ショッピングクレジットに近い 住宅の太陽光・蓄電池、戸建てオーナー
PPA(第三者所有) 原則0 PPA事業者 発電分の電気を単価で購入 屋根は貸してもいいが設備は持ちたくない法人・住宅
自家購入(現金) あり 自分 一括支払いのみ 手元資金が厚く、利息やリース料金を嫌う層

ポイントは3つだけです。

  1. 誰が所有者か(資産計上するのは誰か)
  2. 何年かけて、どのくらいの総額を払うのか
  3. 会計処理が「資産」か「経費」か

たとえば、中小企業の工場なら「リースかローンか」で迷う前に、決算書3期分・電気料金明細1年分で、キャッシュフロー表を1枚に並べるだけで方向性が変わります。
戸建てオーナーなら、「屋根の寿命」「家を売る可能性」「子どもの独立時期」と、契約期間を重ね合わせてみると、リースの向き不向きがはっきり見えてきます。

「初期費用0円」に飛びつく前に見るべき3つのキーワード:期間・総額・会計計上

リース会社のパンフレットや営業資料で、もっとも巧妙に隠れやすいのが期間・総額・会計計上の3点です。キャッチコピーは「無料」「初期費用0円」「月々○○円」で攻めてきますが、プロはこの3行しか見ません。

1. 期間:リース期間は“屋根の寿命”と“事業計画”とセットで見る

  • 住宅なら、屋根材の耐用年数(20〜30年)と、リース契約の期間(10〜20年)を必ず横に並べる

  • 工場・倉庫なら、事業用の賃貸契約の残存期間とリース期間を照らし合わせる

    → 倉庫の賃貸が残り7年なのに、15年リースを組めば、8年分は「空中に浮いた契約」になります。

2. 総額:リース料は安いのに、最終支払総額がローンより高いパターン

リース料金だけを見ると「月々30万円 vs ローンだと35万円」で、リースのほうが得に見えるケースがよくあります。
ただ、15年リースと10年ローンで期間が違えば、総支払額は余裕で数百万円単位の差が出ます。

  • リース:月30万円×15年=5,400万円

  • ローン:月35万円×10年=4,200万円

この差1,200万円を「経費で落ちるからOK」とするのか、「資産として残るならローンが良い」とするのかは、法人・個人の考え方と税務の設計次第です。

3. 会計計上:補助金と絡むと、税理士とケンカになりやすいポイント

事業用ソーラーで多いのが、「補助金でここまで安くなります」と営業が強調する一方で、補助金分をどう会計処理するか決めていないパターンです。

  • 補助金で取得価額が下がる → 減価償却費も減る

  • リースなら、リース料を経費計上する一方で、補助金の益金算入のタイミングをどうするか

決算直前に、設備担当・経理・税理士が「こんな会計処理だと思っていなかった」と揉める背景には、この会計計上のすり合わせ不足があります。
リース会社の説明だけではなく、契約前に自社の税理士に「このリースモデルの会計処理」を確認することが、最初の一歩です。

この3つを押さえておけば、「初期費用0円」の甘い響きに足をすくわれることはありません。次の章では、発電量のズレがどれだけリース料を重くするか、工場案件の現場感で掘り下げていきます。

事業用ソーラーのリース会社選び:工場・倉庫がやらかす“発電量シミュレーション”の盲点

「太陽光を載せれば電気代は勝手に下がる」
この発想のままリース契約にサインした工場・倉庫が、毎月じわじわキャッシュを失っている現場は少なくありません。

シミュレーションが外れて収支が逆転した、よくある工場案件のケーススタディ

典型パターンは「発電量だけ甘く見積もったケース」です。
ある工場の想定シナリオと、発電量▲20%の悲観ケースを数字で並べるとこうなります。

項目 想定ケース 発電量▲20%ケース
設備容量 200kW 200kW
リース料(月) 300,000円 300,000円
電気代削減見込み(月) 310,000円 230,000円前後
月次キャッシュフロー +10,000円 -70,000円
契約期間 15年 15年

発電シミュレーションで「発電分だけでリース料を相殺する前提」にしている会社ほど危険です。
現場で赤字化した案件を追うと、次の3点がほぼセットで出てきます。

  • シミュレーションが「年間平均日射量×理想稼働」のみで作られている

  • 工場の稼働時間と電力使用パターンを見ていない

  • リース会社に出す資料も、その甘い前提のまま提出している

発電がブレた瞬間、リース料が固定費として肩にのしかかり、「節電設備のはずが15年ローンの負債」に化けます。

発電量だけ見てもダメ?稼働時間・休日・夜間負荷まで見る“プロの電気使用チェック”

プロは、太陽光発電システムのシミュレーションを作るときに、必ず「電気の使い方」を先に見るように組み立てます。ポイントは次の5つです。

  • 平日・土日・祝日ごとの電力使用パターン

  • 昼シフトと夜勤シフトの比率

  • 夏冬ピーク日のkWhと契約電力(基本料金)

  • 24時間稼働ラインと間欠稼働ラインの区別

  • 低圧設備・高圧設備ごとの電力単価

ここを見ずに「年間使用量÷365日」で平均値だけ出しているシミュレーションは、ほぼ素人レベルです。
例えば、昼はほぼ操業せず、夜間に大型モーターを回す工場では、自家消費率が上がらず、発電した電力が余りがちになります。

  • 昼:太陽は頑張って発電、でも電気消費は少ない

  • 夜:電気消費は多いが、太陽は沈んでいる

このズレを補うには、蓄電池の導入や、電化設備の稼働時間の見直しがセットで必要になるケースもあります。
「発電シミュレーション」ではなく「電気使用シミュレーション」から作る。ここが、リース会社と話す前にやっておくべきプロの段取りです。

補助金+リース+固定資産税:会計と節税を同時に考えないと痛い目を見る理由

事業用太陽光は、補助金・リース・固定資産税・保険が絡んだ瞬間、経理と税理士のストレス源になります。よくあるトラブルの流れを整理すると次の通りです。

  • 設備担当が「補助金が出るからお得」と判断し、リース契約を締結

  • リース会社は動産として総合保険付きで契約、リース料は全額経費計上の前提

  • 補助金分をどう会計処理するかを、税理士と事前に詰めていない

  • 決算期になって「固定資産に計上すべきか」「リース料の損金算入はどう扱うか」で大揉め

ここを避けるには、契約前に最低限チェックすべき3点があります。

  1. 補助金対象は「購入モデル」前提か、「リースモデル」も対象か
  2. リース会社の契約上の「所有者」が誰になるか(名義と会計処理がズレないか)
  3. 固定資産税・動産保険・総合保険の負担者が誰か(リース料金に含まれるか)

この3点を整理しながら、設備担当・経理・税理士・リース会社の4者で同じテーブルに乗せておくと、
「設備は得したが、帳簿と税金で損をする」という最悪パターンをかなりの確率で避けられます。

戸建て住宅オーナー向け:太陽光リースかローンか、家族会議でモメない“生活シミュレーション”

「太陽光を“電気代の節約マシン”としてしか見ないと、ほぼ確実に後悔する」。現場で何百件も見てきた感想です。
戸建ての太陽光・蓄電池は、家計・ライフプラン・住宅の将来計画をまとめて設計する“電化パック”だと考えた方がブレません。


「月々いくら?」より「生活がどう変わる?」を先に決める:一戸建てのリアルな会話シーン

営業「月々1万5千円で太陽光と蓄電池が持てます」
ご主人「電気料金も上がってるし、初期費用0円ならアリかな」
奥さま「でも、そのお金で子どもの習い事も増やせるよね?」
この時点で、“リース料 vs 電気代”の比較だけに会話が吸い込まれている状態です。

本来の家族会議は、先に次の3つを決めた方がうまくいきます。

  • 停電時にどこまで電気を使える生活にしたいか(冷蔵庫・エコキュート・EV充電など)

  • 子どもが独立する時期と、今後の在宅時間(昼間在宅が多いかどうか)

  • 将来「売却」「建て替え」「二世帯化」の可能性

そのうえで、リースモデルかローンか自家購入かを選びます。
月々のリース料金が同じでも、ライフプランと噛み合っていないと、発電システムがただの「高いインテリア」になります。

代表的なパターンを整理すると、判断の軸が見えやすくなります。

生活パターン 向きやすい支払方法 ポイント
共働き・日中ほぼ不在 ローン+小さめ太陽光 自家消費が少ないので、設備を欲張らない
在宅ワーク多め リースモデル or ローン+蓄電池 日中の電気消費が多く、発電を自家利用しやすい
10〜15年で住み替え検討 ローン(繰上返済しやすい) 満了前に売却しても、残債処理がしやすい
終の棲家前提・停電不安大 長期リース+蓄電池 メンテナンス込みで“保険”として割り切る

数字より先に、「自分たちの暮らしの設計図」→「太陽光・蓄電池」→「リース会社・ローン比較」の順で考えると、家族会議が感情論になりにくくなります。


家を売るとき・屋根を直すとき:長期リース契約で“将来の自由度”がどう縛られるか

戸建ての長期リースで、現場の相談が一気に増えるのがこの2場面です。

  • 住宅を売却したい時

  • 屋根・カーポートを修理・葺き替えしたい時

ここで効いてくるのが、「所有権」と「途中解約・譲渡条項」です。パンフレットの文字は小さいのに、インパクトは大きい部分です。

シーン よくあるリース契約の論点 注意しないと起きること
家を売る リース契約の譲渡可否・条件 買主が引き継ぎを拒否→売却価格の値引き要請 or 一括精算
屋根の修理・葺き替え 一時撤去の費用負担者 「足場+撤去+再設置」で数十万円クラスの追加負担
カーポート増設 設備移設の可否 設計制限がかかり、思った通りに外構工事ができない

現場で多いのは、「太陽光は屋根に“置いてある自分の物”という感覚でいるが、契約上はリース会社の所有物というギャップです。

典型的なトラブルパターンを1つ挙げます。

  • 12年リースの太陽光+蓄電池を導入(屋根設置、月々リース料1万8千円)

  • 5年後、転勤を機に住宅を売却したい

  • 買主「太陽光は欲しいが、リース契約までは引き継ぎたくない」

  • リース会社「残リース料の一括精算が必要です」と案内

  • 想定外の数十万円が発生し、譲渡価格を下げざるを得ない

ここを避けるには、見積もり段階で最低限この3点を質問することが有効です。

  • 家を売る場合、リース契約の譲渡は可能か。その時の条件は何か

  • 屋根修理やカーポート設置で一時撤去が必要な場合、撤去・再設置費用は誰の負担か

  • 満了前に一括購入する場合の単価や残価の考え方

リース会社や施工業者は、「月々いくら」の話には慣れていますが、「10年後の自分の選択肢をどこまで残せる契約か」を聞かれると、本音が出てきます。

戸建てオーナーが守るべき視点はシンプルです。

  • 太陽光・蓄電池は、単なる節電設備ではなく「住宅の一部」であり「資産価値」と直結する

  • だからこそ、発電・電気料金だけでなく「自由に売れる・直せる・建て替えられるか」を一緒に比較する

リースかローンかで迷ったときほど、「月々の数字」から一歩引いて、家と家族の10〜20年をどこまで縛る契約かを先にチェックした方が、後からの後悔は確実に減ります。

工務店・施工会社が太陽光リースで失注する理由:リース会社ではなく“提案の設計”が問題

「パネルも蓄電池も悪くない。悪いのは“お金の通し方”だ。」
現場で案件が吹き飛ぶ瞬間を何度も見てきたが、ほとんどはリース会社選びではなく、提案設計と審査の組み立て方の負けだ。

太陽光発電システムは、電気の話とファイナンスの話が絡み合う設備商材。ここを「設備屋のノリ」で攻めると、営業が太陽やソーラーを見るだけで胃が痛くなる組織が出来上がる。

「リース会社1社だけに丸投げ」で審査3連敗、営業が太陽光を怖がるようになった施工会社

よくあるのは、この流れだ。

  1. 有名リース会社1社とだけ提携
  2. どの案件もリースモデル一択で申請
  3. 「直近決算が弱い」「既存借入が多い」中小企業で連続否決
  4. 営業が「太陽光=通らない高額商材」と認識し提案自体を避ける

本来は、同じお客様でもリース与信と信販与信で通りやすさが変わる。法人格の評価が弱くても、社長個人の信用情報で信販分割なら通るケースは珍しくない。

ここを“別枠”で設計している会社は、最初からこんな比較を作る。

調達枠 主な審査軸 向いている案件例
リース会社 法人決算・財務 工場・倉庫の事業用設備一式
信販(分割払い) 個人信用情報 社長所有の事務所・小規模店舗
ローン(銀行等) 事業計画+担保力 大規模ソーラー+蓄電池パック太陽
PPA/無料設置 使用量・契約年数 自家消費メインの長期利用企業

この「調達の引き出し」を持たずに、リース会社1本足打法で戦う施工会社ほど失注リスクが高い
発電量シミュレーションが完璧でも、審査スキームが雑だと利益(=会社の財布の手残り)はゼロになる。

現場では、次の3つをセットで設計しておくと失注が激減する。

  • リースで出す案件

  • 信販で出す案件(社長個人所有の屋根など)

  • 補助金+PPAやローンで組む案件(決算内容に応じて)

営業会議で「どの案件をどの枠で攻めるか」を事前に決めておく会社ほど、太陽光発電のリース料金や期間の話を自信を持って切り出せる。

工務店がやりがちな「説明不足」:途中解約・保証・メンテナンスのLINE相談を再現

失注を超えて“炎上”に変わるのが、途中解約・保証・メンテナンスの説明不足だ。
現場で見た典型的なLINE相談を少しだけ再現する。

【施主】
「屋根を葺き替えたいんですが、太陽光の撤去と再設置ってリース料に含まれてますか?」

【工務店】
「えっと…たぶんメンテナンスの範囲内かと…」

【施主】
「リース会社に聞いたら『撤去・再設置費用はお客様負担』と言われました。そんな説明受けていません。」

【工務店】
「………(社内で大騒ぎ)」

原因はシンプルで、契約の“自由度コスト”を先に説明していないことに尽きる。
太陽光発電システムの長期リース契約で、最低でも事前に言語化しておくべき論点は次の通り。

  • 屋根やカーポートを修理・建て替えする際の

    • パネル一時撤去費用の負担者
    • 再設置時の保証継続条件
  • 中途解約時の残リース料・残価の扱い

  • 機器故障時

    • メーカー保証で無料になる範囲
    • 動産保険・総合保険でカバーされる範囲
  • 停電時の利用制限(自立運転・蓄電池との連携の有無)

この辺りを口頭で済ませると、数年後に「言った・言わない」問題になるため、チェックリスト化して引き渡し時に署名をもらう施工会社ほどクレームが少ない

太陽の力で電気料金を下げること自体は難しくない。
勝負どころは、「どの支払いモデルで」「どこまで将来の屋根や生活の変化を織り込んで」設計するか。
ここに踏み込める工務店・施工会社だけが、太陽光発電×リース会社の時代を攻めの武器に変えられる。

リース会社と信販会社、「審査の物差し」が違うからこそ組み合わせる価値がある

「同じ太陽光設備・同じ法人なのに、リースは否決、信販は一発OK」。
現場では珍しくないこの“謎判定”こそ、太陽光発電のリース会社選びで9割が見落としているツボです。

なぜ同じ会社でも、リースは落ちて信販分割は通るのか?与信の裏側をやさしく図解

リース会社が見ているのは「法人として10年付き合えるか」、信販会社が見ているのは「社長(個人)も含めて返済できるか」という物差しの違いです。

項目 リース会社(例:住友系・三井系など) 信販会社(クレジット・分割払い)
主な審査軸 法人の決算3期、自己資本比率、債務超過の有無 代表者の個人信用情報、カード・ローン履歴
見る決算のポイント 売上推移、営業利益、借入金内訳、減価償却余力 赤字か黒字か程度、安定性の確認レベル
重く見るリスク 過去の支払遅延、同業他社の事故率、クーリングオフ率 個人の延滞履歴、多重債務、カード事故情報
契約主体 法人(設備は所有権移転外の動産リース) 法人+代表者連帯、または個人名義
向くケース 工場・倉庫の事業用ソーラー、大口設備 戸建て住宅や小規模事業、与信がやや弱い法人

現場でよくあるパターンは次の2つです。

  • 決算は黒字でも、社長個人が昔のカード延滞でNG → 信販は否決、リースは通過

  • 法人が債務超過気味だが、社長個人の年収と属性は優良 → リースは渋いが、信販は少額なら通る

太陽光の案件で「通るはずの審査」が続けて落ちるとき、表に出ないのが個人信用情報過去のクーリングオフ率です。特に訪問販売色の強い販売会社だと、クーリングオフが多い販売店としてマークされ、同じ法人でもリース否決が連発するケースがあります。

ポイントは、「リースか信販か」で悩むのではなく、事業計画と与信の強みを見て“別枠で使い分ける”設計にすることです。

審査に強い事業者が必ずやっている“資料の揃え方”と見せ方のコツ

同じ決算書でも、出し方が甘いと「なんとなく不安な会社」に見えます。審査に強い事業者ほど、太陽光を建築予算のオマケではなく、独立した投資案件として組み立てています。

  • 決算書3期分(科目内訳が分かるもの)

  • 電気料金明細1年分(工場・倉庫なら月別+使用量kWh)

  • 太陽光+蓄電池の見積書(リースモデル・PPA・ローンとの比較)

  • 発電シミュレーション(発電量▲20%の悲観ケースもセット)

  • 太陽光用の社内稟議書(設備投資計画としての位置付け)

これを「一式ファイル」としてまとめ、リース会社にも信販会社にも同じ前提条件で投げると、次のような効果が出ます。

見せ方 審査側の受け取り方
太陽光だけの単発見積り 思いつき投資に見え、返済原資の説明が弱い
電気料金削減シミュレーション付き リース料と電気料金削減の関係が明確で安心感アップ
太陽光予算を別枠で記載 「本業の資金繰りを圧迫しない投資」として評価しやすい

特に工場・倉庫向け事業用ソーラーでは、「月々のリース料30万円に対し、電気代削減が23万円」に落ちた悲観シナリオを最初から添付しておくと、金融側は「リスクを理解している事業者」と判断しやすくなります。

逆に、施工会社が「有名リース会社1社だけ」に丸投げし、決算書も古いものを1期だけ出すと、審査3連敗→営業チームが太陽光提案を避ける、という負のループに陥ります。

太陽光発電システムの導入でリース会社を選ぶときは、
「どこが一番安いか」ではなく「どの物差しなら自社の強みが伝わるか」で組み合わせる。
ここまで設計できれば、リースも信販も“審査ガチャ”ではなく、狙って通すためのファイナンスツールになります。

PPA・無料設置サービスの「お得そうでモヤモヤする部分」を数字でほぐす

「無料でソーラー設置できます」「初期費用0円で太陽光発電」――このフレーズにモヤっとするのは感度が高い証拠です。
リース会社・PPA事業者の裏側を知っている人ほど、「タダほど高い電気はない」と数字で判断しています。

無料・No初期費用のPPAで本当に得するケース/損するケースを発電分から逆算

PPAはざっくり言えば「屋根の賃貸+電気の長期購入契約」です。
ポイントは工事費用ではなく、契約単価と発電システムの使い方で勝ち負けが決まることです。

まずは、事業用を想定したシンプルな比較イメージから。

項目 PPAモデル リースモデル
初期費用 無料 原則なし〜少額(保証金など)
支払の基準 使ったkWh×契約単価 月々のリース料(固定)
電気料金との比較軸 電力会社の単価より安いか 電気代削減額より安いか
契約期間 10〜20年が多い 7〜15年が多い
機器の所有 PPA会社 原則リース会社(満了後譲渡あり)

PPAで「本当に得する」パターンは、現場で見ると次の条件がそろったときです。

  • 日射量が高いエリア(九州・四国・関東南部など)で、屋根条件が良い

  • 昼間の電気消費が多く、自家消費率が高い(工場・物流倉庫・スーパーなど)

  • 既存の電気料金単価が高く、PPA単価との差がはっきり出る

  • 補助金申請や設備所有を自社で抱えたくない法人

逆に、同じPPAでも数字が逆ざやになりやすいケースがあります。

  • 積雪地域や曇天が多いエリアで、年間発電量が読みにくい

  • 休日・夜間の電気消費が主で、昼間の自家消費率が低い

  • 既存の電気料金単価が安く、PPA単価との差が小さい

  • 屋根の改修・建替え予定が10〜15年以内に見えている建物

現場でよくやるチェックはとてもシンプルです。

  • 年間消費電力量(kWh)と電気料金明細1年分を出す

  • PPA提案の「予測発電量」「契約単価」「自家消費率」を並べる

  • 「PPA支払総額」と「そのまま電力会社から買った場合の総額」を期間トータルで比較する

特に見落とされやすいのが、発電量がシミュレーションより20%落ちたときの悲観ケースです。
このとき、PPAは「使った分だけ支払う」ため、数字のブレはそのまま電気料金のブレにつながります。
一方、同じ太陽光をリースで導入していると、「リース料は固定で、削減できる電気代だけが減る」ので、毎月の手残りが一気に悪化します。

どちらが有利かは案件ごとに違いますが、必ず通常ケースと発電量▲20%ケースの2本で比較表を作ることが、プロの最低ラインです。

PPAとリースの“責任の境界線”:機器トラブルや停電時にどこまで面倒を見てくれるのか

PPAとリースは、「誰が太陽光設備の持ち主か」で責任範囲がガラッと変わります。
ここを曖昧にしたまま契約すると、停電や故障のたびに『どこに電話すればいいの?』問題が発生します。

項目 PPAサービス リース契約
設備の所有者 PPA会社 リース会社(満了後に譲渡も多い)
機器故障時の修理費 原則PPA側が負担(契約内容による) 動産保険・メーカー保証範囲、超過分は利用者負担の契約も多い
メンテナンス PPA側に義務付けられているケースが多い 別途メンテナンス契約が必要な場合がある
停電時の対応 太陽光で非常用電源をどこまで使えるかは設計次第 蓄電池・電化パックの構成と契約次第
屋根工事・カーポート撤去 原則、PPA会社との協議と費用分担ルールが必要 リース会社の承諾と原状回復費用の扱いを契約で確認

現場でトラブルになりやすいのは、次の3パターンです。

  • パネル故障

    ・PPA: 事業者負担で交換されることが多いが、発電停止期間中の「機会損失」を誰が負担するかは契約次第
    ・リース: 機器はリース会社の所有でも、実務上の修理手配は利用者サイドに回ってくるケースもある

  • パワーコンディショナの交換時期

    ・10年前後で交換が必要になることが多く、高額になりやすい設備
    ・PPAではサービスに含まれる場合があり、ここが「無料」の大きなメリットになる
    ・リースでは別途費用になると、リース料金に上乗せされて実質負担が増える

  • 屋根改修・カーポート撤去

    ・PPAでは「一時撤去・再設置の費用負担」と「工事期間中の発電停止リスク」が必ず問題になる
    ・リースでも似た構造だが、所有権が違う分、誰がどこまで原状回復するかの線引きが変わる

PPAもリースも、パンフレットには「メンテナンス込みで安心」「停電時も安心」といったキャッチコピーが並びますが、
プロが契約前に必ず聞くのは次のような質問です。

  • 太陽光設備の所有者は誰か

  • 動産保険・総合保険でどこまでカバーされるか

  • 雷・台風・積雪被害の扱いと、免責金額はいくらか

  • 停電時にどのコンセントまで電気が流れる設計か

  • 屋根やカーポートを工事したいときの手順と費用負担はどうなるか

この5つを整理してから「リース会社かPPAか」を選ぶと、後からのモヤモヤが一気に減り、数字とリスクで冷静に判断できるようになります。

「太陽=投資」という古い常識から抜け出す:脱炭素・電気料金高騰時代の新しい判断軸

「利回り何%取れるか」だけで太陽光発電を見ている人は、もう試合の半分しか見ていません。
今の現場で動いているキーワードは「売電」よりも、電気料金リスクのヘッジと脱炭素対応を、どう一つの“電気パック”に落とし込むかです。

もう“高利回り商品”じゃない?脱炭素と電気料金リスクヘッジとしてのソリューションメニュー発想

法人の設備担当も、戸建てオーナーも、本音は「何%儲かるか」より「電気代がどこまで上がっても、財布が破れない状態を作れるか」にシフトしています。
そこで必要なのが、太陽光発電を単体の投資商品ではなく、電力調達メニューの一つとして並べて見る発想です。

観点 旧来の「投資商品」発想 今求められる「ソリューションメニュー」発想
主役 売電収入・利回り 電気料金の単価・使用量リスク
比較対象 金融商品(投資信託など) 既存の電力契約・将来の電気料金
判断軸 何年で回収できるか 「月々の電気コスト+リース料」の上限をいくらに抑えるか
関係者 設備担当・オーナー 設備+経理+経営+現場利用者
キーワード FIT・利回り・投資 脱炭素・kWh単価・電気料金・BCP

事業現場で実際に行うのは、次のような比較です。

  • 現在の電気料金単価(円/kWh)と今後10年の上昇リスク

  • 太陽光+リースモデルを入れたときの「実質kWh単価」

  • PPAや無料設置サービスでの「買電単価」と使用パターン

  • 脱炭素(CSR・取引先要求)による“やらないコスト”

ここを一本のシートで比較しておくと、「リース会社に勧められたから導入」ではなく、自分たちで選んだ電力調達メニューとして説明できます。

太陽光+蓄電池+電化パック:電気料金とセットで考える“生活と事業の保険”

太陽光を「保険」に例えると、掛け金=リース料やローン返済、保険金=電気代の節約と停電時の安心というイメージに近くなります。
ここに蓄電池と電化設備(エコキュートやEV、業務用なら電化厨房やヒートポンプ)を組み合わせると、保険としての質が一段上がります。

太陽光+蓄電池+電化パックで、現場が実感しやすいポイントは次の通りです。

  • 電気料金の“上限”を決めにいける

    自家消費分を増やすことで、「深夜単価+ソーラー発電分」で生活や事業の電気をまかなう設計ができる。

  • 停電・災害時のライフライン確保

    住宅なら冷蔵庫・照明・スマホ充電、事業なら最低限の設備稼働を継続できる“事業継続の保険”。

  • 脱炭素アピールの「中身」を作れる

    発電システムのkWh削減実績を、取引先や銀行への説明資料として利用できる。

戸建てと法人で、保険としての見え方は少し変わります。

タイプ 主な狙い 具体的なイメージ
戸建て住宅 家計の電気料金と停電リスクの保険 太陽光+蓄電池+電化(給湯・EV)で「電気代の天井」と「停電時の最低限の暮らし」をセットで確保
工場・倉庫・店舗 電気料金高騰と事業中断リスクの保険 日中の自家消費+夜間の負荷を読み、リース料を含めても「kWh単価を一定範囲に抑える」設計

このとき重要になるのが、リース会社や信販会社を“資金調達の道具箱”として並べることです。

  • 設備は動産扱いでリース料を経費化し、電化設備はローンで所有

  • 太陽光部分だけPPAを使い、蓄電池は信販分割で柔軟にカスタマイズ

  • 建築予算とは別に「太陽光・電化パック用の予算枠」を作り、決裁を通しやすくする

こうした組み合わせを前提に設計すると、太陽光発電はもはや“投資商品”ではなく、電気料金と脱炭素リスクをコントロールする保険パックという立ち位置に変わります。
リース会社選びも、「金利が少し安いか」ではなく、「このソーラーパック全体を、どこまで柔軟に支えてくれるファイナンスか」という目で見ると判断を誤りにくくなります。

今日からできる:太陽光発電のリース会社・支払方法を選ぶための「5つのチェックリスト」

「どのリース会社がいいか」より前に、「どんな支払設計なら10年後も笑えているか」を先に固める方が失敗は激減します。
工場も戸建て住宅も工務店も、まずは次の5項目を1枚にまとめて見比べてください。

  • 導入費用

  • 期間

  • 総額

  • 収支

  • 柔軟性(途中で動かせる余地)

これを整理せずに「初期費用0円」「月々◯◯円」だけで決めると、発電が想定より20%落ちた瞬間に財布が一気に苦しくなります。

1枚のシートで比較:導入費用・期間・総額・収支・柔軟性を一気に見抜く方法

法人の設備担当でも、戸建てオーナーでも、工務店でも使える比較シートのイメージはこの形です。

チェック項目 リース ローン/信販 PPA 自家購入
導入費用(初期) 原則0円 頭金次第 0円 全額自己負担
期間 10〜20年が多い 5〜15年 10〜20年 自由(減価償却期間目安)
支払総額 リース料合計 元利合計 電気単価×使用量 購入価格−補助金
収支の見方 電気代削減vsリース料 削減+売電vs返済 電気単価vsPPA単価 削減+売電vs投資額
柔軟性 途中解約・譲渡条項要確認 繰上返済で調整可 原則解約難しい 自由に処分可能

ここからさらに、「自社(自宅)の数字」を入れて初めて判断材料になります。最低限、次を埋めてください。

  • 年間電気使用量(kWh)と電気料金単価(円/kWh)

  • 太陽光の想定発電量(kWh)と自家消費率(何割使えるか)

  • 月々のリース料/ローン返済額/PPA単価

  • 契約期間と途中解約時の違約金や残価精算ルール

工場案件なら「発電量が20%下振れした悲観ケース」も必ず試算します。
例えばリース料月30万円、電気代削減が想定30万円→実際23万円になれば、毎月7万円が純粋な持ち出しです。
戸建てなら、「オール電化にする前後」「子どもの独立後」で使用電力量がどれくらい変わるかも一緒に並べると、将来の電気料金リスクが見えます。

柔軟性のチェックでは、次の質問で穴をあぶり出します。

  • 家を売る時、リース契約やPPA契約は買主へ譲渡できるか、一括精算か

  • 工場の屋根補修やカーポート撤去時、撤去と再設置は誰の費用負担か

  • 満了時に設備を譲渡されるのか、返却なのか、残価支払なのか

数字と条文を1枚に凝縮すると、「初期費用0円」の裏側にある総額と縛りが一目で分かります。

相談の“聞き方”を変えるだけで、リース会社も施工会社も提案内容が変わる

同じ会社に相談しても、聞き方次第で出てくる選択肢の質がまったく変わります。現場で実際に通りがいいのは、次のような聞き方です。

【最初に伝えるべき情報】

  • 年間の電気使用量と現在の電気料金

  • 建物の将来計画(売却予定、増築予定、屋根の張り替え時期の目安)

  • 使える補助金の有無と、決算・節税の希望(経費化したいのか、資産計上でいいのか)

【必ず投げるべき質問例】

  • 「リース、ローン、PPA、自家購入を別々の枠として比較した提案を見せてください」

  • 「発電シミュレーションは電気の使用パターン(稼働時間・休日・夜間負荷)まで見ていますか」

  • 「リースが否決された場合、信販や他のファイナンスルートも検討できますか」

  • 「途中解約、譲渡、屋根修理時の対応を具体的なケースで説明してください」

戸建てオーナーなら、こう切り出すと話が一気に具体的になります。

  • 「停電時に、どの家電が何時間動かせるかを前提に、蓄電池容量と太陽光のサイズを設計してほしい」

  • 「10年以内に引っ越す可能性があるので、その場合の支払方法と契約処理のパターンを全部教えてほしい」

工務店・施工会社側のペルソナなら、発注先にこう求めるとよいです。

  • 「自社の標準プランとして、リース・信販・PPA・現金購入をセットにした支払メニュー表を作りたい」

  • 「電気料金明細1年分と決算書3期分を前提に、審査が通りやすい資料の揃え方を教えてほしい」

質問の質が上がると、相手も「この人は分かっている」と判断して、リースモデルの裏側や審査の物差し(法人決算か個人信用情報か)も教えてくれるようになります。
太陽光発電とリース会社選びは、「安いか高いか」ではなく、「自分の将来の使い方にフィットしているか」を聞き出せた人から勝っていきます。

執筆者紹介

主要領域は太陽光発電とリース・信販などのファイナンス設計。設備選びより「支払方法と審査・会計をどう組むか」を軸に、スキーム設計の実務ロジックを継続的に整理・発信しています。本記事では、法人・戸建て・工務店それぞれの典型的なつまずき方と、リース会社/信販会社の与信の見方の違いを、中立的な立場から体系化。パンフレットや一般的な比較サイトが触れない条件まで分解し、「損しない支払総額と契約条件」を読者自身が見抜けることを目的に執筆しました。