リフォームローン取次で値引き負けを防ぐ 銀行NGと毎月返済額の落とし穴

「うちは金利の安い銀行リフォームローンを案内しているから大丈夫」と思っているなら、その安心感がそのまま値引き負けと取りこぼしの原因になっています。
見積は通る、提案内容も褒められる、それでも契約直前で「家族と相談してから」「やっぱり水回りだけで」──このパターンが続いている会社ほど、共通して欠けているのはリフォームローン取次の設計と運用です。

問題は商品そのものより、「どの金融機関のローンを、どの順番で、どの聞き方で、どのチャネルで案内するか」という実務の組み立てにあります。
銀行、リフォームローン、無担保ローン、クレジット、プラスローン…。名前だけ並べて「金利が低い方がお得です」と話しても、お客様の頭の中では整理されていません。その結果、

  • 銀行窓口で「多分大丈夫」と言われた事前相談を鵜呑みにして、工事契約後に本審査NG
  • 金利だけで商品を選び、書類と手続きの多さでお客様が脱落
  • 「毎月いくらなら返済できそうか」という核心の対話がないまま、300万円クラスが部分リフォームに縮小

といった見えない損失が常態化します。

この記事では、金融機関の商品カタログの説明ではなく、中小リフォーム会社が現場で勝つためのリフォームローン取次の組み立て方だけに絞って解説します。
三菱UFJなど銀行系リフォームローンの盲点、三井ホームリンケージやAssist系Groupのような自社グループ専用レーンとの違い、労働金庫やSBIネット銀行系の媒介モデルが届かない領域まで、実務のズレを前提に整理します。

さらに、営業が今日から使える

  • 「毎月返済額」ベースのトークスクリプトとLINE/メール例文
  • 銀行・クレジット・信販をどう組み合わせるかという現実解
  • Web申込やネット完結型を前提にした申込導線の作り方
  • あえてローン提案をしてはいけないケースの見分け方

まで落とし込むことで、取次を「キャンセル要因」から「売上アップ装置」へ変える具体的手順を提示します。

この記事を読み進めることで、「銀行でOKと言われたのに審査結果はNG」「書類が多すぎてお客様が音信不通」といったトラブルを事前に潰しつつ、値引きに頼らず契約率を高めるための社内ルールとチェックリストが手に入ります。
内容の全体像は、次の通りです。

セクション 読者が手にする具体的な武器(実利) 解決される本質的な課題
記事前半(ローン構造とトラブル回避) 銀行リフォームローン、公的融資、クレジット、住宅ローン見直しの違いと使い分け、審査NGとキャンセルを防ぐ事前チェックリスト 「なぜ契約直前で壊れるのか」「なぜ銀行任せだと事故るのか」という構造的な理由が分からない状態
記事後半(提案トークと社内ルール) 毎月返済額を起点にした提案トーク、LINE/メールの実例、Web申込を含む申込導線の設計図、「ローンを入れない」判断基準 値引き依存、ローン提案のバラつき、キャンセル時の負担範囲が曖昧なまま運用している状態の打破

「金利が低いから案内している」から一歩進み、「キャンセル率と粗利をコントロールできる取次スキーム」に作り替えたい方だけ、先を読み進めてください。

  1. 「リフォームローン 取次」が分かるだけで、なぜキャンセルが減るのか?
    1. 見積は通るのに契約まで行かない…現場で本当に起きている「最後の一押し」の正体
    2. 「毎月いくらならOKですか?」――返済額の会話がない会社ほどキャンセル率が高い理由
    3. 銀行・クレジット・リフォームローン・プラスローン…似た言葉が多すぎて現場が混乱している構図
  2. 銀行リフォームローンの「盲点」と、取次スキームをどう組み替えるか
    1. 三菱UFJなど銀行系リフォームローンと、リフォーム会社から見た“実務のズレ”
    2. 「銀行でOKと言われたのに本審査NG」になる3つの典型パターン
    3. 銀行窓口任せにせず、事前にチェックしておきたい返済条件・借入上限・つなぎ融資の注意点
  3. 三井ホーム・Assist系Groupと、中小リフォーム会社の立ち位置の違い
    1. 三井ホームリンケージのリフォームローン取次は“自社グループ専用レーン”であるという現実
    2. カシワバラ・AssistやSBIネット銀行系の媒介モデルがカバーする領域/しない領域
    3. 「住宅ローンの見直しでリフォーム費用も一緒に借りる」案が使えない現場事情(築年数・借入残高・団信など)
  4. 現場でよくあるリフォームローン取次トラブルと、プロがやっている回避策
    1. 工事契約後にローン審査NG → キャンセル・再見積もりの泥沼パターン
    2. 金利だけで選んだ結果、「書類が多すぎてお客様が脱落」するケーススタディ
    3. キャンセル時の“誰がどこまで負担するか”を曖昧にしたまま契約すると起きること
  5. 「毎月返済額」で即決を生む、提案トークとLINE/メール例文
    1. 「総額500万」より「毎月いくら」――心理的ハードルを下げる数字の見せ方
    2. 実際にあり得るLINE/メールのやり取り例(返済額・返済期間・ボーナス併用の相談)
    3. その場で“ざっくり返済診断”をする時に使えるチェック項目
  6. リフォームローン取次を「売上Up装置」に変えるための社内ルール作り
    1. 営業が必ず聞いておくべき3つの質問(現在の住宅ローン・借入状況・返済遅延の有無)
    2. 「この金額なら通りやすい」目安を社内共有しておく意味
    3. Web・電話・窓口…お客様に合わせた申込チャネルの組み合わせ方
  7. 銀行・クレジット・信販をどう組み合わせるか?中小リフォーム会社の「現実解」
    1. 銀行リフォームローン一本足打法の限界と、クレジット(信販)メニューの役割
    2. 無担保リフォームローン vs リフォームクレジット:毎月返済額と審査スピードのリアル比較
    3. 「金利優遇」だけに惑わされないための、返済額シミュレーションの読み方
  8. 「ネット完結OK」「Web申込OK」が契約率を左右する理由
    1. 共働き世帯のリアル――銀行窓口に行けないお客様が増えている
    2. Web・ネット完結型申込を用意しておくと、なぜキャンセルが減るのか
    3. 申込書類・必要書類を減らすと、どこまで契約スピードが変わるのか
  9. 最後にもう一度だけチェックしたい、「リフォームローン取次を入れてはいけない」ケース
    1. 現在の借入・返済状況から見て、あえてローン提案を控えた方が良いお客様像
    2. 「とにかくローンで組みたい」という要望にブレーキをかけるべき理由
    3. 返済が厳しくなった時に、どこまでアシストできるかを事前に決めておく重要性
  10. 執筆者紹介

「リフォームローン 取次」が分かるだけで、なぜキャンセルが減るのか?

「見積もりまでは盛り上がるのに、契約直前でスッ…とフェードアウトされる」
地方の中小リフォーム会社から、同じ嘆きを何度も聞きます。
多くの場合、図面や仕様ではなく、“お金の段取りトーク”が置き去りになっているだけです。

資金の壁を越えられる会社と、値引き合戦で削られる会社を分けているのは、高度な金融知識ではありません。
ポイントはシンプルで、「リフォームローン取次を使って、毎月返済額の会話を主導できるかどうか」です。

見積は通るのに契約まで行かない…現場で本当に起きている「最後の一押し」の正体

お客様が帰り際によく口にする「一度、家族と相談します」は、本音ではこう置き換えられます。

  • この総額、本当に払っていけるのか不安

  • 手持ちの貯金だけで払うのは怖い

  • 銀行に聞きに行くのが面倒で、後回しにしたい

私の視点で言いますと、ここで「資金計画ごと一緒に考えてくれる会社かどうか」がふるいにかけられています。

よくある失敗パターンは次の通りです。

  • 見積提示: 「工事は400万円です」で終了

  • 支払い説明: 「現金か銀行ローンでお願いします」と丸投げ

  • ローン案内: パンフレットを渡すだけで、返済額シミュレーションなし

この流れだと、お客様は自宅でスマホをいじりながら、より安い会社と比較し始めます。
「資金の不安」を先に消してくれた会社に、契約を持っていかれやすくなります。

「毎月いくらならOKですか?」――返済額の会話がない会社ほどキャンセル率が高い理由

工事総額の話ばかりで、毎月返済額を一緒に確認する時間がゼロという会社は、キャンセルリスクが高くなります。

典型的な流れを対比すると、違いがはっきりします。

パターン ヒアリング内容 お客様の心理 結果
A会社 工事内容と総額だけ 支払いのイメージが湧かない 家に持ち帰って検討→消える
B会社 工事内容+毎月返済の上限を確認 家計に落とし込める その場で前向きな返事が出やすい

たとえば、400万円のリフォームでも、

  • 10年返済で金利2.5%前後なら「毎月約3万7千円」

  • 15年返済なら「毎月約2万7千円」

程度が1つの目安になります(実際の金利・審査結果で変動)。
ここをその場で一緒にシミュレーションし、「家賃や現行の住宅ローンと比較」してあげると、お客様の表情が一気に変わります。

現場で効果が大きい質問は、シンプルに次の3つです。

  • 現在の住宅ローンの毎月返済はいくらか

  • 今回のリフォーム費用として「毎月いくらまでなら無理なく払えるか」

  • ボーナス月に少し多めに入れられるかどうか

この3問を聞くだけで、「手が届くかもしれないリフォーム」に変わります。逆に、ここを聞かない会社は、お客様にとって「高い買い物を押し付けてくる会社」に見えがちです。

銀行・クレジット・リフォームローン・プラスローン…似た言葉が多すぎて現場が混乱している構図

現場で混乱を招いているのが、金融機関や商品名ごとの呼び方の違いです。営業側がモヤッとしていると、そのままお客様にも不安が伝染します。

用語 中身のイメージ よくある誤解 現場で押さえるポイント
銀行リフォームローン 銀行が扱う無担保/有担保ローン 住宅ローン並みに誰でも通ると思われがち 金利は低めでも審査が厳しく、書類が多いケースが多い
リフォームクレジット(信販) 信販会社の分割払い 「金利が高いから提案しにくい」と敬遠される 事前審査が速く、書類も少ないため成約率に直結しやすい
プラスローン・多目的ローン 使い道自由のカードローン系 リフォーム費用として問題なく使えると見られがち 金利が高めで、総返済額が膨らみやすい
住宅ローン借換+増額 既存住宅ローンの見直しと増額 「どの家庭にも使える裏ワザ」と誤解される 築年数・借入残高・団体信用生命保険の条件で使えないケースが多い

現場で重要なのは、「どれが一番金利が低いか」ではなく「どれならこのお客様が現実的に通るか」です。

  • 銀行リフォームローンは、金利は魅力的だが審査と書類が重い

  • 信販系リフォームクレジットは、金利はやや高いがスピードと通りやすさが強み

  • ネット銀行系の多目的ローンは、WEB完結だが、所得・信用情報にシビア

この違いを理解していると、「まずは銀行で聞いてきます」でボールを外に出すのではなく、その場で取次スキームを案内し、キャンセルの芽を早い段階で潰すことができます。

銀行リフォームローンの「盲点」と、取次スキームをどう組み替えるか

「金利が低い銀行リフォームローンを案内しているのに、契約は増えないしキャンセルばかり」
この違和感を放置すると、見積だけ出して終わる“ボランティア工務店”になります。

三菱UFJなど銀行系リフォームローンと、リフォーム会社から見た“実務のズレ”

銀行は住宅ローンの延長線の金融商品としての整合性を見ていますが、現場のリフォーム会社が見たいのは契約率・審査スピード・書類負荷です。この焦点のズレが、取次での取りこぼしを生みます。

代表的な“ズレ”はこの3つです。

  • 審査のスピード感

    営業現場は「今週中に返事がほしい」のに、銀行は事務処理の都合で1〜2週間かかるケースがある。

  • 書類の量と難易度

    本人確認書類+所得証明+既存借入の返済予定表+工事請負契約書など、お客様の手元にない書類が多く、そこで脱落しやすい。

  • 「事前OK=本審査OK」の誤解

    窓口での“概算OK”を審査結果と誤解し、そのまま工事契約に進んでしまう。

私の視点で言いますと、銀行を「一番条件の良い本命」ではなく「通ればラッキーなAプラン」くらいに置くと、スキーム設計が現実的になります。

銀行系と信販系を、現場目線で整理するとこうなります。

項目 銀行リフォームローン(三菱UFJ等) 信販系リフォームクレジット
金利 低め やや高め
審査スピード 数日〜1,2週間 即日〜翌営業日も多い
申込チャネル 窓口・WEB・郵送 WEB・タブレット・電話
必要書類 多い・詳細 比較的少ない
契約率 条件が合えば高いが母数が少ない 幅広い層を拾える

「銀行でOKと言われたのに本審査NG」になる3つの典型パターン

現場で頻発する“白紙撤回パターン”は、ほぼこの3つに集約されます。

  1. 「年収」「勤務先」だけでの口頭判断
    窓口で「その年収なら大丈夫でしょう」と案内され、既存借入(カードローン・クレジット)や他社ローンを加味していないケース。

  2. 担保評価と築年数の壁
    住宅ローンに上乗せするタイプの場合、築年数・残債・担保評価で急にNGになる。古い木造住宅や地方物件ほど、このリスクが高い。

  3. 信用情報の見落とし
    返済遅延・携帯分割の延滞・消費者金融の借入など、本人も把握していない信用情報が本審査で発覚しNGになる。

この3つを踏まえると、「銀行ルートだけで見積を組む」のは相当リスキーだと分かるはずです。

銀行窓口任せにせず、事前にチェックしておきたい返済条件・借入上限・つなぎ融資の注意点

取次で本当に見るべきなのは、「通るかどうか」ではなく“このお客様が安全に払えるかどうか”です。最低限、次の3点は営業段階で押さえておきたいところです。

1. 毎月返済額の目安を先に決める

  • 現在の住宅ローン返済額

  • 他の借入(車・カード・教育ローン)

  • 手取り月収

ここから「あと毎月いくらまでなら払えるか」を一緒にシミュレーションし、銀行・信販どちらで組んでも無理のない返済額にする。

2. 借入上限だけで見積を膨らませない

銀行の融資上限ギリギリで見積を作ると、評価額のブレや諸費用で簡単にオーバーします。
「借入上限−10〜20%」くらいをリフォーム費用の天井とした方が、キャンセル率は確実に下がります。

3. つなぎ資金・着工金の扱いを明文化する

  • 銀行は融資実行タイミングが遅いケースが多い

  • 工務店側は着工金や中間金が必要

ここを曖昧にすると、「ローン実行前に工事が進む」「実行遅延で支払いが滞る」といったトラブルになります。

事前に、お客様と次のように整理しておくと安全です。

  • ローン実行前に支払いが必要な金額

  • その資金をどう用意するか(手持ち資金・短期借入など)

  • 実行遅延時の対応(工期調整・支払猶予の有無)

銀行を悪者にする必要はありませんが、銀行の“きれいな商品説明”をそのまま信じて現場に持ち込むと、工務店側が矢面に立たされるのがリフォームのリアルです。
だからこそ、銀行リフォームローンは「メインの武器」ではなく、「条件がハマるお客様にだけ使うサブの選択肢」として、信販やリフォームクレジットと組み合わせて設計していく必要があります。

三井ホーム・Assist系Groupと、中小リフォーム会社の立ち位置の違い

「同じ“リフォームローンの取次”でも、走っているレーンがそもそも違う」
ここを理解していないと、地方の工務店が三井ホーム級のスキームを真似しようとして空振りします。

三井ホームリンケージのリフォームローン取次は“自社グループ専用レーン”であるという現実

三井ホーム系のリンケージモデルは、一言でいうと「自社住宅を売るための専用金融インフラ」です。
表にすると、中小リフォーム会社とのギャップがはっきりします。

項目 三井ホーム等 大手グループ 中小リフォーム会社
主目的 自社住宅・大型リノベの販売 既存住宅の改修・設備入替
金融機関との関係 グループ案件を大量送客する「優良紹介元」 単発紹介の「多数の中の1社」
ローンの柱 住宅ローン+リフォーム費用上乗せ 無担保リフォームローン・信販クレジット
審査フロー 専用窓口・社内連携で最適化 通常窓口・WEB申込を都度利用
返済条件 団体信用生命保険前提の長期返済 団信なし~10~15年の分割返済中心

ポイントは、「団体信用生命保険付きの住宅ローン」が前提になっていることです。
住宅ローンの残債+リフォーム費用を一体で組み替えるから、金利は低くても、そもそも

  • 自社の新築・大規模リノベ

  • 担保評価が見込める物件

  • 属性の良い顧客層

を前提にした設計になっています。

私の視点で言いますと、ここを知らずに「同じ銀行に相談すれば、うちもあの金利で出るはず」と期待してしまう工務店がかなり多い印象です。

カシワバラ・AssistやSBIネット銀行系の媒介モデルがカバーする領域/しない領域

カシワバラAssist系やSBIネット銀行経由のリフォームローン媒介は、「住宅ローン+α」路線をきれいに整えたレーンです。
ただし、万能ではありません。

カバーしやすい領域

  • まだ住宅ローン残高が十分あり、金融機関から見て担保価値が読みやすい

  • 三菱UFJなどメガバンクを含む「住宅ローン借換検討層」

  • WEB申込やオンライン審査結果の案内に抵抗がない世帯

カバーしづらい領域

  • 借入比率が高く、追加融資の余地が少ない

  • リフォーム金額が300万前後で、借換コストの方が重くなるケース

  • 労働金庫や地銀で既に低金利の住宅ローンを組んでおり、借換メリットが薄い

媒介モデルは、「住宅ローンとセットで資金を再設計したい層」には強いが、
「とにかく早く、書類少なく、無担保で通したい小~中規模リフォーム」には向きにくい
という構造があります。

中小リフォーム会社がここをメインの取次スキームにしてしまうと、

  • 申込書類が増え、お客様の途中離脱

  • 審査に時間がかかり、工期が後ろ倒し

  • 審査NG時に代替案がなくキャンセル

といったリスクが一気に高まります。

「住宅ローンの見直しでリフォーム費用も一緒に借りる」案が使えない現場事情(築年数・借入残高・団信など)

営業現場でよく出るのが、「今の住宅ローンを見直して、リフォーム資金も一緒に借り直しましょう」というトークです。
ところが、実務では使えないケースの方が多いのが実感です。

使いにくくなる典型条件を整理すると、次の3つに集約されます。

  1. 築年数が進みすぎている
  • 築25~30年超の木造住宅は、担保評価がシビアになりがち

  • 金融機関側の「担保余力」が乏しく、追加融資や借換にブレーキがかかる

  1. 借入残高と返済期間のバランス
  • 既に返済が進み、残高が少額だと「借換コストの方が高い」状態になりやすい

  • 逆に残高が多く返済期間も長いと、「これ以上返済期間を伸ばせない」という制約が出る

  1. 団体信用生命保険(団信)・信用生命のハードル
  • 年齢が上がっていたり、過去の病歴があると、団信加入が難しい

  • 団信に入れないと、住宅ローンとしては金融機関が慎重になる

この3つが重なってくると、「住宅ローン見直し+リフォーム資金上乗せ」は机上では正しくても、審査の土俵にすら乗りにくい状況になります。

だからこそ中小リフォーム会社側は、

  • 住宅ローン見直しレーン(Assist系・SBI系・メガバンク)

  • 無担保リフォームローンレーン(銀行・労働金庫など)

  • 信販系リフォームクレジットレーン(カード会社・信販会社)

の3レーンを冷静に切り分け、

「このお客様はどこなら現実的に通りやすいか」「毎月返済と書類負荷のバランスが良いのはどこか」

を、その場でシミュレーションして見せられるかどうかが勝負どころになります。

現場でよくあるリフォームローン取次トラブルと、プロがやっている回避策

「ローンさえ通れば、この500万の工事は決まり」
そう信じていた案件が、一通の審査結果メールで一気に白紙になる。
値引きではなく、取次の段取りで勝負が決まっている場面がここです。

私の視点で言いますと、リフォームローン取次の失敗パターンは大きく3つに集約できます。

工事契約後にローン審査NG → キャンセル・再見積もりの泥沼パターン

よくある流れは次の通りです。

  1. 見積提示→お客様「銀行で借りられそうだから契約します」
  2. 工事請負契約締結
  3. 数日後、銀行や金融機関の本審査NG
  4. 「300万に減額したプランで再見積もりしてほしい」「キャンセルしたい」

この時点で、職人手配や材料発注を進めていると、キャンセル料を請求せざるを得ず、強いクレームに発展しがちです。

回避のために、プロが必ずやっているのは次の3点です。

  • 「工事契約日=ローン本申込日」にしない

  • 銀行リフォームローンと信販系リフォームローンの2ルート以上で事前審査を確認

  • 見積段階で「借入上限・他の住宅ローン残高・返済状況」をヒアリング

よく使われる整理の仕方を表にすると、感覚が掴みやすくなります。

項目 銀行リフォームローン 信販系リフォームクレジット
金融機関 銀行・労働金庫 信販会社・カード会社
審査スピード 遅め(数日~1週間) 早め(即日~数日)
金利 低めの商品が多い やや高め
必要書類 多い傾向 比較的少ない
現場メリット 返済負担を抑えやすい 審査通過率とスピード

「金利は銀行で、スピードと通過率は信販で担保」という考えで、事前審査を複数ルートで持っておくだけでも、泥沼パターンはかなり防げます。

金利だけで選んだ結果、「書類が多すぎてお客様が脱落」するケーススタディ

金利が低い銀行ローンを案内したものの、途中でお客様がこう漏らすパターンがあります。

  • 「勤務先に在籍証明を出してもらうのが気まずい」

  • 「住宅ローンの返済予定表を探すのが面倒」

  • 「共働きで銀行窓口の営業時間に行けない」

結果、申込書類が揃わず、融資実行前にお客様の気持ちが萎えて自然消滅→キャンセルという流れです。

回避のポイントは、最初の提案時に次をセットで案内することです。

  • 銀行ローン: 金利は低いが書類と時間が多め

  • 信販ローン: 金利はやや高いがWEB申込・審査結果が速い

お客様の働き方や家族構成を聞いたうえで、

  • 「時間が取れるなら銀行系」

  • 「平日休みが取れない共働きならWEB完結できるリフォームローン」

といった現実的な選び方を提案すると、脱落率が目に見えて下がります。

キャンセル時の“誰がどこまで負担するか”を曖昧にしたまま契約すると起きること

トラブルが一番こじれるのは、ローン審査NGや借入条件変更で工事を中止する時です。
ここで揉める会社は、次の3点が契約書や申込案内で曖昧なままです。

  • ローン審査結果がNGだった場合の工事契約の扱い

  • 実費発生分(設計費・申請費・現地調査費など)を誰がどこまで負担するか

  • ローン申込キャンセル時に金融機関へ支払う手数料や印紙代の扱い

最低限、次のようなルールを文書化しておくと、安全度が一気に上がります。

  • 「審査結果NGの場合は、工事契約は自動的に白紙撤回。ただし、事前に合意した実費はお客様負担」

  • 「減額の再見積もり時には、新たな返済シミュレーションを提示し、借入可能額を再確認」

  • 「ローンキャンセルに伴う金融機関への手続き費用が発生する場合、その負担者を事前に明記」

この3つを見積書・契約書・ローン案内書のどこかでしっかり共有しておくだけで、「言った言わない」のリスクと、クレーム対応に追われる時間を大幅に減らせます。リフォームローン取次は、売上アップの武器にも毒にもなりますが、毒になる会社は例外なくこのあたりの線引きが甘いまま走っている状態です。

「毎月返済額」で即決を生む、提案トークとLINE/メール例文

「総額500万」より「毎月いくら」――心理的ハードルを下げる数字の見せ方

同じ500万でも、「工事総額500万円です」より「月々1.9万円でフルリフォームできます」の方が、お客様の心は一気に動きます。理由はシンプルで、財布から出ていくお金は「総額」ではなく「毎月のキャッシュフロー」で感じているからです。

リフォームローン取次を武器にする会社は、見積提示の段階から必ず“二本立ての数字”で話します。

数字の見せ方の基本軸

見せ方の軸 NGパターン 成約率が上がるパターン
金額表現 「工事一式 486万円」 「工事一式 486万円(リフォームローン利用で月1.8万円/15年・金利◯%試算)」
比較対象 他社より30万安い 現在の家賃・住宅ローン+月1.8万円でどこまで快適になるか
ゴール 見積承認 「この毎月返済額ならOK」の口頭合意

会話の入り口も変えます。

  • 「ご予算はいくらですか?」

  • 「毎月いくらまでなら無理なく返済できますか?」

この一言を変えるだけで、「銀行に相談してみます」で持ち帰られて消える案件が、その場で“毎月返済額ベース”の仮合意に変わります。

私の視点で言いますと、地方の工務店ほど総額で勝負しがちですが、実際には「300万の水回りだけ」から「800万のフルリノベ」に伸びる案件は、ほぼ例外なく“毎月返済額の会話”をしている現場です。

実際にあり得るLINE/メールのやり取り例(返済額・返済期間・ボーナス併用の相談)

現場では、契約直前の不安は対面よりもLINEやメールで噴き出します。ここを取りこぼさない会社が、キャンセルを減らしています。

LINEの実例イメージ(銀行リフォームローン+信販クレジットを併用できる会社の場合)

お客様
「見積の450万、ローンにすると毎月いくらくらいになりますか?ボーナス払いも少し使いたいです」

営業
「ありがとうございます。リフォームローンの試算ですと、
・借入450万円
・金利2.4%想定
・返済期間15年
月々約2.0万円+ボーナス月5万円×年2回 が一つの目安です。
ボーナス無しですと、
月々約2.5万円のみ にもできます。」

お客様
「月2万円台なら大丈夫そうです。ボーナス5万も問題ないです。」

営業
「承知しました。審査結果によって金利が多少前後する可能性はありますが、毎月返済額が大きく変わらない範囲で組める見込みです。
明日、WEB申込用のURLをお送りしますので、スマホからお手続きいただけます。」

ここでのポイントは3つです。

  • 「借入額・金利・返済期間」をセットで提示する

  • 「ボーナス併用」「ボーナス無し」の2パターンを即答する

  • 「審査結果での金利変動」を先に一言添えておく(トラブル防止)

メールでも構成は同じで、数字を太字にして視認性を上げておくと、迷いが減ります。

その場で“ざっくり返済診断”をする時に使えるチェック項目

銀行や金融機関の正式審査前に、営業が5分でできる“ざっくり返済診断”を持っているかどうかで、契約率が変わります。

ヒアリング時に必ず確認したいチェックリスト

  • 現在の住宅ローン残高と毎月返済額

  • 他の借入(カードローン・自動車ローン・リボ払いなど)の有無と毎月返済額

  • 直近1年で返済遅延・延滞がないか

  • 世帯年収とボーナス支給の有無

  • 希望する毎月返済上限(「今よりプラスいくらまでOKか」)

  • 希望する完済時年齢(「何歳までに払い終えたいか」)

  • 金融機関に提出できる書類(源泉徴収票、確定申告書、健康保険証など)の準備状況

  • 銀行窓口へ行ける曜日・時間帯、WEB申込の可否

これらを聞きながら、手元の簡易シミュレーションで「この年収・借入状況なら、◯◯万円までは現実的」という感覚値を社内で共有しておくと、無理な提案で審査NG→キャンセル、という悪循環を避けられます。

リフォームローン取次は、金融商品の説明ではなく、「お客様の毎月返済額のストーリーを一緒に組み立てる作業」です。この視点を現場全員が持てるかどうかが、値引き負けから抜け出すかどうかの分かれ目です。

リフォームローン取次を「売上Up装置」に変えるための社内ルール作り

「ローンは金融機関任せ」のままだと、せっかくのリフォーム案件が、値引き合戦か水回りだけのプチ工事で終わります。
ポイントは、営業トークではなく“社内ルール”をチューニングすることです。

営業が必ず聞いておくべき3つの質問(現在の住宅ローン・借入状況・返済遅延の有無)

商談の初期で、必ずこの3つだけは聞けるようにテンプレ化しておきます。

  • 今の住宅ローンの残高と毎月返済額

  • 他の借入(カードローン・マイカーローン・リボ)の有無と概算額

  • ここ1年以内の返済遅延・延滞の有無

会話例のイメージはこうです。

  • 「今のお住まいのローン、毎月いくらくらいお支払いですか?」

  • 「お車やカードの分割、他に大きめのローンはありますか?」

  • 「支払いで遅れてしまった時期があるかだけ、金融機関がかなり気にします」

この3点を聞いておくと、「そもそもリフォームローン審査に乗るかどうか」がざっくり読めます。
銀行リフォームローンか、信販クレジットか、現金+少額ローンかの振り分けも、ここから逆算できます。

私の視点で言いますと、ここを聞かずに見積だけ先行した案件ほど、審査結果NG→キャンセル→再見積で現場が疲弊していました。

「この金額なら通りやすい」目安を社内共有しておく意味

営業一人ひとりの勘に任せると、「通りにくい金額でシミュレーションを出して撃沈」が増えます。
最低限、社内で次のような“目安テーブル”を共有しておくと、無駄な提案が激減します。

年収ゾーン 他借入の状態 ねらう借入額の目安 ねらう商品イメージ
400万前後 他借入ほぼなし 〜300万 銀行系リフォームローン中心
400万前後 カード・マイカー有 〜200万 信販リフォームクレジット多め
300万前後 他借入あり 〜150万 少額+工事内容の圧縮提案
500万超 他借入少 〜500万 銀行無担保+長期返済案

この「ねらう借入額の目安」を前提に、毎月返済額シミュレーションを使ってトークを組み立てます。

  • 「このプランですと、金利1〜3%帯のリフォームローンで、月々約○万円前後ですね」

  • 「もし他の借入も考慮するなら、借入額をここまでに抑えると、審査はかなり通りやすくなります」

数字はざっくりでよく、重要なのは“通りやすい金額レンジから逆算して提案する”文化を全社で共有することです。

Web・電話・窓口…お客様に合わせた申込チャネルの組み合わせ方

同じリフォームローンでも、「どこでどう申し込むか」で契約率が一気に変わります。
チャネルごとの特徴を整理するとこうなります。

チャネル 向いているお客様像 強み 弱み
銀行窓口 平日休み・地元志向 対面で安心、説明が丁寧 来店の手間が大きい
電話+郵送 高齢層・ネット苦手 サポートしやすい 書類の行き来で時間がかかる
Web申込 共働き・子育て世代 24時間OK、スマホで完結 本人任せだと途中離脱しやすい

社内ルールとして、次のような“自動分岐”を決めておくとスムーズです。

  • 平日昼間に動けない共働き → Web申込OKの金融機関を第一候補

  • 高齢の施主・紙文化が強い地域 → 電話サポート+郵送型の商品を優先

  • 地元信用金庫や労働金庫との付き合いが濃い場合 → 窓口紹介+事前に必要書類リストを手渡し

このとき、必ず「必要書類チェックリスト」を共有しておき、営業がその場で本人確認書類・収入証明・住宅ローン残高の有無を確認できるようにしておくと、申込後の差し戻しが激減します。

リフォームローン取次は、特別な金融テクニックよりも、聞く質問・金額の目安・申込チャネルの3点を“仕組み化”した会社から、静かに売上が積み上がる構造になっています。

銀行・クレジット・信販をどう組み合わせるか?中小リフォーム会社の「現実解」

銀行リフォームローン一本足打法の限界と、クレジット(信販)メニューの役割

銀行リフォームローンだけで戦うと、数字上は魅力でも「契約の現場」では負けやすくなります。理由は単純で、審査スピードと手続き負荷が、営業のクロージング速度についてこないからです。

ポイントは次の3つです。

  • 銀行は金利は低いが、審査書類が多く審査結果が出るまで時間がかかる

  • 借入状況や団体信用生命保険の条件で、そもそも融資枠が出ないケースが想像以上に多い

  • 「銀行で確認してきます」で熱が冷め、見積が別業者に流れるリスクが高い

ここを埋めるのが、クレジット(信販)型のリフォームクレジットです。金利は銀行より高めですが、

  • 即日〜1営業日レベルの審査スピード

  • Web申込と少数の書類で完結

  • 無担保で住宅の抵当や保険の見直しが不要

という「営業現場向きの金融商品」として機能します。

私の視点で言いますと、銀行=本命・信販=即決用のサブ武器という位置づけで、取次スキームを組んだ会社ほど、キャンセルよりも「グレードアップ変更」が増えます。

無担保リフォームローン vs リフォームクレジット:毎月返済額と審査スピードのリアル比較

同じ300万円の工事でも、「どの金融機関レーンを使うか」で毎月返済と契約率はまるで変わります。

項目 銀行無担保リフォームローン リフォームクレジット(信販)
想定金利 2〜4%台 3〜5%台
返済期間 10〜15年が多い 3〜15年
毎月返済(300万/10年) 約2.7〜3.0万円 約3.0〜3.2万円
審査スピード 数日〜1週間 即時〜1営業日
必要書類 収入証明、借入確認など各種 顧客情報+簡易収入確認中心
申込チャネル 窓口、郵送、WEB WEB、タブレット、電話フォロー

数字だけ見れば銀行が有利に見えますが、現場で効いてくるのは審査スピードと通過率です。

  • 年収に対する既存の住宅ローン返済比率が高い

  • カードローンや車のローンが複数ある

  • 団信の加入条件に不安がある

こうしたケースでは、銀行は「審査に時間をかけて慎重にNGを出す」のに対し、信販は「与信モデルが違うため、通る枠が残っている」ことが少なくありません。

営業がやるべきことは、最初からどちらか一択にせず、毎月返済額と審査スピードのバランスでルートを選ぶことです。

「金利優遇」だけに惑わされないための、返済額シミュレーションの読み方

金利比較だけで金融商品を選ぶと、現場では次のような「落とし穴」にハマります。

  • 優遇金利を取るために書類が増え、顧客が途中で申込をやめる

  • 借入条件が厳しく、審査NGで工事契約が白紙に戻る

  • シミュレーション上の毎月返済額は低いが、審査に時間がかかり他社に横取りされる

対策として、シミュレーションを見る時は必ず3つの軸でチェックすると安全です。

  • 金利と総返済額:顧客の長期的な財布への負担

  • 毎月返済額:顧客が「これなら払える」と即答できるか

  • 審査スピードと手続き工数:契約までの「熱量」が落ちないか

リフォーム会社側がやるべきは、「最安金利の案内」ではなく、顧客の生活に無理がなく、かつ工事が確実に実行できるレーンの提案です。ここまで踏み込んで返済シミュレーションを読み解ける会社だけが、「値引き合戦」から抜け出していきます。

「ネット完結OK」「Web申込OK」が契約率を左右する理由

「金利0.1%下げるより、Web申込を1本増やした方が契約が増える」。現場を見ていると、体感としてこれくらい差が出ます。鍵を握るのは“時間を奪わないローン導線”です。

共働き世帯のリアル――銀行窓口に行けないお客様が増えている

共働き世帯の多くは、平日の日中に銀行や労働金庫へ行く時間がありません。結果として、こうした会話が頻発します。

  • 「銀行の窓口、平日15時までなんですよね…」

  • 「有休まで取ってローン申込するのは正直きついです」

その瞬間、お客様の頭の中では「ローンをやめて工事規模を落とす」案が急浮上します。
私の視点で言いますと、300万の断熱+水回りフルセットが、時間問題だけで「お風呂だけ150万」に縮むケースは珍しくありません。

共働き世帯に刺さるのは、次の一言です。

  • 「この場で、スマホからWeb申込まで行けます」

  • 「ご夫婦別々の時間で、オンラインで審査できます」

時間を銀行に預けさせないスキームが、今のリフォームローン取次では必須です。

Web・ネット完結型申込を用意しておくと、なぜキャンセルが減るのか

Web・ネット完結型の有無で変わるのは、単なる“便利さ”ではありません。
変わるのは「検討期間の心理カーブ」です。

状態 店舗申込のみ Web申込あり
申込までの行動 休み調整、来店、書類持参 スマホ・PCで10~20分
審査待ちの気持ち 「面倒な手間をかけたし、やっぱり一旦考え直そうか」 「もう審査出したし、このまま進めよう」
キャンセル要因 行くのが面倒→申込前に自然消滅 申込済→結果を見てから判断

ポイントは「申込前キャンセル」が激減することです。

  • 銀行窓口のみ

    → 「また今度にします」が口癖になり、見積提出から2~3週間でフェードアウト

  • Web申込あり

    → 現場商談の勢いそのままでローン申込まで完了し、審査結果と同時に契約締結しやすい

ここで効いてくるのが、事前の返済シミュレーションです。

  • 「この内容で、審査が通れば毎月返済は2万3千円前後です」

  • 「ボーナス併用だと、月々は1万8千円台も狙えます」

この“数字のイメージ”を持った状態で、そのままWeb申込へ誘導できれば、キャンセルに向かう理由がかなり減ります。

申込書類・必要書類を減らすと、どこまで契約スピードが変わるのか

書類が多いだけで、審査結果が出る前にお客様の心が折れます。
現場で差がつくのは、最初にお客様へお願いする書類をどこまで絞れるかです。

【比較:書類負荷が高いケースと低いケース】

項目 書類多いスキーム 書類絞ったスキーム
初回に必要な書類 源泉徴収票、確定申告書、住宅ローン残高証明、保険証コピー、印鑑証明 本人確認書類、口座情報程度
申込から審査結果まで 1~2週間かかりやすい 数時間~数日で回答
営業の事務負荷 書類案内・回収・確認で往復 Web申込フォームで自動チェック

「最初は最小限、審査が通った段階で追加書類」という流れに変えるだけで、体感のスピードが一気に上がります。

営業として押さえておきたいのは、次の3点です。

  • 本人確認と属性情報はWebで先に入力してもらう

  • 収入証明や住宅ローン残高は、本審査確定時に提出してもらう運用に切り替える

  • 金融機関側の「必要書類テンプレ」を、そのままお客様に丸投げしない

銀行や金融機関の商品説明はどうしても“完全版の書類リスト”から入ります。
取次を担うリフォーム会社側は、そこから一歩踏み込んで「最短で審査に乗せるための現場用リスト」に削ぎ落とすことが、契約スピードと成約率を同時に上げる一手になります。

最後にもう一度だけチェックしたい、「リフォームローン取次を入れてはいけない」ケース

「ローンメニューを増やした瞬間から、売上は伸びるが“攻めすぎた1件”が一生のクレームになる」。ここを外すと、値引き負けより深刻なダメージになります。最後に、あえてブレーキを踏む判断軸を整理しておきます。

現在の借入・返済状況から見て、あえてローン提案を控えた方が良いお客様像

私の視点で言いますと、「通るかどうか」より「通っても危ない人」を見抜けるかが、取次の腕の差になります。

下のチェックに2項目以上当てはまる場合は、ローン提案そのものを見送る選択肢を必ず頭に置いてください。

  • 直近1年以内にクレジットやカードローンの延滞がある

  • 住宅ローン返済比率(年収に対する年間返済額)がすでに30%超

  • 消費者金融・カードローンの残高が年収の3分の1近い

  • ボーナス払い前提で住宅ローンを組んでおり、ボーナスが減っている

  • 自営業で、ここ2期の所得が右肩下がり

上記は、審査が「ギリギリ通る」こともありますが、団体信用生命保険の加入条件や、将来の金利上昇・収入減にまったく耐えられないゾーンです。
この層にリフォームローンを積み増すと、「生活費を削って返済する家計」になりやすく、のちの事故リスクが極端に高くなります。

下記は、提案を慎重にすべき代表的パターンです。

状況 表面上 実際のリスク
住宅ローン+カードローン複数 返済は一応回っている 1件延滞した瞬間にリフォームローンも延滞連鎖
退職間近の単身高齢者 今は預貯金に余裕 数年後に年金だけになり返済比率が急上昇
高額な学資ローン持ち家庭 収入は高い 子の進学タイミングで家計が急激に圧迫

「とにかくローンで組みたい」という要望にブレーキをかけるべき理由

現場では、「貯金は崩したくないから、全部ローンで」という声も多いはずです。ここでそのまま通してしまうと、“フルローン依存のクセ”を強化してしまうことがあります。

ブレーキをかける基準は、次の3つです。

  • 手元資金が十分あるのに、生活レベルを落としたくないだけ

  • すでに複数の金融機関から借入があるのに、借入件数を意識していない

  • 金利・総返済額を説明しても、「とにかく今月の支払いが低ければいい」としか考えていない

こうしたケースでは、一部は自己資金・一部はローンといった「ミックス案」を必ず提示します。
その際、口頭だけでなく、総返済額の差をシミュレーションで見せると、借りすぎへの危機感が生まれやすくなります。

  • 例:300万円を全額ローン vs 100万円自己資金+200万円ローン

    → 返済額だけでなく、総利息額の差を「旅行1回分」「子どもの習い事1年分」といった生活感のある単位に置き換えて伝えると、ブレーキが効きやすくなります。

返済が厳しくなった時に、どこまでアシストできるかを事前に決めておく重要性

リフォーム会社は金融機関ではありませんが、「貸して終わり」ではなく「返し切るまでの伴走」をどこまでやるかを決めておかないと、トラブル時に必ず揺れます。

事前に、社内で次のラインを決めておきます。

  • 返済に遅れそうな相談が来た時に、

    • 金融機関への連絡方法を案内するのか
    • 返済条件変更の相談窓口まで同行・同席するのか
  • 失業・病気などで返済が苦しくなった時、

    • 一時的な工事保証の延長や点検サービスで支援するのか
    • 完全に金融機関任せにするのか
  • 長期延滞・法的整理の可能性が出た場合、

    • 社名が出るリスクをどこまで許容するか
    • 担当者個人で判断させないためのエスカレーションルール

このラインを決めておかない会社ほど、「かわいそうだから自腹で値引きした営業」と「回収を優先したい経営」の板挟みになります。
リフォームローン取次は、売上アップの装置であると同時に、経営リスクの入り口でもあります。どこでアクセルを踏み、どこでブレーキを踏むかを、会社として明文化しておくことが、長期的な信頼残高を守る一番の防音壁になります。

執筆者紹介

高額役務向けのクレジット・分割決済・信販加盟店サポートを主要領域とする実務家です。住宅・リフォームに限らず、ホームページ制作やスクールなど多業種で「高単価×分割決済導入」を継続的に支援してきました。その過程で、銀行ローンだけでは拾いきれない現場ニーズや、加盟店審査・与信・事務負荷の壁を横断的に見てきた立場から、本記事では中小リフォーム会社がリフォームローン取次を「売上アップ装置」として設計・運用するための現実的な選択肢を整理・解説しています。