借金500万は住宅ローンに上乗せで通る?家計を守る現場の審査基準と安全策

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借金500万を住宅ローンに上乗せできれば、毎月の返済額が下がり、マイホーム購入も同時にかなう──多くの相談者がこのイメージを前提に動きます。ところが、審査の現場でフルに上乗せして通るケースはごく一部に限られます。しかも、通ったとしても家計全体の負担が軽減されていないどころか、見えない破綻リスクを長期で抱え込むことが珍しくありません。

構造的な問題は単純です。
多くの人は「今の家賃より月々の返済額が下がるか」だけを見て判断します。しかし金融機関の住宅ローン審査は、年収と返済比率、既存の借入状況、信用情報、将来の金利上昇や収入減まで含めた長期シミュレーションで決まります。ここを理解せずに、ろうきんや銀行の「プラス枠」「おまとめ」「一本化」の宣伝だけを頼りに動くと、審査落ち、多重申込、条件の悪いローン契約、最悪は売却や個人再生・自己破産の判断を迫られるところまで一気に転落します。

よくある一般論は、メリット・デメリットを並べ、上乗せの可否を表面的に解説するだけです。そこには実際にどのラインで否決されるのか、どこまでなら通しても家計が持つのかという、実務の物差しがありません。この欠落こそが、あなたの家計から静かに現金を奪い続ける原因です。

この記事では、単なる「上乗せOKかNGか」の説明ではなく、次のポイントを軸に、家計を守る具体的な方法を解説します。

  • 年収・返済負担率・信用情報という3つのハードルが、審査通過と否決をどう分けるか
  • 共働き世帯、自営業、既に住宅ローンありなどのケース別に、「通った人」と「ダメだった人」の差
  • 借金500万をカードローンで維持する場合と、住宅ローンに上乗せして一本化する場合の総返済額と期間の違い
  • おまとめローン、任意整理、個人再生、売却・任意売却まで含めた現実的な選択肢の分岐点
  • 相談メールやLINEで、プロが「このまま進めると危ない」と判断する典型パターン

この記事を最後まで読むと、次のことが自分で判断できます。

  • 自分の年収と借入状況で、上乗せを狙うべきか、先に整理すべきか
  • どの金融機関に、どの順番で、どの条件で相談すれば、審査通過の可能性と条件が最も良くなるか
  • 今はマイホーム購入を見送るべきなのか、頭金や教育資金の配分をどう変えれば数年後に有利になるか

「無料相談」や「ランキング記事」に飛びつく前に、審査側のロジックと家計全体のリスクを一度俯瞰しておくかどうかで、これから数十年の手元に残る現金が大きく変わります。借金500万を住宅ローンに上乗せするか迷っている段階で、この情報を持たないまま動くこと自体が、最初の損失です。

この記事全体で得られる実利は、次のように整理できます。

セクション 読者が手にする具体的な武器(実利) 解決される本質的な課題
構成の前半(上乗せの原則と例外、審査基準、事例、金利負担) 上乗せが通る条件と危ないラインを自分の年収・借入に当てはめて判断できる。返済額だけでなく総返済・期間・リスクを比較し、安易な申込や多重申込を避けられる。 「とりあえず住宅ローンに上乗せして様子を見る」という感覚的な判断から抜け出せず、審査否決や条件悪化、将来の滞納リスクを自ら高めてしまう状態。
構成の後半(整理・売却・個人再生の選択肢、相談文の危険信号、金融機関の本音、棚卸しと計画) おまとめ・任意整理・個人再生・売却などを含めた現実的な選択肢を比較し、自分の家計を守る最適ルートを設計できる。誰に何を相談すべきかが明確になり、破綻前に手を打てる。 住宅ローンと他の債務を切り離して考え、場当たり的に延命を繰り返した結果、競売や破産に追い込まれるリスクから抜け出せない状況。

この先の本文では、数字の細部や具体的なシミュレーション、金融機関の社内ルールの実態まで踏み込んで解説する。ここから先を読むかどうかで、あなたのマイホーム計画と家計の行き先は、まったく別の軌道に乗る。

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  1. 借金500万を住宅ローンに上乗せは「原則NG」だけど…現場で起きている“本当の例外”とは?
  2. 借金を住宅ローンに上乗せできるケースは、なぜごく一部なのか【原則と例外のルール】
  3. ろうきんなど金融機関の“プラス枠”ローンの仕組みと、一般の住宅ローンとの決定的な違い
  4. 「マイホーム購入を優先すべき人」と「まず借金整理を優先すべき人」の境界線
  5. 年収・返済比率・信用情報…審査担当が最初にチェックする「3つのハードル」
    1. 返済負担率が1〜2%違うだけで審査結果が変わる、具体シミュレーション
    2. 信用情報に何がどこまで「表示」されているのか:リボ払い・自動車ローン・税金滞納の扱い
    3. 多重申込と虚偽申告で、自分から審査通過のチャンスを潰してしまう典型パターン
  6. ケースで読む:借金500万+マイホーム希望、通った人・ダメだった人のローン事例
    1. 共働き年収650万円・子ども2人のケース:上乗せ“300万まで減額”で通過した理由
    2. 年収450万円・自動車ローン残高ありのケース:住宅ローン減額・借金整理に回された理由
    3. 自営業者のケース:経費で所得を削りすぎて「返済額は払えそうなのに審査落ち」になった背景
  7. 「毎月いくら下がるか」だけ見ると危ない──金利と返済回数が家計に与える本当の負担
    1. 借金500万をカードローンで維持 vs 住宅ローンに一本化:総返済額と期間を並べて比較
    2. 変動金利の“ちょっとの上昇”が、教育資金・生活費をどれだけ圧迫するか
    3. シミュレーターを使うときに、プロが必ず入れる「ストレス条件」とは?
  8. 上乗せだけが選択肢じゃない:おまとめ・個人再生・売却まで視野に入れた整理のやり方
    1. ローン一本化で済む人と、債務整理(任意整理・個人再生)まで検討すべき人の違い
    2. 住宅ローンが既にある人の「売却」「任意売却」「ローン維持」の分岐点
    3. 「借金をきれいに見せるための精算」が、かえって家計を壊すことがある理由
  9. 相談の現場でよくあるLINE・メールのやり取りを再現:どこで“危険信号”が点くのか
    1. 実際によく送られてくる相談文の型と、そこから見える本当の問題点
    2. 「家族には内緒で進めたい」というメッセージに、プロが慎重になるワケ
    3. メール1通で分かる“破綻リスクの高さ”と、そこから提案される対策の流れ
  10. 他サイトが語らない「金融機関のホンネ」──なぜ“ギリギリ通せる”案件を嫌がるのか
    1. 審査通過よりも「長期の滞納リスク」を優先する金融機関の評価ロジック
    2. 外から見えない“社内ルール”と、本当は避けたい担保リスクのライン
    3. 金利優遇・団信・保険など、表向き商品説明と実際の選別基準のギャップ
  11. 今日からできる“家計の棚卸し”:借金整理とマイホーム計画を同時に考えるチェックリスト
    1. すべてのローンを1枚に「整理」するシートの作り方と、プロが最初に見るポイント
    2. 頭金・教育資金・準備資金をどう配分するか:ライフプランニングの現場で使う思考法
    3. 「今は買わない」という選択肢が、数年後に一番お得になることがあるシナリオ
  12. それでもマイホームが欲しい人へ:借金500万から“破綻しない”計画を立てるステップ
    1. 3つの期間で考える:「今」「5年後」「完済まで」の現実的な返済計画
    2. 相談先を間違えないためのルール:不動産会社・金融機関・専門家の役割の違い
    3. 無料相談・人気サービスの“ランキング”に惑わされないためのチェックポイント
  13. 執筆者紹介

借金500万を住宅ローンに上乗せは「原則NG」だけど…現場で起きている“本当の例外”とは?

「借金500万あるけど、住宅ローンに上乗せしてマイホームを買えませんか?」
相談の窓口で、このフレーズを聞かない日はない。けれど、フルで上乗せしてそのまま通るケースは、体感で1〜2割程度にとどまる。残りの8〜9割は、金額を削るか、時期をずらすか、別の整理方法に振り分けられている。

表では「おまとめ可」「プラス借入OK」と書いてあっても、審査担当の頭の中では、次の3つが同時に回っている。

  • 今の収入で返済負担は耐えられるか

  • 金利が上がったり、収入が落ちたときにどこまで耐えられるか(ストレスシナリオ)

  • 35年という長期で滞納・破綻リスクがどれくらいあるか

相談者が見ているのは「毎月いくらか」だけ。金融機関は“悪い未来”を前提に判断している。この目線の差が、「上乗せOKだと思っていたのに減額・否決」というギャップを生む。

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借金を住宅ローンに上乗せできるケースは、なぜごく一部なのか【原則と例外のルール】

上乗せが通りやすいのは、ざっくり言うと「きれいな借金」と「ギリギリではない返済比率」がそろっているケースだ。

上乗せ可否のイメージを整理すると次の通り。

上乗せしやすい例 上乗せが厳しい例
自動車ローン・教育ローンなど目的が明確 カードローン・リボ払いが複数
延滞履歴なし・残高も右肩下がり 直近で増額・新規借入が多い
返済負担率が基準−5%以上の余裕 すでに基準ギリギリ
借入先が少数・内容がシンプル カード会社・消費者金融が乱立

特に、カードローン・リボ・ショッピングの積み残しが中心の「借金500万」は、審査側から見ると「家計管理が崩れているシグナル」に近い。ここに住宅ローンを上乗せすると、ストレスシナリオで一気に破綻リスクが跳ね上がるため、満額上乗せはほぼ通らない

現場では、次のような着地が多い。

  • 500万→300万だけ上乗せし、残りは別で整理

  • マイホーム購入を1〜3年先送りし、その間に借金を200〜300万まで圧縮

  • 既存債務を任意整理・個人再生でリセットしてから住宅計画を組み直す

「全部まとめてスッキリ」は気持ちいいが、35年ローンに高金利の“傷”を埋め込むと、総返済額はむしろ増えることも多い。

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ろうきんなど金融機関の“プラス枠”ローンの仕組みと、一般の住宅ローンとの決定的な違い

ろうきんや一部の金融機関が用意している「プラス借入」「諸費用ローン」は、住宅ローンの“おまけ”に見えて、実は別物として管理されているケースが多い。

代表的な違いを押さえておく。

項目 住宅ローン本体 プラス枠・諸費用ローン
金利 変動0.3〜1%台が中心 2〜5%台と高め
期間 30〜35年 5〜15年程度と短め
用途 物件価格・土地・工事費 借金整理・諸費用・自動車ローン残など
審査 住宅ローン基準 消費性ローンに近い基準

「まとめて審査通ったから安心」と感じやすいが、実際は高めの金利で短期返済を求められる“別枠ローン”を抱える形になることが多い。月々の返済額は一時的に軽く見えても、家計全体の返済負担率はギリギリになりがちだ。

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「マイホーム購入を優先すべき人」と「まず借金整理を優先すべき人」の境界線

住宅購入と借金整理、どちらを先にするかで迷う人は多いが、現場では次の3条件で線を引いている。

  • 返済負担率(住宅+他のローン)が年収の30〜35%内に収まるか

  • 教育資金・老後資金の最低ラインを削らずに済むか

  • 延滞・督促・差押えなど、すでに「火の手」が上がっていないか

ざっくり整理すると、次のイメージになる。

タイプ 優先すべき行動
共働き年収600万前後・借金500万・延滞なし 上乗せ額を絞りつつマイホーム計画と並行
年収400〜450万・自動車ローン+カードローン滞納寸前 借金整理を優先し、購入は数年先送り
既に住宅ローンあり+別借金500万 売却・任意売却・個人再生まで含めて再設計

「家を買うか、借金を片づけるか」は感情の問題に見えるが、審査現場では“どちらを先にやれば破綻リスクを最小化できるか”という冷静な順番づけで判断している。ここを間違えると、「マイホームは手に入ったのに、数年後に競売・自己破産」という最悪ルートに入りやすい。

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年収・返済比率・信用情報…審査担当が最初にチェックする「3つのハードル」

「借金500万を住宅ローンに上乗せできるか」は、感情ではなく3つの数値ゲートでほぼ決まります。
年収・返済負担率・信用情報、この3つを突破できないと、どんなに物件が良くても審査は止まります。

主なチェックポイントは次の通りです。

  • 年収と勤務形態(会社員か自営業か)

  • 返済負担率(住宅+その他ローンの合計割合)

  • 信用情報(クレジット・カードローン・延滞履歴)

この3つを「家計の健康診断」として見ていきます。

返済負担率が1〜2%違うだけで審査結果が変わる、具体シミュレーション

返済負担率は、金融機関が最初に見る死亡ラインです。
年収に対して、ローン返済が占める割合をどこまで許容するかという指標で、目安は次のゾーンに分かれます。

年収帯 目安ライン コメント
〜400万円 25%前後 子育て世帯は特にシビア
400〜600万円 30〜35% ボリュームゾーン
600万円〜 35〜40% 共働き前提なら少し緩め

年収500万円・共働き世帯を想定し、借金500万を住宅ローンに上乗せした場合をざっくり試算すると、

  • 住宅ローン3000万(35年・金利1%前後)

  • 上乗せ分500万(同条件と仮定)

で、返済負担率が32%→36%に跳ね上がるようなケースが現場ではよく出ます。
この「数%アップ」で

  • 金融機関A:ギリギリOK

  • 金融機関B:社内ルール上NG

と判断が割れ、本審査で減額・否決につながる流れが非常に多いです。

しかも審査側は、内部で

  • 金利+1〜2%上昇

  • 片働きになった想定

といったストレスシナリオを必ず回します。
この裏シミュレーションで赤信号がつくと、「毎月なら払えそう」と感じている本人の感覚より先に、審査が止まります。

信用情報に何がどこまで「表示」されているのか:リボ払い・自動車ローン・税金滞納の扱い

「バレていないはず」と思われがちな情報ほど、信用情報にはきっちり載っています。
主な扱いは次の通りです。

項目 信用情報の扱い 審査での見られ方
クレジットカードのリボ・分割 利用残高・毎月の支払額が表示 実質ローンとして返済比率に加算
カードローン・フリーローン 契約枠と残高が表示 枠いっぱい利用はかなりマイナス
自動車ローン 残高と返済状況が表示 滞納歴があると住宅ローンに直撃
携帯本体の分割 小口でも延滞が要注意 連続延滞でブラック扱いのことも
税金・社会保険料 原則として信用情報には非表示 ただし差押えまで進むと別ルートでバレるリスク

特に見落とされやすいのがリボ払いです。
「毎月1万円だから大丈夫」と思っていても、審査側から見ると

  • 残高40万〜80万の小さなローンが複数ある

  • 返済額は少額だが、完済までの期間が長く負担が読みにくい

という評価になり、マイホーム購入時にまとめて精算を求められる典型パターンになっています。

多重申込と虚偽申告で、自分から審査通過のチャンスを潰してしまう典型パターン

借金500万クラスの相談で、審査以前に「やってしまっている」ケースが相当数あります。代表的なのがこの3つです。

  • 1〜2週間の間に、複数の銀行・ネット銀行・ろうきんへ一斉申込

  • 他社借入を「50万くらい」と少なめに申告(実際は200万超)

  • 年収や勤続年数を、源泉徴収票と合わない数字で記入

信用情報には、申込情報も記録されます。短期間に住宅ローンやカードローンの申込が並ぶと、

  • 資金繰りに行き詰まっている

  • どの金融機関にも断られている途中ではないか

と見なされ、まともに返済能力を見てもらう前に「社内ルールで見送り」となるケースが目立ちます。

現場感覚として、借金500万を住宅ローンにフル上乗せで通せるのは全体の1〜2割程度
しかも、そうした少数のケースほど

  • 多重申込をしていない

  • 借入金額を1円単位で正確に申告している

  • 事前にローンを1枚に棚卸しして、計画を見直している

といった準備の精度が高いのが共通点です。
「バレないだろう」と隠した1社分のカードローンが、本審査で露呈して減額・否決に変わる場面は、審査の現場では珍しくありません。

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ケースで読む:借金500万+マイホーム希望、通った人・ダメだった人のローン事例

「借金500万を住宅ローンに上乗せできますか?」という相談は、現場では月に何件も来る。ただ、フルで上乗せして通るのは体感1〜2割。ここでは、よくある3パターンを“数字”と“審査側の頭の中”まで踏み込んで整理する。

まず3ケースを俯瞰すると、同じ「借金500万」でも行き先がまったく変わる。

ケース 職業・年収帯 家族構成・借金 結果 審査側の決め手
A 共働き会社員 世帯年収650万 子ども2人・借金500万 上乗せ300万まで減額で通過 返済比率と将来教育費のバランス
B 会社員 年収450万 自動車ローン残300万+他170万 住宅ローン減額+借金整理を提案 車ローン込み返済負担率オーバー
C 自営業 所得300万台 事業性借入+カード計500万 審査落ち・まず決算整理を指導 所得圧縮で「返済能力が見えない」

共働き年収650万円・子ども2人のケース:上乗せ“300万まで減額”で通過した理由

「500万まるごと上乗せしたいんですけど…」。共働き650万クラスの子育て世帯の相談で、最も多いパターンだ。

【属性イメージ】

  • 夫:年収400万・正社員

  • 妻:年収250万・パートだが勤務年数長め

  • 子ども:5歳と2歳

  • 借金500万の内訳

カードローン200万/リボ100万/自動車ローン150万/教育ローン50万

このケースでフル上乗せが通らない主な理由は、返済負担率とストレスシナリオだ。

  • 希望住宅ローン:3,500万(35年・金利0.6%台想定)

  • 500万をフル上乗せすると実質4,000万借入

  • 審査は金利1〜2%上乗せ、ボーナス減少も想定して“悪い条件”で返済額を試算

その結果、表向きは返済負担率35%ギリギリに見えても、内部シミュレーションでは40%近くに跳ね上がるケースが多い。共働きで保育料と数年後の教育資金が確実に増える層では、金融機関はここをかなりシビアに見ている。

現場でよくある落としどころは次の形だ。

  • 自動車ローン150万はそのまま維持

  • カード+リボ+教育ローンを300万だけ住宅ローンに上乗せ

  • 残り200万は、家計改善と数年以内の繰上返済で整理する計画に変更

この形にすると、審査上の返済負担率は数%下がる。1〜2%の差でも「継続的に払えそうか」という判定はガラッと変わるため、“フル上乗せ”から“300万まで減額”に舵を切ったことで通過した、という着地になりやすい。

ポイントは、単に「毎月の返済額が下がるからお得」ではなく、教育費が重くなる10年後に“息切れしないライン”に収めたこと。ここを説明できる相談者は少ないが、審査担当はそこを見ている。

年収450万円・自動車ローン残高ありのケース:住宅ローン減額・借金整理に回された理由

次は、最も“危ない橋”を渡りがちなゾーンだ。

【属性イメージ】

  • 会社員・年収450万

  • 妻は専業主婦、子ども1人(3歳)

  • 自動車ローン残高300万、カードローン200万(合計500万)

  • 希望住宅ローン:3,000万

本人の感覚では「今もなんとか払えているし、住宅ローンに上乗せして返済額をまとめれば楽になるはず」というイメージだが、審査側の見え方は違う。

  • 既存自動車ローン:毎月3万〜4万台

  • 住宅ローン3,000万:毎月8万前後(条件による)

  • 合計返済額:11万〜12万台

→年収450万だと、返済負担率が安全圏を明確に超える金融機関が多い

さらに、この層では車の買い替えや教育資金のピークがほぼ同じ時期に来る。返済比率ギリギリで住宅ローンを組むと、数年後に「車検+修理+保険」で一気にカードローンが膨らみ、再び借金地獄に戻るリスクが高い。

現場での“着地パターン”はこうなりやすい。

  • 住宅ローンは2,400万〜2,600万に減額(物件価格か頭金を調整)

  • 自動車ローンはそのまま継続

  • カード200万は、任意整理やおまとめローンを利用して5年以内完済を狙う

ここでポイントになるのが、「ローンをきれいに見せるための一本化」ではなく、「家計を守るための整理」を優先すること。審査担当も、短期で返しきるべき高金利のカードローンまで35年に引き伸ばすのは好まない。

年収450万ゾーンで、自動車ローン残が3桁あるケースは、住宅ローンの金額そのものを減らすか、マイホーム購入時期を少し遅らせる選択肢を視野に入れた方が、トータルの破綻リスクは大きく下がる。

自営業者のケース:経費で所得を削りすぎて「返済額は払えそうなのに審査落ち」になった背景

最後は、自営業・フリーランスの“あるある”ケースだ。

【属性イメージ】

  • 売上:1,000万前後だが、経費計上多めで申告所得320万

  • 家族:妻パート・子ども2人

  • 事業用借入300万、カードローン200万(設備投資の穴埋め)

  • 希望住宅ローン:2,800万+借金500万の上乗せ

本人の感覚では「手元の現金や売上の流れを見れば、毎月15万くらいは払える」と考えているが、金融機関は“確定申告書に出ている所得”だけで返済能力を判断する。

  • 申告所得320万ベースで返済負担率を計算

  • 事業用借入300万も「他社借入」として返済にカウント

  • カードローン200万は高金利・リボの可能性が高く、これもマイナス評価

結果として、「毎月払えそう」なのに、所得の数字上は返済能力が足りない人として審査落ちするケースがかなり多い。

自営業者がやりがちなNGは次の3つ。

  • 経費を積み上げすぎて、申告所得を削りすぎる

  • 事業用借金と生活費のカードローンが混在している

  • 金融機関を変えれば通るはずと考え、多重申込を繰り返す

多重申込が続くと、信用情報には「短期間で複数社へ住宅ローン申込」の履歴が残る。これは金融機関から見ると「どこかで否決されたか、よほど資金繰りに追われている人」というサインだ。

このタイプの相談で現場がまず提案するのは、マイホームよりも「決算書・申告内容の整え直し」と「事業用借入と個人債務の線引き」だ。

  • 売上と利益のバランスを見直し、2〜3年かけて申告所得を安定させる

  • 事業用借入は事業ローンで整理し、個人のカードローンは任意整理も含めて検討

  • そのうえで、住宅ローンの仮審査は“1〜2行に絞って”申し込む

こうしたステップを踏めば、「返済は払えそうなのに審査が通らない」という理不尽さから抜け出しやすくなる。自営業者の場合、数字を“節税仕様”から“住宅ローン仕様”に切り替える期間を設けるかどうかが、マイホームへの近道になる。

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「毎月いくら下がるか」だけ見ると危ない──金利と返済回数が家計に与える本当の負担

「月々3万円も下がるなら得でしょ?」
審査の現場で、この一言から家計破綻ルートに入っていく人が少なくない。ポイントは、利息総額と返済期間、そして金利上昇リスクだ。

借金500万をカードローンで維持 vs 住宅ローンに一本化:総返済額と期間を並べて比較

よくある共働き世帯のイメージで比べてみる。

前提(例)

  • 借金500万

  • カードローン年15%、5年返済

  • 住宅ローン年0.7%、35年返済に上乗せ

カードローン継続と、住宅ローン上乗せのざっくり比較は次の通り。

項目 カードローンで維持 住宅ローンに上乗せ
金利 年15%前後 年0.7%前後(変動)
毎月返済額 約12万円 約1.3万円
返済期間 5年 35年
利息総額の目安 約220万円 約140万円

毎月は劇的に軽くなるが、支払う利息はそこまで減らず、借金を35年背負い続ける形になる。ここに「金利上昇」が乗ると話は別物になる。

変動金利の“ちょっとの上昇”が、教育資金・生活費をどれだけ圧迫するか

変動0.7%が「1.7%」に上がるだけでどうなるか。

  • 借入3,500万(うち500万は上乗せ)

  • 35年返済、ボーナス払いなし

ざっくり計算すると、

  • 金利0.7% → 月約9.5万円

  • 金利1.7% → 月約10.9万円

月1.4万円アップ、年間約17万円アップ
進学が重なる時期にこれが来ると、塾代や部活費を削るか、クレジットのリボ払いを増やすか、どちらかを迫られやすい。審査側が内部で「ストレスシナリオ」を回すのは、まさにこの局面を想定している。

シミュレーターを使うときに、プロが必ず入れる「ストレス条件」とは?

住宅ローンの返済シミュレーターは、そのまま使うと都合のいい夢だけ見せてくる。現場のプロは、必ず次の条件を上乗せしてチェックする。

  • 金利を「+1〜2%」して再計算する

  • 夫婦どちらかの収入を「1〜2割カット」したパターンも見る

  • 教育資金ピーク(高3・大3)と、ローン返済額が重なる年を確認

  • 固定資産税・火災保険・車検など「数年ごとのドカン支出」を年平均に均す

  • ボーナス返済は「ゼロ」にしても回るかを見る

このストレス条件をかけて、
「それでも生活費と予備費に毎月いくら残るか」
を見ないと、借金500万の上乗せは判断できない。
毎月返済額だけを追いかけると、将来の自分にとんでもないババ抜きを押し付けることになる。今、電卓の数字を少しだけ厳しめにしておく方が、家族の生活を守る近道になる。

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上乗せだけが選択肢じゃない:おまとめ・個人再生・売却まで視野に入れた整理のやり方

「借金500万を住宅ローンに上乗せできれば、一気に毎月の返済がラクになるはず」
この発想で窓口に来る人は多いが、フル上乗せで通るのは体感1〜2割。残り8〜9割は、実際には「整理のやり方」を変えることで家計を守っている。ここを間違えると、マイホームどころか生活そのものが追い込まれる。

まず押さえたい軸は3つ。

  • 返済比率をどこまで下げないと危ないか

  • 信用情報をどこまで汚さずに済むか

  • 家族の生活とマイホーム、どちらを優先する局面か

この3軸で、「一本化で済む人」と「法的整理を視野に入れる人」「売却を検討すべき人」がきれいに分かれる。

ローン一本化で済む人と、債務整理(任意整理・個人再生)まで検討すべき人の違い

現場で線引きに使うポイントは、感情ではなく数字と履歴だ。

項目 一本化で済む人 債務整理を検討すべき人
返済遅延 直近1年遅延なし 61日超の延滞・督促・カード停止あり
毎月の赤字 ボーナス込みで年間トントン 毎月の生活が常時赤字
返済負担率(全ローン) 年収の30〜35%以内を目標に下げられる 調整しても40%超から下がらない
借入件数 3件以内 4〜5件以上の多重債務
今後の出費 教育資金ピーク前 教育費・自動車更新が同時期に到来

ローン一本化で済む人は、「金利を下げる」「期間を延ばす」で返済額をコントロールできるゾーン。おまとめローンや、ろうきんのプラス枠を使えば、信用情報を傷つけずに家計の負担を軽減できる余地がある。

一方、債務整理を検討すべき人は、数字をいじっても返済比率が下がらない層。任意整理で利息カット、個人再生で元本を大きく減額しないと、そもそも生活が持たない。ここを「何とか上乗せで…」と粘ると、数年後に滞納→競売→破産コースに入りやすい。

住宅ローンが既にある人の「売却」「任意売却」「ローン維持」の分岐点

すでにマイホームを持っていて、別借金500万に悩んでいる人は、判断を先送りしがちだが、ここも数字で割り切るしかない。

判断の分岐 売却維持の目安 現場での解説
自宅の査定価格と住宅ローン残高 査定≧残高 → 通常売却の候補 売ってもローンが残らないなら、身軽にやり直せる
査定<残高(オーバーローン) 差額が100〜200万程度 → 任意売却も視野 金融機関と交渉し、競売より高く売ってダメージを最小化
返済遅延の有無 遅延なし→維持も検討 ただし返済比率と今後の教育資金を必ずチェック
今後5年のライフイベント 子どもの進学前後 進学前に売却で家計を軽くする選択は意外と多い

「売りたくないから、とにかく維持」が一番危険。滞納寸前まで粘ると、任意売却も難しくなり、競売で市場価格より安く処分されるケースが多い。遅延前に査定とシミュレーションを入れる人ほど、選択肢が多いのが現場の感覚だ。

「借金をきれいに見せるための精算」が、かえって家計を壊すことがある理由

住宅ローンの事前審査前後に、次のような動きをする人が少なくない。

  • カードローンを一括返済して件数を減らす

  • リボ残高をボーナス払いに切り替えて、明細を「きれい」にする

  • 親や知人から一時的に借りて、残高を減らして見せる

一見「返済能力が高く見える工夫」に見えるが、審査の現場では別の危険信号になる場面がある。

  • 一括返済で普通預金がスカスカになり、頭金・引越費用・教育資金がゼロに近づく

  • 親からの借入が「返済義務のない贈与」として処理され、あとから家族間トラブルに発展

  • ボーナス払いを増やしすぎて、ボーナス減少時に一気に行き詰まる

本来やるべきは、「きれいに見せる」精算ではなく、家計を守るための整理だ。

  • 任意整理で金利・将来利息をカットして、月々の返済額を現実的な水準に落とす

  • 個人再生で元本そのものを圧縮し、住宅ローン特則で自宅は維持する

  • あえて今はマイホーム購入を数年先送りし、その間に借金を計画的に圧縮する

住宅ローンの通過だけをゴールにすると、「通った瞬間が家計のピーク」になる。完済まで家族の生活が続くかを基準に、上乗せ・一本化・債務整理・売却を並べて比較することが、本当の意味でのマイホーム計画になる。

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相談の現場でよくあるLINE・メールのやり取りを再現:どこで“危険信号”が点くのか

借金500万を住宅ローンに上乗せしたい人の相談は、だいたい「文章の時点」で結果のおおよそが読めます。審査より先に、LINEの1通目で“危険信号”が光っているケースが多い状況です。

実際によく送られてくる相談文の型と、そこから見える本当の問題点

よくある文面の型を3つに分けると、家計の“どこが危ないか”が一気に見えてきます。

相談文の型 典型フレーズ 見えている本当の問題
月々軽減型 「月々の返済額が今より下がれば…」 総返済額・金利負担をまったく見ていない
希望優先型 「どうしても今年中にマイホームを購入したくて」 タイミングが目的化し、返済計画が後回し
ざっくり型 「借金はだいたい500万くらいです」 借入の内訳・金利・残期間を把握していない

この3パターンに共通するのは、「返済額」「購入時期」だけが前面に出て、信用情報・既存ローン・返済能力の現実が抜け落ちていることです。実務では、ここから契約書や明細を全部出してもらい、1枚のリストに整理するところからスタートします。

  • どの金融機関からいくら借入があるか

  • カードローン、リボ、クレジット払いの残高

  • 自動車ローンや教育ローンの返済額と期間

これを並べると、多くの人がその場で「…これに住宅ローン上乗せは無理だ」と自覚します。問い合わせ文の段階で内訳を書けない人ほど、破綻リスクは高めです。

「家族には内緒で進めたい」というメッセージに、プロが慎重になるワケ

インパクトの強いフレーズがこれです。

「家族には内緒で進めたいのですが…」

現場では、この一文が入った瞬間に慎重モードに切り替えます。理由は3つあります。

  • 家計全体の数字(配偶者の収入・支出)が把握できない

  • 返済負担が増えたとき、夫婦での協力体制が組めない

  • 滞納・任意売却・競売に進んだとき、家族関係の破綻リスクが跳ね上がる

住宅ローンは「個人の借金」ではなく、実質的には家族全員の生活コストです。自宅の売却や個人再生・自己破産の判断が必要になったとき、「家族が全く事情を知らなかった」というケースほど、軟着陸が難しくなります。

専門家側からは、

  • まず家族に話せる範囲を整理してもらう

  • 最低限、配偶者の収入・既存ローンは共有してもらう

この2点を確認し、それが難しい場合は「上乗せ前提の相談」ではなく、「家計と債務整理の相談」に切り替えを提案する流れになります。

メール1通で分かる“破綻リスクの高さ”と、そこから提案される対策の流れ

最初のメール・LINEの文章から、実務では次の3つを見ています。

  • 返済額・収入・既存借入に具体的な数字が入っているか

  • 「上乗せありき」か「家計全体の見直しも視野」か

  • 滞納・督促・ブラック情報に触れているかどうか

これをざっくりスクリーニングすると、対策の入口は次のように分かれます。

メールの特徴 破綻リスクの目安 導入しやすい対策
具体的な数字が多い・滞納なし 中〜低 上乗せ額の調整、おまとめローン、物件価格の見直し
数字が曖昧・「なんとか通したい」強め 中〜高 借入の棚卸し、返済額の上限設定、購入時期の先送り
滞納・督促・ブラックの記載あり 任意整理・個人再生の検討、自宅購入は一旦ストップ

表の「高」に近づくほど、借金500万を住宅ローンに上乗せする“方法探し”から、一度降りた方が家計は助かるケースが多くなります。

メール1通で完璧に判断できるわけではないものの、「月々の返済を軽減したい」「マイホーム購入を急ぎたい」といったキーワードが強く、返済計画・返済能力・信用情報への言及が弱い場合は、プロ側はあえてブレーキを踏みます。

そのブレーキこそが、数年後に競売や破産に追い込まれないための、最初のセーフティーネットになります。

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他サイトが語らない「金融機関のホンネ」──なぜ“ギリギリ通せる”案件を嫌がるのか

「借金500万を住宅ローンに上乗せ、返済比率ギリギリで通しましょう」
このフレーズが、不動産営業の口から出た瞬間、審査現場では警戒ランプがフル点灯します。

住宅ローンの担当者は、「通すこと」が仕事ではありません。
本業は35年先まで“事故なく完走してもらうこと”の見極めです。ここが、相談者と金融機関の決定的なズレです。

審査通過よりも「長期の滞納リスク」を優先する金融機関の評価ロジック

審査担当は、目の前の返済額だけでなく、次の3つを一体で見ています。

  • 返済負担率(今の年収に対する返済額の比率)

  • ストレスシナリオ(収入ダウン・金利上昇を仮定したシミュレーション)

  • ライフイベント(教育資金・車買い替え・リフォームなどの将来負担)

特に借金500万クラスを上乗せしたい案件は、内部で次のような“裏シミュレーション”にかけられます。

  • 片働きになり年収が2割減ったら?

  • 変動金利が1〜2%上がったら?

  • 教育資金のピークと返済ピークが重なったら?

このストレス条件を入れた瞬間に、ギリギリ設計の案件ほど一気に赤字化します。
現場感覚として、フル上乗せで通すのは「体感1〜2割」。残りは「金額カット」「時期をずらす」「おまとめや整理を優先」といった着地になります。

金融機関にとっては、1件の延滞・リスケ・競売対応のコストが、数十件の“安全な案件の利益”を食うことも珍しくありません。
だからこそ「今は通せるけれど、ストレスをかけると怪しい案件」は、あえて門前で落とす判断が選ばれます。

外から見えない“社内ルール”と、本当は避けたい担保リスクのライン

住宅ローンには、商品概要には書かれていない社内ルールのラインが複数あります。代表的なものを整理すると、次のようなイメージです。

金融機関の「建前」と「本音」のズレの例

見えるルール(商品説明) 見えないルール(社内ホンネ)
返済負担率35%まで 実際は30%以内を“安心ゾーン”と見ている
担保評価は物件価格を基準 エリアの流通性・将来の価格下落リスクを厳しく見ている
他社借入があっても相談可 借金500万級は「内容・内訳」が悪いと一気にマイナス評価
変動金利も選択可能 ギリギリ案件は固定金利でしか通さない方針のこともある

とくに借金500万を上乗せしたいケースでは、担保リスクとの掛け算で判断が変わります。

  • 郊外・車必須エリアの築古戸建て

  • 需要が弱い地方の土地広め物件

  • 将来の転売が難しい特殊な間取りのマンション

こうした物件は、延滞が起きた時に「競売しても元が取りにくい」ため、
返済比率ギリギリ+借金上乗せの組み合わせになると、表向きの基準をクリアしていても否決されることがあります。

つまり金融機関は、
「この人が払えなくなったとき、この家を売っても元が取れない案件」を、静かに避けているのです。

金利優遇・団信・保険など、表向き商品説明と実際の選別基準のギャップ

金利優遇や団体信用生命保険(団信)は、「どれを選ぶか」は自由に見えて、実は選べる人と選べない人がはっきり分かれるフィルターでもあります。

  • 最優遇金利は「安全度の高い人」へのご褒美

  • がん団信や三大疾病団信は「属性の良い人ほどフル装備」

  • 返済比率ギリギリ案件は、優遇幅を絞られたり、団信オプションを付けられないケースもある

借金500万を住宅ローンに上乗せしたい人は、次のような扱いになりがちです。

  • 金利優遇がワンランク下げられる

  • 団信の手厚いプランは不可、基本プランのみ

  • 返済期間を短くされ、毎月の返済額が想定より上がる

結果として、「通ったけれど、家計のクッションがほぼゼロのきついローン」になりやすいのが実情です。

本当に家計を守りたいなら、
「どうすれば通るか」よりも、“金融機関が気持ちよく最優遇を出したくなる状態”まで借金と返済計画を整えることを目標にした方が、長期的な安心度は段違いに上がります。

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今日からできる“家計の棚卸し”:借金整理とマイホーム計画を同時に考えるチェックリスト

「借金500万を住宅ローンに上乗せできるか」より先に、プロは必ず家計の全体像を1枚に見える化します。ここで7割の人が「このまま上乗せは危ない」と自分で気付きます。

すべてのローンを1枚に「整理」するシートの作り方と、プロが最初に見るポイント

紙1枚かエクセル1シートで構いません。まずは現状を丸裸にするリストを作ります。

【ステップ1:シートに書く項目】

  • 借入先(銀行名・カード会社名)

  • 種類(住宅、自動車、カードローン、リボ、教育、事業用など)

  • 残高

  • 金利

  • 毎月の返済額

  • 返済予定期間(あと何年・何回)

  • 延滞の有無・遅れた回数

この情報を埋めるだけで、「なんとなく払えている」が数字の現実に変わります。

プロは、まず次の3点を一気に眺めます。

チェックポイント プロが見る理由
金利が10%超のローン 住宅ローン上乗せ候補か、整理優先かを判断
リボ・カードローンの残高推移 毎月返しても減っていない“沼”かを確認
返済額の合計/手取り収入 手取りの25〜30%を超えていないかを確認

この1枚を作るだけで、「上乗せしてスッキリ」なのか「まず債務整理やおまとめ優先」なのか、スタートラインがはっきりします。

頭金・教育資金・準備資金をどう配分するか:ライフプランニングの現場で使う思考法

共働き子育て世帯で多い失敗が、頭金に全突っ込みして手元資金ゼロになるパターンです。現場では、次の3つの箱に必ず分けて考えます。

  • 箱A:頭金+諸費用用の資金

  • 箱B:教育費・車買い替えなど近10年で出ていくお金

  • 箱C:生活防衛資金(最低3〜6か月分の生活費)

感覚ではなく、「先に決まっている支出」から逆算します。

資金の箱 優先度 目安の考え方
箱C 生活防衛資金 最優先 収入減・病気時にローン滞納を防ぐクッション
箱B 教育・車資金 次に重要 奨学金や再度の自動車ローンを避けるための準備
箱A 頭金・諸費用 最後に調整 無理に増やさず、返済比率とバランスで決定

「頭金をあと100万増やすために、教育資金を削る」のは長期的にはリスク増です。返済比率だけでなく、10年先の大型支出カレンダーを横に置いて決めると、危ない上乗せを避けやすくなります。

「今は買わない」という選択肢が、数年後に一番お得になることがあるシナリオ

現場では、「今は買わない」を提案して感謝されるケースも少なくありません。典型的なのは次のようなシナリオです。

  • 今:借金500万、金利12〜15%のカードローン中心

  • 手取り年収:共働きで550〜650万

  • 貯蓄:50〜100万程度

この状態で上乗せを狙うと、返済比率も信用情報もギリギリになり、金利優遇も弱く、団信オプションも限定されがちです。

一方で、

  • 向こう2〜3年で高金利ローンを300万程度まで圧縮

  • 延滞ゼロを継続し信用情報をきれいに保つ

  • 貯蓄を150〜200万まで増やす

というルートを取ると、「同じ物件価格」でも

  • 金利優遇幅が広がる

  • 団信の選択肢が増える

  • 上乗せ額が少なくて済む

という形で、総返済額が数十万〜百万円単位で差が出ることがあります。

「今は借金整理と家計の立て直しを優先し、3年後により良い条件で住宅ローンを組む」という選択は、悔しさよりも安心して払える未来を買う行動に近い、という感覚を持っておくと判断を誤りにくくなります。

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それでもマイホームが欲しい人へ:借金500万から“破綻しない”計画を立てるステップ

「借金500万。でも子どもが小学校に上がる前にマイホームを買いたい」
審査の現場では、この“無茶と本音のあいだ”に立つ共働き世帯を山ほど見てきた。ここからは、それでも家を諦めたくない人が、破綻だけは確実に避けるための設計図を一気にまとめる。

3つの期間で考える:「今」「5年後」「完済まで」の現実的な返済計画

住宅ローンは「35年の長距離マラソン」だが、家計はそんなに長期でコントロールできない。現場で使うのは、3つの期間に分けて考えるやり方だ。

期間 チェックするポイント 典型的な落とし穴
今〜2年 滞納リスク、ボーナスカット、既存借金の返済額 上乗せで毎月は楽だが貯蓄ゼロになる
3〜5年 教育資金、車の買い替え、転職・出産 学費・車検・保険が同じ年に重なる
完済まで(10年超) 金利上昇、修繕費、親の介護リスク 変動金利前提でギリギリまで借りる

借金500万を上乗せするか検討するなら、最低でも次の3つは数字に落としてほしい。

  • 住宅ローン+他のローンを合わせた返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)

  • 「金利+1〜2%」「収入−10%」のストレス条件での毎月返済額

  • 教育費・車・リフォーム用の年間貯蓄目標

ストレス条件を入れると、「今は払えそう」が一瞬で「これは危ない」に変わるケースが多い。実務感覚として、返済負担率30%超でストレス条件をかけると、共働き子育て世帯は家計がパツパツになりやすい

相談先を間違えないためのルール:不動産会社・金融機関・専門家の役割の違い

同じ「相談」でも、窓口によってゴールが全く違う。ここを混同すると、ローンを組む前から勝負がついてしまう。

相談先 主な目的・ゴール 借金500万の人が頼る時の注意点
不動産会社 物件の販売・仲介 「通りそうな金融機関」を優先されやすい
金融機関 自社ローンの貸付 他社借入は「リスク」としてカウントされる
FP・司法書士等 家計・債務全体の整理 上乗せ以外の選択肢(整理・売却)も出てくる

ルールはシンプルで、順番を間違えないこと

  1. FPや司法書士などの中立寄りの専門家で「家計全体と債務の棚卸し」
  2. そのプランを持って金融機関に事前審査
  3. 最後に、その枠の中で不動産会社と物件選び

この順番を逆にして、「先に物件を押さえて、あとからローンを合わせにいく」と、借金500万を無理に上乗せしてでも通したくなる。通るかどうかより、通ったあとに生き残れるかを優先してほしい。

無料相談・人気サービスの“ランキング”に惑わされないためのチェックポイント

「無料」「人気ランキング上位」「審査通過率◯%」
これらのワードは魅力的だが、借金500万+マイホーム希望という“重い相談”ほど、見栄えより中身で選ばないと痛い目を見る

無料相談やサービスを選ぶ時は、最低限このチェックリストを通してほしい。

  • 家計とローンを1枚に整理してくれるか

    • 既存のカードローン・リボ・自動車ローン・奨学金などを、契約書と明細ベースで棚卸ししてくれるか
  • 「上乗せ」以外の選択肢も説明するか

    • おまとめローン、任意整理、個人再生、場合によっては売却まで、メリット・デメリットを両方話すか
  • 多重申込や虚偽申告を止めてくれるか

    • 「とりあえず複数社に申し込んでみましょう」と安易に勧めないか
  • 家族も含めたライフプランを聞いてくれるか

    • 教育資金や将来の転職・出産の予定まで聞いた上で借入額を提案してくれるか

ランキングや口コミよりも、あなたの状況の「ヤバさ」をきちんと数字で見せてくれるかの方がはるかに重要になる。
借金500万からのマイホーム計画は、「通すテクニック探し」ではなく、「破綻しない落としどころ探し」に切り替えた瞬間から、安全圏に近づいていく。

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執筆者紹介

主要領域は住宅ローンと多重債務の境界領域。本記事は、金融機関や司法書士・FPが公開している審査基準・債務整理の情報を俯瞰し、家計を守る実務的判断軸だけを抽出して構成しています。広告色の強い勧誘や特定サービスの推奨は行わず、「通るかどうか」より「破綻しないか」を優先して解説することを執筆方針としています。