設立初年度の役員賞与で一番危ないのは、「税金は減ったのに資金と信用を失う」設計です。事前確定届出給与は、役員賞与を損金算入できる強力な仕組みですが、定期同額給与とは別物で、新設法人だけ「設立日から2か月以内」という特例期限と、その数え方を一歩でも誤ると即アウトになります。提出期限だけでなく、「事前確定届出給与に関する届出書」の書き方、国税庁様式とのズレ、理由欄のNGワード、株主総会議事録や添付書類の整合性が1か所でも崩れると、出し忘れや支給日ズレ、1日遅れ、一人だけ支給などと組み合わさり、否認リスクが一気に跳ね上がります。さらに、設立初年度の新設法人が安易に高額の事前確定届出給与を組むと、資金繰りが固定され、信販や分割決済の審査で「役員に払いすぎ」「会社に利益を残さなすぎ」と見なされる現場事例も少なくありません。本記事では、期限と提出方法、記載例と否認事例を押さえたうえで、「そもそも自社は今使うべきか」を資金繰りと与信の観点から判断できるよう、チェックリスト形式で整理します。読み終えたときには、自社の設立日と支給予定日から「まだ間に合うか」「今期は見送るべきか」を即断できる状態になっているはずです。
- 新設法人がつまずく事前確定届出給与とは何か?定期同額給与との違いからスッキリ整理
- 設立初年度だけのタイムリミットで新設法人が見落としやすい事前確定届出給与の提出期限と数え方をカレンダーで丸裸
- 設立初年度のリアル事情!新設法人が事前確定届出給与を使うべき時とやめておくべきタイミング
- 書類ミスが命取り!新設法人による事前確定届出給与関係届出書の書き方と記載例のツボ
- ここでミスしたら赤信号!新設法人による事前確定届出給与の出し忘れ・支給日ズレ・1日遅れなど否認リスクをケース別に徹底解剖
- 税金は減ったのにお金が足りない!新設の会社が事前確定届出給与で資金繰りを詰まらせるパターンとリアルシミュレーション
- Web制作やエステなど役務ビジネスの新設法人が陥る事前確定届出給与の思わぬ落とし穴とは
- 信販と分割決済の審査目線で新設法人の事前確定届出給与&役員報酬の危険なバランスを丸裸に!
- 迷った時はここをチェック!新設法人の事前確定届出給与チェックリストと相談マニュアル
- 税金だけじゃない!売上とキャッシュを守り抜く新設法人流事前確定届出給与とビジネスクレジット必勝法
- この記事を書いた理由
新設法人がつまずく事前確定届出給与とは何か?定期同額給与との違いからスッキリ整理
会社を立ち上げたばかりの社長が最初につまずきやすいのが、役員報酬と税金の設計です。中でも事前確定届出給与は、使いこなせれば強力な武器ですが、ルールを外した瞬間に「全額アウト」で税金だけ増える、かなりシビアな制度です。
私の視点で言いますと、ここを曖昧なまま勢いで決めると、税金だけでなく資金繰りや与信にもジワジワ効いてきます。
新設法人が使う事前確定届出給与の「本当の役割」と税金を賢く減らす損金算入ルール
役員への支払いは、大きく分けて次の3つです。
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毎月固定で払う役員報酬(定期同額給与)
-
利益に連動させる業績連動給与
-
あらかじめ税務署に届け出た役員賞与(事前確定届出給与)
事前確定届出給与の役割は、「賞与であっても、条件を満たせば経費(損金)として落とせるようにすること」です。損金算入のための基本ルールは次の3点です。
-
支給対象者・支給日・支給額を事前に株主総会などで決議
-
その内容を期限内に税務署へ届出
-
決めた通りの金額を、決めた全員に、決めた日に支給
どれか1つでも外れると、その賞与は損金算入できず、法人税の負担がその分重くなります。設立初年度は1回のミスが資金に直撃するため、ここを「なんとなく」で決めないことが重要です。
定期同額給与や業績連動給与と比べて見えてくる新設法人だけの落とし穴とは
3つの制度を並べると、違いと落とし穴がはっきり見えます。
| 項目 | 定期同額給与 | 事前確定届出給与 | 業績連動給与 |
|---|---|---|---|
| 中身 | 毎月同じ役員報酬 | 事前に決めた役員賞与 | 利益に連動する報酬 |
| 損金算入のしやすさ | 高い | 条件が厳しい | 設計が難しい |
| 金額の自由度 | 途中変更しにくい | 支給回数・金額は設計次第 | 指標設計が必要 |
| 新設法人の落とし穴 | 3か月ルールの勘違い | 期限・支給日ズレで一発否認 | 実務で使いこなしにくい |
新設法人で特に危ないのは次のパターンです。
-
定期同額給与の3か月ルールと、事前確定届出給与の期限を混同する
-
初年度から「定期+事前確定+業績連動」と複数を欲張り、管理し切れなくなる
-
売上予測が読めないのに高額の支給額をロックしてしまう
税務上は正しくても、資金や与信の目線で見ると「役員に払いすぎ、会社に利益を残さなすぎ」と評価されるケースがあり、後の融資や信販審査で足を引っ張ることがあります。
「節税になるからお得」とは限らない!新設法人が押さえるべきリアルな注意点
設立初年度の社長がよく口にするのは「税金を減らしたいから、賞与もできるだけ損金にしたい」という言葉です。しかし現場で見ていると、節税だけを軸に事前確定届出給与を組むと次のような事態が起きやすくなります。
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売上入金が遅れ、決済会社からの入金前に賞与支給日が来てしまう
-
設立直後の利益をギリギリまで削った結果、金融機関から「自己資本が薄い」と見られる
-
信販やリースの審査で、役員報酬と会社利益のバランスが悪いと判断され、与信枠が伸びない
押さえるべきポイントを整理すると、次の通りです。
-
税金だけでなく、支払い予定表と口座残高のカレンダーを並べてから支給額を決める
-
「この金額を決めたら、1年間変更できない」「支給日を1日でも動かせない」という覚悟を持って決議する
-
将来の融資・信販・分割決済の導入を見据え、会社にどれだけ利益を残すかも同時に設計する
初年度は、事前確定届出給与を攻めの節税ツールとして考えるより、「税務・資金・信用」の3つを崩さないための慎重なスイッチと捉える方が、安全かつ長期的に得をしやすくなります。
設立初年度だけのタイムリミットで新設法人が見落としやすい事前確定届出給与の提出期限と数え方をカレンダーで丸裸
「うち、もうアウトかも…?」と感じた瞬間に勝負は半分決まっています。ここで一度、設立初年度だけの特殊ルールを整理して、カレンダー上で“詰み”を避けていきましょう。
設立日から2か月ってどこまで?新設法人ならではの提出期限を具体例付きでチェック
新しく会社を設立した年だけは、届出の提出期限に特例があります。ポイントは次の2本柱です。
-
設立初年度の特例
-
通常ルール(今後ずっと使うルール)
まず特例から押さえます。
-
登記上の設立日から2か月以内
-
役員に支給する前日まで
この両方を満たした日のうち、早い方がタイムリミットになります。
カレンダーでイメージしやすいように、よくある設立日のケースを整理します。
| 登記日の例 | 2か月後の同日 | 実際の期限のイメージ |
|---|---|---|
| 3月15日 | 5月15日 | 5月15日までに提出 |
| 3月31日 | 5月31日 | 月末設立でも同じ日 |
| 4月1日 | 6月1日 | 6月1日までに提出 |
| 4月30日 | 6月30日 | 30日がない月は末日 |
支給予定日が5月10日なら「5月9日までに提出」が締切になります。2か月より支給予定が早いと、支給日前日でタイムアップになる構造です。
株主総会の決議日と事業年度開始日が新設法人の事前確定届出給与の期限にどう絡んでいるか一気に理解する
ここを取り違えると、書類は出しているのに税務で否認される危険ゾーンに入ります。
通常ルールは次のいずれか早い日までです。
-
事業年度開始日から4か月以内
-
株主総会や臨時株主総会の決議日から1か月以内
設立初年度の場合、事業年度開始日は多くの会社で「設立日」と一致します。つまり、
-
設立日=事業年度開始日
-
そこから4か月以内
-
ただし、株主総会で役員賞与を決めた日から1か月も同時に走る
という二重のカウントが走ります。
私の視点で言いますと、決議日をなんとなくで設定してしまい「決議日から1か月」が先に来ていた、というパターンが非常に多いです。決議日を遅くすればいい話ではなく、支給予定日との整合性を見ながら「いつ決めたことにするか」を設計する感覚が大事になります。
通常の法人との違いで「うっかりアウト」を防ぐための秘訣
新設かどうかで、意識すべきポイントはガラッと変わります。
| 項目 | 設立初年度 | 2期目以降 |
|---|---|---|
| 主な期限の起点 | 設立日+2か月、支給日前日 | 事業年度開始日+4か月 |
| 決議日の影響 | 決議日から1か月も同時に走る | 同じく1か月だが慣れで油断しがち |
| ミスの典型 | そもそも制度を知らず出し忘れ | 支給日ズレや金額変更 |
うっかりアウトを防ぐコツは3つです。
- 設立直後に「支給予定日カレンダー」を作る
- 設立日、事業年度開始日、株主総会予定日を1枚にまとめておく
- 税理士と話す前に「いつ・誰に・いくら払いたいか」をメモにして渡す
この3つを先に整理しておけば、期限管理は一気に楽になりますし、届出を書くときもブレません。期限で事故らなければ、後の資金繰りや与信戦略に頭を使えるようになります。
設立初年度のリアル事情!新設法人が事前確定届出給与を使うべき時とやめておくべきタイミング
税理士が新設法人に事前確定届出給与をあえて勧めない理由とその現場感覚
設立初年度は、売上も利益も「予報レベル」でしか読めません。
それでも事前確定届出給与を出すと、税務上は支給額と支給日をガチガチに固定することになります。
税理士が初年度に強く押さない理由は、制度が難しいからではなく、次のような「事故リスク」を肌で知っているからです。
-
売上が予定より伸びず、賞与を払うと資金が尽きる
-
支給日を1日勘違いして損金不算入になる
-
業績悪化で減額したいのに、改定事由の要件を満たせない
ざっくり言えば、「税金を数十万円減らすために、数百万円の資金リスクを背負うか」という判断が毎回問われている感覚です。私の視点で言いますと、期限と支給日の管理が甘い会社ほど、この制度との相性は悪くなります。
利益予測がブレる1年目で新設法人が「支給額をロック」するリスクとその背景
初年度で支給額をロックする怖さは、試算表を数カ月見た経営者ならすぐイメージできるはずです。売上も入金も、最初の予定通りに動くことはほぼありません。
代表的なズレ方を整理すると、次のようになります。
| 想定 | 実際 | 起こりがちな事態 |
|---|---|---|
| 開業3カ月で黒字 | 集客が遅れ赤字 | 用意した賞与を払うと現金ショート |
| 融資がすぐ実行 | 稟議が長引く | 支給日までに入金が間に合わない |
| 粗利率が高い想定 | 値引き・追加工数が多い | 利益が薄くなり役員報酬が重く感じる |
この状態で事前確定届出給与を設定すると、支給額を後から「やっぱり半分で」が通用しません。改定事由に当てはまらなければ、減額した瞬間に税務リスクを抱えます。
売上予測がブレやすい1年目ほど、「支給額をロックすること=資金繰りの逃げ道を塞ぐこと」になりやすい点を押さえておきたいところです。
あえて初年度は見送り、第2期以降で逆転ホームランを狙う新設法人の役員報酬戦略
とはいえ、この制度には損金算入という明確なメリットがあります。問題は「いつ使うか」です。初年度から無理に使うより、次のような流れにした方が結果的に得をするケースも多いです。
-
初年度
- 定期同額給与を中心に設計
- 売上構造と入金サイト、固定費のクセを把握
- 銀行や信販の与信の出方を確認する
-
2期目以降
- ある程度利益水準と季節変動が読める
- 「ここまでなら払っても資金が詰まらない」ラインが見える
- その上限の範囲で事前確定届出給与を組み込む
この順番にすると、税金対策だけでなく、資金、防衛、金融機関からの評価まで一体で設計しやすくなります。
初年度は「生き残るための役員報酬」、2期目から「攻めと節税を両立させる役員報酬」と分けて考えるイメージを持つと、迷いが減りやすくなります。
書類ミスが命取り!新設法人による事前確定届出給与関係届出書の書き方と記載例のツボ
新設法人が悩む届出書の記載ポイントと、理由欄に書くべきでないNGワード
設立したばかりの会社がこの届出書でつまずくのは、ほぼ次の3か所です。
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会計期間と職務開始日のズレ
-
支給日と口座入金日のズレ
-
理由欄の書き方
まず、基本ブロックの整合性をチェックします。
| 項目 | よくある誤り | 税務署が見るポイント |
|---|---|---|
| 会計期間 | 登記日と混同 | 定款や設立届と一致しているか |
| 職務開始日 | 第1回株主総会日で記入 | 実際に役員に就いた日か |
| 支給日 | 振込依頼日で記入 | 実際の口座入金日とのズレ |
理由欄で特に危ないのは、次のような言葉です。
-
「節税のため」
-
「税金を減らしたいので」
-
「顧問税理士に勧められたため」
これらは、利益や職務内容と結びついておらず、形式だけの賞与と疑われやすい表現です。
理由記載例と国税庁の視点を結ぶ、新設法人向け説得力ある書き方テンプレ
実務では、税務署が知りたいのは「職務の内容」「業績との関連」「支給額の根拠」です。そこで、新設法人では次の型に当てはめて書くとブレにくくなります。私の視点で言いますと、このテンプレで書いておけば調査時の質問もかなり減ります。
【テンプレ構造】
1 職務内容
2 貢献と成果の見込み
3 支給額の算定根拠
【記載イメージ】
-
「代表取締役として新規事業の立ち上げ、主要取引先の開拓、金融機関との交渉を担当しており、創業期の売上確保と資金調達に直接関与しているため、その対価として事前に決定した賞与を支給する」
-
「当事業年度の売上計画および利益計画に基づき、役員報酬と合わせて人件費総額が売上の〇%以内となる範囲で支給額を算定した」
「役員のモチベーション向上のため」だけでは弱く、上記のように職務と数字に結びつけるほど説得力が増します。
議事録と添付書類で陥りがちな失敗例と否認リスク回避の新設法人向けチェックポイント
届出書だけ整っていても、株主総会議事録や臨時株主総会の決議内容がチグハグだと一気に危険ゾーンに入ります。
【ありがちな失敗例】
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議事録に役員賞与の決議日が書いていない
-
支給日や支給額が届出書と微妙に違う
-
添付した議事録の日付が、提出期限ギリギリを過ぎている
-
株主総会の決定方法が定款と合っていない
最低限、次のチェックリストを使ってから提出することをおすすめします。
-
議事録の会議日と決議日が明記されているか
-
決議された支給日と支給額が届出書と完全一致しているか
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出席した株主と議決権が、設立時の株主名簿と整合しているか
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電子申告の場合、議事録のPDF日付と決議日との整合が取れているか
創業期は営業と資金調達で手一杯になりがちですが、ここを雑に済ませると数年後の税務調査で「支給自体はしたのに損金不算入」という痛すぎる展開になりかねません。書類は単なる形式ではなく、税務署に向けた経営判断の説明書だと捉えて組み立てるのが、安全運転への近道になります。
ここでミスしたら赤信号!新設法人による事前確定届出給与の出し忘れ・支給日ズレ・1日遅れなど否認リスクをケース別に徹底解剖
「税金対策のつもりが、一瞬で“全部アウト”」になりやすいのが、このパートです。現場でトラブル相談が最も多いゾーンを、ケース別に一気に整理します。
新設法人が提出前に支給・支給後に提出・届出を出し忘れたとき見舞われる“最悪シナリオ”
まず押さえたいのは、税務上は「届出書に書いたとおりに支給できたか」が命という点です。
よくあるケースを整理すると次の通りです。
| ケース | 典型的な流れ | 税務上の扱いの方向性 |
|---|---|---|
| 提出前に支給 | 登記後バタバタの中で賞与を先に振込、後から届出 | 原則その支給分は損金不算入候補 |
| 支給後に提出 | 支給してから慌てて届出書作成 | 「事前に決議・届出した給与」とみなされにくい |
| 届出を出し忘れ | 株主総会決議だけしていて提出していない | 決議はあっても届出が無いと、役員賞与として否認リスク大 |
税務調査で問題になると、その支給額がまるごと損金算入できない前提で法人税を計算し直すことになります。設立初年度で利益が薄い法人ほど、数十万〜数百万円の税金インパクトになりやすい点が重いところです。
私の視点で言いますと、設立初年度は「誰が期限と支給スケジュールを管理するのか」を決めていない会社ほど、出し忘れ・順番ミスが起きています。
支給日が土日祝日と重なった場合や1日ずれただけで新設法人の事前確定届出給与が危なくなる理由
次に、支給日のズレです。ポイントは「届出書に書いた支給日」と「実際に口座に落ちた日」が一致しているかです。
チェックすべきポイントをリストにすると以下の通りです。
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届出書の支給日が土日祝日の場合、その日付で振込はできない
-
実際の支給日を前営業日に前倒しするのか、翌営業日に後ろ倒しするのかを、最初から決めておく
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インターネットバンキングの振込予約と、実際の引き落とし日がズレていないか確認する
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毎期同じパターンで支給しているか(イレギュラーな年だけズレると調査で突っ込まれやすい)
特に新設法人は、「給与の口座振替日」「社会保険料の引き落とし」「家賃の支払日」が固まっていない時期です。支給日を何度も変更していると、届出書と整合しなくなり、税務署から「本当に事前に決めていましたか」という目線で見られやすくなります。
一人だけ支給しない・2回目を支給しない・金額を変えたときの危険ゾーンを新設法人の目線で診断
最後が、「人ごとのバラつき」と「回数や金額の変更」です。新設法人がやりがちなパターンを整理します。
| パターン | 新設法人で起きがちな事情 | リスクのポイント |
|---|---|---|
| 一人だけ支給しない | 役員の一人が資金を会社に残したくなり辞退 | 届出書どおり全員に支給していないと、制度趣旨から外れやすい |
| 2回目を支給しない | 業績悪化で下期分を止める | 改定事由として説明できるか、議事録や資料が重要 |
| 金額を変える | 思ったより利益が出た/出なかった | 「業績悪化その他やむを得ない事情」に当たるかが争点 |
特に「一人だけ辞退」は、新設法人の現場で非常に多い相談です。銀行との関係や家族事情など、理由自体はまっとうでも、届出書どおりに支給していない事実だけを見ると、税務上は否認リスクの火種になります。
避けるための現実的なコツとしては、次の順番で検討することをおすすめします。
- 設立初年度は、そもそも事前確定届出給与を使うかどうかを慎重に検討する
- 使うなら、支給対象者を最小限に絞り、金額も「後から辞退しなくて済むレンジ」に抑える
- 業績悪化で支給が難しくなりそうなら、早めに税理士と相談し、臨時株主総会の決議や資料を残しておく
この3ステップを先に固めておくと、「せっかく届出したのに、支給日ズレや一人だけ未支給で全部パー」という最悪パターンをかなり避けやすくなります。
税金は減ったのにお金が足りない!新設の会社が事前確定届出給与で資金繰りを詰まらせるパターンとリアルシミュレーション
設立初年度のキャッシュフローに影響する事前確定届出給与、その効果が出る瞬間
役員賞与を事前に届出して損金算入すれば、法人税は確かに軽くなります。ただ、税金が減るのは「決算と申告のタイミング」、お金が出ていくのは「支給日の朝イチで口座から落ちるタイミング」です。このズレを甘く見ると、一気に首が締まります。
ざっくり構造を整理すると次の通りです。
| タイミング | 会社の財布に起きること | 税務上の扱い |
|---|---|---|
| 設立〜期中 | 売上は増えても現金は後から入る | 税金はまだ確定しない |
| 支給日 | 役員の口座へ賞与がドンと出ていく | 条件を満たせば損金算入前提 |
| 決算〜申告 | 利益が減り税金も減る | ただし現金はもう出ている |
私の視点で言いますと、特に設立初年度は「利益は出そうだから賞与を決めたのに、現金はまだ来ていない」というズレが頻発します。売上計画だけで支給額を決めるのではなく、支給日前後3か月の入出金予定を並べてから決めるくらいでちょうどいいです。
売上入金サイトや未回収リスクと役員賞与の支払日が重なる落とし穴
カード決済や信販、請求書払いを使う業種だと、売上と入金に必ずタイムラグが生まれます。そこに賞与の支給日が重なると、帳簿上は黒字でも、口座残高は一気に赤信号になります。
典型的な危ない並びは次のパターンです。
-
売上は月末締め翌月末入金
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家賃、給与、借入金返済は毎月27〜末日
-
役員賞与の支給日も月末に設定
この形だと、「売上入金前に固定費と賞与が一気に出ていく」構造になります。さらに返金・キャンセルが重なると、信販や決済会社からの入金が減り、予定していた現金が入らないこともあります。
設立初年度で特に注意したいのは次の3点です。
-
入金サイト(いつ売上が口座に入るか)を必ず一覧にする
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未回収・返金の想定額を、売上の何%かでざっくりでも置いておく
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役員賞与の支給日を「入金の直前」ではなく「入金の後ろ」にずらす発想を持つ
税務のルールを守ることと同じくらい、口座残高がマイナスにならない支給日設定が重要になります。
節税よりも先に守るべき現預金残高ラインの決め方と資金防衛テク
資金ショートを避けたいなら、「この金額を割ったら賞与も報酬も絶対にいじらない」というラインを決めておくことが効果的です。これは難しい理論ではなく、次のステップで十分です。
-
毎月の固定費合計を出す
- 家賃
- 給与・社会保険
- 借入金返済
- サーバー代や広告の最低ライン
-
その2〜3か月分を、最低現金残高ラインとして決める
-
事前確定届出給与を含む役員報酬は、そのラインを常に上回る範囲でだけ支給する
イメージしやすいように、残高ラインと賞与の関係をまとめます。
| 項目 | 目安の考え方 |
|---|---|
| 最低現金残高ライン | 固定費2〜3か月分 |
| 役員賞与の合計支給額 | ラインを割り込まない範囲で設定 |
| 支給日前のチェック | 支給後残高がライン+1か月分を下回らないか確認 |
ここを徹底したうえで、次のような資金防衛テクを組み合わせると、設立初年度でもかなり安心感が変わります。
-
役員報酬を少し抑え、その分を二期目以降の賞与や改定事由の余地として残しておく
-
決済会社やみずほなど銀行口座の入金サイクルを事前に確認し、支給日をそれに合わせて決定
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税理士に相談する際、損金算入だけでなく「支給後3か月の口座残高シミュレーション」を一緒に見てもらう
税務メリットは重要ですが、会社を守るのは最終的には現預金です。節税の前に「潰れないライン」を決めておくことが、設立初年度の最大のリスクヘッジになります。
Web制作やエステなど役務ビジネスの新設法人が陥る事前確定届出給与の思わぬ落とし穴とは
「税金は減ったのに、口座残高がスカスカ」
役務ビジネスの設立初年度で、いちばんゾッとするパターンがこれです。事前確定届出給与はルールどおり届出して支給しているのに、資金繰りと与信の現場ではマイナス評価になるケースがはっきり存在します。
ここでは、とくにWeb制作・エステ・スクール・コンサルのような役務商材ビジネスに絞って、現場で本当によく起こる落とし穴を整理します。
一括入金や分割決済、返金リスクがあるビジネスに新設法人が事前確定届出給与を使う時の落とし穴
役務ビジネスの設立初年度では、売上は「契約時」にドンと立ちますが、現金はあとからジワジワ入ってきます。この「売上と現金のタイムラグ」を無視して事前確定届出給与を組むと、一気に資金が詰まりやすくなります。
典型的な資金の流れを、役員報酬と賞与の支給タイミングと合わせて整理すると次のようになります。
| タイミング | 会社の動き | 現金の動き | リスクポイント |
|---|---|---|---|
| 1月 | 高額コース契約・請求 | 売上計上のみで入金なしも多い | 「利益が出ている」と錯覚しがち |
| 2〜3月 | 分割決済・信販経由入金開始 | 入金は分割・手数料控除後 | 返金・キャンセルが出始める |
| 6月 | 事前確定届出給与の支給(月決め) | 大きな現金流出 | 返金・広告費・家賃と同時期に資金が薄くなる |
| 決算後 | 法人税・消費税・源泉所得税など | 追い打ちの支払い | 手元資金がゼロ〜マイナス圏に落ちやすい |
設立初年度は、次の3点が重なると危険です。
-
契約単価が高い
-
分割決済や信販会社を利用している
-
返金・キャンセル率がまだ読めない
この状態で支給額を決議して届出してしまうと、「業績が読めないのに賞与だけは固定」という最悪のロックがかかります。私の視点で言いますと、売上規模に対して賞与を攻めすぎた法人ほど、2年目の夏前に資金ショート寸前まで追い込まれるケースが目立ちます。
売上が立っても“決済会社からの入金待ち”で資金ピンチになる新設法人の構造
役務ビジネスでは、売上は会計上の数字にすぎず、資金繰りを救うのは口座への入金です。とくに新設で信販やクレジットを使い始めた直後は、次のような構造になりがちです。
-
決済会社の入金サイトが長い(30〜60日)
-
売上の数%は決済手数料として天引き
-
キャンセル・返金が出ると、後日の売上と相殺される
-
売上だけ見ると黒字、現金の動きだけ見ると赤字寄り
この構造のまま、事前確定届出給与の支給日を「集客がピークの時期」に重ねると、資金繰りは一気に苦しくなります。たとえばエステサロンなら夏前、スクールなら4月・9月、Web制作なら年度末の大型案件納品時期などです。
支給日設計で押さえたいチェックポイントは次の通りです。
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決済会社からの入金予定表と、賞与支給日のカレンダーを必ず並べて確認する
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信販・分割決済のキャンセル率が読めるまで、支給額を控えめに設定する
-
「黒字でも現金不足」にならないよう、最低限の現預金残高ラインを先に決めておく
税務上は、届出した支給日・支給額を守ることが損金算入の前提になりますが、役務ビジネスでは「その日までに現金が本当に揃うのか」という視点をセットで見ないと危険です。
事前確定届出給与より見直すべき、役務ビジネス新設法人特有のリスク管理ポイント
設立初年度の役務系法人では、「節税テクニックより先に整えるべきリスク管理」がいくつかあります。事前確定届出給与を検討する前に、次の3つを棚卸ししておくと事故を大きく減らせます。
1 資金繰りの土台づくり
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売上ごとの入金サイト一覧(現金・振込・カード・信販・リース)
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月別の固定費(家賃・人件費・広告費・システム・ロイヤリティ)
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税金と社会保険の支払月(源泉所得税、消費税、法人税、社会保険料)
この3つを1枚の表にまとめるだけで、「この月に賞与を重ねるのは危ない」という感覚がはっきり見えてきます。
2 与信と信用の管理
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決算で役員への支給が多すぎると、金融機関や信販会社から「会社に利益が残っていない」と見なされる
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赤字決算+高額な役員報酬・賞与の組み合わせは、ビジネスクレジットやリース審査でマイナス材料
信販提携や分割決済枠の拡大を狙うなら、「税金を減らすこと」よりも「利益をある程度残して会社の体力を見せること」の方が評価されやすい場面も多いです。
3 ルール運用の現実性
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決裁権者が忙しく、株主総会や臨時株主総会の議事録作成が後回しになりがち
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経理担当が1人か代表のみで、支給日管理や届出期限管理が手作業になっている
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e-Taxや届出書の入力フォームに不慣れで、記載誤りや支給日ズレが起きやすい体制
事前確定届出給与は「決めたことを1日もズラさず、全員に同じ条件で支給しきる」運用が求められます。役務ビジネスの新設法人は、現場が忙しすぎてこの運用が破綻しやすいので、制度を使うかどうかの判断材料にすべきポイントです。
まとめると、役務ビジネスの設立初年度にとって、事前確定届出給与は税金対策というより、“資金と信用をロックする仕組み”になりがちです。まずは入金サイトとキャンセルリスク、与信審査の目線を整理し、そのうえで「本当に今ロックしてよい支給額か」を慎重に決めることが、生き残るための現実的な戦い方になります。
信販と分割決済の審査目線で新設法人の事前確定届出給与&役員報酬の危険なバランスを丸裸に!
カード決済や信販提携を入れた瞬間から、経営者の「給料と賞与の決め方」は、税務だけの話ではなくなります。審査担当者のモニターには、損益計算書と役員報酬の数字が並び、「社長の取り分」と「会社に残る利益」のバランスが冷静にチェックされています。
役員報酬と事前確定届出給与の設計が、ビジネスクレジットや信販審査で評価される新設法人の実態
信販や分割決済の審査では、次の3点が必ず見られます。
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継続して利益を出せるか(=返金やチャージバックに耐えられるか)
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自己資本の厚みは十分か
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役員に払い過ぎて「会社が痩せていないか」
そのため、役員報酬と事前確定届出給与の合計が売上や粗利に対して大きすぎると、「社長の財布は潤っているが会社はギリギリ」と判断されやすくなります。特に設立初年度は、売上のブレが大きいのに賞与額を事前にロックするため、審査側からは保守性の低い設計と映りやすい点に注意が必要です。
下の表は、審査で好まれやすいパターンと警戒されやすいパターンのざっくりしたイメージです。
| 項目 | 好印象のパターン | 警戒されるパターン |
|---|---|---|
| 役員報酬 | 売上の伸びに対して緩やかに増加 | いきなり高額、利益を圧迫 |
| 事前確定届出給与 | 利益見込みの一部を還元 | 赤字ギリギリまで賞与で吸い上げ |
| 会社利益 | 年間を通じて黒字を維持 | 毎期ほぼゼロまたは赤字 |
| 自己資本 | 増加傾向 | 資本金からほぼ増えず |
「役員への払いすぎ」「会社へ利益を残さなすぎ」で新設法人が審査落ちする本当の理由
審査担当者は、「返金が発生したとき、この会社は耐えられるか」という視点で数字を見ています。役務商材や高額サービスでは、次のような構造が典型的です。
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顧客から一括や分割で売上計上
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実際の入金は信販会社から後払い
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途中解約や返金が出た場合、信販会社への返戻負担が発生
ここで、役員報酬と事前確定届出給与で利益をほぼ取り切っていると、返金や売掛金の焦げ付きに耐えるクッションがありません。審査側からは次のように見られます。
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「数字上は黒字でも、役員に払い過ぎて会社の安全マージンが薄い」
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「少し売上が落ちただけで資金ショートしそう」
その結果、与信枠が小さくなったり、そもそも提携自体が見送られたりします。税金だけを見れば「損金算入でお得」に見える設計が、審査の世界では「守りが弱い会社」と評価される矛盾を押さえておく必要があります。
新設法人が与信を通しやすくする役員賞与と会社利益の絶妙な落とし所
設立間もない会社が、税務と審査の両方をにらみながら役員賞与を決める際のポイントは、次の3ステップで考えると整理しやすくなります。
- 年間を通じて最低限残したい利益額を先に決める
(借入返済、返金リスク、今後の投資余力を含めた「会社の貯金ライン」)
- その利益を確保したうえで、定期同額の役員報酬で生活に必要なラインを押さえる
(生活費をボーナス頼みにしない設計にすると、賞与の幅が取りやすくなります)
- まだ余裕がある部分だけを事前確定届出給与として損金算入する
(売上予測がブレたときに削っても会社が倒れない範囲に抑える)
目安として、信販やビジネスクレジットの審査に通りやすい印象に近づけるには、
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役員報酬+事前確定届出給与で利益を食い尽くさない
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自己資本が少しずつでも増えている決算を続ける
この2点を外さない設計が重要です。ビジネスクレジット導入支援の現場を見ている私の視点で言いますと、「今期どれだけ税金を減らせるか」よりも、「2〜3期分の決算書でどれだけ会社を太らせて見せられるか」を意識した役員賞与の方が、結果的に売上とキャッシュの自由度を大きく高めていきます。
迷った時はここをチェック!新設法人の事前確定届出給与チェックリストと相談マニュアル
新設法人が今すぐ判断すべき項目と、じっくり考えてもOKなポイントをフローチャートで整理
まず「今日決めること」と「後で決めていいこと」を切り分けると一気に頭がクリアになります。私の視点で言いますと、この仕分けができていない会社ほど、期限ギリギリで事故っています。
今すぐ判断すべきかどうかは、次の整理でざっくり判断できます。
| 判定項目 | 今すぐ判断 | 後でも可 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 設立日から2か月以内か | はい | いいえ | 2か月超なら原則アウト、別の報酬設計を検討 |
| 初年度の予測利益が見えているか | はい | いいえ | 大きくブレるなら賞与ロックは危険 |
| 役員賞与の支給日を固定できるか | はい | いいえ | 支給日ズレは否認リスク大 |
| 資金繰り表を作っているか | はい | いいえ | 作っていないなら節税より先に現金防衛 |
チェックのイメージは次の通りです。
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設立日と決算期を確認する
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設立日から2か月以内なら「届出を出すかどうか」を検討
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利益予測と資金繰りが荒い場合は「初年度は見送り」の選択肢もキープ
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支給日と支給額をロックしても資金が回るかをシミュレーション
税理士に相談する前に整理したい新設法人の設立日・決算期・支給予定日メモ
税理士に「何年何月何日設立で、決算はいつで、いついくら払いたいか」が出てこない相談は、どうしても話がふわっとします。メモレベルで構わないので、最低限次を紙1枚にまとめておきます。
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登記上の設立日
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第1期の事業年度(開始日と終了日)
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役員報酬の支給開始日と毎月の支給額
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賞与として払いたい候補日と候補額
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売上入金サイト(何日締め何日入金か)
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毎月の固定支出(家賃・人件費・借入返済など)の概算
これがそろっているだけで、税務上の期限と資金繰りの両方を同時に検討できます。
節税だけでなく新設法人の資金繰りや決済戦略まで丸ごと相談できる準備リスト
節税の話だけで完結させると、「税金は減ったのに口座残高がスカスカ」という状態に陥りやすくなります。次の情報をセットで用意しておくと、税理士だけでなく金融機関や決済会社とも一貫した戦略を組みやすくなります。
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直近12か月分の売上見込み(月別)
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現在使っている決済手段(振込・クレジットカード・信販・Pay系など)
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クレジットや信販経由の売上比率と入金サイト
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予定している設備投資や広告投資の金額と時期
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役員に最低限必要な手取り額と、許容できる賞与の変動幅
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近い将来受けたい融資やリースの予定
この準備リストをそろえたうえで、
「どこまで賞与をロックしても資金が持つか」
「与信や審査に悪影響を出さずに節税するラインはどこか」
を専門家と一緒に決めていくと、初年度から危なげのないスタートが切りやすくなります。
税金だけじゃない!売上とキャッシュを守り抜く新設法人流事前確定届出給与とビジネスクレジット必勝法
新設法人が事前確定届出給与だけでなく分割決済やビジネスクレジットを駆使して攻めと守りを兼ね備えるコツ
設立初年度は、税金よりも怖いのが「現金が尽きる瞬間」です。事前確定届出給与で役員賞与をロックすると、損金算入で法人税は下がりますが、その分キャッシュアウトも確定します。ここに分割決済やビジネスクレジットを組み合わせると、攻めと守りのバランスが一気に変わります。
新設の会社が押さえたいのは、次の三層構造です。
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1層目:定期同額給与と事前確定届出給与で税務上の土台を整える
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2層目:クレジットや信販の分割決済で売上と入金サイトを設計する
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3層目:ビジネスクレジット枠で一時的な資金ギャップを吸収する
この三つを別々に考えると、「賞与は出したのに、決済会社からの入金が遅れて資金ショート」という事態が起きます。私の視点で言いますと、役員報酬の設計と与信枠の設計を同じ表で見える化しておく会社ほど、初年度の資金トラブルが少ないです。
下のように、税金と資金と与信を一枚で整理しておくと判断しやすくなります。
| 視点 | 見る数字 | 注意ポイント |
|---|---|---|
| 税務 | 損金算入額、役員報酬総額 | 事前確定届出給与の期限と支給日ズレ |
| 資金 | 月次キャッシュフロー、口座残高 | 賞与支払月と借入返済・家賃の重なり |
| 与信 | 利益水準、自己資本、役員報酬比率 | 「役員取りすぎ」に見えないバランス |
未回収リスクを抑えつつ高単価商品販売も実現するための新設法人流決済設計
Web制作やエステ、スクールなどの役務ビジネスでは、「売上が立った瞬間」と「現金が入る瞬間」がずれます。ここで事前確定届出給与を大きく設定すると、数字上は黒字・税務上は節税、しかし財布の中身は空っぽという状況になりやすいです。
高単価商品を安全に売るための決済設計は、次の順番で考えるとリスクを抑えられます。
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売上より先に、入金タイミングとキャンセル時の返金ルールを決める
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信販・クレジットの分割決済で、未回収リスクをどこまで外部に移せるかを確認する
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それでも残るリスクを、月次の現預金残高ラインと役員賞与の上限でコントロールする
目安としては、「最大想定のキャンセル・返金が一度に来ても、最低2か月分の固定費と役員定期給与は払える残高」をキープしながら、事前確定届出給与の支給額を決めるイメージです。ここを超えて賞与を積み増すと、ほんの数件の未回収で一気に資金が詰まります。
新設法人が「税金・資金・決済」をトータルでデザインするための次の実践アクション
最後に、今すぐできる具体的な一歩を整理します。税理士との相談や、決済会社・信販会社との打ち合わせ前に、次の3点を紙1枚にまとめておくと、初回から本質的な議論に入れます。
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税金と役員報酬のメモ
- 今期のざっくり利益予測
- 定期同額給与の月額と、検討している事前確定届出給与の候補額・支給日
- 業績悪化時に減額せざるを得ないライン
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資金繰りと入金サイトの一覧
- 売上の回収条件(現金・クレジット一括・分割・信販)
- 決済会社からの入金サイトと、最大のタイムラグ
- 借入返済、家賃、外注費など毎月の固定支払日
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決済戦略と与信を意識した方針
- いつまでにどの決済手段を導入したいか
- 信販やリースの審査で見られる利益水準と自己資本の目標
- その範囲で許容できる役員報酬と賞与の上限
この三つをそろえたうえで、税理士には税務と届出の安全ラインを、金融・決済の専門家には与信と回収リスクのラインを確認していくと、「節税はできたが資金ショート」という最悪のシナリオをかなりの確率で避けられます。税金、資金、決済を別々に見るのではなく、ひとつの設計図として組み立てていくことが、設立初年度を乗り切るためのいちばん堅実な近道です。
この記事を書いた理由
著者 – 岡田克也
新設法人の相談を受けていると、「税理士に勧められた事前確定届出給与で節税はできたが、その後に信販審査で落ちた」「役員賞与を固定した結果、分割決済の立替金が入る前に資金が尽きかけた」という声に何度も向き合ってきました。とくにWeb制作やエステ、スクールのように役務提供と入金タイミングがズレるビジネスでは、設立初年度の役員報酬設計が、そのままキャッシュと与信の両方の評価に跳ね返ります。
私自身、設立直後の法人が高めの事前確定届出給与を組んだまま信販導入を希望し、決算書の利益が薄く見えて審査が難航した場面を経験しました。中には、役員に払う金額を少し抑え、会社に利益を残す設計に組み直したことで、翌期に与信枠が通り、売上の取りこぼしを防げたケースもあります。
税金だけを起点にした判断では、売上と信用を守れないことがある。この記事では、そのギャップを埋める材料を提供し、設立初年度の限られた時間の中で「節税」「資金繰り」「与信」のバランスを冷静に見直すきっかけにしてほしいと考えています。
