ホームページ制作のリース契約で損しないための解約・支払い完全ガイド

あなたの会社のホームページは、いつでも自由にリニューアルできて、ドメインもサーバーも自社の判断で動かせますか。
もし「初期費用0円」「月額定額のサイト運用だけ」と説明されたリース契約でホームページ制作を依頼しているなら、その答えは多くの場合「いいえ」です。

表向きは「初期費用を抑えたお得なWebサービス」。実態は、ホームページという無形のサイトをパソコンやソフトと抱き合わせたリース商法に載せることで、7年前後の長期契約と高額な総支払額、さらに解約の自由を手放しているケースが少なくありません。
制作会社とリース会社、管理会社が入り組むことで、解約や変更の責任の所在があいまいになり、トラブルになった瞬間だけ依頼者が矢面に立つ構図も、現場では定番になっています。

この状況で怖いのは、最初から高いと分かっている契約ではなく、「他社もやっている」「無料でHPが持てる」と説明される平均的なプランほど、後からじわじわと経営を圧迫してくることです。
特に地方の中小企業やサロン、士業のように、事業モデルが変化しやすい業種ほど、数年後に「サイトを変えたいのに変えられない」「残債を払わないとドメインを止められる」という相談に追い込まれています。

本記事は、ホームページ制作のリース契約を否定するためではなく、「損をしない支払い方法」と「今の契約の危険度を自力で見抜く判断軸」をすべてテキストに落とした実務ガイドです。
リース、信販クレジットによる分割、一括+保守、サブスク型Webサービスを横並びで比較し、手元に残る現金だけでなく、解約の自由度とサイト運用の自由度まで含めて検証します。

さらに、サロンや工務店で実際に起きたケースをもとに、「初期0円・月3万円・7年リース」と、信販分割や一括払いを選んだ場合の差を、具体的な契約条項とトラブルの流れから読み解きます。
そのうえで、契約前に制作会社や営業担当に必ずぶつけるべき5つの質問、CMSやサーバー・ドメインの所有権を契約書で確認するポイント、クーリングオフや解約交渉の現実的な進め方まで、一連の判断プロセスをテンプレートとして提供します。

この記事を読み終える頃には、次の3つができるようになります。

  • 自社のホームページ契約が、いつ・どこで経営リスクに変わるのかを把握できる
  • リース、分割、一括、サブスクそれぞれの費用とリスクを、自社の予算と事業計画に合わせて選び分けられる
  • 営業トークではなく契約書ベースで、制作会社やリース会社と対等に交渉できる

読み進める前に、この記事全体で得られる実利を俯瞰しておきましょう。

セクション 読者が手にする具体的な武器(実利) 解決される本質的な課題
記事の前半(リースの構造・トラブル実例・金額比較) 自社のホームページ制作リース契約を「どこが危険で、どこまでが許容範囲か」定量・定性的に判断できるチェック視点 初期費用の安さだけで判断し、解約不能・更新不能な契約を抱え込んでしまうリスク
記事の後半(5つの質問・代替手段・対処法) 契約前後に実際に使える質問リスト、支払い方法の設計パターン、トラブル発生時の具体的な動き方 すでに結んでしまった契約に縛られ続けるしかない、という思考停止から抜け出せない状況

ホームページ制作をこれから依頼する段階でも、すでにリース契約を結んでしまっている段階でも、ここから先の内容が、そのまま「会社のHPを守るための実務マニュアル」になります。

  1. 「初期費用0円」のホームページリース契約が、なぜ数年後に黒歴史になるのか
    1. リース契約の“甘い営業トーク”と、その裏で決まっているルール
    2. 現場で頻発するトラブルの流れ(中途解約・キャンセルが地雷になる瞬間)
  2. 「ホームページ制作 × リース」がややこしいのは、制度上“無形”だから
    1. 無形のホームページをリースにくっつけると、何が起きるか
    2. 契約書でチェックすべき「所有権」「更新」「サーバー・ドメイン」の条項
  3. 実例で読む:一見うまくいったホームページリースが、2年目から地獄になるケース
    1. ケース1:サロンのサイトリニューアルが「裁判より手前で詰んだ」話
    2. ケース2:工務店のホームページ制作を“お得なリース”で依頼しそうになったが、経理担当が止めた話
  4. 数字で比較:ホームページ制作費用をリース・分割・一括で払うと、どれくらい差が出るか
    1. 「初期0円・月3万円×7年」のホームページと、他の支払い方法のトータル金額
    2. 総額だけでは見えない「解約の自由度」「サイト運用の自由度」というコスト
  5. それでもホームページ制作をリース契約したい?決断前の“5つの質問”
    1. この5つに「はい」と言えないなら、リース契約は一度立ち止まるべき
    2. 「ホームページ契約診断」チェックリスト(印刷して営業トークにそのまま使える項目)
  6. リース以外でホームページを導入する方法:分割・ローン・サブスクの“リアルな姿”
    1. 信販・ローン・分割払いでホームページを購入する仕組み
    2. サブスク型Webサイト・CMS活用で「初期費用」と「解約リスク」を抑える
  7. 制作会社側の事情:なぜ一部の業者はリース契約を勧めたがるのか
    1. 制作会社・仲介業者から見たリース契約の“おいしい部分”
    2. リースから分割・サブスクへ切り替えた制作会社が語る、クレームと信頼の差
  8. 相談メール・LINEの“再現”から学ぶ、ホームページリース契約の対処法
    1. よくある相談メッセージの文面と、プロが返す回答のパターン
    2. クーリングオフ・解約交渉・サイトリニューアルへの“現実的な動き方”
  9. 執筆者紹介

「初期費用0円」のホームページリース契約が、なぜ数年後に黒歴史になるのか

「初期費用0円・月3万円だけで集客できるホームページを丸ごとお任せできます」
地方の中小企業オーナーが、この営業トークでハンコを押したあとに口をそろえて言うのが、「まさかサイトが“借金付きの鎖”になるとは思わなかった」という一言です。

ポイントは、ホームページ制作そのものより「契約のカタチ」が経営を縛ることです。
Webサイト・サーバー・ドメイン・運用サポートといった無形のサービスを、「PCやソフト付きリース契約」にくっつけるスキームが、後からじわじわ効いてきます。

リース契約の“甘い営業トーク”と、その裏で決まっているルール

営業現場でよく使われるフレーズは似ています。

  • 「HP制作費用は無料で、月額のサイト運用だけですよ」

  • 「相場より安いプランで、SEO対策もお任せください」

  • 「中小企業向けの安心パックなので、管理も全部代行します」

ここだけ聞くと、「Web制作会社と月額保守の契約」に思えますが、契約書を開くと、実態はリース会社との長期リース契約になっているケースが多いです。

よくある構造を整理すると、こうなります。

制作会社・リース会社・利用者の関係イメージ

立場 実際にしていること お金の流れの特徴
制作会社 サイト制作・CMS設定・サーバー初期設定 納品後すぐにリース会社から一括入金
リース会社 「PC・ソフト・更新用CD」名目で契約・集金 月額リース料を利用者から長期回収
利用者 ホームページを使いたい中小企業・個人事業主 5〜7年の固定費を払い続ける義務

営業トークでは「ホームページの費用」「運用プラン」が前面に出ますが、本体は金融契約です。
この時点で、次のようなルールがすでに決まっています。

  • 契約期間は5〜7年が多く、途中解約しても原則として残り期間分を一括請求

  • ホームページの所有権やドメイン管理権限は業者側に残る条文になりやすい

  • 満了時に何が自社に残るかが不明瞭な契約書が多い

国民生活センターにも、「HP制作のはずがリース商法だった」「解約を申し出たら高額請求された」といった相談が継続的に寄せられており、リース契約特有のトラブルがWebサイトでも繰り返されています。

現場で頻発するトラブルの流れ(中途解約・キャンセルが地雷になる瞬間)

問題が表面化するのは、多くの場合2〜3年目以降です。
サロン・工務店・士業などの事業では、開業当初のメニューや価格、ターゲットがそのまま5年続くことはほぼありません。集客のやり方やサービス内容を変えたくなった瞬間、リース契約の“罠”が顔を出します。

ありがちな流れを時系列で追うと、次のようになります。

リース契約トラブルの典型パターン

  1. 開業・新規事業立ち上げ

    • 「初期費用ゼロならリスクが低い」と判断し、HP制作をリースで依頼
    • 見積書では「サイト一式◯◯円」「月額運用費◯万円」と書かれているが、実契約はリース会社
  2. 1年目〜2年目:一時的には集客が好調

    • 口コミ・SEOが効き、予約や問い合わせが増える
    • この時期は「リースで正解だったかも」と感じやすい
  3. 2年目以降:事業環境の変化

    • 競合出店、価格競争、メニュー変更、人手不足でビジネスモデルを変えたくなる
    • 「コーポレートサイトをリニューアルしたい」「サービスサイトを分けたい」などのニーズが発生
  4. 固定費見直しでリース契約に目が向く

    • 月3万円前後のリース料が、売上減で重く感じ始める
    • 「このHP、もう今の事業には合ってないのに…」という違和感が強くなる
  5. 解約相談をした瞬間に、地雷が爆発

    • リース会社からは「中途解約は不可。残り◯年分を一括支払いなら可能」と案内
    • 制作会社に相談しても、「契約主体はリース会社なので…」と責任のたらい回し
  6. サイト停止・ドメイン凍結のリスクに直面

    • 支払いを止めれば、サーバー停止・ドメイン利用停止で、HP自体が閲覧不可になる恐れ
    • 新サイトを作ろうにも、今のドメインを持ち出せない契約になっているケースも多い

この流れが厄介なのは、「困った」と感じたタイミングでは、制度上ひっくり返しにくいところです。
リース契約は、コピー機やPCのような有形物を前提としたスキームで、民事裁判でも「事業者同士の契約」として扱われます。HP制作費用が相場より高い、集客が期待ほどではない、といった理由だけでは、契約自体を無効にするハードルは高くなります。

中小企業の経営にとっての本当のダメージは、「高かったこと」よりも、方向転換したくなったときに“身動きが取れなくなること”です。
リース商法から距離を置き、クレジット分割や一括+保守に切り替えた制作会社では、「解約トラブルの相談が激減し、代わりにリニューアルや運用相談が増えた」という現場の声も出ています。これは、支払い方法の設計一つで、Webサイトが“首輪”にも“資産”にも変わることを示す、生々しい証拠と言えます。

「ホームページ制作 × リース」がややこしいのは、制度上“無形”だから

「パソコン1台ならリースでOK。でも“ホームページ”をリースした瞬間から話が一気にややこしくなる」──現場でよく出るセリフです。理由はシンプルで、ホームページは法律上“モノ”ではなく無形の情報・著作物だからです。

リース会社の仕組みは、本来「コピー機」「車」などの有形物の長期レンタルを前提に設計されています。そこへ無理やりWebサイトをねじ込むために、営業現場では次のような“名札の付け替え”が行われがちです。

  • ホームページ一式 → 「ソフトウェア」「更新用CD」「PCセット」などの名目に変換

  • 実態はWeb制作・運用なのに、契約書上は物品の割賦・リースとして処理

  • 中身がサービスなのか物なのか、依頼側が判別しづらい状態でサインさせられる

一言でまとめると「中身はサービスなのに、箱だけ物品扱い」になっている状態です。この“中身と名札のズレ”が、そのままトラブルの火種になります。

無形のホームページをリースにくっつけると、何が起きるか

制作会社とリース会社のスキームを、素直に図解するとこうなります。

見た目 実態 制度上の扱い ユーザーのリスク
初期0円でHP制作 制作+運用+保守サービス 物品リース名目 中途解約しても残債請求
PC+ソフト付きHP PCが“所有物”のフリ PCがリース対象 HP部分は解約権が曖昧
更新用CD・CMS利用権 無形サービスの提供 利用権が業者側に帰属 リニューアル時に人質化

問題は、依頼者が本当に欲しいのはPCでもCDでもなく「集客できるWebサイト」という点です。しかし契約上の所有権は、PCなど“形のあるオマケ”にぶら下がり、ホームページ本体はグレーゾーンに置かれます。

その結果、次のような現象が起きます。

  • サイトのデザインやコンテンツは自社の資産にならない(著作権・利用権が制作会社側)

  • リース期間中に事業モデルを変えたくなっても、サイトを大きく変えられない

  • リースを解約しても、ドメインやサーバーが相手側に残り、URLごと失うケースが出る

ここで厄介なのは、リース会社も制作会社も「自分たちはルール通り処理している」と主張しやすい構造にあることです。板挟みになるのは、決裁した中小企業オーナーだけ、という図式になりがちです。

契約書でチェックすべき「所有権」「更新」「サーバー・ドメイン」の条項

「じゃあ、どこを見れば危険な契約か分かるのか」を、現場で実際に確認しているポイントに絞って整理します。見積書と契約書を開いたら、最低限次の3ブロックを探してください。

項目 チェックすべき文言の例 要注意サイン
所有権・著作権 「著作権は制作会社に帰属」「データの引き渡しは行わない」 リニューアル時に素材が使えない
更新・修正範囲 「月◯回まで無料更新」「大幅改修は別途見積」 事業転換レベルの変更が高額化
サーバー・ドメイン 「サーバー・ドメインは管理会社名義」「契約終了時に停止」 URLを丸ごと失うリスク

特にサーバーとドメインの名義は、現場でトラブルになりやすいポイントです。

  • ドメインが業者名義 → 解約した瞬間にHPが見られなくなる

  • サーバーが専用環境 → 他社への移管が事実上不可能、移管費用が高額になる

対策としては、次のような条文・条件を営業担当にその場で質問するクセをつけると、大きな失敗をかなり避けられます。

  • 「リース期間中でも、ドメイン名義を自社に変更できますか?

  • 「リース終了後、そのまま同じHPデータを他社サーバーに移せますか?

  • 「サイト全体のデータ一式(HTML/CMSデータ)の納品条件と料金を教えてください」

ここで曖昧な回答しか返ってこない、あるいは契約書に明文化されない場合、そのリース契約は“将来の選択肢”を担保しない契約になっていると考えた方が安全です。中小企業にとってホームページは、単なる名刺ではなく「集客と採用を担う営業マン」です。その営業マンの首根っこを、契約書1枚で他社に握らせてしまわないかどうかが、勝負どころになります。

実例で読む:一見うまくいったホームページリースが、2年目から地獄になるケース

「初期費用0円でプロが全部やりますよ」。この一言で契約書にサインしてしまうと、2年後から財布も選択肢も一気に締め付けられます。現場で実際に相談が多い2パターンを、時系列で分解してみます。

ケース1:サロンのサイトリニューアルが「裁判より手前で詰んだ」話

地方の小さな美容サロンを想像してください。開業時、資金は設備と内装でギリギリ。そこへホームページ制作会社とリース会社がセットで登場します。

  • 初期費用0円

  • 月額3万円

  • 7年リース

  • 「更新もサポートも全部込み」

開業1年目までは、これが「神プラン」に見えます。予約もそこそこ入り、Webサイトも綺麗。ところが2年目、近くに大型サロンが出店し、価格帯も客層もガラッと変わる状況に。メニューもコンセプトも作り直したいのに、ここでリース特有の“首輪”が効いてきます。

  1. 大幅リニューアルを相談 → 「保守範囲外なので別途○十万円」
  2. それなら解約して作り直したい → 「残り5年分×月3万円=約180万円を一括で」
  3. ドメインとサーバーだけ自分で管理したい → 契約書を見ると所有権は制作会社・リース会社側

結果、サロン側に残った選択肢は「高い追加費用を払って中途半端に更新する」か「今のサイトは諦めて、新ドメインでゼロから作る」かの二択になりがちです。どちらを選んでも、支出は増え、検索順位やSEOの評価もリセットされやすい構造です。

このパターンでよくある勘違いは、「中途解約は違約金を払えば終わり」と思っている点です。実際にはリース契約は「残りのリース料を全部払う前提」で組まれていることが多く、生活センターや弁護士に相談しても、制度的にひっくり返しづらいケースが目立ちます。

サロンのようにメニューや価格、ターゲット変更が頻繁に起こりやすい業種ほど、「7年縛り」の重さが後からのしかかります。

ケース2:工務店のホームページ制作を“お得なリース”で依頼しそうになったが、経理担当が止めた話

次は、地方の工務店。社長は現場一筋、Webや契約が苦手なタイプ。そこへ営業が持ってきたのは、やはり「初期0円・月3万円・7年」のホームページリースの見積書でした。

この工務店がギリギリで助かった理由は、「数字にうるさい経理担当」がいたことです。経理がやったのは、難しいことではありません。見積もりを、リース・一括・信販分割の3パターンに分解して並べただけです。

支払い方法 条件例 7年間の総額目安 解約・更新の自由度
リース契約 初期0円・月3万円×7年 約252万円 中途解約は残債一括・サイト所有権は業者側
信販分割+保守 制作80万円を5年分割+保守月1万円 元金80万円+手数料+保守 サイト・ドメインは自社所有でリニューアル自由
一括+保守 制作80万円一括+保守月1万円 制作80万円+保守 最も設計の自由度が高い

この表を社長に見せた瞬間、「初期0円」がいかに錯覚だったかが伝わりました。特に効いたポイントは2つです。

  • リースだけが総額200万円超えで、しかもサイトの所有権は制作会社側

  • 工務店は5〜7年の間に事業エリアや得意工事が変わりやすく、サイト構成を変えられないリスクが大きい

結果として、この工務店は「制作費は銀行の小口ローン+保守は月額」で進めました。リースを避けたことで、3年目に施工事例を前面に押し出したリニューアルや、採用サイトの追加など、Web施策を柔軟に組み替えられる状態をキープできています。

どちらのケースにも共通しているのは、月額の安さではなく「所有権」と「解約の自由度」を見落とすと、後から経営を圧迫するという事実です。表に出てくる“初期0円”の裏側で、制度と契約条文がどう効いてくるかを数字で押さえた人だけが、余計なトラブルを避けられます。

数字で比較:ホームページ制作費用をリース・分割・一括で払うと、どれくらい差が出るか

「初期費用0円ですよ」と聞いた瞬間にホッとする気持ち、よく分かります。ただ、ここで電卓を一度も叩かないと、7年後に「なんでこの金額…?」と頭を抱える経営者が本当に多いです。数字で一度“丸裸”にしてみましょう。

「初期0円・月3万円×7年」のホームページと、他の支払い方法のトータル金額

ここでは、中小企業向けによくあるコーポレートサイト・サービスサイト規模を想定し、実務でよく見る相場感でシミュレーションします。

前提条件の一例

  • 制作ボリューム: 10〜20ページ規模の会社HP

  • 初期制作想定コスト: 100万円

  • 保守・更新: 月1万円(サーバー・ドメイン・軽微更新込み想定)

この前提で、「リース」「信販分割+保守」「一括+保守」を並べるとこうなります。

支払い方法 月額 期間 制作・運用の総額目安 中途解約時の残債イメージ 所有権・ドメイン
ホームページリース 3万円 7年 約252万円 残り月数×3万円を請求されやすい 制作会社・リース会社側の名義が多い
信販分割+保守 本体2.5万円+保守1万円 3年 約126万円 分割残高のみ(例:数十万円) 原則HPとドメインは自社資産
一括+保守 一括100万円+保守1万円 制作は一括、保守は任意年数 3年で約136万円、7年で約184万円 保守を止めれば固定費カット可能 デザイン・CMS・ドメインを自社で継続利用しやすい

ポイントは2つあります。

  • 「初期0円」が、7年で252万円の固定費に化けている

  • 同じクラスのホームページでも、支払い設計が違うだけで100万円前後の差が出る

さらにリースは、料金の中にPCやソフト、更新用CDといった“形だけの所有物”が紛れ込んでいるケースが多く、Webサイトそのものには所有権がないままというねじれた構造になりやすいです。ここを営業トークではあえて強調しないため、「HPも自分のもの」と勘違いしたままサインしてしまう相談が頻発しています。

総額だけでは見えない「解約の自由度」「サイト運用の自由度」というコスト

リースの怖さは、実は金額そのものより“身動きのとれなさ”にあります。現場感覚でいうと、毎月3万円を払っているというより、「7年間、サイトに首輪を付けられている」状態です。

比較しやすいように、数字に出ないコストも整理します。

項目 リース 信販分割+保守 一括+保守
メニュー変更・リニューアル 制約が多く別料金高額になりやすい 制作会社と普通に見積交渉しやすい 制作会社変更も含めて自由度高い
事業モデル転換時(例:サロンの単価変更、工務店のターゲット変更) リース満了前だと、サイトごと作り直したくても残債が足かせ ローン残高は残るが、既存サイトをベースに柔軟に改修可能 新規サイトへ乗り換えても、旧サイトのデータを自社で持ち運びしやすい
売上悪化時のコストカット 原則、途中で月額3万円を止められない 保守だけ見直す、広告費を削るなど選択肢あり 保守契約を絞る・停止する判断がしやすい
制作会社・リース会社の倒産 サーバー停止・ドメイン失効のリスクが高い ドメインを自社名義にしていれば被害を抑えやすい 自社管理が前提なら影響を最小限にしやすい

サロンや小売店、士業の現場でよく起こるのは次のパターンです。

  • オープン当初はメニューも価格もマッチしていて、HPから予約も入る

  • 2〜3年目に競合の値下げや客層の変化が起き、メニュー構成をガラッと変えたくなる

  • しかし、リースは7年契約。リニューアルは高額見積もり、解約すれば残債一括請求

この時点で、「サイトを変えたいのに変えられない」「売上が落ちているのに固定費だけは7年縛り」という、経営的には最悪の挟み撃ちになります。

一方で、一括や信販分割は、たとえ総額が近くても

  • HPを自社の資産として扱える

  • サーバーやドメインを自社名義にできる

  • 制作会社を替える、CMSを替える、といった運用の引っ越しが可能

というメリットが大きく、結果として「数字に出ないリスクコスト」が圧倒的に低くなります。

ホームページの契約は、見積書の“月いくら”ではなく、「何年縛られるのか」「途中で方向転換できるのか」まで含めて設計した瞬間に、リースの割高さと危うさが一気に浮かび上がります。ここを見抜けるかどうかが、7年後の財布と事業の自由度を左右します。

それでもホームページ制作をリース契約したい?決断前の“5つの質問”

「初期費用0円です」「月々3万円だけでHPも運用も全部お任せ」
ここで一度深呼吸して、次の5問に自分の事業を当てはめてみてほしいです。どれか1つでも迷うなら、リース契約はブレーキを踏む段階にあります。

この5つに「はい」と言えないなら、リース契約は一度立ち止まるべき

まずは、経営者自身・決裁者自身への問いかけです。

  1. 契約期間中(5〜7年)、サイトの大幅リニューアルは本当に不要か?
    価格改定、新メニュー追加、事業モデル転換があっても「今のコーポレートサイトのままでOK」と言い切れるか。

  2. 売上が落ちた月でも、リース料金を最後まで固定費として払えるか?
    月3万円×7年=約250万円前後の支払いを、赤字月でも続ける覚悟があるか。

  3. ドメイン・サーバー・CMSの「所有権」が誰のものか説明できるか?
    制作会社やリース会社が倒産しても、自社でHPとドメインを使い続けられる条文があるか。

  4. 解約・中途解除の条件と金額を“数字”で把握しているか?
    「残期間×月額を一括請求」「サイト削除」以外の選択肢が契約書に明記されているか。

  5. 同じホームページを“分割・ローン・一括+保守”で払った場合の見積もりを取ったか?
    リース以外の費用シミュレーションと比較し、「総額」と「自由度」の両方で納得できているか。

この5問に自信を持って「はい」と言えないなら、まだ契約テーブルでペンを持つ段階ではありません。
HP制作は単なる経費ではなく、事業の顔・集客装置です。支払い方法を間違えると、広告費を削る前に「サイトのせいで動けない」という本末転倒に陥ります。

「ホームページ契約診断」チェックリスト(印刷して営業トークにそのまま使える項目)

営業担当のトークよりも、見積書と契約書の文字の方が本当のことをしゃべります。
以下をプリントして、商談テーブルにそのまま置いてください。

【A. 契約の基本情報】

  • 契約形態は「リース」「クレジット(信販)」「自社分割」「一括」のどれか明記されているか

  • 契約期間(年数)と支払回数が空欄になっていないか

  • ホームページの目的(集客・採用・ブランド)の説明と、提案内容が整合しているか

【B. 所有権・管理まわり】

  • ドメインの名義は「自社」か「制作会社・管理会社」か

  • サーバーの契約者は誰か、途中で他社サーバーへ移転できるか

  • CMSやデザインデータの所有権がどこにあるか明記されているか

  • 満了後、同じサイトを他社に移管して運用できるか

【C. 費用・相場感】

  • 「初期費用」「月額費用」「保守費」「運用費」が分けて記載されているか

  • 総支払額(期間×月額)と、同等スペックの相場(例:一括制作+保守)を比較したか

  • 「無料」「0円」の裏に、リース商法やインセンティブが隠れていないか

【D. 更新・変更・解約】

  • テキスト修正・画像差し替え・ページ追加の料金表があるか

  • メニュー変更やデザイン変更の際の概算費用を事前に聞いているか

  • 解約可能なタイミングと、解約金(残債)の計算方法が数字で書かれているか

  • クーリングオフ適用条件と手続き方法を説明できる担当者か

【E. リスク時の対応】

  • 制作会社やリース会社が倒産した場合のサイト・サーバー・ドメインの扱いが決まっているか

  • トラブル時の相談窓口(サポート窓口、担当部署)が契約書に記載されているか

  • 必要に応じて、弁護士・国民生活センター・Webに詳しい第三者へ相談する準備があるか

参考までに、「初期0円・月3万円×7年」と他の支払い方法を比較すると、次のような感覚差が生まれます。

支払い方法 総額イメージ 所有権 解約・変更の自由度
リース契約 約250万円前後 業者側が持つケースが多い 低い(残債一括・サイト削除リスク)
信販・クレジット分割+保守 制作費+金利+保守で中程度 サイトは購入扱い 中〜高(ローン完済後は自由)
一括払い+保守 制作費は最安になりやすい 自社所有にしやすい 高い(事業に合わせてリニューアル可)

表の「総額」だけでなく、「所有権」と「自由度」が、自社の財布と未来の選択肢をどれだけ縛るかを必ず確認してください。
ホームページ制作の契約は、一度サインすると7年ほど「やり直しボタン」が押せません。ペンを持つ前の10分のチェックが、数百万円と事業の身動きを守ることにつながります。

リース以外でホームページを導入する方法:分割・ローン・サブスクの“リアルな姿”

「初期0円」に振り回されず、“あとから後悔しない払いやすさ”をどう作るか。ここからが本題です。リースを避けたい中小企業ほど、分割・ローン・サブスクの違いを押さえておくと、営業トークに振り回されなくなります。

信販・ローン・分割払いでホームページを購入する仕組み

ホームページ制作に信販・クレジットを使うと、ざっくり言えば「サイトは自社の資産、支払いは毎月の経費感覚」を両立できます。

ポイントは3つだけ押さえれば十分です。

  • 制作会社は信販会社から代金を一括で受け取る

  • 依頼側は信販会社に毎月支払う(分割・ボーナス併用も可)

  • 所有権は原則「ホームページ=自社のもの」になる条文にできる

リースと混同されやすいので、まずは構造の違いを数字と一緒に並べます。

支払い方法 所有権 月額イメージ 中途解約時 更新・リニューアル
リース リース会社/業者側 3万円×7年 残金一括請求が基本 大幅変更は別契約が多い
信販分割 原則依頼者側 2〜3万円×3〜5年 信販側への残債返済 制作会社と自由に相談可
一括+保守 依頼者側 初期50〜100万円+月数千〜数万円 いつでも保守だけ解約可 CMS変更・制作会社変更も柔軟

現場で感じる一番の差は「契約を変えたい時に、誰と話せばいいかが明確かどうか」です。

  • リース

    • 契約相手はリース会社
    • 制作会社に「辞めたい」と言っても、「それはリース会社と話してください」と押し戻されやすい
  • 信販分割・ローン

    • 支払いの相手は信販会社だが、ホームページ自体の変更・更新は制作会社と普通に相談できる
    • 契約上も「サイトの所有権は依頼者」「サーバーやドメインは移管OK」にしておけば、“首輪”になりにくい

特に地方の工務店やサロンで多いのが、「途中で業態を変えたくなったのに、リースのせいでサイトごと縛られた」というパターンです。同じ月額3万円でも、信販分割であれば完済後は一切支払いが残らず、サイトも資産として持ち続けられます。

制作会社側から見ても、信販を導入すると「初期0円提案」がしやすくなりつつ、リース特有のクレーム(解約・更新不可)から解放されるので、長期的な運用提案に頭を使えるようになります。

サブスク型Webサイト・CMS活用で「初期費用」と「解約リスク」を抑える

もう1つの現実的な選択肢がサブスク型のWebサイトサービスやCMSです。イメージとしては「家を買う(制作+信販)」ではなく「家を借りる(サブスク)」に近い形になります。

サブスク型のポイントは次の通りです。

  • 初期費用が少額〜無料のプランが多い

  • CMS・サーバー・保守・セキュリティがセットになりやすい

  • 月額1〜5万円前後で、小規模事業のコーポレートサイトやサービスサイトには十分な機能が揃う

特に見るべきなのは「解約条件」と「データの持ち出し可否」です。

項目 サブスク型CMSで必ず確認したいポイント
最低利用期間 1カ月単位で解約できるか、1年縛りか
解約方法 管理画面から手続き可能か、書面必須か
データ HTML・画像・テキストをエクスポートできるか
ドメイン 自社取得か、サービス側取得か(移管可否)
デザイン テンプレのみか、カスタマイズの範囲はどこまでか

このチェックを外すと、「サブスクをやめた瞬間、ドメインもメールも全部止まる」という事態になり得ます。実際、管理会社の倒産やサービス終了で、突然サイトが消えた相談も各地の相談窓口に寄せられています。

逆に言えば、次の3点が満たされているサブスクであれば、リースよりもはるかに小さなリスクでスタートできます。

  • ドメインは自社名義で取得し、他社サーバーへ移管できる

  • テキストや画像などコンテンツはダウンロード可能

  • 最低利用期間後は、1カ月単位で解約できる

「まだ事業モデルが固まっていない」「まずは最低限のHPでテストしたい」という段階なら、サブスクで仮説検証→軌道に乗ったタイミングで本格制作+信販分割という二段構えの進め方も現場では増えています。

リースの怖さは、一度サインすると「事業より契約が主役になる」ところにあります。分割・ローン・サブスクを正しく組み合わせれば、ホームページは本来の役割である「売上と信頼を作る道具」に戻せます。

制作会社側の事情:なぜ一部の業者はリース契約を勧めたがるのか

「初期費用0円です。月々3万円だけでプロ仕様のホームページを丸投げできます」
ここで得をしているのは、本当に発注者か、それとも制作会社とリース会社か。内部構造を知ると、営業トークの温度が一気に変わります。

制作会社・仲介業者から見たリース契約の“おいしい部分”

制作会社の会議室でリース案件が話題になると、よく出る言葉があります。「単価がきれいに積み上がる」「キャッシュフローが読める」。これがすべてです。

制作会社側のメリット構造

  • 一括で代金回収できる

    リース会社がまとめて制作費を支払うため、資金繰りが安定する

  • 表面上の単価を吊り上げやすい

    「月3万円」に分解されるため、総額120〜150万円でも高く感じにくい

  • 仲介手数料・インセンティブが入る

    契約1本ごとに数万円単位の報奨金が動くケースがある

  • 解約リスクをリース会社に“転嫁”できる

    制作会社は「もう作ったから関係ない」というポジションに逃げやすい

リーススキームのよくある構図

立場 実際に起きていること
制作会社 サイト制作+営業。リース会社へ申請し、一括で売上計上
リース会社 7年リースとして契約し、毎月の支払いを回収
依頼企業(中小) 「月額のサイト運用費」と認識しているが、実態は金融契約

現場でやっかいなのは、「ホームページは制作会社」「支払いはリース会社」と窓口が分断される点です。
中途解約で揉めたとき、制作会社は「お金の話はリース会社へ」、リース会社は「制作内容は制作会社へ」と押し付け合いになり、板挟みになるのは発注者だけです。

しかもホームページは無形なのに、帳簿上は「PC」「ソフト」「更新CD」といった“形のある備品”としてリース化されることがあります。
その結果、サイトの所有権は業者側、支払い義務だけ発注者という不利な構図が固定されやすくなります。

リースから分割・サブスクへ切り替えた制作会社が語る、クレームと信頼の差

リース商法から距離を取り、信販分割やサブスク型サービスに切り替えた制作会社ほど、次のような変化を口にします。

リース→分割・サブスクへの切り替えで起きがちな変化

観点 リース中心だった頃 分割・サブスク導入後
問い合わせ内容 「解約したい」「話が違う」 「集客を増やしたい」「リニューアルしたい」
クレーム件数 解約時期に集中して増える 大幅に減り、長期顧客が増える
収益の質 一度きりの高単価狙い 継続運用・リニューアルで積み上がる
制作スタンス 売ったら終わり 育てていくWeb担当に近づく

制作会社側からも、次のような“手触り”の違いが語られます。

  • 信販・クレジット分割

    依頼企業は分割で支払いながら、サイトの所有権は発注側に移る形を取りやすい。
    そのため、リニューアルやCMS変更の相談がしやすくなり、長期の関係性が生まれやすい。

  • サブスク・月額サービス

    「初期は制作費を抑え、代わりに運用サポートで収益を積む」モデルへ転換できる。
    依頼企業も、売上が合わなければ解約やプラン変更を選びやすく、心理的なハードルが低い。

発注者目線で見ると、「リースを勧める会社か」「分割やサブスクも選択肢として出してくる会社か」は重要な見極めポイントになります。

チェックの目安として、商談時に次の3つを聞いてみると、制作会社のスタンスが見えます。

  • リース以外で、信販やクレジット分割の提案はできるか

  • 契約終了後も、ドメイン・サーバー・CMSを自社で使い続けられるか

  • 将来リニューアルする場合の概算費用と、契約の縛りはどれくらいか

ここで答えが濁るようなら、「初期0円の裏にあるビジネスモデル」を一度疑ってみた方が、安全側に振れます。

相談メール・LINEの“再現”から学ぶ、ホームページリース契約の対処法

「もうサインしてしまった…それでもまだ、打つ手はありますか?」
現場に届く相談は、たいていこの一文から始まります。営業トークの熱が冷めたあと、財布と冷静な頭で見直した瞬間に、ホームページのリース契約が“重い鎖”だと気づく流れが圧倒的に多いです。

ここでは、実際によく届く相談メッセージの文面を再現しつつ、プロがどんな順番で事実確認し、どこに相談を振り分けているかをそのまま公開します。

よくある相談メッセージの文面と、プロが返す回答のパターン

まず、相談メールやLINEで本当によく来るパターンはこの3つです。

1つ目は「すでに契約して毎月引き落としが始まっている」ケース。

「地方でサロンを運営しています。
2年前に制作会社の営業から『初期費用無料・月3万円でHPと集客サポート全部お任せ』と言われ、その場で契約しました。
最近、メニューと料金を大きく変えたいのですが、制作会社から『大きな変更は別途費用』『解約は残金一括』と言われました。リース会社とも契約していると言われましたが、どう動けばいいでしょうか。」

この質問に対して、プロ側が最初に行うのは感情論ではなく、「契約の骨組み」をテーブルに並べることです。

必ず確認するポイント 確認する理由
契約日・契約期間 クーリングオフや、残存期間の計算に必須
契約の相手方 制作会社かリース会社かで交渉先が変わる
月額と残り回数 中途解約時の残債見込みを把握するため
所有権の条文 サイト・ドメインを他社へ移せるかの判断材料
解約条項 途中終了の条件と違約金の有無を確認

多くの中小企業オーナーがここを「ざっくり」で済ませていますが、リース商法側はこのざっくりさを前提にスキームを組んでいます。

回答の最初の一通は、だいたい次のような構成になります。

  • 契約書一式(見積書・申込書・約款・リース会社の契約書)の写真かPDFを送ってもらう

  • 「ホームページのどの部分が欲しいのか」(ドメイン/デザイン/CMS/メール)をヒアリング

  • 「いつまでこの事業モデルを続ける前提か」を確認し、残存期間とのギャップを見る

2つ目が、「これからサインする前に不安になった」ケースです。

「工務店を経営しています。
制作会社から『今なら初期費用0円でコーポレートサイト一式』という提案を受けました。
経理担当から『リース契約っぽいから一度止まってほしい』と言われ、相場感やデメリットが気になっています。契約しても大丈夫かどうか、どこを見れば判断できますか。」

この段階で止まれる相談が、現場では一番“助かる”ケースです。
ここで伝えるのは、感覚論ではなく「他の支払い方法との比較表を自分で作ってもらう」ことです。

支払い方法 初期費用 月額の目安 総額イメージ サイトの所有権 解約の自由度
リース契約 0円 3万円×7年 約252万円 多くは業者側 途中解約は残債一括が基本
信販分割+保守 30万を3年分割+保守1万円 約1.8万+1万 約108万円+保守 原則、依頼側 返済完了後は保守だけ変更可
一括+保守 60万円一括+保守1万円 1万円 約60万円+保守 依頼側 保守や制作会社をいつでも変更可

ここまで数字を並べると、経営者の頭も「お得そう」から「固定費リスク」に切り替わりやすくなります。

3つ目が、「すでに生活センターや弁護士に相談したあと、Webの専門家にも意見を聞きたい」ケースです。
この場合は、法律論だけでなく、「今のサイトを捨てる前提で、新しいHPをどう組むか」というWeb運用の視点もセットで整理していきます。

クーリングオフ・解約交渉・サイトリニューアルへの“現実的な動き方”

ホームページのリーストラブルは、感情的に動くとほぼ負けます。
大事なのは「時間軸」と「相談窓口」を正しく並べて、冷静に順番を踏むことです。

まず、契約直後(8日以内前後)なら、クーリングオフの可能性を必ず確認します。訪問販売や電話勧誘に近い形で契約しているケースが多いため、国民生活センターの情報を参照しながら、次の流れをおすすめします。

  • 契約日と営業の形態(訪問か、店舗か)を整理する

  • 契約書面にクーリングオフの記載があるか確認する

  • 適用できそうなら、内容証明郵便で通知する(テンプレは生活センターで入手可能)

期限を過ぎている場合、勝負どころは「解約交渉」と「次のサイト戦略」の二本立てです。

フェーズ 動き方 主な相談先
解約条件の把握 契約書の解約条項・残存金額・所有権を整理 弁護士、司法書士、生活センター
交渉の方針決定 「残債一部支払い+公開継続」など落とし所を検討 弁護士
新サイトの設計 ドメイン新規取得か、既存移管かを判断 Web制作会社、Webコンサル
運用の見直し SEOや集客の導線をリセット Webマーケ担当、制作会社

現場で現実解になりやすいパターンは次の2つです。

  • 今のリース契約は最低限のコストで“完走”させつつ、別ドメインで新しいコーポレートサイトやサービスサイトを作成する

  • 残存期間が短い場合は、サイト移管の条件を交渉しながら、満了後すぐにCMSとサーバーを自社管理へ切り替える

どちらにしても、「ホームページを自社の資産として持つ」方向に舵を切ることがゴールになります。
リース商法は、目先の初期費用を軽く見せる代わりに、事業の自由度とサイト運用の主導権をじわじわ奪っていきます。

契約書と数字をテーブルに並べて冷静に見るだけで、「本当に守るべきは何か」がはっきりします。
売上の山谷はあっても、Webの主導権だけは他社に明け渡さない。その一線を守るために、今日からメール1通分の整理を始めてみてください。

執筆者紹介

主要領域:ホームページ契約設計・支払い方法の比較検討。本記事では4種類の支払い手段と20項目超のチェックリストを自ら設計し、「初期費用」「総額」「解約・更新の自由度」を同じ土俵で比較できる実務基準を提示しています。営業トークではなく契約書と数字で判断するための視点整理を専門とし、中小企業でもそのまま使える質問テンプレと判断フローの提供に軸足を置いています。