デンタルローン加盟店審査で落ちない歯科医院の条件と通過率アップ術

デンタルローン加盟店審査で本来通るはずの医院が落ちている最大の原因は、「売上規模」や「決算の数字」ではなく、販売方法と説明スキームが金融側の基準とずれていることにあります。JACCS「Dentcure」やオリコの公式サイトをどれだけ読み込んでも、このズレにはまず気づけません。その結果、開業数年以内でインプラントや矯正を伸ばしたい歯科医院ほど、見えない損失を出しています。

具体的には、次のような状態です。

  • 「患者のため」にデンタルローンを導入したいのに、加盟店審査が怖くて申込を先送りしている
  • 過去にクレジット加盟店審査で否決され、その理由が分からないままJACCSやオリコへの申込をためらっている
  • ネットの一般論をもとに「開業◯年未満は無理」「とりあえず一社に申込」で動き、通過率を自ら下げている

この状態を放置すると、インプラントや矯正といった自費治療の成長機会だけでなく、キャッシュフローと将来の分院展開の選択肢まで削られます。しかも否決履歴は共有されることがあり、申込順序を誤ると後から信販会社を変えても同じパターンでつまずきます。

本記事は、一般的な「デンタルローンのメリット・デメリット解説」ではありません。
Dentcureやオリコが求める医師免許証・決算書といった書類の裏で、信販会社が実際に何を見ているか。
「インプラント一括見積り+長期分割」といった治療プランと支払プランの組み合わせが、なぜ審査印象を落とすのか。
こうした現場レベルの判断軸を、歯科医院側の実務に落とし込めるように整理しています。

記事の前半では、モヤモヤの正体と「落ちやすい医院の3タイプ」を分解し、書類を揃える前に押さえるべき“見えないチェック項目”を明らかにします。後半では、否決・保留が出たときの処理手順、「とりあえず一社申込」が危険な理由、自院でできるセルフチェックと支援会社の使い分け、さらに中長期のローン戦略まで一気通貫で扱います。

読み終えたときには、JACCS・オリコ・JCBなど信販会社の名前に振り回されず、自院の条件で通過率を高めるための具体的な打ち手が手元に残ります。ここで整理されている視点を持たないまま加盟店審査に進むことが、最も高くつく遠回りです。

この記事から得られる実利を、次の表で俯瞰してください。

セクション 読者が手にする具体的な武器(実利) 解決される本質的な課題
構成の前半(モヤモヤの正体〜見えないチェック項目) 自院がどの「落ちやすいタイプ」に当てはまるかを特定し、Dentcure・オリコの加盟店審査を通すための販売方法・説明トークの修正ポイントが分かる 「売上はあるのにクレジット審査が怖い」「デンタルローン導入でどこから手を付ければ良いか分からない」という停滞
構成の後半(トラブル対処〜中長期プラン) 否決・保留時の具体的対応、申込順序の組み立て方、自院で回せるセルフチェック体制と支援会社の使い分け、中長期のキャッシュフロー設計までを一式で持てる 単発の加盟店審査に振り回され、インプラント・矯正の成長戦略や資金計画が場当たり的になる構造

ここから先は、「デンタルローン加盟店審査を一発で通し、自費比率を無理なく伸ばしたい歯科医院」が今すぐ押さえるべき実務だけを扱います。続きを読み進め、自院の条件に合った通過率アップの筋道を固めてください。

  1. デンタルローン加盟店審査で歯科医院がモヤモヤする本当の理由
    1. 「患者のため」に導入したいのに、金融の壁で足が止まる
    2. インプラント・矯正など高額治療とローン導入のジレンマ
    3. 「売上はあるのに、クレジット審査が怖い」院長の声のパターン
  2. JACCS「Dentcure」やオリコの説明では見えない加盟店審査のリアル
    1. Dentcureが求める「医師免許証」「決算書」の裏で実際に見られているポイント
    2. 「導入費用無料」の裏側で、信販会社が慎重になるライン
    3. JCB・カード系ローン記事と歯科向けデンタルローンの決定的な違い
  3. 加盟店審査で落ちやすい歯科医院の3タイプと、それぞれの危険サイン
    1. 開業1〜2期目で「決算が薄い」パターン:何が不利に働くのか
    2. 売上はあるが「販売方法」が曖昧なパターン:説明スキームが招くNG
    3. 過去に別のクレジット加盟店審査で否決されたパターン:知らないうちに再現する失敗
  4. 書類をそろえるだけでは足りない?加盟店審査の“見えないチェック項目”
    1. 決算書より先に見られている「事業の継続性」と「資金計画」の筋の通り方
    2. 治療プランと支払プランの組み合わせが審査印象を左右する理由
    3. 「インプラント一括見積り+長期分割」の組み方で引っかかるケース
  5. 現場で本当に起きているトラブルと、プロが取る具体的な処理手順
    1. 導入は順調だったのに、「運用が始まってから」信販側チェックが厳しくなるケース
    2. 多数の質問メール・電話でスタッフが疲弊する医院で共通する事前準備ミス
    3. 否決や保留を食らったとき、プロがまず確認する3つの情報
  6. 「とりあえず一社に申込」は危険?デンタルローン導入のよくある誤解
    1. 「開業◯年未満は絶対無理」というネットの噂が古いと言える理由
    2. 否決履歴が残ったまま他社に出すリスクと、申込順序の考え方
    3. 金利や利率だけ比較しても“自院に合う”ローンは選べないワケ
  7. 自院でできる加盟店審査セルフチェック:書類・治療・説明トークの三点セット
    1. 決算書・医師免許・医院情報を「審査目線」で並べ直すチェックリスト
    2. 治療内容(インプラント・矯正など)ごとの対象範囲と金額レンジの整理
    3. 患者への支払説明トークを見直すための“疑似ロールプレイ”のやり方
  8. 支援会社を挟むかどうかを決める判断軸と、任せすぎないためのコツ
    1. 自力導入で問題ない歯科医院と、プロのクレジット支援を検討すべき医院の境目
    2. 「どの信販会社にどう出すか」で通過率が変わるときの見極めポイント
    3. 事務代行に丸投げせず、院内に最低限残しておくべき知識とフロー
  9. デンタルローン加盟店審査で“損をしない”ための中長期プラン
    1. 1〜2年後の分院展開・自費比率アップを見据えたローン活用の考え方
    2. 金利・返済期間より先に「キャッシュフロー」と「入金タイミング」を設計する
    3. 毎月の入金データから、次の信販交渉や医院経営に活かせること
  10. 執筆者紹介

デンタルローン加盟店審査で歯科医院がモヤモヤする本当の理由

「インプラントや矯正の相談は増えている。患者もやる気はある。でも“支払いの壁”で話が止まる。」
現場でよく出るこの一言が、デンタルローン導入の核心です。
ところが、いざ加盟店審査となると、次の瞬間に空気が変わります。

  • クレジットやローンの仕組みがよく分からない

  • 金融機関に“値踏みされる”感じがして怖い

  • 過去にカード系クレジットで否決された記憶がよみがえる

治療の専門家である院長や事務長が、急に「受験生」のような立場に追い込まれる。
この心理ギャップが、モヤモヤの正体です。

実際には、信販会社は「良い治療かどうか」ではなく、割賦販売法に沿った販売方法かどうか、「返済が継続しそうな事業か」を冷静に見ています。
ここを理解していないと、「売上も評判も悪くないのに、加盟店審査だけ通らない」という、やりきれない状況に陥ります。

「患者のため」に導入したいのに、金融の壁で足が止まる

多くの歯科では、デンタルローン導入の目的はとてもシンプルです。

  • 高額なインプラント治療を、現金一括だけにしたくない

  • 自費の矯正を、毎月の返済額を抑えて提案したい

  • 保険治療だけでは救いきれないケースに、選択肢を増やしたい

つまり、「売上アップ以前に、患者のための支払方法を増やしたい」という発想です。

ところが加盟店審査の案内を読むと、急に言葉が変わります。

  • 医師免許証の写し

  • 決算書の写し

  • 事業内容の確認

  • 加盟店審査

医療から一気に金融の世界の言葉に切り替わるため、「これは自分の専門外だ」と感じやすいのが実情です。

ここで意識しておきたいのは、信販会社が見ているのは「医院の善悪」ではなく、継続性と説明責任です。

  • この医院は、数年後も継続していそうか(返済期間中に倒れないか)

  • 治療内容と金額、返済期間の関係が、患者にとって無理のない設定か

  • ローン契約の説明が、割賦販売法のルールからズレていないか

こうした視点で決算書や契約スキームをチェックしているため、「患者志向であるほど通りやすくなる」状況も十分に起こります。

インプラント・矯正など高額治療とローン導入のジレンマ

高額治療を伸ばしたい30〜40代の院長ほど、次のようなジレンマを口にします。

  • 自費治療の相談はあるのに、現金一括のハードルが高い

  • カード払いはあるが、限度額やキャッシング枠の問題で通らない

  • 「ローンの勧誘をしている医院」と見られるのが怖い

ここで整理しておきたいのが、「支払手段」と「説明スタンス」の違いです。

支払手段のイメージ比較

支払方法 患者の心理 医院のキャッシュフロー 金融のチェックポイント
現金一括 一度で終わる安心感と負担感が両方大きい 即時入金でシンプル ほぼ関与なし
クレジットカード一括/分割 手元の現金を減らさずに済む 数日〜1週間程度で入金 カード会社側の与信
デンタルローン 毎月返済額が明確で長期も組みやすい 一括入金に近い形も可能 医院と患者の両方を審査

インプラントや矯正の金額が大きくなるほど、現金かカードだけで戦うのは限界が見えてきます。
一方で、「ローンを前面に出すと、“お金のにおい”が強くなりそう」という不安も根強いところです。

実務的には、「治療の目的と費用の話」と「支払方法の選択」のレールを分けて説明することで、患者からの印象は大きく変わります。
加盟店審査でも、この説明レールの設計が「販売方法」としてチェックされるため、ジレンマの解消がそのまま審査対策にも直結します。

「売上はあるのに、クレジット審査が怖い」院長の声のパターン

加盟店審査支援の現場で、よく出てくる声はパターンがはっきりしています。

院長・事務長が抱えがちな不安パターン

  • 過去に別業種でクレジット加盟店審査を出して否決された

  • 割賦販売法やローン契約の話になると、自分の説明が合っているか自信がない

  • 決算書を見せると、医院の「弱み」が金融機関に丸見えになる気がする

  • 一社に出して否決されると、今後の申込すべてに傷がつきそうで動けない

共通しているのは、「売上や患者数はそこそこあるのに、自分の医院が金融機関からどう見られているかのイメージが持てていない」点です。

本来、加盟店審査は落とすためのテストではなく、「どの条件なら安心してローンを提供できるか」を探るプロセスです。
ここを誤解したまま申込をすると、

  • 書類を“とりあえず提出”してしまう

  • 販売方法や説明スキームの確認が後回しになる

  • 追加質問が増え、審査が長期化する

といった「時間切れ型の否決」に陥りがちです。

このモヤモヤを解消するには、まず金融側のチェックポイントを“見える化”することが出発点になります。
次の章以降で、JACCSのDentcureやオリコの要件の裏で実際に見られているポイントや、開業年数・決算内容による通過率の差を、現場目線で分解していきます。

JACCS「Dentcure」やオリコの説明では見えない加盟店審査のリアル

「書類を出せば、あとは機関の審査次第」
そう思っていると、デンタルローン加盟店審査はあっさり詰みます。表向きの「必要書類」と、実際に見られている“裏のチェックポイント”はかなりギャップがあります。

Dentcureが求める「医師免許証」「決算書」の裏で実際に見られているポイント

公式サイトに書かれるのは「医師免許証写し」「決算書写し」といった最低限の項目だけです。現場で体感しているのは、その裏で次のような視点がまとめて見られているということです。

書類項目 表向きの目的 審査側が実際に見ている“裏の論点”
医師免許証 歯科医院である確認 本人名義と医院名・代表者名の整合性、過去のクレジット事故との紐付き有無
決算書 売上・利益の確認 自費治療比率の伸び方、インプラント等の高額治療の構成比、資金繰りの安定度
開業届・登記簿 事業実体の確認 開業年数、分院展開のスピード、短期での閉院リスク

特にデンタルローンの場合、「治療内容×金額レンジ×支払期間」の組み合わせを、決算書と照らして見ています。
例えばこうしたパターンは追加質問が増えがちです。

  • 決算上の自費売上は小さいのに、インプラント300万円クラスの長期分割を前面に出している

  • スタッフ数・ユニット数に対し、想定しているローン利用件数が明らかに多すぎる

  • 保険診療中心の数字なのに、説明では「自費中心の医院」として申告している

書類は「数字の帳尻」と「医院のストーリー」が矛盾していないかを見抜くための道具だと捉えた方が早いです。

「導入費用無料」の裏側で、信販会社が慎重になるライン

Dentcureやオリコのデンタルローンは、加盟店側の導入費用が無料だったり、端末不要のWeb申込だったりと、歯科医院にはメリットが大きいサービス設計になっています。
ただし、信販会社側から見ると「初期投資を医院に負担させない=回収リスクは自社が全て負う」構造です。

そのため、次のラインを越えそうな医院は、書類が整っていても慎重に見られます。

  • 設立1〜2期で、借入返済やリース料を含めた固定費が売上に対して重い

  • 自費のインプラント・矯正を一気に伸ばそうとしており、月のローン申込金額が急増する計画

  • 院長個人のカード・クレジット利用履歴に「延滞」「強制解約」などの傷がある

ローンは「患者の返済審査」と思われがちですが、加盟店審査では医院そのものが“融資先に近い存在”として評価されるイメージに切り替えておくと判断を誤りません。

JCB・カード系ローン記事と歯科向けデンタルローンの決定的な違い

ネット上の多くの記事は、JCBなどカード系キャッシング・ローンの解説と、歯科向けデンタルローンを同じノリで語ってしまっています。ここを混同すると、申込戦略を間違えます。

項目 カード系ローン(JCB等) 歯科向けデンタルローン(Dentcure・オリコ等)
審査対象 個人(患者の信用情報・収入) 個人+加盟店(歯科医院の継続性・販売方法)
目的 使途自由の借入 治療費に限定された分割払い契約
チェックの軸 返済能力と延滞リスク 割賦販売法との整合性、説明義務の履行、クレーム・キャンセル発生率
NGになりやすい要因 多重債務・年収に対する借入額 高額治療の一括見積り+長期分割、リスティング広告など aggressive な販売方法

歯科向けデンタルローンでは、「患者への説明方法」がそのまま金融リスクとして評価されます。
例えば、矯正治療を全期間分一括見積りして120回分割にするようなスキームは、治療内容の変動や中断リスクとのバランスが悪く、信販会社が慎重になる代表パターンです。

カード記事のテンプレに引きずられず、「治療計画・支払計画・医院の決算」をワンセットで整えることが、加盟店審査を一発で通す近道になります。

加盟店審査で落ちやすい歯科医院の3タイプと、それぞれの危険サイン

「技術には自信があるのに、デンタルローンだけいつもモヤモヤする」
その裏側には、信販会社から見ると一瞬で分かる「落ちやすい医院パターン」があります。

下の3タイプに自院が当てはまらないか、一度“冷静な他人目線”でチェックしてみてください。

タイプ 状況イメージ 信販会社が不安に感じるポイント
A 開業1〜2期目で決算が薄い 継続性・資金計画が読みづらい
B 売上はあるが販売方法が曖昧 割賦販売法とのズレ・説明リスク
C 過去にクレジット否決歴あり 同じNG理由を再現してしまう危険

開業1〜2期目で「決算が薄い」パターン:何が不利に働くのか

開業数年以内の歯科医院は、医師としてはスタートダッシュ中でも、金融機関から見ると「まだ走り方が読めない事業」に見えます。

特にDentcureやオリコが求める決算書で、次のような点が弱く出ている医院は要注意です。

  • 売上の月次推移がガタガタ

  • 借入返済額がキャッシュフローに対して重い

  • 自費比率の説明資料がなく、数字だけでは中身が見えない

信販会社は「売上の大きさ」よりも、「このペースで3〜5年続きそうか」を見ています。
開業1〜2期目で通過率を上げるには、決算書に加えて簡単な事業計画メモを添えると印象が変わります。

  • 今後1〜2年の自費治療方針(インプラント・矯正・ホワイトニングの構成)

  • 借入返済と家賃など固定費を払った後に、どの程度の手残りが見込めるか

  • 自費患者を増やすための集患施策

数字が薄くても「筋が通っている」と判断されれば、設立年数だけで落ちるケースは減らせます。

売上はあるが「販売方法」が曖昧なパターン:説明スキームが招くNG

複数院を持つ医療法人や、すでに自費売上が立っている医院ほど、意外とつまずきやすいのがこのパターンです。

問題になるのは、治療説明と支払説明の“セット”が割賦販売法とズレているケースです。

よくある危険サイン

  • カウンセリングごとにスタッフの説明トークがバラバラ

  • 「総額いくら」「何回払い」「金利」「途中解約時の精算」の説明が口頭で済んでいる

  • インプラントや矯正の治療計画書と、ローン契約書の金額・期間が微妙に違う

信販会社は書類だけでなく、「販売スキーム」を重視します。
書類上は問題なくても、申込後に質問ラッシュとなり、事実上の“時間切れ否決”になるパターンが現場では少なくありません。

販売方法を見直す際は、次の3点を必ずセットで文書化しておくと安心です。

  • 標準的な治療プランと金額レンジ(例:インプラント1本◯〜◯万円)

  • 支払パターンのテンプレ(現金一括・デンタルローン◯回・カード分割など)

  • 患者への説明フローチャート(誰が・どのタイミングで・何を説明するか)

過去に別のクレジット加盟店審査で否決されたパターン:知らないうちに再現する失敗

「昔カード系のクレジットを申し込んで否決されたから、デンタルローンも怖い」
こうした声の裏には、否決理由を言語化しないまま、同じスキームで別会社に出している問題があります。

要注意な再現パターン

  • 否決時の「コメント」「指摘事項」をメモしていない

  • 申込内容(治療内容・金額・分割回数)を変えずに、ただ信販会社だけ変えた

  • 大手1社で否決後、同じ資料セットを他社へ横流しした

信販会社同士が否決理由を共有するわけではありませんが、NGになりやすい“型”そのものはどこでも同じです。
特に危ないのは、次のような組み合わせです。

  • 高額インプラントを長期分割に集中させ、途中解約時の精算ルールが曖昧

  • 治療完了前にほぼ全額を立てるスキーム

  • 返金規定が院内ルールだけで、患者向けの文書がない

過去に否決があった場合は、「どの条件で」「どの論点で」止まったのかを表にして整理しておくと、次の申込で同じ地雷を踏まずに済みます。

確認すべき項目 見直しポイント
否決時の信販コメント 販売方法・書類不足・財務どれが主因か
申込時の治療プラン 金額・回数・途中解約時の精算ルール
説明資料一式 患者向け書面と契約内容のズレ

「どのタイプに一番近いか」を把握できれば、闇雲に怖がる必要はありません。
自院の弱点を知り、そこだけをピンポイントで修正する方が、デンタルローン導入の近道になります。

書類をそろえるだけでは足りない?加盟店審査の“見えないチェック項目”

「医師免許の写しも決算書も出した。なのに、保留・否決・追加質問の嵐。」
現場でよく出るこのパターンは、“数字の外側”のストーリー設計が抜けている時に起きます。信販会社は、デンタルローンを通じて医院に「融資」するのとほぼ同じ目線で見ているため、書類より先に継続性・販売方法・支払設計を総合チェックしています。

ここを押さえた医院は、開業1〜2期目でも、JACCSやオリコの加盟店審査を一発通過させているケースが少なくありません。

決算書より先に見られている「事業の継続性」と「資金計画」の筋の通り方

信販会社が最初に気にするのは、「この歯科医院は5年後もデンタルローンの支払をきちんとフォローできるか」です。
その評価軸は、数字よりストーリーの一貫性にあります。

代表的なチェック観点を整理すると、次のようになります。

見られているポイント 審査側の本音 現場での改善のコツ
開業年数・法人形態 「短期で撤退しないか」 事業計画書や今後3年の自費比率目標を添付
売上構成(保険/自費) 「ローン依存になり過ぎないか」 自費割合の推移と今後の戦略をメモで説明
資金繰りの余裕 「入金ズレでトラブルを起こさないか」 家賃・リース・借入返済を整理し、月次CFを簡易で提示
院長のキャリア 「急に廃業しないか」 経歴・専門分野・学会所属を1枚にまとめる

ポイントは、「決算書の数字に、将来のストーリーを紐づける」ことです。

例えば、開業2期目で利益が薄い場合でも、

  • インプラントや矯正の導入準備で設備投資が先行している

  • 既にカウンセリング数は増えており、来期は自費売上が伸びる見込み

  • そのためデンタルローンは、患者の現金負担を和らげる“販売インフラ”として導入したい

といった「筋の通った資金計画」とセットで説明すると、同じ決算書でも“攻めの投資”として評価されやすくなります

治療プランと支払プランの組み合わせが審査印象を左右する理由

加盟店審査で見落とされがちなのが、「治療プラン」と「分割プラン」の組み合わせの妥当性です。
割賦販売法の観点では、「治療内容・期間・金額」と「返済期間・毎月の返済額」が、患者の生活に無理がない形で噛み合っているかが重視されます。

審査担当者が違和感を持ちやすいパターンは、次の通りです。

  • 治療期間6カ月前後の矯正に対し、返済期間120回(10年)のローン設定

  • 治療のステップが複数あるのに、「一括見積り」でまとめて契約

  • ホワイトニングや小規模治療に、過度に長い返済期間を設定

  • 毎月の返済額が、患者属性(職業・年齢)に対して明らかに重い

信販会社は、数字だけでなく「患者説明トークの再現イメージ」を頭の中で描きます。

  • 治療のリスク・メリットの説明

  • 概算治療費の内訳

  • デンタルローンを使う目的(キャッシング代わりではないか)

  • 他の支払方法(現金・カード・銀行ローン)との比較

ここに筋が通っていれば、「この医院は金融リテラシーが低い患者を守る姿勢がある」と判断され、審査の印象は大きく変わります。

「インプラント一括見積り+長期分割」の組み方で引っかかるケース

現場で実際によくつまずくのが、インプラントの一括見積りと長期分割をセットにした案件です。
インプラントは金額が大きく、デンタルローンのメリットが出やすい一方で、信販会社は次の点を非常にシビアに見ています。

インプラント×長期分割で“要注意”になる典型パターンを整理します。

  • CT撮影・抜歯・仮歯・上部構造までを、大きな1本の金額として契約

  • 治療期間が1年未満なのに、返済期間を7〜10年で設定

  • 段階中止(途中で治療をやめる)時の精算ルールが書面上あいまい

  • 保証・メンテナンス費用をどこまで含めるかが不透明

このような設計だと、審査側は次のように疑います。

  • 「途中中止された時、返金トラブルにならないか」

  • 「“ローンのための金額”になっていないか」

  • 「カードキャッシングの代替的な使い方をさせていないか」

対策としては、治療ステップごとの金額と、ローン対象範囲を明確に区切ることが有効です。

  • 手術までをローン対象、上部構造や長期メンテナンスは別契約にする

  • 治療完了時期+1〜2年程度を上限に返済期間を設計する

  • 中止時の精算ルール(実施済み治療行為ごとの費用)を院内マニュアルと申込書面に明文化する

こうした「見えないチェック項目」を最初から織り込んだデンタルローン設計にしておくと、
書類そのものは同じでも、加盟店審査の通過率とスピードがまるで別物になります。

現場で本当に起きているトラブルと、プロが取る具体的な処理手順

デンタルローンは「患者さんの背中を押す魔法のカード」にもなりますが、運用を間違えると一気に金融機関からマークされます。現場で実際に起きているパターンだけに絞って整理します。

導入は順調だったのに、「運用が始まってから」信販側チェックが厳しくなるケース

導入直後はスムーズなのに、数カ月後からジャックスやオリコから細かい確認が増え、実質ストップ状態になる医院が少なくありません。多いのは次の3パターンです。

  • インプラントだけ極端に高額・長期分割が集中

  • 保険診療と自費治療の金額を一括でローン申込している

  • カウンセリング記録と申込書の治療内容が一致していない

信販会社は「加盟店審査OK=永遠に信頼」ではなく、運用後の利用データを見ながら再評価しています。特に割賦販売法上グレーに見える契約(総額に対して説明が薄い、返済期間が治療期間を大きく超える等)が続くと、突如としてモニタリング強化に入ります。

その場しのぎで「今回はこう説明してください」と返しても根本解決になりません。まずは過去3カ月のローン契約を一覧化し、次の3点を洗い出します。

  • 自費治療の内容・金額レンジ

  • 分割回数と完済時期

  • カウンセリングシートや同意書との整合性

ここで“浮いている”ケースを先に自主是正し、治療プランと支払プランのルールを文書化しておくと、チェック強化が入っても建設的な会話ができます。

多数の質問メール・電話でスタッフが疲弊する医院で共通する事前準備ミス

質問ラッシュが起きる医院は、「信販会社が欲しがる情報」と「院内で揃えている情報」がズレています。典型的なミスは次の通りです。

  • 料金表が“総額”ではなく“目安”のまま

  • デンタルローン対象と現金・クレジットカード限定の治療区分が不明確

  • カウンセリング用トークと申込書の項目がリンクしていない

こうしたズレを埋めるには、申込前に次のような簡易マトリクスを作っておくと効果的です。

項目 信販会社が見たい点 院内で用意すべきもの
治療内容 高額役務か・治療期間 メニュー表、説明用資料
金額 相場との乖離、値引きの有無 料金表、見積書の書式
支払方法 分割・一括・ボーナス併用 支払パターンのテンプレ
説明方法 誤認招かないか カウンセリング台本、同意書

このテーブルをベースに「患者説明→見積書→ローン申込→契約」の流れを一本のフローにしておくと、金融機関側の質問は激減します。

否決や保留を食らったとき、プロがまず確認する3つの情報

否決・保留が出たときにやりがちなのが、「患者の信用情報が悪かったのだろう」で片付けてしまうことです。プロが最初に見るのは、患者ではなく医院側の情報です。

  • 1. 否決案件の共通点

    インプラントだけか、矯正だけか、特定ドクターのカウンセリングだけか。治療内容・金額・分割回数ごとの傾向を確認します。

  • 2. 申込書と説明スキームのギャップ

    カウンセリングではトータル治療計画を話しているのに、申込は一部の治療だけになっていないか。割賦販売法上「販売方法」と見られるポイントを洗います。

  • 3. 信販会社の“得意レンジ”とのズレ

    同じデンタルローンでも、ジャックス・オリコ・カード会社系(JCB等)で得意な金額帯と治療ジャンルが微妙に違います。自院の案件がそのレンジに乗っているかをチェックします。

この3点を確認したうえで、「どの金融機関に・どのタイプの契約を・どう説明するか」を組み替えると、同じ医院でも通過率は目に見えて変わります。加盟店審査は書類を出した瞬間ではなく、こうした“運用のチューニング”で評価が積み上がっていきます。

「とりあえず一社に申込」は危険?デンタルローン導入のよくある誤解

「インプラントと矯正を伸ばしたい。でも金融はよく分からないから、とりあえずジャックスかオリコに出してみるか。」
このスタートの切り方が、後々まで尾を引く“見えない減点”になるケースが少なくありません。

デンタルローン加盟店審査は、売上規模だけでなく「販売方法」「説明トーク」「治療設計」とセットで評価されます。ここを踏まえずに申込だけ先に走らせると、否決履歴だけが残り、自院に合うローンまで遠回りになることがあります。

ポイントは次の3つです。

  • 「開業◯年未満は絶対無理」という思い込みを捨てる

  • 否決履歴を増やさない申込順序を組む

  • 金利より先に「得意分野」と「審査のクセ」で選ぶ

「開業◯年未満は絶対無理」というネットの噂が古いと言える理由

「開業3年未満は審査に通らない」といった書き込みは、今の歯科向けデンタルローンにはそのまま当てはまりません。実務では、年数よりも“中身”のほうが強く見られているからです。

特にチェックされやすいのは次の3点です。

  • 決算書の中身(売上の推移・自費比率・赤字の理由)

  • インプラントや矯正の治療計画と金額レンジ

  • 説明スキームが割賦販売法に沿っているかどうか

開業1〜2期でも、
「自費の方針が明確」「資金計画の筋が通っている」「患者説明が整理されている」
この3つが揃うと、むしろ“これから伸びる医院”として前向きに評価されるケースもあります。

逆に、開業から年数だけ経っていても、

  • 決算書が毎年ブレている

  • 自費と保険のスタンスが曖昧

  • 支払説明が“その場しのぎ”

このような医院は、年数があっても慎重に見られます。
「年数フィルター」ではなく、「中身フィルター」に時代が変わっていると捉えると、対策の打ち方が一気に具体的になります。

否決履歴が残ったまま他社に出すリスクと、申込順序の考え方

加盟店側の否決情報は、カードローンのように業界全体で照会されるわけではありません。とはいえ、同じ“NGパターン”をそのまま別会社にも持ち込んでしまうことが現場ではよく起きています。

典型的な失敗パターンを整理すると、このようになります。

パターン ありがちな動き方 実務上のリスク
A: とりあえず大手1社 JACCSかオリコだけに申込 否決理由が分からず、同じ内容で他社に出して再現NG
B: 一気に複数申込 3社同時に出してみる どこで何が嫌われたか解析できず、次の一手が打てない
C: 条件だけ横比較 金利や手数料だけで選択 自院の治療内容と審査のクセが噛み合わず通過率低下

実務で安全なのは、次の順番づくりです。

  1. 自院の治療メニューと患者層を棚卸し
    (インプラント中心か、矯正・ホワイトニングも混在か)

  2. その領域を“得意”とする信販会社の候補を2〜3社に絞る
    (公式サイトの対象治療・分割期間・利用条件を必ず確認)

  3. 1社目で落ちた場合は“書類と販売方法”を修正してから次に出す
    (否決の理由を推測ベースで分解し、説明トークと見積りを見直す)

特に避けたいのは、「1社目でインプラント一括見積り+極端な長期分割」「キャンセルポリシー不明」のまま出して否決され、その設計を変えずに2社目・3社目へ出してしまうパターンです。
このケースでは、否決された“型”ごと複数社にコピーしているのと同じで、数だけ打っても通過率は上がりません。

金利や利率だけ比較しても“自院に合う”ローンは選べないワケ

院長・事務長が最初に見てしまうのが、「患者負担の金利」「加盟店手数料」です。もちろん重要ですが、そこだけで選ぶと、審査と運用でつまずく確率が一気に上がります。

歯科向けデンタルローンでは、信販会社ごとに次のような“クセ”があります。

  • インプラント高額治療に強いが、矯正の長期分割はやや厳しめ

  • 若年層の矯正・ホワイトニングには柔軟だが、超高額インプラントは慎重

  • 医療法人や複数院には強いが、設立1〜2期目の個人開業には追加資料を多く求める

金利だけを比較すると見落とすポイントを、視覚的に整理するとこうなります。

比較軸 多くの医院が見る所 審査通過率に効く本当のポイント
金利・利率 患者へのメリットの大きさ 自院の患者層の返済余力とマッチしているか
分割期間 何回まで組めるか 治療内容と分割期間の“常識的なバランス”か
対象治療 インプラントOKかどうか インプラント・矯正・ホワイトニングの得意・不得意
申込フロー Webか紙か スタッフ負担と信販側のチェックの厳しさのバランス

「金利が0.数%低いA社」より、「自院の治療設計と相性が良く、質問や追加資料が少なくて済むB社」を選んだ方が、最終的な成約率とキャッシュフローは安定するケースが多いものです。

インプラント・矯正を伸ばしたい30〜40代の院長にとって、デンタルローンは“金融商品”というより「自費治療の販売インフラ」に近い存在です。
そのインフラ選びを、金利の数字だけで決めてしまうと、加盟店審査で遠回りし、患者の治療開始も遅れてしまいます。

誤解をほどき、「どの会社に、どの順番で、どんな設計で出すか」を意識するだけで、加盟店審査は一気に“怖い壁”から“コントロールできるプロセス”に変わります。

自院でできる加盟店審査セルフチェック:書類・治療・説明トークの三点セット

「とりあえず申込書を埋めて送ったら、想像以上に質問攻め」
このパターンを避けるには、申込前に審査担当者の頭の中を先回りして整理しておくことが近道です。ここでは、現場で実際に使っているセルフチェックをそのまま分解します。

決算書・医師免許・医院情報を「審査目線」で並べ直すチェックリスト

信販会社は、書類そのものより「ストーリーの整合性」を見ています。以下の観点で一度並べ替えてみてください。

【最低限そろえたい医院情報セット】

  • 医師免許証写し(名義と医院名の関係が分かるか)

  • 登記簿謄本または開設届の写し

  • 直近1〜2期分の決算書(損益計算書・貸借対照表)

  • 診療科目、保険診療と自費治療の比率の目安

  • インプラント・矯正など、自費治療のメニューと金額レンジ

このうえで、次のチェックを行います。

  • 売上推移と開業年数が整合しているか(いきなり高額インプラント比率が高すぎないか)

  • 借入金と返済額が過大でないか(キャッシュフローが詰まりそうに見えないか)

  • 院長個人名義と医院名義のカード・ローン契約が混在しすぎていないか

  • 住所・名義・電話番号が全書類で完全一致しているか

下記のように「審査目線」で整理しておくと、追加質問が激減します。

見られるポイント 審査担当者が気にすること 自院でできる対策
売上規模・利益 長期分割しても医院が継続しそうか 直近期の数字に補足メモを添える
借入・リース残高 過度な借入で返済リスクが高くないか 金融機関名・残高の一覧を整理する
自費治療の比率・内容 過度な高額役務になっていないか インプラント等の金額帯を一覧化
販売方法・説明スキーム 割賦販売法に抵触しない運用ができそうか カウンセリングフローを書面化する

治療内容(インプラント・矯正など)ごとの対象範囲と金額レンジの整理

加盟店審査では、「どんな治療にローンを使うのか」がぼやけている医院ほど質問が増えます。インプラント、矯正、ホワイトニングなど、対象範囲と金額レンジを先に決めておくことが重要です。

治療カテゴリ 典型的な利用目的例 想定金額レンジ例(税込) 審査での着眼点
インプラント 単独歯〜フルマウス治療の分割支払 30万〜300万円程度 説明・同意のプロセスが明文化されているか
矯正治療 全顎矯正、部分矯正、マウスピース矯正 50万〜150万円程度 誤解を招く定額・通い放題表現がないか
審美・補綴 セラミック、ジルコニアクラウン等 10万〜80万円程度 保険治療との線引きが明確か
ホワイトニング オフィス・ホーム・デュアル 3万〜20万円程度 役務期間が過度に長期化していないか

ポイントは、次の3つです。

  • ローン対象外も明確にする

    保険診療や短期・少額の治療は現金やカード払いのみ、と事前に線引きしておくと信販会社は安心します。

  • 最大金額を決めておく

    「インプラントは原則◯◯万円までをデンタルローン対象」と天井を決めておくと、審査印象が安定します。

  • 治療期間と返済期間のバランス

    治療完了後も何年も返済が続く組み方は、金融機関からリスク高と見られやすくなります。

患者への支払説明トークを見直すための“疑似ロールプレイ”のやり方

割賦販売法で問題になりやすいのは、「説明トーク」です。ここが曖昧なまま加盟店審査に進むと、「販売方法の詳細を教えてください」という追加ヒアリング地獄に陥りがちです。

院内で次のような簡易ロールプレイを行うと、短時間で改善ポイントが見えます。

【疑似ロールプレイの手順】

  1. スタッフ1人が「患者役」、もう1人が「カウンセラー役」になる
  2. インプラントや矯正の見積書と支払プランを用意する
  3. 録音しながら、以下の流れで説明してみる
    • 治療内容と期間の説明
    • 現金・カード・デンタルローンの支払方法の選択肢
    • デンタルローンの金利・返済期間・毎月支払額の説明
    • クレジット契約が歯科医院ではなく金融機関との契約であることの説明
  4. 録音を聞き直し、次の観点でチェックする
  • 「今だけ」「今日申し込めば」など、過度な勧誘表現になっていないか

  • 現金一括やカード払いとフェアに比較できているか

  • 分割払いの総支払額(治療費+利息)をきちんと伝えているか

  • 患者の収入や返済能力への配慮に触れているか

このロールプレイ内容を、そのまま「支払説明マニュアル」として文書化し、加盟店審査時に提示できるようにしておくと、信販会社からの信頼度が一段上がります。金融の専門用語を並べる必要はありません。患者が冷静に判断できる説明になっているかどうかが、審査担当者にとっての最大のチェックポイントです。

支援会社を挟むかどうかを決める判断軸と、任せすぎないためのコツ

「とりあえずオリコかジャックスに出してみる」か、「クレジットに強い支援会社を挟む」か。この一手で、インプラント・矯正の自費強化スピードが1〜2年変わります。

自力導入で問題ない歯科医院と、プロのクレジット支援を検討すべき医院の境目

まず、どこまで自力で攻めるかを冷静に仕分けします。

自力導入向きか、支援会社活用かの目安

項目 自力導入でOKな医院 プロ支援を検討すべき医院
開業年数 3期以上、黒字安定 1〜2期目、決算が薄い
売上規模 インプラント等自費が既に一定額 これから自費比率を一気に上げたい
否決履歴 クレジット否決なし 他業種含め否決歴あり
事務体制 事務長や経理担当が常駐 院長+少人数で手続きが不安
金融リテラシー 決算・キャッシュフローを把握 金利・分割条件の比較が苦手

目安として、「開業1〜2期」「過去にクレジット否決経験あり」「自費をこれから伸ばしたい」の3つが重なれば、プロのクレジット支援を検討する価値が高くなります。
逆に、黒字が安定し、既にカード決済や他のローン導入経験があれば、Dentcureやオリコへの加盟店申込は自力でも十分戦えます。

「どの信販会社にどう出すか」で通過率が変わるときの見極めポイント

加盟店審査は「どこに出すか」だけでなく、「どういう顔つきの医院として見せるか」で通過率が変わります。

支援会社が必ず押さえるのが、次の3点です。

  • 得意領域の見極め

    ・インプラント・矯正など高額治療メインを得意とする信販会社
    ・ホワイトニングなど少額役務を好む会社

  • 金額レンジと分割年数のクセ

    同じ100万円でも、「60回分割が通りやすい会社」と「84回超はシビアに見る会社」があります。

  • 過去否決情報の扱い

    1社で否決されたとき、別会社にそのまま同じ「治療プラン×支払プラン」を投げると、同じNGパターンを再現しがちです。

支援会社はここを踏まえ、「インプラントはA社、矯正はB社」「分割回数を院内で先に絞る」といった設計から入り、単なる金利比較では見えない通過率の差を埋めています。

事務代行に丸投げせず、院内に最低限残しておくべき知識とフロー

支援会社を挟んでも、「全部お任せ」にすると、数年後の分院展開で同じ壁に再衝突します。最低限、院内に残したいのは次の3つです。

  • 加盟店審査のチェックリストを紙1枚にまとめる

    ・提出書類(医師免許、決算書、医院概要)の最新版保管場所
    ・対象治療と金額レンジ
    ・患者への支払説明トークの要点

  • 患者説明フローの型

    「治療内容→総額→保険との違い→分割利用条件→毎月返済額シミュレーション」の順番を、スタッフ全員が同じ言葉で話せるようにしておきます。

  • 否決・保留時の院内対応ルール

    ・どの金融機関のどの案件で否決が出たかを必ず記録
    ・「理由が不明な否決」は支援会社経由でコメント取得を依頼
    ・同じ条件で別会社にすぐ出さない、というブレーキ役を決めておく

支援会社の役割は「加盟店審査を丸ごと外注すること」ではなく、金融機関との翻訳者を一時的に雇う感覚に近いです。
翻訳してもらった内容を院内の言葉とフローに落とし込めれば、2院目、3院目のデンタルローン導入は、十分自走できるレベルまで持っていけます。

デンタルローン加盟店審査で“損をしない”ための中長期プラン

1〜2年後の分院展開・自費比率アップを見据えたローン活用の考え方

インプラントや矯正を伸ばしたいなら、「今の申込を通す」だけでなく、2年後の医院像から逆算してデンタルローンを設計する発想が欠かせません。
金融機関は、加盟店審査のときにすでに「この歯科医院と何年付き合えるか」を見ています。

中長期で見るべき軸は次の3つです。

  • 自費治療比率をどこまで上げるか(売上構成比)

  • 分院・法人化のタイミング

  • デンタルローン利用件数と平均金額の成長カーブ

下記のように、短期視点と中長期視点では「見るべき数字」がまったく変わります。

視点 よくあるチェック 中長期で見るべきポイント
短期 とりあえずオリコかジャックスに申込 2年後に分院も同じ信販枠で通せるか
短期 インプラントの金利だけ比較 自費全体の粗利とキャッシュフロー
短期 JCBなどカード分割との違い 現金・カード・ローンの最適ミックス

「1院でデンタルローンを育て、その実績を引っ提げて分院の加盟店審査に入る」流れを前提に、最初の1社を選ぶとブレにくくなります。

金利・返済期間より先に「キャッシュフロー」と「入金タイミング」を設計する

院長側が金利に目を奪われがちな一方で、金融機関は“入金サイクルとリスク”を最優先で見ています
ここを経営目線で先に設計しておくと、加盟店審査の印象も一段上がります。

デンタルローン導入時に、最低限おさえたい設計ポイントは次の通りです。

  • デンタルローンの入金タイミング(例:立替払いの締め日と支払日)

  • 保険診療のレセプト入金日とのズレ

  • カード決済・現金支払とのバランス(売上の割合)

支払方法 医院の入金タイミング キャッシュフロー上の特徴
現金 即日 回収リスクゼロだが患者負担が重い
カード分割 1〜2カ月後 高額治療には枠不足・審査がネック
デンタルローン 信販会社の締め支払日に一括入金 立替払いで大型治療も安定回収

「金利が0.5%安い」よりも、毎月の現預金残高がどれくらいブレずに推移するかの方が、分院展開には重要です。
加盟店審査の申込書に、治療単価と見込み件数、入金サイクルの想定を整理して添えるだけでも、「計画性のある医院」としての評価が変わります。

毎月の入金データから、次の信販交渉や医院経営に活かせること

デンタルローンの真価は、「導入時の審査」ではなく、運用1年目に貯まるデータで決まります。
このデータを拾えている医院ほど、次の交渉で条件改善を引き出しやすくなります。

毎月の入金レポートから、最低限チェックしたいのは次の3点です。

  • 平均利用金額と治療内容(インプラント、矯正、ホワイトニングなど)

  • 申込件数に対する審査否決率

  • デンタルローン売上が全体売上に占める比率

この数字を1年分そろえると、信販会社との面談で次のような打ち手が取りやすくなります。

  • インプラントの限度額引き上げや対象範囲拡大の相談

  • 否決率が高いときの「販売方法」や説明トークの改善提案

  • 分院開設時に、既存実績を根拠としたスピード審査の依頼

デンタルローンを「患者の分割支払のためのサービス」だけで終わらせず、自院の信用力を底上げする“金融プロフィール”として育てる
この発想で毎月の入金データを眺めていくと、加盟店審査は一度きりの関門ではなく、経営と一体の長期プロジェクトに変わっていきます。

執筆者紹介

主要領域は歯科医院のデンタルローン加盟店審査。JACCS「Dentcure」やオリコ等の公式情報と割賦販売法の実務基準を突き合わせ、「販売方法・説明スキームのズレ」を是正する観点から記事を執筆しています。本記事でも、開業数年以内〜自費比率拡大期の歯科医院がつまずきやすい審査ポイントを分解し、現場で今すぐ使えるセルフチェックと通過率向上の考え方に絞って整理しました。