支払日はまだなのに利息だけは毎月たまる――「未払利息」をどの勘定科目で処理するか迷っていませんか?決算での計上漏れや二重計上は、利益や税額に直結する実務リスクです。とくに借入先が複数、利率や締め日が異なる場合、科目の使い分けと期間按分の精度が要になります。
本記事では、未払利息と未払費用の違い、貸借対照表での表示(流動負債)、損益計上の基本を、年利2.0%・元本3,000万円・月末計上などの具体例で整理します。金融取引の利息が消費税の課税対象外である点や、発生主義に基づく決算整理・翌期の振替手順まで、実務のつまずきを一気に解消します。
会計基準や公的資料の用語(Accrued interest/Accrued expenses)も踏まえ、銀行別に補助科目で管理するコツ、社債利息や月末締め翌月入金のタイムラグ対応まで網羅。今日から迷わない勘定科目の選び方と仕訳フローを、図解イメージとチェックリストでスッキリ身につけませんか。
未払利息と勘定科目で押さえたい全体像と基礎をわかりやすく解説
未払利息は、利息が発生しているのに支払がまだの状態を指し、貸借対照表で負債として示します。簿記では経過勘定の一つで、当期の費用を正しく認識するために計上します。ポイントは、費用である支払利息と負債である未払利息(または未払費用)を同時に記録することです。未払利息勘定科目の使い分けは会社方針により、「未払利息」を独立させるか、「未払費用」に包含するかで異なります。いずれも負債区分で、期末に計上し、支払時に消し込みます。未払利息簿記処理は決算整理仕訳で精度が問われるため、期間按分と相手勘定の整合を意識すると実務で迷いません。
未払利息はどこに表示される?負債としての位置づけをイメージしよう
未払利息は通常、支払期日が1年以内であるため貸借対照表の流動負債に表示します。同じ「未払」という名前でも、未払金はモノやサービスの後払い、未払費用は役務の経過による負債で、未払利息はその中でも利息に特化した科目です。簿記では発生主義が前提なので、当期に発生した利息を費用(支払利息)にしつつ、未払い分を負債(未払利息または未払費用)に計上します。基本仕訳は、期末に支払利息を借方、未払利息を貸方で認識し、支払時に未払利息を借方で消し、現金預金を貸方で落とします。未払い利息勘定科目の表示区分を明確にしておくと、精算表から本表への転記がスムーズです。
未払利息の英語表記や注記、表示区分の実務ポイント
英語表記は、利息に限定するならAccrued interest、費用一般を束ねるならAccrued expensesを用います。表示は流動負債区分が原則で、長期化が見込まれる例外時のみ非流動負債の検討余地があります。注記は重要性次第で、金額が大きい場合や利率・制限条項が財務判断に与える影響が大きい場合に検討します。仕訳面では、期末に支払利息を費用化しつつ未払利息を計上すること、翌期の支払時に二重計上を避ける再振替仕訳の要否を社内方針で統一することが肝心です。英語財務諸表でも勘定名の一貫性を保ち、注記の用語と貸借対照表の科目名を揃えると誤解が減ります。
支払利息と未払利息を仕訳を使ってスッキリ理解
支払利息と未払利息の関係は、発生主義に基づく費用と負債の同時認識で整理できます。期末の決算整理仕訳は、当期に発生した利息分だけ借方:支払利息/貸方:未払利息(または未払費用)。翌期の支払時は、まず借方:未払利息/貸方:現金預金で消し込み、支払額に当期分が含まれるならその部分は借方:支払利息で費用化します。相手勘定は原則として支払利息で、貸借対照表側は未払利息を使うのが分かりやすい運用です。個人事業主でも支払利息勘定科目は費用区分で、負債ではありません。科目が会計ソフトに見当たらない場合は、名称を追加するか、未払費用にまとめる方法が実務的です。
- 実務で迷わないための比較早見
| 項目 | 支払利息 | 未払利息(未払費用) |
|---|---|---|
| 性質 | 費用 | 負債 |
| 表示 | 損益計算書の営業外費用 | 貸借対照表の流動負債 |
| 典型仕訳 | 借方:支払利息 | 貸方:未払利息 |
| タイミング | 利息の発生期間に対応 | 期末計上と支払時消込 |
上の対応関係を押さえると、未 払 利息決算整理仕訳と支払時の整合が取りやすくなります。
- 期末までの利息を期間按分で計算する
- 支払利息を費用計上し、同額の未 払 利息を負債計上する
- 支払時に未払利息を消し、当期分利息は支払利息で費用化する
この流れを標準化すると、精算表から本表への反映、未払利息貸借対照表表示、そして相手勘定の一貫性が保てます。
未払利息と勘定科目の選び方ですぐ差がつく実践ポイント
未払利息か未払費用か?違いや迷いをなくす勘定科目の選定術
未払利息は、利息が発生しているのにまだ支払っていない金額を示す負債で、貸借対照表の流動負債に表示します。借入や社債の利息など対象が明確で、性質が利息に限定されるなら勘定科目は未払利息が適切です。一方、通信費や地代家賃、保険料などの期間按分で発生した未払いは、種類を問わずまとめて処理できる未払費用が便利です。ポイントは、発生主義に基づき当期の支払利息(費用)を計上しつつ、未払部分を負債で区分することです。社内の経理処理をぶらさないために、科目の使い分け基準を明文化しましょう。迷いがちなケースも、対象の性質と決算での開示方針を軸に判断すればブレません。未払利息勘定科目の選択は、翌期の支払仕訳や利息計算の検証効率にも直結します。実務では以下の表で整理しておくと判断が速くなります。
| 対象取引の性質 | 推奨科目 | 主な表示 | 仕訳の基本形 |
|---|---|---|---|
| 借入・社債の利息 | 未払利息 | 流動負債 | 支払利息/未払利息 |
| 通信費・地代などの経過 | 未払費用 | 流動負債 | ○○費/未払費用 |
| 期首での再振替 | 未払利息の消込 | 仕訳のみ | 未払利息/未払金等 |
短い補足として、表は社内マニュアルの章立てに合わせて更新すると運用が定着します。
補助科目で借入先ごとに管理!未払利息の実務運用テクニック
未払利息を正確に管理する近道は、銀行別・契約別の補助科目で分解することです。借入先ごとに利率や計算期間が異なるため、補助を付ければ計算方法の違いを吸収し、決算整理仕訳や翌期の再振替仕訳の照合が素早くなります。実務フローは次の通りです。
- 契約情報を台帳化し、利率・計算期間・約定日を登録する
- 会計ソフトで未払利息の補助を銀行別に作成する
- 月次は期間按分で支払利息を計上し、未払部分を補助へ集計する
- 決算で残高を突合し、借入先別にエビデンスと紐付ける
- 支払時は未払利息を消し込み、差額は当期の支払利息で処理する
この手順により、未払利息貸借対照表残高の根拠が明確になり、監査・税務対応でも強くなります。さらに、未払利息勘定科目英語の表記をLoan interest payableなどで統一すると、外部資料の整合も取りやすくなります。
未払利息を仕訳で時系列に完全攻略!発生から支払いまでの流れ
月末に利息が発生したとき未払利息はどう処理する?基本仕訳をマスター
利息は発生主義で処理するため、月末に利息が発生していれば支払前でも費用を認識します。ポイントは、損益の「支払利息」と貸借対照表の負債である「未払利息(または未払費用)」を同時に計上することです。とくに未払利息勘定科目の選択は、簿記や会計方針で名称が異なるだけで実質は同じ見越負債の処理です。期中は期間按分により日割または月割で計算し、決算では決算整理仕訳で確定額に合わせます。会計ソフトで「支払利息勘定科目ない」と見える場合は科目表示設定を確認し、英語表示では「Interest expense/Accrued interest」を使います。誤りやすいのは、支払時に再度費用を計上して二重計上になるケースです。月末に費用を見越したら、支払時はその見越をきちんと消し込む前提で運用しましょう。
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重要ポイント
- 支払利息は費用、未払利息は負債として計上
- 期間按分で月末時点の発生分だけを見積
- 決算整理仕訳で確定額へ調整
翌月の支払時に未払利息をどのように消し込むか
翌月の支払時は、前月に計上した未払利息を先に消し込み、差額があれば当月の支払利息で調整します。同月内に発生と支払が完結する少額の利息は、実務では簡便的に見越を省略する判断もありますが、決算月は見越が必須です。現金や普通預金での支払い記録は、借方の未払利息(消込)と支払利息(当月発生分)、貸方の現金・預金で処理します。判断軸は重要性と締め日です。発生と支払のタイミングがずれ、未 払 利息計上仕訳が必要な期間が生じるなら必ず見越します。クラウド会計で科目が見つからないときは、未 払 利息未 払費用のいずれかを選び、勘定科目の表示名を自社方針に合わせて統一しましょう。こうすることで、未 払 利息貸借対照表の整合性と支払利息の期間対応が保てます。支払時に費用を重ねて計上するミスだけは避けましょう。
| 取引局面 | 借方 | 貸方 | ねらい |
|---|---|---|---|
| 月末見越 | 支払利息 | 未払利息(未払費用) | 発生主義で費用と負債を同時認識 |
| 翌月支払(見越あり) | 未払利息、支払利息 | 現金・預金 | 見越の消込と当月分の費用認識 |
| 同月発生・同月支払 | 支払利息 | 現金・預金 | 重要性が低ければ見越省略も可 |
決算またぎで複数月分の利息を扱うときの未払利息処理徹底ガイド
決算をまたぐ利息は、月割や日割で精緻に見越すとブレが減ります。貸借対照表に載る未払利息は短期の負債であり、「未 払 利息負債なぜ」という疑問は、支払義務が翌期に現金流出するからと理解してください。翌期首には再振替仕訳を使うケースがありますが、利息では原則として前期末の見越は支払時の消込で完結し、再振替は不要です。社債の利息や借入の長短混在では、利率・起算日・締め日の管理を統一するとミスが減ります。税務上は支払利息は損金算入が基本で、消費税は不課税です。未払利息勘定科目は英文表記でAccrued interest、支払利息はInterest expenseが一般的です。精算表や試算表で残高を確認し、未 払 利息決算整理仕訳の反映漏れを防ぎましょう。
- 利息の計算方法を統一(月割か日割かを規程化)
- 見越の根拠保存(契約書・利率・起算日の控え)
- 決算整理仕訳を実行(費用と負債を対応させる)
- 翌期の支払で消込(再振替は原則不要)
- 科目名を一本化(未払利息と未払費用の使い分けを明確化)
未払利息を具体例でサクッと理解する仕訳パターン集
月末の支払いでも銀行処理が翌月…未払利息で迷わない記帳術
月末で利息が発生しているのに実際の引落は翌月というケースでは、発生主義で費用と負債を分けるのが基本です。具体的には当期末に「支払利息」を費用計上し、相手勘定は短期負債の未払利息勘定科目または未払費用で認識します。翌月の引落時に未払利息を消し込み、残りがあれば当期の支払利息ではなく翌期費用と区分します。銀行明細のタイムラグがあると消込が難しくなるため、締め処理では計算根拠(利率と日数)を残すことが大切です。会計ソフトで「支払利息勘定科目がない」と見える設定でも、科目追加または名称変更で対応可能です。貸借対照表へは未払利息負債として表示し、損益計算書には支払利息費用が反映されます。期末の決算整理仕訳と支払時の整合が、重複計上の防止ポイントです。
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期末は支払利息と未払利息を同時に計上
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翌月の支払で未払利息を必ず消込
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明細の締め日と計上日の差は計算書で管理
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会計ソフトの科目は適切に追加設定
契約上利息が免除!そんなときの未払利息はどう仕訳?
利息免除が契約上確定しているなら、当該期間の利息は発生していないため支払利息費用を計上しません。一方、期末時点では利息発生が前提で、後日免除が確定した場合は、いったん計上した未払利息勘定科目と支払利息を免除確定日に戻し入れます。ポイントは、免除の「確定」基準です。社内決裁予定や口頭の見込み段階では処理を変えず、書面や契約変更で確定した時点で仕訳を行います。税務上も未実現の免除を先取りしないことが重要で、決算整理仕訳は原契約の利率と期間で見積り、確定後に精算します。免除が一部のみなら、免除額相当を費用減額し、残額は従来どおり支払処理します。こうした「発生認識の柔軟な見直し」は、簿記の原則と整合します。
| 判断場面 | 期末時点の処理 | 免除確定日の処理 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 免除未確定 | 支払利息と未払利息を見積計上 | 免除額を費用戻入、未払利息も減額 | 書面で確定後に処理 |
| 免除確定済 | 費用・負債ともに計上不要 | 処理なし | 契約変更の証憑を保存 |
| 一部免除 | 全額いったん計上 | 免除部分のみ戻入 | 差額は通常どおり支払 |
社債の未払利息はこうする!期末見越から翌期支払いのすべて
社債の利息はクーポン支払日に現金支出されますが、期末に経過利息があれば支払利息と未払利息で見越計上します。クーポン到来時は、期首の未払利息を消し込み、当期分だけを費用に残すのがコツです。償却原価法を適用する割引社債や発行差金がある場合は、社債利息相当額=利息費用+プレミアムまたはディスカウントの償却で捉え、費用科目は支払利息、調整は社債や社債発行差金で扱います。貸借対照表では未払利息負債が短期項目として表示され、損益計算書では営業外費用の支払利息に反映されます。英語表記は未払利息がAccrued interest、支払利息がInterest expenseが一般的です。会計処理は期間按分が命で、クーポン頻度に関係なく日割りで整然と計上します。
- 期末に経過利息を日割りで算定し、支払利息と未払利息を計上
- 翌期の支払日に期首の未払利息を全額消込
- 同日に当期発生分の支払利息のみ費用認識
- 割引・プレミアムは償却原価法で同時に調整
- 明細台帳で期間と金額のトレースを維持
一部のみ未払い時の仕訳パターンとポイント
社債や借入の元利払いで、一部だけ未払いが生じるときは、まず支払のうち利息部分と元本部分を分解します。支払当日は、期首の未払利息を優先して消込し、現金で賄えた利息は当期の支払利息として処理、未払いが残る利息は未払利息勘定科目に計上します。元本部分に未払が出た場合は未払金や借入金残高で対応し、利息と混同しないことが重要です。重複計上を避けるには、決算整理仕訳の消込順序を固定し、相手勘定を厳格に分ける運用が効果的です。簿記の観点では、未払利息負債は期間費用の対応を実現する道具で、支払の有無と切り離して費用を認識します。会計ソフトの自動仕訳ルールも、利息と元金の相手勘定を別々に設定しておくとミスが減ります。
未払利息の計算方法と期間按分はこう使いこなす!プロ直伝のコツ
月割りで未払利息を計上!利率・期間ごとの計算式まとめ
未払利息は、利息が発生しているのにまだ支払っていない分で、貸借対照表の負債として扱います。基本式は元本×利率×期間です。期間は月割りや日割りで按分し、期末までの経過期間のみを計上します。期中借入があるなら借入日の翌日から期末までを対象にし、契約に日数基準がある場合は実日数法、なければ30日月末基準など会社の会計方針で統一します。端数処理は円未満切捨てが一般的ですが、継続適用が前提です。費用は損益計算書の支払利息、対応する負債は未払利息勘定科目または未払費用で処理します。個人事業主でも会計は発生主義を選択していれば同様です。利率が年率のときは期間を年換算(月/12、日/365)に直し、社債利息やリース料に利息相当が含まれるケースは契約条件に従って分解します。会計ソフトの補助機能を使うと計算ミスを減らせます。
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計算のキモ:元本×年利率×(経過月/12または経過日/365)
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端数処理:円未満切捨てを継続適用
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期中借入:借入日以降の経過期間だけを按分
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表示:費用は支払利息、負債は未払利息(未払費用でも可)
補足として、英語表記は支払利息がInterest expense、未払利息がAccrued interestです。
翌期の期首で行う未払利息の振替…重複計上回避のポイント
期末で見越計上した未払利息は、翌期首に見越戻しを行い、重複計上を防ぎます。運用の肝は「計上は期末、戻しは期首、支払時は消込」という三段階ルールです。具体的には、期末に支払利息を計上しつつ未払利息(または未払費用)を計上、翌期首に支払利息の減額と未払利息の取り崩しで戻します。その後の支払日には現金支出と負債の相殺を行い、当期費用の二重計上を避けます。決算整理仕訳を自動反転する設定がある会計ソフトを使うと、見越戻し漏れを防げます。月次決算を行う企業は月次でも発生主義の徹底が重要で、期中での再振替仕訳は「戻し忘れや支払遅延で費用期間がずれる」場合に限定し、社内ルールで閾値や締切日を定めておくと安全です。貸借対照表では未払利息は流動負債に表示します。
| 手順 | 目的 | 勘定科目の動き |
|---|---|---|
| 1. 期末見越 | 当期費用化と負債計上 | 支払利息を増、未払利息を増 |
| 2. 期首戻し | 当期費用の適正化 | 支払利息を減、未払利息を減 |
| 3. 支払時 | 負債の消込と支出反映 | 未払利息を減、現金預金を減 |
この流れを継続適用することが、未払利息計上の精度と監査対応の両立につながります。
未払利息の税務処理まで安心!法人税・消費税の要点丸わかり
法人税で未払利息は損金算入できる?判断ポイントを総まとめ
未払利息は「利息が発生したが未払い」の状態で、貸借対照表では負債として表示します。法人税では、利息は原則支払利息として損金算入できますが、発生主義により当期に発生した金額を当期の費用に計上することが前提です。関連当事者間の社内金利が著しく高い場合の否認リスク、借入目的が資本取引や家事関連に関係する場合の不算入、長期前払費用的な処理の誤りは注意が必要です。未払利息勘定科目の使い分けは、期末決算整理で「支払利息/未払利息(未払費用)」の形で行い、翌期支払時に消し込みます。期ズレは税務調整の温床になるため、利率・期間・元本の計算根拠を帳簿と契約書で突合し、過大・過少計上を防ぎましょう。利息割引や遅延損害金の混在は区分計上が安全です。
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ポイント
- 発生主義で当期損金、支払時期は不問
- 関連者間取引は独立企業間価格を意識
- 資本取引関連の利息は損金不算入リスク
消費税で未払利息が非課税となる理由と仕訳の注意点
利息は金融取引に該当し非課税となるため、消費税の課税対象外です。したがって、支払利息や未払利息の計上時は税区分を非課税または対象外に設定します。会計ソフトでは勘定科目に紐づく税区分が自動付与されることがありますが、「支払利息勘定科目がない」と感じる場合でも、科目作成時に税区分を非課税に設定すれば整合します。未払利息の仕訳は期末に「支払利息/未払利息」、支払時に「未払利息/現金預金」で税額計算は発生しません。割引料や手数料など課税の可能性がある費用と利息を混在させないことが実務のコツです。消費税申告では、非課税売上・仕入れとして区分管理し、控除対象仕入税額に影響しない点も押さえてください。
| 論点 | 取扱い | 税区分の目安 |
|---|---|---|
| 利息(支払利息・未払利息) | 非課税取引 | 非課税/対象外 |
| 銀行手数料 | 課税取引のものあり | 課税仕入 |
| 保証料 | 取引内容により区分 | 要確認 |
| 遅延損害金 | 性質により区分 | 要確認 |
上表の区分は実務上の整理です。契約や請求書の記載で最終判定を行いましょう。
税務調整が必要になりやすい場面と未払利息の落とし穴
未払利息と前払利息の区分ミスは税務調整の典型例です。期末をまたぐ利息は、経過期間で按分して当期分のみ支払利息へ、翌期分は前払利息(資産)に振り分けます。借入の長短判定も重要で、1年以内返済部分は流動負債、超は固定負債として表示し、利息の期間対応を担保します。関連会社への社内貸付・社内借入で相場とかけ離れた金利を設定すると、損金否認や受贈益認定の火種になります。税務リスクを減らす手順は次のとおりです。
- 契約書で元本・利率・起算日を明確化
- 期末日に経過日数で按分計算し未払利息を計上
- 課税区分を非課税で固定し、手数料と分けて記帳
- 関連者取引は比較可能レンジの金利を採用
- 支払時に再振替仕訳の要否を確認して期ズレ防止
未払利息勘定科目の英語表記は「Accrued interest」で、損益計算書の支払利息(Interest expenses)とセットで理解すると、決算書の整合が取りやすくなります。簿記の基本どおり発生主義と対応関係を守ることが、精算表から申告書までの誤りを減らす近道です。
貸借対照表・損益計算書での未払利息の見え方を徹底図解
貸借対照表のどこに未払利息を表示する?実際の配置と科目の工夫
未払利息は、支払期日が到来していないが利息が発生済みの負債です。貸借対照表では原則として流動負債に表示し、科目名は「未払利息」または範囲が広い場合に「未払費用」を用います。細分化したい企業は「社債利息の未払」などの補助科目で管理すると整合性が保てます。重要性が低いときは「未払金」に含めず、利息は独立表示が望ましい点がポイントです。注記は、金額が重要性を持つ場合や支払期日が期日後短期か長期かを明確化したい場合に検討します。科目体系は会計方針と一貫させ、発生主義に基づく期間配分を徹底すると、試算表から決算書へのブレが抑えられます。外部への見せ方では、支払利息との整合を意識し、経過利息の計上額と残高のつながりが説明できる状態を保つと信頼性が高まります。
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表示区分は流動負債が基本
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科目は未払利息または未払費用で一貫
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注記は重要性と利用者の理解に資する場合に検討
補助科目や注記は、社債や借入が多い企業ほど効果が高い運用です。
損益計算書では支払利息をどう見せる?位置づけと整合性に注目
支払利息は損益計算書の営業外費用に表示します。見せ方の肝は、当期の利息費用が借入や社債の利率と期間に基づく期間対応で正しく計上されているかです。期末に経過利息が未払いなら「支払利息」を費用計上しつつ、貸借対照表側で「未払利息(または未払費用)」を認識します。翌期の支払時は、未払利息の消込と現金支出を対応させ、二重計上の防止を図ります。会計ソフトで支払利息勘定科目が見当たらない場合は金融費用カテゴリーを確認し、科目新設で一貫運用すると混乱を避けられます。英文表示は、支払利息が「Interest expense」、未払利息が「Accrued interest」での表現が一般的です。簿記学習や実務では、未払利息勘定科目が負債である理由と、支払利息が費用である理由を併せて押さえると、貸借対照表と損益計算書の整合がクリアになります。
会計ソフトで未払利息の処理ミスをゼロに!実用ノウハウ集
支払利息の勘定科目がない?会計ソフト新設や運用もこれで安心
会計ソフトで「支払利息が見当たらない」「未払い利息の科目をどう作るか」で止まっていませんか。まずは科目体系を整理しましょう。原則として利息は損益計算書の費用区分である支払利息、期末未払い分は貸借対照表の未払利息(または未払費用)で管理します。会計ソフトでは勘定科目新設、名称統一、税区分、補助科目の設定が肝です。とくに税区分は対象外が基本、誤って課税計上すると消費税申告に影響します。さらに仕訳ルールのテンプレを用意し、借入単位で相手科目や摘要を固定化しておくと入力の再現性が高まり、決算整理の精度も上がります。未払い利息は負債である理由を仕訳に落とし込み、「当期の利息費用」と「未払の債務」を発生主義で分けて運用することがポイントです。
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ポイント
- 勘定科目新設と名称統一で検索性と精算表の見通しを改善
- 税区分は対象外で固定、消費税計算の誤りを防止
- テンプレ仕訳で摘要・相手科目・補助科目を標準化
決算整理や再振替仕訳を確実に!未払利息の運用マニュアル
未払利息は決算期末で計算し、費用と負債を整えるのが鉄則です。会計処理は発生主義に沿い、当期の期間按分で支払利息を計上し、同額を未払利息へ繰り入れます。翌期首には再振替を実施しないのが原則ですが、期中処理の透明性を上げるため再振替仕訳を採用する運用もあります。どちらを選ぶかは社内方針を明確化し、チェックリストで残高照合まで一気通貫で管理しましょう。未払利息勘定科目は短期負債として貸借対照表に表示され、支払時は未払利息を消し込みつつ元本と利息を区分します。以下の手順を徹底すれば、二重計上や未計上のリスクを下げられます。
- 期末:支払利息の期間按分を計算し、費用と未払利息を同額で計上
- 翌期首:再振替有無の方針に従って仕訳ルールを固定
- 支払時:未払利息を消し込み、当期分利息は支払利息で追加計上
- 照合:試算表と借入金利息計算書で残高・期間の一致を確認
マネーフォワードや弥生会計を使う人のための未払利息設定ガイド
主要ソフトは初期科目名や自動仕訳の学習方法が異なるため、未払利息の設定で迷いがちです。基本は「支払利息=費用」「未払利息=負債」を前提に、科目名と表示区分を確認し、必要に応じて未払費用との使い分けポリシーを決めます。自動仕訳は銀行明細や振込データから学習しますが、利息と元本の区分学習が不十分だと貸借対照表への反映が崩れます。まずは期末の決算整理仕訳をテンプレ登録し、翌期の再振替有無を含めたルールを固定化。学習結果がブレた場合は仕訳の候補を修正して再学習させ、摘要に借入契約名や利率、期間を入れて検索性を高めます。未払利息 勘定科目の英語表記を使う場合は“Accrued interest”で統一し、海外向け資料やIFRS準拠の帳票でも整合性を確保します。
| 項目 | マネーフォワードでの要点 | 弥生会計での要点 |
|---|---|---|
| 初期科目名 | 支払利息は費用区分に標準搭載 | 科目体系は業種別テンプレに依存 |
| 未払科目 | 未払費用を流用可、必要なら未払利息を追加 | 未払費用が標準、未払利息を補助科目で管理可 |
| 自動学習 | 明細ルールで利息/元本を分離学習 | 仕訳辞書で摘要・相手科目を固定 |
| 決算整理 | テンプレ仕訳を期末一括登録 | 期末処理メニューで一括反映が容易 |
補足:どのソフトでも、税区分は対象外の固定設定と、期末の残高照合が安定運用の鍵です。
未払利息をめぐるよくある質問Q&A!勘定科目の疑問を一挙解決
未払利息は負債か?どの勘定科目でどこに表示されるか一目でわかる
未払利息は、利息が発生しているのにまだ支払っていない状態を指し、貸借対照表の流動負債に表示します。勘定科目は原則として未払利息(または未払費用)を使い、対応する費用は損益計算書の支払利息です。基準は発生主義で、期末に利息分を計上し、翌期の支払時に消し込みます。なお、英語表記は負債がAccruedinterest、費用はInterestexpenseが一般的です。個人事業主や中小企業の経理でも考え方は同じで、会計ソフトの科目名が見つからない場合は科目の追加または未払費用で代替します。誤りやすいのは支払時に費用を二重計上してしまうことです。
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ポイント
- 未払利息は負債、支払利息は費用
- 期末は決算整理仕訳で未払を認識
- 支払時は未払利息を消込して現金預金を減少
補足として、社債利息や借入利息など対象の契約期間を期間按分で正確に見積もることが重要です。
未払費用と未払利息の違いは?勘定科目や会計ソフト設定のポイント
未払利息は未払費用の一種ですが、利息に限定した明細科目として使う点が違いです。運用上は、科目を分けるほど残高管理が明確になり、試算表や貸借対照表での見方が向上します。会計ソフトで「支払利息勘定科目がない」場合は、科目設定から支払利息(費用)と未払利息(負債)を追加しましょう。迷った時は以下を基準にすればスムーズです。
| 判断基準 | 使う科目 | 表示区分 |
|---|---|---|
| 利息の未払い | 未払利息 | 貸借対照表(流動負債) |
| 利息の費用 | 支払利息 | 損益計算書(営業外費用) |
| 利息以外の未払い | 未払費用 | 貸借対照表(流動負債) |
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仕訳の型
- 期末計上:支払利息(費用)/未払利息(負債)
- 支払時:未払利息/現金預金
- 前払がある場合:前払利息/現金預金
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会計ソフト設定のコツ
- 科目の名称を統一(簿記用語に合わせる)
- 自動仕訳ルールで決算整理のテンプレを登録
- 利息は期間按分の計算式をメモ化
補足として、税務上も利息は損金算入の時期が重要で、発生主義に沿った計上が前提です。

