信販加盟店審査が通らない原因と対策|今すぐ見直すクレジット決済の落とし穴

「信販の加盟店審査が通らない」のは、業種でも売上規模でもなく、役務設計と情報開示の“ほんの数行”で減点されているケースが大半です。ここが整理されていないまま、信販会社や決済代行会社、カードブランドに申請を繰り返すと、審査落ちが続くだけでなく、業界内での信用情報に近い履歴として刻まれます。見えないところで、今後のクレジット決済導入の選択肢まで削られていきます。

多くの加盟店がやりがちなのは、
「業種がグレーだから」「うちはまだ小さい会社だから」と決めつけ、
会社案内レベルの資料と、コピペした特定商表記・利用規約だけを整えて申請するパターンです。
このやり方は、仮承認までは届いても本審査で差し戻される典型ルートです。否決メールの文面からは理由が読み取れず、何を直せば通るのかも分からないまま時間だけが溶けます。

本当に見られているのは、次のようなポイントです。

  • Web制作・エステ・オンライン講座などの継続役務を、どこで区切り、どの期間・料金で契約させているか
  • サイトやECカートの特定商取引法表記に、クーリングオフ・中途解約・返金の具体的なフローが示されているか
  • ここ半年〜1年で、信販や決済代行会社に多重申請していないか
  • 実際の運用と、利用規約・契約書・クレジット決済フローが一致しているか

これらは検索上位の記事ではほとんど触れられません。カード決済やSquareなどのキャッシュレス導入記事は、メリット・手数料・導入方法に終始し、「どんな書き方をすると否決リスクが跳ね上がるか」までは踏み込んでいません。

この記事では、信販加盟店の審査現場を知る立場から、

  • なぜ「カード決済は通ったのに、信販だけ通らない」のか
  • どんな役務の区切り方・契約期間なら、リスクの低いビジネスとして評価されるのか
  • どこから相談内容を伝えれば、プロが最短で対策を組めるのか
  • 信販が難しい場合に、クレジットカード・QR・自社分割・ビジネスローンをどう組み合わせるか

を、具体的な修正手順とケーススタディで解体していきます。導入文だけで理解したつもりになると、実務で変わりません。自社サイトと契約書を手元に置き、どこをどう書き換えれば「通過しやすい事業」に変わるかを、本文で一つずつ確認してください。

以下のロードマップをざっと眺めてから、必要なセクションに進んでください。

セクション 読者が手にする具体的な武器(実利) 解決される本質的な課題
記事前半(審査の目線・NG表記・本当の原因・通らない加盟店の共通点・ケーススタディ) 自社の業種・役務・サイト表記をどこまで変えれば、信販加盟店審査の通過率が上がるかを判断できるチェックリストと具体例 「なぜ審査が通らないのか分からない」「業種や売上のせいだと決めつけている」状態から抜け出し、否決要因を自社で特定できない問題
記事後半(相談の切り出し方・フロー再設計・代替決済とビジネスモデルの選択) 専門家への相談テンプレート、役務と決済フローの再設計手順、信販以外も含めた決済手段の組み合わせパターン 「書類だけ整えて申請を繰り返す」「信販に固執して機会損失が続く」状況を脱し、現実的な決済戦略と事業設計に切り替えられない問題

信販加盟店審査が通らない状態を放置すると、高額商品の販売機会だけでなく、事業全体の信用度と将来の選択肢が目減りします。ここで一度、決済・役務・契約の設計そのものを見直す方が、次の1件の申請よりもはるかに大きな回収につながります。本文で、順番に潰していきましょう。

  1. 「審査が通らない…」と検索したくなる瞬間はいつか?現場で頻発する3つのシナリオ
    1. 審査否決メールが届くまでのリアルなフローと“モヤモヤ”の正体
    2. Web制作・エステ・オンライン役務…業種ごとに違う「加盟店」への目線
    3. 「カード決済は通ったのに、信販だけ落ちる」ケースが生まれる理由
  2. 信販加盟店審査は“何を見ているのか”──カード・決済代行の記事が語らないチェックリスト
    1. 会社・店舗の「事業状態」と公序良俗チェック:業種・役務のどこが要注意ポイントになるのか
    2. サイト・コーポレートサイト・ECカートに潜むNG表記:特定商取引法・特定継続的役務の落とし穴
    3. 契約・クーリングオフ・中途解約フロー:利用規約と実運用のズレが通過率を下げる
  3. 「業種が悪い」「売上が足りない」は半分ウソ?プロが見る“本当の原因”
    1. 価格や分割回数より、“役務の区切り方”で信販のリスク評価は変わる
    2. 短期間の多重申請が「信用情報」に近い扱いを受けることがある話
    3. 「人気サービスだから大丈夫」という思い込みがトラブルと損失を生む構造
  4. こういう準備で落とされる:現場でよく見る「通らない加盟店」の共通点
    1. 事前準備が“会社紹介パンフレットレベル”で止まっている
    2. 特定商表記・利用規約・返金ルールのコピペ運用が招くリスク
    3. サービス内容と契約期間・料金のバランスが崩れているケーススタディ
  5. ケーススタディで理解する「通過する事業」と「何度出しても落ちる事業」の分かれ目
    1. Web制作会社の事例:96回払いにこだわった結果、審査でNGになった構造
    2. 地方エステ・スクールの事例:役務期間とクレーム履歴がネックになったパターン
    3. オンライン講座・サブスク型サービスの事例:EC/対面の違いがあいまいなことで起きたトラブル
  6. 相談の“切り出し方”で結果が変わる:LINE/メール風やり取りの良い例・悪い例
    1. 【悪い例】「とにかく審査を通したいです」だけ送ってしまうメッセージ
    2. 【良い例】業種・決済フロー・トラブル履歴まで共有した相談テンプレート
    3. 返信でよく飛んでくる「追加質問」と、その意味を解説
  7. 審査対策は「書類を整える」だけでは足りない:決済・役務・運用フローの再設計ステップ
    1. 役務を分解して“短期+継続”に組み替えるステップ設計
    2. 契約・クーリングオフ・返金ルールを、ユーザーと信販の両方に伝わる形にする
    3. Webサイト・掲載情報・店舗案内を一気通貫でチェックする簡易フレーム
  8. 信販がどうしても難しいケースで考えるべき「代替決済」とビジネスモデルの選択
    1. カード・QR・キャッシュレス・ビジネスローン等、他の決済手段の現実的な組み合わせ方
    2. 「一括+自社分割」「オンライン+対面」など、運用でリスクを下げる発想
    3. 信販加盟店にこだわりすぎないための検討フローと時間の使い方
  9. 執筆者紹介

「審査が通らない…」と検索したくなる瞬間はいつか?現場で頻発する3つのシナリオ

「また否決メールか…もう信販は無理かも」とブラウザに「信販 加盟店 審査 通らない」と打ち込む瞬間は、いつも突然ではなく、静かに積み重ねた違和感が爆発したタイミングです。現場で本当によく出会うのは、次の3パターンです。

  • Web制作会社:カード決済は導入済み、制作費80〜200万円をクレジット分割にしたくて信販申請→連続否決

  • 地方エステ・スクール:60万〜100万円のコース販売、既存客から「分割ないの?」と言われ続け、信販に挑戦→「業種」で門前払いされた感覚

  • 高単価オンライン講座・コンサル:Zoom完結・サブスク型のため「ECカート+信販」でスケールさせたい→仮承認から本申請で急転直下のNG

この3つに共通するのは、「サービス自体は喜ばれているのに、決済だけが前に進まない」というギャップです。

審査否決メールが届くまでのリアルなフローと“モヤモヤ”の正体

否決メールが刺さるのは、単に「落ちた」からではなく、「どこを直せばいいか全く書いていない」からです。現場の流れを一度、冷静に分解してみます。

信販加盟店審査のざっくりフローは次の通りです。

  • 事前相談(決済代行会社や紹介会社、信販営業とのやり取り)

  • 仮申請(申請書・登記簿謄本・サイトURL・パンフレット等の提出)

  • 仮承認(この時点で“ほぼ通った”と誤解しがち)

  • 本申請(契約書・申込書フォーム・クーリングオフ・中途解約ルールの詳細確認)

  • 社内審査会での最終判断

  • 否決メール or 条件付き承認

特に多いトラブルは、「仮承認が出たから安心して、利用規約や解約ルールの詰めを後回しにしたら、本申請で差し戻され、そのまま否決に変わるケース」です。

よくある“モヤモヤ”と信販側の本音を対応させると、次のようになります。

加盟店側のモヤモヤ 信販側が実際に見ている論点
仮承認が出たのに急にNGになった 解約・返金・クーリングオフの運用があいまい
売上規模も黒字なのに「総合的判断」とだけ書かれた クレームになりやすい設計かどうかの定性的リスク評価
「業種的に難しい」とぼかされる 役務期間・支払い回数・提供方法の組み合わせが危険

この「総合的判断」の中身を、業界人の目線で分解して見せることが、この記事のテーマです。

Web制作・エステ・オンライン役務…業種ごとに違う「加盟店」への目線

同じ「高額サービス」でも、信販の目線は業種ごとにかなり違います。よく相談が来る3ペルソナを軸に整理します。

ペルソナ 信販が一番気にするポイント
設立3年目のWeb制作会社 完了基準・検収フロー・保守と制作の役務の切り分け
地方エステサロン・スクール運営者 コース期間・途中解約のルール・返金と回数券の扱い
高単価オンライン講座・コンサル オンライン提供の証跡・ECと対面の区別・継続課金条件

表現を変えると、「何を売っているか」よりも「どう売って、どう終わらせるか」を見ている、ということです。

  • Web制作:制作完了前に代金だけ先行していないか

  • エステ・スクール:半年〜2年の長期コースを一括前受けしていないか

  • オンライン講座:受講実績の証明方法や、解約後のコンテンツアクセスがどうなっているか

特定商取引法上、Web制作・エステ・スクール・一部のオンラインスクールは「特定継続的役務」に近い扱いを受けます。役務(サービス提供)の期間が長く、かつ高額だから、トラブル時の回収リスクが大きいと判断されるわけです。

「カード決済は通ったのに、信販だけ落ちる」ケースが生まれる理由

「クレジットカード決済はSquareやStripeで普通に通っているのに、信販だけが何社出しても否決」という相談もかなり多いです。ここには、審査の“ゴール”の違いがあります。

  • カード決済会社の主眼

    → 不正利用やチャージバックのリスクを中心にチェック
    → 売上規模・業種・サイト表記を見つつ、比較的ライトな審査で導入可能なことも多い

  • 信販会社の主眼

    →「顧客に立替払いしたお金を数十回かけて回収しきれるか」を見る
    → 役務の実在性、契約・クーリングオフ・中途解約フローの細部まで確認

「カード決済OK=信販も通る」は成り立ちません。むしろ、カードが先に通っているからこそ、

  • 信販の方が分割回数が長い

  • 顧客1人あたりの代金が大きい

  • 継続課金やサブスク要素が強い

と判断され、より厳しく見られます。

短期間に複数の信販会社・決済代行会社へ一斉申請した履歴が共有されてしまうケースもあり、「どこか1社通ればラッキー」という動き方は、信用情報に近い意味でマイナスに働くことがあります。

信販の審査が通らない状態で焦って多重申請を繰り返すより、「役務の区切り方」「契約期間の設計」「サイト表記」の3点を先に再設計した方が、最終的な通過率も、事業としての安心感も上がります。私の視点で言いますと、ここを変えないまま申請先だけ増やすのは、アクセル全開で霧の中を走り続けるようなものです。

信販加盟店審査は“何を見ているのか”──カード・決済代行の記事が語らないチェックリスト

「書類もサイトも出したのに、なぜ信販だけ落ちるのか」。ここでつまずいている加盟店は、“お金の回り方”と“トラブル時の出口”を見られていることを理解できていないケースが多いです。私の視点で言いますと、信販審査はカードブランド名よりも、あなたの事業の“解約シミュレーション”を厳しく見ています。

会社・店舗の「事業状態」と公序良俗チェック:業種・役務のどこが要注意ポイントになるのか

信販会社がまず見るのは、登記簿謄本や決算書ではなく、「このビジネスはクレームになりやすい構造か」です。ポイントは次の3つです。

  • 業種よりも「役務の長さ」と「前受金の比率」

  • 特定継続的役務(エステ、スクール、オンライン講座に近い継続サービス)かどうか

  • 公序良俗リスク(誇大な効果謳い・グレーな情報商材・投機性の高い商品)

とくにWeb制作会社・エステ・オンラインスクールのような高額役務は、「実際の提供が終わる前に代金だけ先に回収する決済フロー」になりやすく、信販側のリスク評価が跳ね上がります。

公序良俗・事業状態チェックのざっくりイメージは次のとおりです。

チェック観点 通りやすいケース 通りにくいケース
事業の継続性 1年以上の運営実績がサイトや登記で確認できる 開業直後で事業内容も頻繁に変更
役務内容 回数・期間・提供方法が明確 「稼げる」「絶対痩せる」など抽象的表現だけ
代金回収 提供期間に沿って決済設計 3年コースを一括前受・96回分割
公序良俗 美容・教育でもリスク説明が明記 投資・副業系でリターンを保証する表現

「うちは業種でNGと言われた」という相談の多くは、役務の区切り方と期間設計を変えればグレーからライトグレー程度に戻せるケースがかなりあります。

サイト・コーポレートサイト・ECカートに潜むNG表記:特定商取引法・特定継続的役務の落とし穴

審査担当が次に見るのは、会社概要ではなく特定商取引法表記ページと商品詳細ページです。ここが甘いと、売上規模に関係なく一撃否決になり得ます。

チェックされやすいNGパターンを整理します。

  • 特定商取引法(特定商)の必須項目が欠けている

    • 事業者名・住所・電話番号・運営責任者
    • 代金の支払時期と方法(クレジット・信販・一括・自社分割など)
    • 役務提供時期・期間
  • 返金・キャンセルの条件が曖昧

  • サブスクなのに「解約方法」「更新タイミング」の記載がない

  • ECカートの商品ページと特定商表記で価格や期間が食い違う

特定継続的役務に近いサービス(エステ、教室、オンライン講座)は、特に次の4点がズレていないかを確認してください。

  • 回数・期間:全○回・○カ月なのかが明確か

  • 総額:入会金・教材費・月額の合計がはっきり書かれているか

  • 支払方法:クレジットカード決済と信販分割を混同していないか

  • 中途解約・クーリングオフ:条件と手続き窓口が明記されているか

この4つをサイト・申込フォーム・パンフレット・利用規約で照らし合わせ、「どれを読んでも同じ情報にたどり着く状態」になっている加盟店は、審査通過率が体感でかなり高まります。

契約・クーリングオフ・中途解約フロー:利用規約と実運用のズレが通過率を下げる

信販審査は、契約書と利用規約を読みながら、架空のクレーム電話を頭の中で再生していると思ってください。

  • 「途中で辞めたい」と言われた時、どう計算していくら返すのか

  • クーリングオフが来た場合、どこが受付窓口になり、どの決済を取り消すのか

  • 役務提供前・途中・完了後で、返金可否がどう変わるのか

ここが「実際は柔軟に対応しています」と口頭説明レベルで止まっていると、運用フローの不明瞭さ=回収リスクと判断されます。

対策として、最低限次の3ステップは紙に落としておくべきです。

  • 契約開始から終了までのタイムラインを図解する

  • フェーズごとに「キャンセルされた場合の計算式」と「信販会社への連絡タイミング」を決める

  • 利用規約・申込書・サイト上の説明を、そのタイムラインに合わせて書き換える

「仮承認までは通ったのに本申請で差し戻し」というパターンは、ここが曖昧なまま進めた結果、信販側の内部審査で“出口設計が弱い加盟店”と判定されたケースがほとんどです。

契約書を飾りの書類から、「クレーム対応マニュアルを兼ねた設計図」に変える。ここまで落とし込めるかどうかが、信販加盟店審査の静かな分かれ目です。

「業種が悪い」「売上が足りない」は半分ウソ?プロが見る“本当の原因”

「うちはエステだから無理」「売上が小さいWeb制作だから落ちたはず」
そう思った瞬間、原因分析が止まり、いつまでも同じ書類で申請し続けるループに入ります。
審査現場の感覚に近い言い方をすると、信販が見ているのは“業種ラベル”よりも“トラブルの起きやすさが透けて見える設計かどうか”です。

信販が気にするのは、例えば次の3レイヤーです。

  • 役務の設計(期間・区切り方・提供タイミング)

  • 決済フロー(申込→契約→入金→提供→解約・返金)

  • 申請履歴・クレーム履歴(信用情報に近い扱い)

私の視点で言いますと、ペルソナ3のような高単価オンライン講座や、ペルソナ2のエステサロンは、ここを変えただけで「同じ業種・同じ売上でも通過率がガラッと変わる」ケースを何度も見てきました。

ポイントを3つの論点に分解します。

価格や分割回数より、“役務の区切り方”で信販のリスク評価は変わる

「そんなに高くないのに否決された」「96回払いをやめたのに通らない」という相談が多いですが、価格や回数だけをいじっても、役務の塊が大きいままなら“長期・高リスク”判定はほぼ変わりません。

信販側から見ると、次のような構造は危険信号です。

  • 提供期間が1年以上なのに、前半と後半の中身がほぼ同じ

  • 途中解約の返金ルールが「残回数×月額」しか書かれていない

  • 最初の1〜2カ月で実質すべての価値を渡してしまうWeb制作・講座

これに対して、通りやすい設計はこうなります。

  • 「導入・初期構築」と「保守・サポート」を契約上きちんと分ける

  • 3カ月ごとなど短期で成果が区切れる役務を明文化する

  • 中途解約時に「未提供パート」をきちんと算出できる式を示す

下記のように整理すると、自社のリスク印象が掴みやすくなります。

観点 落ちやすい設計 通りやすい設計
役務の区切り 2年一括・中身ほぼ同じ 3〜6カ月ごとに段階分割
提供タイミング 初期に価値をほぼ提供 期間全体に均等配分
解約・返金 「残回数×月額」の一行のみ 提供済/未提供を計算式で提示

ペルソナ1のWeb制作会社であれば、「制作一式+1年保守」を1本にせず、制作完了時点で1契約を完結させ、保守は月額の継続利用契約に分けるだけでも、信販のリスク評価は大きく変わります。

短期間の多重申請が「信用情報」に近い扱いを受けることがある話

あまり表には出ませんが、短期間に複数の信販会社・決済代行会社へ一斉申請する行為は、業界内で“要注意フラグ”に近い扱いになります。

  • 1〜2カ月の間に、3社以上へ同じ役務内容で申請

  • 否決されるたびに内容を変えず、そのまま別会社に横流し

  • 否決理由のフィードバックを自社で整理していない

この履歴が共有されると、こんな見え方になります。

  • 「審査で指摘されたリスクを放置している」

  • 「加盟店としてのリスク感度が低い」

  • 「問題が起きた時に顧客管理・トラブル対応が雑になるかもしれない」

クレジットカードの信用情報と同じで、一度ついた印象は短期では消えません。
申請前に最低限、次の2点だけは表にしておくと良いです。

  • 過去12カ月で申請した会社名・時期・結果

  • 否決・保留になった際に指摘されたポイントと、その修正状況

この“自己信用情報リスト”を整理してから動く加盟店ほど、「今回は設計をここまで変えました」と説得力を持って説明できるため、信販側の目線も変わります。

「人気サービスだから大丈夫」という思い込みがトラブルと損失を生む構造

地方のエステサロンやオンラインスクールの相談で多いのが、「他社もやっている人気プランだから問題ないはず」という前提です。

ここに潜むリスクは3つあります。

  • 人気サービスほど、クレームや返金要望の“絶対数”は増えやすい

  • 特定商取引法や特定継続的役務の観点で見ると、グレーな構造がそのままコピーされている

  • 「みんなやっているから」という理由で、クーリングオフや中途解約の説明が薄くなりがち

信販は、「人気かどうか」ではなく「トラブル発生時にどう回収・対応できる設計か」を見ています。
特に高額オンライン講座・コンサルでは、次のようなギャップが否決理由になりやすいです。

  • LPやセールスページが“成果保証”っぽい表現で煽っている

  • 利用規約では「成果は保証しません」と真逆のことを書いている

  • 顧客が「話が違う」と感じたときの相談窓口が曖昧

ここを整理せずに「人気だから信販もOKだろう」と進めると、加盟店も信販も顧客も全員が損をする三重苦になりかねません。
「業種」「売上」「人気」ではなく、役務設計・申請履歴・情報開示の3点セットをまず見直した方が、遠回りなようで最短距離になります。

こういう準備で落とされる:現場でよく見る「通らない加盟店」の共通点

「うちのサービスはちゃんとしているのに、信販だけなぜか落ちる」
このタイプには、業種より先に“準備の方向性そのもの”がズレているパターンがかなり多いです。

事前準備が“会社紹介パンフレットレベル”で止まっている

信販が見たいのは「良さげな会社」ではなく、「支払い完了まで安全に走り切れる事業か」です。
ところが現場では、次のような資料セットで申請してしまうケースが目立ちます。

  • コーポレートサイトURL

  • 会社案内PDF

  • 代表挨拶・沿革

  • 制作実績やビフォーアフター写真

これ自体は悪くありませんが、信販目線の情報がごっそり抜けていることが問題です。

信販が本当に見たい情報を整理すると、優先順位はこうなります。

見られているポイント 信販が知りたいことの核心 よく抜け落ちている例
役務内容 何をどこまで提供するかが具体か 「Web制作一式」「エステコース一式」で終わっている
役務期間 いつ始まっていつ終わるか 「半年程度」「目安3カ月」など曖昧表現
回収フロー 入金〜完了までのステップ 「都度請求します」とだけ記載
解約・返金 途中解約時の代金精算ルール 「都度協議」「ケースバイケース」と書いてしまう

私の視点で言いますと、否決案件の多くは、ビジネスの中身より「説明不足」で落ちている印象が強いです。
パンフレットではなく、「信販に提出する“運用マニュアルの骨組み”」を用意するイメージに切り替えてください。

特定商表記・利用規約・返金ルールのコピペ運用が招くリスク

Web制作会社やオンラインスクールの相談で特に多いのが、特定商取引法表記と利用規約の丸パクリ問題です。

よくあるNGパターンを整理します。

  • 他社のテンプレをそのまま流用

  • 「返金不可」「原則返金しない」とだけ書いている

  • クーリングオフの記載が法律とズレている

  • サイト上の表記と実際の説明内容が噛み合っていない

ここで信販が疑うのは、「クレームになった時に収拾がつくか」という点です。
特に特定継続的役務(エステ・スクール・高額Web制作に近い契約形態)の場合は、

  • クーリングオフの有無と期間

  • 中途解約時の返金計算方法

  • 解約の連絡手段(メール・LINE・書面など)

  • 返金の入金タイミング

一行ずつ、具体的に書かれているかが重要になります。

テンプレをコピペしていると、ここがスカスカになりがちで、
「トラブル時のルールが見えない=リスク高」と判断され、通過率が落ちます。

サービス内容と契約期間・料金のバランスが崩れているケーススタディ

信販審査でよく止まるのが、「役務のボリューム感と期間・料金の整合性」です。

たとえば次のような設計は、かなり疑われやすくなります。

  • Web制作:着手から2カ月程度で納品なのに、96回払い(8年)で申請

  • オンライン講座:動画は最初の3カ月で全部視聴可能なのに、契約期間は3年

  • エステ:実際の来店想定は1年なのに、一括先払いで3年分を契約

信販からすると、

  • 「役務提供が終わった後も、長期間支払いだけが続く」

  • 「中途解約が多発しそう」

という構造に見え、**“長期クレーム予備軍”として扱われやすくなります。

整理すると、通る構造と落ちやすい構造は次のように違います。

パターン 通りやすい設計例 落ちやすい設計例
Web制作 着手金+納品時残金+保守は別途月額 一式料金を長期分割、役務は最初の数カ月で終了
エステ・スクール コース期間=契約期間、延長分は都度追加契約 想定利用1年なのに、3年一括契約&長期分割
オンライン講座 基礎は短期払い、継続サポートは月額サブスクで分離 動画は最初で見切れるのに、数年分のパック料金

「高単価で長期分割」がダメなのではなく、役務の実態と支払い期間がちぐはぐなときに、信販のリスク評価が一気に厳しくなります。

ここまで読んで、自社が「パンフレット型の準備」「コピペ規約」「アンバランスな期間設定」のどこに当てはまりそうか、一度メモに書き出すところから手をつけると、次の申請の通過率は目に見えて変わってきます。

ケーススタディで理解する「通過する事業」と「何度出しても落ちる事業」の分かれ目

「うちのサービスが悪いわけじゃないのに、なぜ信販だけ通らないのか?」
そのモヤモヤは、売上規模や業種より「設計のクセ」から生まれていることが多いです。現場で実際に見てきた典型パターンを3つに絞って、通過する事業との分かれ目を具体的に切り出します。

Web制作会社の事例:96回払いにこだわった結果、審査でNGになった構造

設立3年目のWeb制作会社が、300万円のサイト制作費を96回のクレジット分割決済で組もうとしていたケース。
否決の決定打になったのは「金額」ではなく、次の3点でした。

  • 役務提供が3〜4カ月で完了するのに、支払い期間だけ8年

  • 継続保守の範囲がサイトに明記されておらず、特定商取引法の表記もあいまい

  • 中途解約時の返金ルールが「個別相談」とだけ書かれていた

信販側の目線では、「とっくに納品済みの商品に、長期で代金だけ残る構造」は回収リスクが高いと判断されます。
ここで通過した会社は、同じ300万円でも次のように役務を分解していました。

項目 通らなかったパターン 通過したパターン
制作費 一括300万円・96回払い 制作200万円・24回払い
保守 契約書にほぼ記載なし 月額管理料・毎月カード決済
特定商表記 制作一式のみ 制作と保守を別サービスとして明記
中途解約 個別相談 返金計算方法を具体的に記載

「全部を長期信販で回収する」のではなく、短期の制作+継続の保守を切り分ける設計にすることで、審査の信用度が一気に変わります。

地方エステ・スクールの事例:役務期間とクレーム履歴がネックになったパターン

地方のエステサロン兼スクールが、100万円超のコースを信販導入しようとしたケース。
書類も店舗写真も整っているのに通過しない背景には、「特定継続的役務」に近い構造とクレーム履歴が絡んでいました。

  • 役務期間が3年コース固定、途中解約の返金ルールは口頭説明のみ

  • 「予約が取れない」「担当者が辞めた」などのクレームが、Google口コミやSNSに散見

  • 特定商取引法の表記で、クーリングオフの説明がテンプレコピペ

ここで信販が気にするのは、「途中で通えなくなった顧客と、どう着地させる設計か」です。
同じような規模でも通る店舗は、次のような準備をしていました。

  • コースを「半年+更新制」に変更し、長期拘束を避ける

  • 役務提供期間と回数をサイトと契約書の両方に明確に記載

  • クーリングオフ・中途解約の手続きフローを紙とWebで統一

  • 過去のトラブルを整理し、「今はこう運用している」と説明できる状態にする

信販審査では、売上よりも「クレームになりやすい運用フローをどれだけ言語化できているか」が強く見られます。

オンライン講座・サブスク型サービスの事例:EC/対面の違いがあいまいなことで起きたトラブル

高単価オンライン講座を運営する個人事業主のケース。
Zoom講義+動画配信+コミュニティ参加をまとめて、ECサイトから一括申し込み+信販分割にしていましたが、ここでつまずきが発生しました。

  • サイト上は「EC商品」のように見えるのに、実態は長期の役務提供

  • 対面コンサルも含まれるが、どこまでが料金内か役務内容が不明瞭

  • サブスク型の継続課金と、一括の信販契約が混在している

その結果、
「ECカートで物販のように売っているが、特定商取引法上は役務に近く、解約・返金の取り扱いが不透明」
という理由で差し戻されるケースが出てきます。

通過しやすい形に整えた事例では、次のような整理を行っていました。

ポイント 改善前 改善後
サービス分類 すべて“講座一式”で一括表示 入会金・基礎講座・応用講座・コミュニティを分離
決済方法 一括信販+サブスクが混在 一括は基礎講座のみ、コミュニティはカード月額
表記 「一生サポート」など曖昧な表現 期間・回数・サポート範囲を数値で明記
販売チャネル ECサイトのみで完結 対面説明+申込書、オンラインは説明ページを別途用意

オンライン役務は「物販っぽく見せる」ほど、信販側との認識ズレが大きくなる傾向があります。
私の視点で言いますと、「ECか対面か」「一括か継続か」をまず言葉で切り分け、その上で決済手段を選ぶ事業ほど、審査通過率とその後のトラブルの少なさがはっきりしています。

相談の“切り出し方”で結果が変わる:LINE/メール風やり取りの良い例・悪い例

「信販の加盟店審査が通らない」相談は、最初の3行で8割決まる。ここを外すと、プロ側の頭の中であなたの事業像がぼやけたまま進み、ムダな往復メッセージが増えてタイムロスが発生する。

私の視点で言いますと、Web制作会社でもエステサロンでもオンライン講座でも、“情報の順番”と“粒度”を整えた相談ほど、通過率も改善スピードも明らかに違う。

【悪い例】「とにかく審査を通したいです」だけ送ってしまうメッセージ

よくあるのが、次のようなLINE/メール。

「信販の審査が通らず困っています。とにかく審査を通したいです。
一度見てもらえませんか?」

一見シンプルで丁寧だが、プロ側から見える情報は“ゼロ”に近い。業種も役務もサイトURLも申請履歴も不明で、ヒアリングからやり直しになる。

悪い相談メッセージの典型パターンを整理するとこうなる。

パターン 中身 なぜNGか
抽象ワードだけ 「審査」「通過」「不安」程度 事業のリスクが全く判定できない
事実が欠けている 業種・金額・期間・申請先が不明 信販側のどの基準に触れているか推測不能
感情メイン 「本当に困っています」だけ強調 クレームリスクの匂いすら出かねない
多重申請を隠す 他社否決履歴を書かない 信用情報を軽く扱う姿勢と受け取られる

Web制作会社であれば「制作一式」としか書かない、エステサロンなら「コースいろいろ」、オンラインスクールなら「コンテンツ提供」とだけ書く。これでは公序良俗チェックも特定商取引法チェックもスタート地点に立てない。

【良い例】業種・決済フロー・トラブル履歴まで共有した相談テンプレート

通りやすい事業に共通しているのは、「相談の時点で審査目線をある程度代行している」こと。具体的には、最低限この7点を1通にまとめて送るとプロの動きが一気に速くなる。

  • 事業概要(業種・役務内容・ターゲット顧客)

  • 決済フロー(対面かオンラインか、ECカート有無、カードと信販の使い分け)

  • 価格帯と分割回数(例:30万を36回、サブスク1万/月など)

  • 役務期間と提供方法(特定継続的役務に当たりそうか)

  • 自社サイトURL(特定商取引法表記・利用規約が見られるページ)

  • 申請履歴(どの信販・代行会社に、いつ、結果はどうだったか)

  • 過去のトラブル履歴(クレーム・中途解約・返金対応の有無)

これをLINE/メールに落とすと、次のようなイメージになる。

「設立3年目のWeb制作会社です。
主に中小企業向けに50〜150万円のサイト制作を提供しています。
現在、対面契約+請求書払いのみで、ECやカートシステムは未導入です。
今回、制作費80〜120万円を36回程度のショッピングクレジットで分割できるよう、加盟店審査を通したいと考えています。
役務は『企画・設計1〜2カ月+制作1〜2カ月+納品後サポート6カ月』のイメージで、特定商取引法表記と利用規約は下記ページにまとめています。(URL)
直近3カ月でA社・B社の信販に申請しましたが、いずれも『役務期間・解約ルールの不明確さ』を理由に否決でした。
過去1年でクレームは2件あり、いずれも納期遅延による返金対応済みです。
この条件で、審査通過に向けて改善すべき点をご教示いただけますでしょうか。」

エステサロンやオンライン講座でも、上記7点の枠組みはそのまま使える。トラブル履歴をあえて出す勇気が、信販目線での信用度をむしろ高める。

返信でよく飛んでくる「追加質問」と、その意味を解説

プロにしっかり情報を渡しても、必ずいくつか追加質問が返ってくる。その質問の意図を理解しておくと、次の一手が読みやすくなる。

  • 「役務提供の最長期間は何カ月ですか?」

    →特定継続的役務や長期契約に該当しないか、公序良俗リスクやクーリングオフ範囲を確認している。

  • 「中途解約時の返金計算方法を具体的に教えてください」

    →解約・返金フローが“口約束レベル”か、“計算式と運用が一致しているか”をチェックしている。ここが曖昧だと否決要因になりやすい。

  • 「過去のクレーム件数と対応内容を時系列で教えてください」

    →顧客管理と回収リスクの実態把握。件数そのものより、対応の誠実さと再発防止の有無を見ている。

  • 「カード決済と信販決済の使い分けルールはありますか?」

    →ECか対面か、サブスクか一括かを踏まえ、決済システム全体のリスクバランスを確認している。

  • 「同時に申請している他社決済代行会社はありますか?」

    →短期間の多重申請が“信用情報的な赤信号”になっていないかの確認。一斉申請を匂わせる回答は避けたいポイント。

このあたりをあらかじめ社内で整理してから相談に入ると、「相談→設計→再申請」までのリードタイムが1〜2カ月短縮されるケースも珍しくない。
信販加盟店審査は、書類の不足よりも「情報の出し方」で差がつく。最初の1通を“審査目線の要約”に変えることが、通過に近づく一番速いショートカットになる。

審査対策は「書類を整える」だけでは足りない:決済・役務・運用フローの再設計ステップ

「書類は揃えたのに、信販の加盟店審査が通らない」。ここで止まっている事業は、共通してビジネスの“中身の設計”が古いままです。信販会社は申請書ではなく、実際の運用フローを丸ごと採点しているイメージに近いです。

役務を分解して“短期+継続”に組み替えるステップ設計

信販審査が嫌うのは「長期・高額・中身が見えにくい役務」です。ここを崩さない限り、Web制作・エステ・オンライン講座は苦戦し続けます。

役務の再設計は、次の3ステップで考えると通過率が一気に変わります。

  1. 現在の役務を棚卸しする

    • 例:Web制作一式、6カ月スクール、12カ月オンライン講座
  2. 成果物が明確な短期パートと、フォロー中心の継続パートに分ける

    • 短期:初期制作、導入3カ月、初回施術コース
    • 継続:保守・コンサル・アフターフォロー
  3. 分割請求と役務提供のタイミングを「ズラさない」ように並べ替える

上記を実行すると、信販側のリスク評価はこのように変わりやすくなります。

設計パターン 信販から見えるリスク コメント
12カ月一括役務・前倒し入金 中途解約時の返金リスクが高い 否決・条件付き承認が増えやすい
3カ月短期+月額継続 解約ポイントが明確で回収計画も読みやすい 審査担当の心理ハードルが下がる
高額サブスクのみ 中身が不透明だと公序良俗チェックも厳格化 役務内容の細分化が必須

「役務の区切り方」を変えるだけで、売上総額を維持したまま、信販が持つ不安を削ることができます。

契約・クーリングオフ・返金ルールを、ユーザーと信販の両方に伝わる形にする

信販審査で見られているのは、“トラブルになった時に筋が通るか”です。ここが曖昧な契約書は、それだけで大きなマイナスポイントになります。

最低限、次の3点を契約書と利用規約の両方に、同じ内容で明文化しておきます。

  • クーリングオフの可否と期間

  • 中途解約の条件(いつ・どこに・どう申し出るか)

  • 返金額の計算方法(提供済み役務の算定ロジック)

よくある否決案件は、ここが「口頭説明に依存」していたり、サイトと契約書で表現がズレています。業界人の目線で言うと、信販は“クレームになりやすい運用フローが、紙に書けているか”を細かく見ています。

「~をしている私の視点で言いますと~」信販担当とのやり取りで一番刺さるのは、契約書の条文だけでなく、実際の運用マニュアル(社内用)をセットで提示することです。机上ではなく、現場でどう管理しているかが具体化され、一気に信用度が上がります。

Webサイト・掲載情報・店舗案内を一気通貫でチェックする簡易フレーム

書類を完璧にしても、サイトやパンフレットの表記が“別の世界線”になっていると、そこで否決されます。次のフレームで一気に洗い出してください。

【一気通貫チェックフレーム】

  1. 特定商取引法表記と契約書の突き合わせ

    • 役務内容、期間、支払方法、解約・クーリングオフの記載が一致しているか
    • ECカートの約款、申込フォームの注意書きも同じ内容か
  2. サービス紹介ページの“言い過ぎ”チェック

    • 「必ず」「絶対」「短期間で」などの表現が、返金ルールと矛盾していないか
    • 高額サブスクやオンライン講座で、実際の提供内容と価格バランスが説明されているか
  3. 店舗案内・運営会社情報の整合性

    • 登記簿謄本の住所・会社名・電話番号と一致しているか
    • 個人事業なのに法人名風の表記になっていないか
  4. 決済フローの説明有無

    • 「カード決済」「信販クレジット」の違いを顧客に分かる形で案内しているか
    • 分割回数、代金の回収タイミング、入金サイクルを誤解なく伝えているか

この3層(役務設計・契約ルール・情報公開)が揃って初めて、「書類を整えた」状態から「事業として信販が支えやすい」レベルに昇格します。信販加盟店審査が通らない状態から抜け出すには、書類を飾る前にビジネスの骨格を整えることが近道です。

信販がどうしても難しいケースで考えるべき「代替決済」とビジネスモデルの選択

「信販は通らない。でも高額サービスは売りたい。」ここで止まるか、一段ギアを上げて「決済設計」と「ビジネスモデル」を組み替えるかで、1年後の売上と信用度がまるで変わります。

カード・QR・キャッシュレス・ビジネスローン等、他の決済手段の現実的な組み合わせ方

信販がNGでも、決済の選択肢はまだ複数あります。要は「誰が立て替えるか」と「リスクを誰が負うか」の設計です。

決済手段 向いているケース メリット 主なリスク・限界
クレジットカード一括 20〜30万円前後の役務 導入が早い・代行会社も多い 高額・長期役務はチャージバックリスク
カード分割(カード会社の分割) 個人顧客中心・与信が通る層 事業者側の与信不要 高額・長期になると承認落ちが増える
QR・コード決済 来店型サロン・スクール キャッシュレス需要を拾える 高額決済には不向き、上限あり
口座振替サブスク 月額スクール・オンライン講座 継続課金と相性が良い 初期一括を取りにくい
ビジネスローン・事業者向け融資 BtoBのWeb制作等 顧客ではなく事業者が資金調達 借入として残る・審査時間
自社分割(分割請求) 顧客と信頼関係があるとき 信販なしでも分割販売可 未回収リスク・管理工数

ポイントは、「単独で何とかする」のではなく、上限金額やリスクに応じて組み合わせることです。

  • 20万以下のコース: カード一括+QR

  • 20万〜50万: カード分割+口座振替サブスク

  • BtoBの高額Web制作: 先方にビジネスローン・リースを案内しつつ、自社は一括入金を受ける形

私の視点で言いますと、一次情報ベースで見ると「カード一括だけで耐えようとして売上を取り逃している」Web制作会社やエステがかなり多い印象です。

「一括+自社分割」「オンライン+対面」など、運用でリスクを下げる発想

信販がない状態で分割を扱うなら、運用とルールでリスクを圧縮する発想が必須になります。

  • 一括+自社分割の設計例

    • 契約金の30〜50%はカード/振込で一括
    • 残額を3〜12回の自社分割
    • 中途解約時の精算ルールを契約書に明示(特定商取引法・クーリングオフも反映)
  • オンライン+対面の組み合わせ

    • 初回契約だけは対面(またはオンライン面談)で説明・署名
    • 以降の継続課金はオンライン決済・口座振替
    • 高額パッケージは「短期集中+低額サブスク」に分解し、未回収リスクを減らす

ここで効いてくるのが、先の章で触れた「役務の区切り方」です。半年・1年ぶっ通しのパッケージではなく、

  • 1〜2カ月の短期コース(成果物納品や施術回数を明確に)

  • その後のフォローは月額サブスク

に変えるだけで、クレーム時の精算もシンプルになり、未回収時のダメージも限定的になります。

信販加盟店にこだわりすぎないための検討フローと時間の使い方

信販審査に何カ月も張り付いた結果、「売るべきタイミング」を逃している事業も少なくありません。冷静に、次のフローで判断するとブレにくくなります。

  1. 現状整理(30分)

    • 平均単価・最高単価
    • 問い合わせの多い支払い方法
    • 直近のクレーム・返金トラブルの内容
  2. 信販の再挑戦余地を評価(1〜2時間)

    • 役務の期間を短縮できるか
    • サイト・特定商表記・契約書の修正で、公序良俗・特定商取引法リスクをどこまで下げられるか
    • 多重申請歴が残っていないか
  3. 「期限」を決めて動く

    • 例: 2カ月間は審査対策+再申請
    • 通らなければ、その段階で代替決済+ビジネスモデル変更に軸足を移す
  4. 代替決済の組み合わせを具体化(1日〜1週間)

    • 上の表を使い、自社の単価帯ごとに「第一候補・第二候補」を決める
    • 自社分割を使う場合は、回収・入金管理フローも同時に設計する

信販加盟店は確かに強力な武器ですが、「通らない」状態に固執すると、時間と信用情報だけが削られます。代替決済とビジネスモデルを戦略的に組み合わせることで、審査の結果に振り回されない売り方へシフトしていく発想が、長期的には最も安全で、財布の手残りも増えやすい構造になります。

執筆者紹介

主要領域は信販加盟店審査対策と高額役務の分割決済導入支援です。Web制作会社・エステ・スクール・オンライン講座事業者など多数の相談に日常的に対応し、信販会社・決済代行会社との折衝、申請書類・サイト表記・契約内容のチェック、役務設計・決済フローの再構成まで一気通貫で支援している編集チームが、加盟店側と信販側の双方の目線から実務に直結する情報だけを解説しています。