業務用エアコンのフロン回収費用は、1台あたり約20,000円〜35,000円(税込)が標準的な相場目安です。内訳は基本出張料(15,000円前後)、フロン回収作業費・破壊処理費(1,000円〜2,000円/kg)、工程管理票(マニフェスト)発行手数料で構成されます。
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業務用エアコン・機器のフロン回収費用相場と内訳
業務用の冷凍空調機器(店舗・オフィス用エアコンや業務用冷凍冷蔵庫)からフロンガスを回収する費用は、単一の作業代ではなく主に4つの費用要素で成り立っています。標準的な1台(5馬力程度)であれば、総額20,000円〜35,000円前後に収まるケースが多く見られます。
- 基本作業料(出張費・機材設営費):15,000円〜25,000円 / 1現場
- フロン回収・抜き取り作業料:8,000円〜20,000円 / 1台
- フロン破壊・再生処理費:1,000円〜2,000円 / 1kgあたり(ガス種・充填量により変動)
- 行程管理票(マニフェスト)発行・諸経費:3,000円〜5,000円 / 1回
【機器・能力別】フロン回収の費用相場比較表
機器の出力(馬力・冷却能力)や設置状況によって、充填されているフロンガスの重量(kg)が異なり、回収処理費が変化します。
| 対象機器・系統 | 出力目安(kW) | 概算充填量(kg) | 費用相場(税込目安) | 主な変動要素 |
|---|---|---|---|---|
| 店舗・オフィス用(小型:3〜5馬力) | 8.0 〜 14.0 kW | 2.0 〜 4.0 kg | 20,000円 〜 35,000円 / 台 | 標準設置・配管長短め |
| 店舗・オフィス用(中型:8〜10馬力) | 22.4 〜 28.0 kW | 5.0 〜 9.0 kg | 35,000円 〜 55,000円 / 台 | 冷媒充填量・設置階数 |
| ビル用マルチエアコン(大型系統) | 28.0 kW 〜 超 | 10.0 kg 〜 超 | 50,000円 〜 100,000円 / 系統 | 系統内の室外機台数・配管長 |
| 業務用冷凍冷蔵ショーケース | 用途により異なる | 1.5 〜 5.0 kg | 25,000円 〜 45,000円 / 台 | 冷媒の種類(R22/R410A等) |

フロン回収費用が変動する要因と割安に抑えるコツ
フロン回収作業の請求金額が相場より高くなるケースの多くは、設置環境や作業時間帯による「特殊作業加算」が原因です。
費用が上振れする主な要因(作業加算)
- 高所・屋上作業:クレーン車の手配や足場設営が必要な場合(+15,000円〜50,000円)
- 時間外・夜間対応:店舗営業時間外の深夜・早朝作業(基本工賃の25〜50%割増)
- 搬出困難・狭所:エレベーター無し階層での手降ろしや養生範囲の拡大(+5,000円〜15,000円)
- 長距離出張:郊外や事業所から離れた地域への出張費交通費実費(+3,000円〜10,000円)
同一現場で複数台をまとめて依頼する割引効果
複数台の機器を所有している場合、別々の施工日に分散させず一度にまとめてフロン回収を依頼すると、1現場あたりの基本出張料やセットアップ費が集約され、1台あたりの実質単価を15%〜30%程度下げられる場合があります。
| 依頼パターン | 基本料金(出張費) | 回収・処理作業費 | 台あたり実質単価(目安) |
|---|---|---|---|
| 1台のみ単独依頼 | 15,000円(満額) | 15,000円 | 約30,000円 / 台 |
| 同現場で3台同時依頼 | 15,000円(1回分のみ) | 45,000円(15,000円×3) | 約20,000円 / 台 |
電話口で「一式15,000円」と格安提示を受け契約したものの、作業当日に「高所作業費」「予定より冷媒量が多かった」などの理由で、事前告知なく30,000円以上上乗せされた事例があります。必ず事前の型番・設置状態の共有と追加料金の発生条件を書面で確認してください。
なお、機器の状態が良く再利用が見込める場合は、廃棄処理ではなく買取対応が可能なケースもあります。詳細は業務用エアコンの買取相場と高価買取の条件や産業廃棄物処理業者の選び方とマニフェスト対応をご参照ください。
フロン排出抑制法の罰則と書類保存義務
業務用エアコンや冷凍冷蔵設備(第一種特定製品)を破棄・撤去する際、フロン類を回収せずに大気放出することは法律で強く禁止されています。
環境省の公表資料によると、業務用冷凍空調機器の廃棄時フロン類回収率は推計で約44%にとどまっており、行政による監視・立ち入り検査が強化されています。フロンを回収せずに機器を未処理のまま解体業者や廃棄物処分業者へ引き渡した場合、行政指導を経ずに即時適用される直罰規定が整備されています。
- フロン類のみだり放出:1年以下の懲役又は50万円以下の罰金(第104条)
- 機器引き渡し時の行程管理票不交付・虚偽記載:50万円以下の罰金(第105条)
回収後に必ず確認・保管すべき書類(行程管理票・証明書)
一般社団法人日本冷凍空調設備工業会(JRECO)の運用ガイドラインに基づき、フロン回収完了時には以下の書類が発行されます。機器管理者(店舗オーナーや法人責任者)は、法律によりこれらの書類を3年間保存する義務を負います。
| 確認書類項目 | チェックすべき内容 | 保存義務期間 |
|---|---|---|
| 引渡証明書(行程管理票 E票など) | 回収作業日、引渡し者、登録業者名、登録番号 | 交付から3年間 |
| 回収量証明(破壊・再生証明) | 実際の冷媒回収重量(kg)、処理方法(破壊または再生) | 交付から3年間 |
| 建物解体時の事前確認結果説明書 | 第一種特定製品の有無、事前確認の実施日・担当者名 | 交付から3年間 |

地域ごとの費用差と見積書の「一式」表記を見抜くポイント
フロン回収費用は、施工業者の拠点からの距離や地域ごとの人件費・産業廃棄物処理コストにより差が生じます。
地域・エリアごとの費用傾向
- 東京・神奈川・大阪など都市部:移動効率は高いものの、パーキング費用や夜間作業指定に伴う諸経費が加算されやすい傾向。
- 地方・郊外エリア:業者の選択肢が限られる場合があり、現場までの長距離移動に伴う出張交通費が加算される場合がある。
「見積書一式」を適正化させるチェックリスト
見積書に「フロン回収工事 一式 50,000円」とだけ記載されている場合、何にいくら発生しているのか比較ができません。以下の項目に内訳を分解して再提示するよう交渉するのが有効です。
- 基本出張費:車両費・機材持ち込み費が含まれているか
- 回収作業技術料:何台分の料金か(単価×台数)
- 回収フロン処理費:1kgあたりの単価設定と想定重量
- 書類発行費:行程管理票(マニフェスト)の購入・発行代金が含まれているか
フロン回収から機器処分までの標準的な手順
実際のフロン回収作業は、適切な機材と手順を用いて安全に行われます。
作業当日の標準フロー
- 事前準備・電源確保:現場の安全確認、電源(三相200V等)の疎通確認。
- 回収機材の接続:マニホールドゲージ、回収用シリンダー、真空ポンプの接続。
- フロン液・ガス回収:回収機を作動させ、規定圧まで冷媒をボンベに引き出す。
- 回収量の計測:電子秤(スケール)を用いて回収重量(kg)を測定・写真撮影。
- 行程管理票の発行:回収量と作業者情報を明記した証明書を作成し、管理者に提示。
オイルセパレーター等の専用機材の役割
フロン回収作業では、冷媒中に混入しているコンプレッサーオイル(潤滑油)を取り除くため「オイルセパレーター」が使用されます。不純物を除去することで、回収したフロンガスの再生処理や高精度な破壊処理が可能となり、環境負荷を最小限に抑えます。
フロン回収費用の勘定科目とインボイス対応
法人が業務用エアコンの撤去・フロン回収を行った場合、経理処理上の勘定科目や消費税の取り扱いに留意が必要です。
推奨される勘定科目の使い分け
国税庁の案内や一般的な法務・税務会計の処理手順に基づき、以下のように区分するのが一般的です。
| 取引内容・目的 | 該当する勘定科目 | 会計処理のポイント |
|---|---|---|
| エアコン撤去に伴うフロン回収・破壊費 | 固定資産除却損 / 固定資産廃棄処分費 | 機器の除却処理に直接関連する費用として帳簿に計上 |
| フロン漏えい点検・ガス補充などの維持管理 | 修繕費 | 機器の効用維持のための経理処理 |
| ビル解体工事等に含まれる回収作業委託費 | 外注費 / 支払手数料 | 工事請負契約の内訳として計上 |
消費税区分とインボイス(適格請求書)のチェックポイント
フロン回収作業、運搬料、破壊処理手数料、行程管理票発行費は、いずれも国内における役務の提供に該当するため課税仕入れ(消費税10%)となります。
仕入税額控除を適用するためには、作業を依頼する第一種フロン類充填回収業者が「適格請求書発行事業者」の登録を行っているかを確認し、インボイス登録番号が記載された請求書・領収書を取得・保管してください。
家庭用エアコンやウォーターサーバーの回収費用比較
業務用機器以外の製品におけるフロン回収費用および処理方法の違いを整理します。
家庭用エアコン(家電リサイクル法対象)
家庭用エアコンは「家電リサイクル法」の対象製品であるため、フロン回収費用が単体で請求されることは通常ありません。処分時はリサイクル料金(990円/税込)と収集運搬料金(1,500円〜3,000円程度)を支払うことで、分解工場にてフロン回収とリサイクルが一体して行われます。取り外し工事が必要な場合は、別途取り外し工賃(5,000円〜10,000円)が発生します。
ウォーターサーバー・小型冷温水器
冷媒としてフロンガス(R134aなど数百g程度)を使用している小型のウォーターサーバーを廃棄する場合、業務用として第一種特定製品に該当するものと、メーカー回収プログラムで処理するものに分かれます。専門業者に委託する場合の費用は、基本出張料+作業費で1台あたり10,000円〜20,000円程度が相場となります。
【まとめ】フロン回収を適正価格で安全に進めるためのQ&A
Q1. フロン回収だけを専門業者に頼み、撤去工事は別の解体業者に任せても大丈夫ですか?
法令上問題ありません。むしろフロン回収の専門業者(第一種フロン類充填回収業者)に直接依頼することで、中間マージンをカットして費用を抑えられるケースが多いです。回収後に交付される「引渡証明書」の控えを解体業者へ提出してください。
Q2. エアコンが故障して動きませんが、フロン回収はできますか?
エアコン本体が故障して動作しない場合でも、外部の専用フロン回収機と真空ポンプを使用してガスを吸い出すため、問題なく回収作業を行えます。ただし、配管からの漏えい等によりすでにガスが全量抜けている場合でも、作業手順(漏えい確認・引渡証明書の発行)が発生するため基本出張費・作業手数料は発生します。
一次情報・公的機関出典・参考リンク
- 環境省:フロン排出抑制法(概要・条文解説)
- 環境省:令和4年度フロン類回収量等集計結果(報道発表)
- 一般社団法人日本冷凍空調設備工業会(JRECO):フロン類回収行程管理制度
- 国立環境研究所:環境展望台 フロン類回収・破壊処理関連情報
- 国税庁:タックスエンジニアリング・修繕費と固定資産の判定
📚 参考・出典(編集部が確認した一次ソース)
- nies.go.jp (tenbou.nies.go.jp)
- env.go.jp (env.go.jp)
- meti.go.jp (meti.go.jp)
- jreco.or.jp (jreco.or.jp)
- kankyokanri.or.jp (kankyokanri.or.jp)
- jarac.or.jp (jarac.or.jp)
※本記事の作成にあたり、上記の公開情報・一次ソースを確認しています。


